桜の森の満開のあとで
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2019/03/21 (木) ~ 2019/03/27 (水)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/03/26 (火) 15:00
価格2,500円
初演・再演とも観ているが、記憶力の衰えにより(爆)概略はともかく細部の記憶がとんでいるため割と新鮮な感覚で観る。(「あぁ、そうだった!」な部分もあり、全く忘れてしまった部分もある)
そして、「発見した」と思ったこと2つのうち、1つは初演・再演時とも感想に書いていたことにビックリ!(爆)
それにしても、「ある部分」が、以前観た時より現実味を帯びて感じてしまうのは恐ろしい。
また「入れ子構造」の使い方が本当に巧み。
降っただけで雨
埋れ木
シアター711(東京都)
2019/03/21 (木) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/23 (土)
3月23日、14時の【傘】と18時の【合羽】をマチソワ観劇。
街に出現する「怪人」に立ち向かう民間の個人ヒーローが引退を表明したことで広がる波紋……な物語は一見現実離れしているようだが「ヒーロー」を一般的な仕事に脳内変換すればサラリーマン経験者には何とまぁ身につまされること。
「やりたい仕事・するべき仕事」「仕事をする意義・理由」などのキーワードが浮かんでは消え、個人営業の工務店事務所のような装置と相俟って身近と言おうかリアルと言おうか。
また、2回ばかりメタ気味の台詞で笑わせるのも好み。
なお、警察の二人、【傘】は現場にもバリバリ出る実戦派、【合羽】は民間とのパイプ役を果たしている事務系、な真逆の印象だったのはダブルキャストの醍醐味? そしてもちろんどちらも「アリ」。
あと、場転時の独白、先に観た【傘】では傘に関するものがあったので【合羽】は違うのか?と半ば期待していたら同じだったのが残念と言えば残念。(笑)
あゆみ(長編)
劇団トキ
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2019/03/22 (金) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2019/03/24 (日) 13:30
まずは惜しかった点から。
例えば新幹線内の公衆電話、母子での買い物場面での買ったアイテムなどに小道具を使うため、そのセッティングに微かながら時間を取られる、また、演技エリアに誰もいない瞬間が少なからずある(せいぜい1秒程度とはいえ)ことにより、それらの累積も上演時間に加わり結局100分弱という今まで観た「あゆみ」で最長のランタイム(今まではだいたい80~90分に収まっていた)となり、さらに先述の要因により本来は流れるように滑らかな進行がブツ切り状態になり芝居が「蹴躓く」あるいは「咳込む」ような印象(もちろん比喩で演者が蹴躓いたり咳込んだりしたのではない:為念)となったのが残念。
また、終盤で山に登りながらの回想(一部は幻想?)部分に登っている当人が登場して本人を演じたり、あるいはその部分が演じられている時は演技エリアの外にいて全く視野にいなかったりするために、その回想/幻想が独立した印象になってしまうのも芝居の流れを分断する結果になって残念。
一方、戯曲自体は好きなものであるし、子供時代の表現が秀逸だったし、エピローグ前の演出も良かったので「それなりに」満足。
あと、フリーカンパ制の場合、ガラス瓶や箱、缶などに剥き出しの現金を入れさせるよりも、当日パンフレットに事務用封筒を添付しておいて、それに入れて渡すようにした方がスマートではないか?
少なくともσ(^-^) はその方が気が楽だ。
ELECTRIC GARDEN
楽園王
d-倉庫(東京都)
2019/03/19 (火) ~ 2019/03/21 (木)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/20 (水) 14:00
価格3,000円
5人の若者を殺したという男の独白に始まり「2つの世界」が交錯する物語はどこかつかみどころが希薄で、あたかも夢を見ているような感覚。長堀さんは「胡蝶之夢」がお好きと伺ったことがあり(ちなみにσ(^-^) も大好き)、本作はそれが顕著に出ているかも?
そして「胡蝶之夢」では「どちらが本当の世界だろうか?」と考えるところで終わっている(?)が、もしかして、そう考えている人物はその二つの世界を客観的に見ており、実はそのどちらの世界とも違う「第三の世界」に生きているのではないか?……なんてことも観ながら考えたのだった。
なお、開場して客席に入った途端、本来の客席エリアは4列くらいしかなく舞台上にも客席がある三方客席という使い方にビックリしたが、思い起こせば2005年上演時のムーブ町屋・ムーブホールでは演技エリアをイントレで囲み、「二階席」から見下ろすこともでき、さらに後半では一部がスライドするというダイナミックな客席だったワケで、それと較べれば至ってノーマルだな、と。(笑)
FIRE LIGHT
たすいち
劇場MOMO(東京都)
2019/03/20 (水) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/20 (水) 19:30
座席F列7番
価格3,500円
7年前の吉祥寺シアターより小さな会場となったことで内容も凝縮された感覚?……というか、当初は新宿シアター・ミラクルでの上演を想定して書かれたものだけに初期構想に近くなったと言うべきか。
「見たいものの幻想を見せる薬物」についつい頼ってしまう人の心の弱さ(とそれに溺れてしまうことの危険)を芯に据えたサスペンス。たすいちてサスペンスって珍しいのでは?
また、従来は「イヤなヤツ」「憎まれ役」程度しか出てきていなかったのに対して本作では狭義の「悪役」が出てきてこれもたすいち作品で珍しいのではないか?
そんなところにふとキャラメルボックスの「嵐になるまで待って」に通ずるモノを感じた。
前後するが、薬物に頼る人々の動機が切ないと言うかズルいと言うかで、そこんとこも上手いやね。
なお、部分部分が煤けているような装置の汚しも4年前の大火をイメージさせていかにも「舞台美術」らしくてイイ。
キャンパーズ シークレット
Oi-SCALE
サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)
2019/03/19 (火) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/19 (火) 19:30
価格4,000円
いつもの「真冬の良く晴れた日の午前2時」を思わせる澄んでいてそれでいて張りつめた空気感ではなくちょうど今の時期の遅い夜のような少し冷えるがだいぶ穏やかになってきた感覚で進行しつつ、終盤でOi-SCALEらしさが全開に。タマらん♪
大半を占めるキャンプ場での会話スケッチ集的な部分はそのリアルな舞台美術(キャンプ用品は林さんの私物だそうで)も相俟ってまるで本当の会話をすぐ横で見聞しているようだが気分はあくまで傍観者。
が、終盤のある時点で風太の心情を我が事のように感じられて一気に劇中に引きずり込まれる……と言うか、もしかすると自分が風太としてあのキャンプ場の夜にいたかも知れない、と思ってしまうのはある意味メタ?(以下ネタバレBOXへ)
『熱狂』『あの記憶の記録』
劇団チョコレートケーキ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2017/12/07 (木) ~ 2017/12/19 (火)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/12/19 (火) 18:00
座席G列17番
価格3,500円
【あの記憶の記録】
過去の2回は会場サイズからその場に居合わせているような臨場感があったがこの規模になると……などと油断していたらやはり「地獄」の情景にどっぶりレベルで引き込まれる。 加えてその後の親子・先生の会話が今の日本に当てはまるようでズシリ。
観ながら「忘れてはいけない、忘れたふりをするのはもっといけない」「過去の失敗を覚えていない国の将来は暗いよ(←大意:記憶が不確か)」という井上ひさし「闇に咲く花」の台詞がよみがえったりも
椅子を遺体に見立てての「状況再現」もけっこう響いたし……そんなところも含めて「劇場版」と言えよう。
戦争の体験を語ることのできる人が減ってゆく中、代わりに文学や演劇などで「語る人を描く」ことも有効・有用なのではないか?とも考えた。
山の中、みたらし
おにぎり、ください
RAFT(東京都)
2019/03/16 (土) ~ 2019/03/18 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/18 (月) 15:00
価格2,300円
小学生時代に埋めたタイムカプセルを開ける約束の日、中を見られたくない井浪は何時間か早く来て先に掘り出すが、何故か牧原も早く来ていて……という出だしからワン・シチュエーションのオーソドックスな二人芝居と思いきや、終盤で複数の意味でぶわっと広がる「熊手構造」。
「どこにつながるの?」と思っていた回想場面や何やら隠し事をごまかしているような牧原の言動、会話に出てきた好きな映画のタイトルなどを伏線としてファンタジー要素も加えた怒涛の展開(笑)となる終盤にホント、ヤラれた。(笑)
それにしてもここのところ二人芝居が多いな。今年前半の小劇場のトレンドは二人芝居かもなぁ。(半ば真顔)
NAGISA 巨乳ハンター/あたらしい「Lady」
サムゴーギャットモンテイプ
RAFT(東京都)
2017/08/23 (水) ~ 2017/08/27 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/08/25 (金) 14:00
価格1,800円
どことなく枝雀師一門のENGLISH RAKUGOを想起させる「あたらしい「Lady」」、冒頭からおバカ丸出しながら「あのテの話」のセオリーを踏襲しさらに「そんなネタ」まで絡ませた「NAGISA 巨乳ハンター」、タイプは異なれどいずれも「観終わって何も残らないが観ている間は非常に愉しい」「おバカ大行進」な内容で、良心的(?)な値段と共に絶賛に値する……というのはさすがに言いすぎだな。(爆)
この素晴らしき世界
しゅうくりー夢
ザ・ポケット(東京都)
2019/03/13 (水) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/03/14 (木) 14:00
座席C列6番
価格3,800円
2014年2月の「かやくごはんと煮っころがし」以来5年ぶりに観る本作はしゅうくりー夢の2本柱の太い方(私見)であるハードボイルド系クライムサスペンス。(ちなみにもう1本の柱は「ハートウォーミングもの」)
よく練られたストーリーとその語り口、キャラクター設定ならびに人物造形、特徴的な照明効果を含む演出などどれをとっても丸ごと「This is しゅうくりー夢」な感覚で「あー、これこれ!」と懐かしさもあり頬が弛む。
当日パンフレットの松田主宰の文にもあるようにいろんな意味での「いたい」部分もありつつ(特に「耳」はイヤだなぁ)、大変満足。
来年の次回公演(バックステージコメディ?)も行くことになりそうだ。
しかしその次回公演予告での「アレ」、一定以上の世代じゃないとワカらないんじゃないか?(笑)
あ、でもしゅうくりー夢の客層なら大半はオッケーか。(爆)
なお、「初めて見る方に」が「どちらともいえない」のは「いたい」場面ゆえ。
見よ、飛行機の高く飛べるを
ことのはbox
中目黒キンケロ・シアター(東京都)
2019/03/13 (水) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/15 (金) 13:30
座席H列4番
価格4,500円
作品そのものに関しては前年公演時の「観てきた!」に記したのでここでは今回気付いたことなどを。
まず、前年に初江を演じた廣瀬響乃さんが延ぶを演じ、初江は新たに小野寺ずるさんが演じたことで印象がだいぶ異なったこと。
今年の延ぶはトンガっているというか、自分の想いにひたすら最短コースで向かうというか猪突猛進な感じで、これもアリだな、と。
また、前年に感じた朝ドラ感に加えて「一種の学園青春もの」なのだなぁ、と改めて。志と挫折や友情・恋心などが描かれているんだもの。
なので時折リーチェの「オギヨディオラ」が脳内に浮かんだり。(ワカるヤツだけワカでばイイ案件)
それと、青田先生を筆頭とした「当時の男性」の考え方が何か最近の話題に通ずると思っていたが、それは「液体ミルク批判」。
液体ミルクで育児の手間を省くのは愛情の欠如だなどと批判する輩どもは本作の頃の旧態依然とした思考力のまま進歩していないのではないか?みたいな。
あと、前年のシアターグリーン BOX in BOX THEATER と較べて大きな空間となったことで音の反響が大きくなり早口の台詞が聞き取りにくく残念というのは他の方のご指摘の通り。これ、明日からでも改善できないものか?
「すがれる」2012/2017
鳥公園
こまばアゴラ劇場(東京都)
2017/07/06 (木) ~ 2017/07/12 (水)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/07/07 (金) 19:30
価格3,000円
通い慣れた道なので油断していたらどこかで曲がり間違えて「ここ、何処?」であったり、一見普通なのにどこかパースが狂っている騙し絵だったり、な感覚に似た不思議世界。いつの間にかあれこれが変容している夢の中にも似ているか?
そんな感覚の鳥公園の作品って「ある種のファンタジー」あるいは「ファンタジーの変奏」と言えるかも。
しかし2012年に観ているのに「あ、これこれ」感がなかったということはだいぶ改変したのか?
2012年の横浜の会場のサイズでは今日のあの水音は客全員に届かないだろうし。
別役実「正午の伝説」フェスティバル
die pratze
d-倉庫(東京都)
2017/04/25 (火) ~ 2017/05/09 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/05/07 (日) 19:00
【劇団820製作所/激弾ショット】
劇団820製作所戯曲の、「白い舞台」の表現方法によって暗示するものを明確化したこと、暗転なしの場転で様式美のような味を出したこと、最後に「ある歌」を使ったことで印象付けた。ここもオーソドックスというかお手本のようでワカり易い。
激弾ショットは冒頭、ビニール傘、照明、「女」の立ち位置によって赤い色と日の丸を強調。
こちらもオーソドックス系で全体の〆に相応しい組合せ……ってことは、全10団体の組合せと上演順、完璧じゃないか? いやぁ、面白かった。
最後を飾った2団体はオーソドックスな演出に加えて日の丸を「見せる」のが共通か?
で、最初の団体から観ている中で気付かされたところなどもあって、それがこういう企画の良いところでもあろう。
皇宮陰陽師アノハ
レティクル東京座
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2017/09/27 (水) ~ 2017/10/02 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/09/28 (木) 19:00
価格3,500円
【team白】
クライマックスのたたみかけはテンポもあってイイのだが、いくつか唐突/性急に感じられる行動がある。σ(^-^)の中にはそこまでするに足るほどネジが巻かれていなかったんだろう。
また、中盤に流れが滞る印象が無きにしも非ず。終盤の行動の原動力の蓄積と中盤のテンポアップは二律背反だけれども。
一方、冒頭部分、タイトルまでは完璧? 「説明台詞撲滅セオリー」を使いこなし、亡命してきたウシオに教える形で作品世界のあれこれを観客に理解させるのはテンポの良さも相俟ってお見事。ま、ここのテンポの良さが印象に残り、その分、中盤が割を喰ったのかもなぁ。
なお、謎多き野ばらの「中身」を描いたスピンオフを熱望!
そんな野ばらの設定にM.C.エッシャーの「婚姻の絆」を連想したりも。(神様級の漫画家のある作品も)
皇宮陰陽師アノハ
レティクル東京座
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2017/09/27 (水) ~ 2017/10/02 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/09/27 (水) 19:00
座席F列14番
価格3,500円
【team黒】
実際の劇中設定はともかく、洋の東西を問わず中世の国盗り合戦を思わせる物語ゆえ前作のアメリカン・コミックス日本版のようなライトな感覚に対して本作はビター/ダーク系か。「非情」とか「重厚」とかの単語がチラつくような?
お馴染みの白塗りもキメが細かい印象でその上に施したメイクと共に完成度がアップした気も。
そうして、マンガやアニメを舞台化した所謂2.5次元の逆で、芝居でありながらマンガやアニメの味わいを持たせた「逆2.5次元」ではないか?とも。
ところでレティクル東京座の公演を観る度に思うが、巧みな「温故知新」だよね。物語の基礎的な部分はオーソドックスと言うか基本に忠実と言うか、昔からあるものの組合せ(たとえば今回は時代劇の当主/家督争いやアーサー王物語、ひいてはシェイクスピアの史劇など)で、それを多彩なアイデアによってイマ風に仕上げている感じ。
非常の階段
アマヤドリ
シアター風姿花伝(東京都)
2017/06/08 (木) ~ 2017/06/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/06/08 (木) 19:30
フリーパス(5000円)の恩恵に与り8日19時半(初日)、12日14時、15日14時、18日14時(千穐楽)の4回観劇。
【8日19時半】
アマヤドリ作品としては静的な部類に入る。フト気付けば大きな出来事は殆ど起こらず自然と快方に向かう、みたいな?
で、今回は特に家族パートが印象的に思えたのは宮崎雄真さんの演技に「大人としての説得力」を感じたからか?
吉祥寺シアターや東京芸術劇場など大きめの劇場での公演の時に近いムーブメントを風姿花伝で演ったのにも舌を巻いた。客席まで振動が伝わるし(笑)。
3つのパートの関連性が普段と較べて薄いようにも感じたので2回目以降はそのあたりを読み解こうと思う。
【12日14時】
初日に感じた違和の理由や自分の受け取り方の分析、さらにはある人物の行動の解釈もできた。この「あ、そうか!」感はフリーパスの恩恵♪
終盤、報告書を読み上げる形で語られる「内部の関係性」によって詐欺グループについて共感できないどころか理解すらできなかったのは、そういう特殊な関係性の集団に属したことがないのでピンとこなかったのではないか、と気付く。
そんな関係性とは対照的どころか真逆のつながりをもつ「家族」という二つの集団が一つ屋根の下に同居しており、ナイトはその異質の二集団の唯一の接点であるために「歪み」のようなものが蓄積してしまったのではないか?とも……。
そしてそのような水と油のような集団ゆえ両者の関係性が希薄に感じられるもの当然か?と初日に感じたことを分析したりも。それが正解かどうかはともかくとして、ってか、フリーパスの恩恵に与りあと2回予約しているので、そのあたりの検証もしようかと。
【18日14時】
終盤、というかラストで2ヶ所「お、ためるねぇ(肯定的)」と思ったら案の定長くなっていた、そして芝居としての「彫りが深くなった」感じ。
上手側に座って初めて気付いた点があり、それどころか主題にもやっと気付くことができてフリーパスのありがたさひしひし。
前回「関係性の真逆な2つの集団が一つ屋根の下で同居」までたどり着きながらもそこまでだったが、各集団の中に様々な「人としてのつながり」があることに気付けたのがこの日の収穫。
各人の心にヒートンが付いていて、そこに両端がフックになっているロープ、紐、糸など様々な太さのものが引っ掛かったり外れたり、時には真ん中で切れたり……なんてイメージも浮かんだのだった。
【勝手にキャッチコピー】それは、人と人との、関係性のものがたり
morning sun 晩夏/初春
第27班
テアトルBONBON(東京都)
2017/05/10 (水) ~ 2017/05/14 (日)公演終了
満足度★★★★
11日19時:初春編
終盤で「そうそう、初演も最後に朝陽が 見えたな」と思い出した「(そんなにツラい夜どはないけれど)やはり明けない夜はないね」な青春群像劇。
いや、「そんなにツラい夜ではない」と思ったのは傍観者の立場であり、青春時代の真ん中で道に迷っているばかりのあの若者たちにとってはそれなりにツラい夜なのか?
しかし今回はあの会場ゆえ数ヶ所を「同居させる」ことを可能ならしめた舞台美術、初演は北池袋・新生館シアターですぜ。せいぜい手前と奥くらいで切り替えるくらいの表現しかできない小さな小屋であの物語を見せたんだから、それもスゴい。
12日14時:晩夏編
事前に見かけた他の方の感想からの先入観もあってかベーシックに感じた(初演メンバーが同じ役だったと後から伺ったのでアタリ?)。
「あ、そこはそうなるんだ」などいくつかの設定の違いにも気付いたし、前夜と続けて観て正解♪
AMERICA
大統領師匠
シアターシャイン(東京都)
2019/03/06 (水) ~ 2019/03/10 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/06 (水) 19:30
価格3,000円
出演者の多くが今回初で、演出も外部の熊坂さん(※)ということで、あれこれ新鮮……でありながらも「そうくるか!」な意外な発想はやはり大統領師匠の真髄?
内容も一般的(?)なコント(あるいはショートコメディ)にとどまらず、サスペンス風味、ホラー風味、アクション風味など多彩で、そんな10編を比較的おとなしく長目のものから始めて次第に触れ幅が大きくなりテンポもアップしてゆく(後半の方が1本あたりの時間が短いのでは?)構成も鮮やか。
さて、今回の新趣向を経て次回はどうなるのか、早くも期待♪
※ 中田さんご自身の演出だったら上演しなかったであろうものもあったとか
歪な球体における夢の再生
劇団Bケイカク
荻窪小劇場(東京都)
2019/03/05 (火) ~ 2019/03/10 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2019/03/07 (木) 14:00
価格4,000円
劇団Bケイカク「歪な球体における夢の再生」、
リアルでシリアスな従来とは異なるポップでベタ(笑)でファンタジックなテイストで描くネクラ少女の夢の中。
いろいろな世界・場を巡ることに宮沢賢治「銀河鉄道の夜」、劇団四季「ドリーミング」を連想したし、全体の味わいに子供の頃に読んだ絵本あるいは児童文学を想起。また、ダーク気味なところはティム・バートン風か?
結末は性急でお約束っぽいが、そこに至るまでの雰囲気とおもちゃ箱をひっくり返したような賑やかさを愉しむ作品か?
先述の作品(等)の1つでもお好きなら愉しめるのではなかろうか?
登場するさまざまなキャラクター(とその衣装)や最終場での「あの効果」もイイ。
新宿コントレックスVol.21
Aga-risk Entertainment
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/11/26 (月) ~ 2018/11/27 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/11/27 (火) 14:30
価格2,000円
劇団中馬式「主体的な学び」
出オチ的ビジュアル&「んなムチャな」状況からの「なワケねーだろ!」な展開はいかにもコント。が、出だしのインパクトが強烈過ぎて最後が弱く感じてしまうのが惜しい。
東京にこにこちゃん「魔女狩ララバイ」
コントの皮を被った諷刺劇? 最初は躊躇していても次第にのめり込んでゆく人間心理を面白可笑しく描いてなかなかに見事。
劇団ガバメンツ「モノケイン」
「半透明な」人間ではなく「半分が透明な」人間という「半透明人間」の発想とその舞台上での表現は大変素晴らしいが、芝居としての内容がそれに及ばなかった(私見)憾みアリ。
アガリスクエンターテイメント「私の父の軽トラが」「賽の河原」
タイプの異なる2編だがいずれも「いかにもアガリスクらしい」と感じさせるのは幹事と言おうか主催者と言おうか、そういう立場で毎回作品創り(時には再演?)を重ねて培われたチカラか?お見事!