満足度★★★★
二部構成でお得な舞台でした。
前半、おかえりはドリフ風の喜劇で面白かったです。家族の暖かい空気感が良く出ていたと思います。
ネタバレBOX
生前葬を巡る話でありながら、ほのぼのとできて不思議な感じでした。山川のアフリカ帰りが思わぬ伏線になっていて驚きました。最後にスッキリして気持ち良かったです。演出も、無理なく動線が引かれ、阿部家の間取りがよく分かりました。祐一郎と洋子がすれ違う動きに矛盾がなく、息も良く合っていて、素晴らしかったです。
演技ではリサが目立ちましたが、祐一郎ののんびりした人柄が良かったと思います。今時の草食系男子で表情を出さない分、リサが上手くフォローしていて、仲のいい兄弟だと思いました。智美の喪服ですが、スカートの裾にアイロンをかけたくてウズウズしました。裾上げ後は抑え直した方がキレイになります。
後半のギフトは、とても楽しかったです。マスターとプランナーの思いがすれ違う様子が良く出ていて、見ていてヤキモキしました。ちょっと無理矢理な展開もありましたが、佐藤の吹っ切れたお嬢様っぷりで上手く乗り越えたと思います。カバンとか頑張っていましたが、アクセサリーやネイルでお金持ちっぽさが出たら、もっと分かりやすい気がします。ただ、個人的には、智美には山川の方が将来性もあってオススメでした。残念です。
演出では完全暗転が多かったのですが、その間、転換も止まっていたようなので、もう少し短くても良かったと思います。終盤、テーブルから金具が落ちてびっくりしました。事故にならなくて良かったです。
演技では、東川役が良かったです。新人らしいとぼけっぷりや勘違いが面白く、本人の的外れな一生懸命さが伝わってきて微笑ましかったです。一番笑いを集めていました。特に、既婚者ですっと左手の指輪を見せつけるシーンがツボでした。今井役も落ち着いた雰囲気や行動が東川役と好対照で、バランスが良かったです。野口との相性も良さそうで、応援したい気持ちになりました。
指定席でしたが、最前列の通路脇がどちらも大柄な男性で、舞台が見えづらかったのが残念です。特に上手側の私の隣の男性は上演中も5分と落ち着かず動いていて、前屈みになるたびにソファ方向が全然見えなくなって困りました。自由席なら動けるのですが、指定席だったので、出来れば大柄な方は前方、中央は避けて配席して頂けると助かります。今回の方は、とにかくじっとしていなかったのでレアケースとは思いますが、ちょっと迷惑でした。
あと、帰りがけ、劇場前で車が通るのを避けるために、タバコの煙にまみれるのがイヤでした。せっかく楽しい気持ちで出てきて、電車にも乗るのに髪や服に臭いがつきそうで困ります。喫煙所を離すか、喫煙室を案内してもらえると助かります。
また、劇場前の道が狭くて車が通るのに、終演後に観客や役者が広がって立ち話をしていて邪魔になることもあります。昨日も道の逆側に客がいて、車がギリギリを通ったために喫煙所そばに避難する羽目になりました。劇場内での面会にすれば改善されると思います。
舞台そのものは楽しかったです。上演中でも席を動けるか、立ち見に変更出来るようにして貰えたら助かります。
満足度★★★
ヨカナーンが素晴らしかった
原作が大作なので、展開は安心して見られました。脚本としては、古典的な表現が多くて、世界観が良く伝わったと思います。ただ、所々、新しい言葉がありテンポが悪かったように感じました。
ネタバレBOX
演出では、狭い舞台を上手く使っていたと思います。役者が多く登場する場面でも狭さを感じませんでした。ただ、クライマックスのサロメの踊りのシーンは残念でした。照明と音響で凌いだようですが、物語の核となるシーンだったので、チャレンジして欲しかったです。
使用した曲は有名な曲が多く、親しみがある反面、曲自身の意味が強いので違和感があるものも多くありました。サロメの踊り以降は特に気になりました。あまり有名な曲は舞台に集中できませんし、イメージに合わないと疑問に思います。サロメはオペラや映画になっているので、イメージに合った曲があると思います。その他では、序盤の預言者の場面から劇的で、舞台の規模を考えると壮大な物語を上手く見せていたと思います。
演技ではヨカナーンが素晴らしかったです。女性が演じていることを敢えて隠さず、堂々としていて、預言者らしく迫力ある演技が好印象でした。ただ、衣装がワンピース風で座った時に覗けてしまうのが気になりました。マキシ丈にするかズボンをはいてくれた方が落ち着きます。
前半はリーリートが、後半はエロディアスが健闘しました。起伏の激しい表現が、古典っぽくて良かったです。サロメは頑張ったとは思いますが、やはり踊らなかったのが残念です。侍女を入れて誤魔化しながらでも挑戦して欲しかったです。せめて、肩や背中の開いた衣装にしてくれればサロメらしさがでたと思います。役者さんが美人タイプではなかったので踊りに期待してしまい、肩すかしでした。
エロドは声の調子が悪かったらしく、セリフが聞き取りづらいシーンがありました。イントネーションが違う単語もありましたが、サロメのような舞台では標準語の方が相応しいと思います。小さな兵士はチョロチョロ動くのが邪魔でした。舞台の空気感を壊し、現代喜劇のように動くので、目障りでした。舞台
の中心から外れている時はじっとしていて欲しいです。途中でエロドに切り捨てられそうなほど動くのは頂けません。空気を読んで欲しい場面が多々ありました。リーリートは、終盤、侍女3人で並んた時に内股なのが気になりました。
大作に挑戦し、工夫して表現する姿勢には好感が持てます。今後の活躍に期待します。
満足度★★★
秩序
2011年に結成された、桜美林大学出身のダンサー8人の舞踊団。モダンでもコンテンポラリーでもなく、やや原始的な身体表現が多かったです。
ネタバレBOX
最初のダンスは圧巻で、これだけでしたら個人的に評価5です。感激しました。他は、私には全部同じ種類、テンポに思えて、段々緊張感に疲れてきてしまい、凄いなと思えても楽しめなかったのが残念でした。
最初のダンスについて。
音楽も無しにダダダダっと入ってきたのは、全裸と見紛うかのような、金色のピッチリとしたビキニ、パンツを身につけた9人。ビンタされたり、走ったり、抱きあったり、回ったりというそれぞれ違う動きが、機械の中の部品のように、規則正しく、絡み合いながら繰り返されていきます。
一定のリズムで、激しい繰り返しの中、音楽が入ってきて、そして、最後は少しずつタイミングがズレて、内容が変わっていく。凄くかっこ良かったです。
その次は、演劇のスローモーション練習と一緒で、一見止まってるかのように見えて少しずつ動いてるという内容でした。この後激しいものがくるなら緩急がついて分かるのですが、この後、最後のNo.20まで、似たようなテンポでした。
どのNo.も、最初は音楽無し、ゆっくりしたテンポで、時おり激しい動きを挟む、の共通点の連続でした。空手の型競技を見たことがありますが、音も含めてあんな感じのテンポと云えなくもないです。
タイトルは「崩壊」でしたが、全体的に繰り返しに感じた私にはほぼ「秩序」に見えました。多分、「ダンス」という枠組みから脱却したいのではないかなぁと思いました。全体的に、かっこつけは全く無く、ストイックな身体表現の姿勢が素敵な舞踊団でした。
客席の真面目な感じもまたストイックでした。
満足度★★★★★
サイコー
楽しかったです。
脚本・演出の宮本初さんがチラシなどで書いている文書が、結構支離滅裂で、突発的にポメラニアン!とか叫んだり、結論がぐるぐるしているとおり。。
ネタバレBOX
「今回はある意味まっとうに、けっこう邪道に、生活と死をテーマとしたギャグ演劇となりました」という言葉通り、曾祖父達、おばぁちゃん、母、娘、その娘の5代までの生活の一部分を、かなり頻繁に時系列を行ったり来たりしながら、垣間見ていきます。
そこに、人のリアルなぐだぐだした部分と、滑稽なギャグ、キャラクター個性が絶妙にたくさん混ぜられていて、フフフと笑わせられました。強い主張はないけど、ふわりと考えさせられるような。熱く心を掴むのとは違う感じに、少しずつくせになりそうな公演でした。
舞台美術、小道具、チラシが、さりげなくセンスがありました。舞台美術は、円柱の柱5本ある中、最初はベッドの実物が中央に置いてあり、側には窓枠が。エピローグでは、台所の実物が運び込まれます。全てが実物かと思いきや、タクシーとレンタカーと新幹線は、ベニヤ板に絵を描いたイラスト(しかも上手い)で、使い分けが上手かったです。アフターパンフレットは、役名だけでなく、なんと、一人ずつ公演時の姿の写真入りの人物紹介で至れり尽くせりでした。
役者では、お母さん(タカハシカナコさん)がギャグが上手くて、何度も笑わせられました。アイドルを目指す看護婦さん(小野寺ずるさん)が、身体の動きのキレが一番ありました。細いエリートで真面目なお父さん(前田昂一さん)も、優しそうな性格がよく出ていました。
娘さん(鈴木アメリさん)は、衣装が似合って可愛らしく、東京暮らしの時のダメな感じ、先輩へのなつき具合のギャップが面白かったです。他にも死神とか、巨乳軍曹とか、あとギャグを一手に引き受ける人とか、個性的なキャラクターが登場しました。
臨終を迎えるおばぁちゃんにもまさかの過去があったこと、お母さんの様子、娘さんの人生、その更に娘の人生(2040年日本戦争中)、その5代における流れを細かなギャグに紛れて見たあとは、自分と家族の人生についてふと興味をもつことになると思います。
満足度★★★
3000円のレベル
老若男女で組んで、身体張って一所懸命に取り組んでいるのが微笑ましく、そこには好感を持ち、応援したい気持ちで一杯でした。
しかし、3000円というお金をとって演る内容として考えると、正直にいってとてもレベルが満たされておらず、更に内輪受けで一般人向けではありませんでした。アニメマニアが集まる場所やイベントでのショーでなら、ドッカンドッカン受けるかもしれません。とにかく元気の良さは伝わってきました。
ネタバレBOX
2003年に発売されたゲームソフト「OVER THE MONOCHROME RAINBOW」という、浜田省吾が勇者となり歌で異世界を救うというゲーム。その世界に再び現代人が入り込んでしまうという内容でした。が、全然ハマショー(のファン)ではなくちゃいけないカラミがなく、基本的にアニメキャラの物真似を連発していく内容でした。単純に「とあるゲームの世界で不思議体験」で良かったんしゃないかなと感じました。
幽遊白書、ドラゴンボール、ガンダム、ごくせん、ローラ、コナン、ガラスの仮面など、色んな物真似やシーン真似があり、結構似ていたりしました。ラーメンジロウの部分が好きでした。役者は、齋藤さんが突出して声優のような感じに、台詞まわしができていました。他は、レベルの差が激しいです。
舞台美術はなかったから良いとして、衣装と小道具が悪かったです。異世界が舞台なので、視覚効果も大事だと思います。お金をかけなくて良いから、演技を損なわないために、もう少し工夫してほしかったです。
なんだったら、蔵馬とかローラとかつきかげ先生とかゲームのキャラとか以外は、皆大体同じ色にするとかでも良いです。演技頑張ってるのに勿体ないと思いました。小道具は、あからさまに段ボールのままだったので、表面だけでもなんとかした方が良いと思います。
観客は、出演者の知り合いが主だから仕方ないとは思いましたが、2列めの右端(入り口側)の女性が、「ローラカワイー、あーん、ローラカワイー」など臆面もなくひっきりなしに一人言(声援)していたのには、「普通の劇団なら係の人がたしなめるけど、でもアットホームな劇団だろうし、最初の諸注意放送を、ウケ狙いでぐだぐだでやっちゃったからには注意できないかも」と諦めの境地でした。
満足度★★★★
素直に面白かった
物語自体は真面目なのだと思うのですが。
ネタバレBOX
登場人物の面白みでそうとう笑った。特に川浪竜也さんの悪魔らしくない気弱さと、田村知佳さんの天使らしくないあくどさのタッグが素晴らしい。物語は死んだ人たちが死神によって、どっちの世界に行くかを見極めるような内容でした。楽しかったです。有難う御座いました。
満足度★★★★
命に視点を置いた作品
地下に閉じ込められた18人の末路を描いた作品でした。
ネタバレBOX
政府からの救助にも見棄てられた18人の中には、徐々に良心を失って人間の本性をさらけ出し、殺し合い、強姦、脅しなど、ありとあらゆる悪行の成れの果てに生き残った主役が命の尊さを学んでいくといった物語でした。
こういった脚本は意外にも多く書かれてあって、斬新さはありませんでしたが、本自体は納得のいくものでした。ただ、役者の演技力に差がありすぎました。特にダンプ松本さんは練習不足のように感じました。
満足度★★
う、うん?
主旨は解るのですが、展開に無理が多いように感じました。
ネタバレBOX
まず、テーマにある「背中を取る」という表現がピンときませんでした。「背中を捉える」なら分かるのですが、これも相手が射程圏内に入っただけで、追いついたり抜いたりといったイメージがありません。「取られた背中を取り返す」という表現も、首位奪還の意味で使われているようですが、後ろ向きなイメージがありピンと来ません。また、主役がわかりづらく、誰の立場から全体を見るべきかが分からないのも理解が難しい一因だと思います。
国際的な企業競争を題材として物語を展開するのであれば、リサーチが足りない印象もあります。今時の大企業では、社長がボケても大概は役員層が何とかすると思います。新興企業ならともかく、古豪は確固たる地盤がありますので、社長一人で会社が揺らぐ様は中小企業みたいでした。また、大学生のお嬢様が悩むとしても家庭内レベルで、大会社の全容が把握できるとは思えません。不祥事の方がダメージが大きいと思います。
ゲーム会社買収の下りも良く分かりませんでした。有能な技術者が、自分の移籍を条件に会社の買い取りを迫るならともかく、移籍したくない技術者を脅して会社ごと買収する下りが冗長で分かりにくかったように思います。ゲーム会社の経営が危うい様子がはっきり出れば、分かりやすかったと思います。
アマテラスチップの発想や技術が盗まれる展開は良かったと思います。ただ、MOには違和感がありました。舞台上の見栄えを考えるのであれば、裸のMOよりUSBをケースに入れた方が真実味がある気がします。
序盤の通勤シーンでは、大手町辺りで通勤時に電車が空いているイメージがなく、現実味が乏しいと思いました。あと、個人的には丸の内の方がデキる感が強いです。フライパンの音は、もう少し小さいと助かります。耳が痛くなりました。
ゲーム会社の間取りは、社員と部長で動線が違う気がしました。引きこもりの商品テスターの家も不思議な間取りな気がします。細かい所ですが、舞台装置がないので、動きの矛盾で信憑性がなくなる気がします。
サニーの社員は、大企業勤めの設定なのに格好にだらしなさが目立ちました。パンツの丈がほぼ全員合っていないのは残念です。デキるビジネスマン感を出すなら、丈を合わせて靴を磨いた方がいいと思います。特に天野は裾を引きずっていたので、だらしなく見えました。
また、社員証の紐がだらしなく見えました。ワイシャツの襟下を通せば、ちゃんと見えると思います。象徴的に使われていたようですが、付け忘れが目立ったのも残念です。大企業とゲーム会社の社員証入れも、違う物にした方が格の違いを表現出来ると思います。OLのお化粧直しのシーンは、脂取り紙を使うとか髪をとかすとか、バリエーションがあると良いと思います。歯磨きもアリだと思います。
演技では、中途採用の悪者社員、部長、ゲーム会社社長、メガネ女子、もぐら、新入社員、外国人が良かったです。声が聞き取りやすかったです。ただ、台詞はほぼ全員が噛んでいて、テンポが悪いと思いました。外国人は西洋訛りに聞こえましたが、韓国訛りの方が合っている気がします。あと、子持ち主婦も健闘したと思います。お嬢様は、悩んでいるシーンが体調不良に見えました。思い悩んでいるというより、ぼーっとしているだけのようで、深刻さが伝わってきませんでした。
全体的に、設定が壮大な割に作りが甘い印象です。新しい家電の発想や技術開発は面白かったので、引きこもりや主婦に焦点を当てた話にした方が良かった気がします。
最後に新入社員がゲーム会社を退職するシーンは印象的でした。外国人のTシャツも面白かったです。舞台装置の丸枠も良かったと思います。
満足度★★★
不条理ものは難しいです
申し訳ないのですが、よくわかりませんでした。パンフレットからは、性別への考察を核に恋について展開するような印象でしたが、風呂敷を広げすぎて収集がついていないように感じました。
ネタバレBOX
恋も類型の提示に終わって深くは語られず、結果として性別への考察には至らなかったように思います。簡単に言えば、伝わるものが乏しく、可もなく、不可もない作品に思いました。演劇よりパフォーマンスに近いような気もします。
構成は、出会いから別れまでを描いているようでしたが、刺激的なシチュエーションの導入から、徐々に減速したのが残念でした。男女のセリフが入れ替わる場面で息を吹き返すものの、煙に巻いて終わる流れで、尻つぼみ感が残りました。
不条理劇でも、最後にパズルのピースがはまるような点があるといいのですが、バラバラなまま残ったピースがあるようで、居心地悪さがあります。結局、何が言いたいのかわからないのは、こういった点に問題があるような気がします。
劇場が狭く、間近に役者さんの演技を拝見出来たのは面白かったです。役者さんは出ずっぱりで、360度から見られる中で、通常の舞台とは違った演技を求められていたと思います。劇中、役が変わる場面も多々ありましたが、上手くこなせていたと思います。ただ、表情がみたい場面で見えないことも多くありました。全ての席から見える場が無く、作者が強く訴えたいポイントが分かりづらく、メリハリのなさを感じました。
衣装は没個性的で、本作に合っていたと思います。観劇した回では、役者の一人のパンツが裏表で、結構、気になりました。男女とも下着が透けていたり、ブラ紐が出ていたり、安全ピンが見え隠れするなど、工夫不足が感じられました。男性の上着は動きにくそうでした。観客との距離が近い作品で、素材が薄かったので、黒のタンクトップと短パンなど見えてもいいアンダーウェアを揃えてもいいと思います。女性のスカートのデザインは良かったです。
作品としては、若いというか、学生演劇から抜けきれていない印象がありました。今後の成長に期待します。スタッフワークはとても良かったです。気持ちよく観劇出来ました。
満足度★★★★★
幻想的演出
なるせゆうせいさんの演出が素晴らしかったです。不思議の国のアリスを彷彿とさせる作り方でファンタジーに溢れていました。ドンピシャ、大好物でした。
またセットの作りも素敵で登場するキャラクターや車など遊び心に溢れていました。もう一回観たい。
満足度★★★★
アーティストたちの競演
豪華出演者たちをみるだけでも価値のあった舞台だと思いました。幾重にも撒かれた伏線の謎解きを終盤で明かされるミステリーにワクワクしながら観る事が出来ました。
ネタバレBOX
幾重にも撒かれた伏線の謎解きを終盤で明かされるミステリーにワクワクしながら観る事が出来ました。そこそこ笑いもあって、ミステリーコメディのように楽しかったのは好みでした。
どんでん返しに次ぐどんでん返しの数々に最後まで飽きることなく観られましたが、館の主は亡霊だったようで、それなら、他の10人も亡霊だったのか?あるいは生きていたのか?が謎でした。
満足度★★★★
賑やかで楽しい舞台でした
子役が沢山出るので溌剌とした雰囲気がとても良かったです。
原作は有名な作品ですが、日本語訳の歌詞だったのが良かったと思います。
ネタバレBOX
演出は、階段の段差を生かした動きが良かったと思います。照明を有効に使い、場面変化がよく分かりました。物語の流れから暗い場面が多いのは仕方ないと思いますが、盗賊のアジトの場面でハンカチを用いたのは華やかで良かったと思います。
拝見した回は混合キャストによるものとのことですが、オリバー役は前半の子が健闘していたと思います。親友の孤児役は、歌と踊りは良かったですが、台詞回しに難があったように思います。孤児の集団の中の大人やダンサー6人のチームは、ダンスの切れが良く、素晴らしかったです。赤いドレスの女性は、最後のソロで声が枯れすぎていたのが残念でした。
舞台に多くの子役が出演し、客席にも子供が目立ちましたが、艶めかしい場面もあって、落ち着かない気持ちになりました。舞台背景から飲酒の場面は仕方ないとしても、子供向けであれば、序盤の葬儀屋の娘と彼氏の場面など、配慮が欲しかったです。
スタッフも子供が殆どで、難しいことが頼めず、困りました。特に、前の列に綿帽子のような帽子をかぶった女性がおり、開演ギリギリまで脱いでくれなかったので、ヤキモキしました。事前にスタッフから「開演中は外してほしい」と言ってもらえれば、開演後に外さない時に周りが声をかけることも出来るので、安心できたと思います。
子供スタッフと知り合いの親との雑談も聞き苦しかったです。子供だけでなく、劇場内に大人のスタッフも配置してほしいと思いました。
沢山の子供が一生懸命練習した様子が想像でき、大人のキャストがしっかり支えていて、微笑ましい舞台でした。
満足度★★★★
コント10本
前説の時の予告より伸びて、実際は1時間半越える感じです。
観客は若者ばかりで、しかもちょっとしたことでも、笑いとか悲鳴とか呟きとかで必ず賑わい、客の反応がめちゃくちゃ良かったです。
ネタは全体的にぬるめ。関西人には向かないと思います。
出演者は明るく優しそうな方々。下ネタは少々有り。
ネタバレBOX
①オープニング~卒業式~
全員が出場。
卒業式で、皆の言葉形式
で、所々バイオレンスな学校生活を吐露します。体育祭で3人亡くなったところと、修学旅行で中国人と入れ替わったところが面白かったです。
②不死身病
理不尽な医者とツッコミの患者の2人コント。
焦る患者と一緒にイラつくだけだったので、特に笑えませんでした。
いっそ2人ともボケ倒すとか、医者のボケの種類を「理不尽」以外も増やして欲しかったです。
③生まれ変わっても
これはしっかりオチがありました。
話し方が不自由な王子の話し方も面可笑しかったし、展開が盛り込まれていて、現代のコンビニでの万引き犯とのやり取りも面白かったです。
オチも綺麗に決まりました。
④タスマニアビチビチキャクブモドキ~その1~
出オチ系。名前から既に気持ち悪い、絶滅危惧種タスマニアビチビチキャクブモドキと、その解説者の2人コント。
華道の剣山のような嘴、パンストをかぶった頭部、腕が無い様子、とても気持ち悪くて、動く度に客のリアクションがありました。
⑤怖い話
5人で百物語をしているシチュエーション。
他のコントは短くサクサク進んできましたが、このコントにかなり時間を割いていました。1個だけ怖い話があります。オチは途中で読めましたが、オチがあったことが良かったです。
⑥最終問題
閑話休題的な短いもの。クイズ番組風。特に面白いことはなし。
⑦キモチワ類
2人コント。動物園の警備員が、夜間に園内に居たキモチワ類という芸能人を追い出そうとするのだけど、尽く気持ち悪い返しをされるという内容。
ちゃんと気持ち悪いキャラになっているのが凄いなと思いました。②不死身病と同様、マジギレする警備員と一緒にイライラするだけで終わりました。
⑧スケバンなな子
これは凄く良かったです。
スケバン中心に、全キャラクターに魅力あって、分かりやすく、オチまでの流れが綺麗にまとまっていました。
女番長なな子の、女子力もとい乙女を極める決意、悲哀、パンチ、かっこ良さがよく出ていて共感しました。子分(あかねでしたっけ?)の乙女力(花言葉とかくしゃみとか)と下っぱっぷりもお見事でした。
ディッシュ紙ふぶき(笑)
満足です。
⑨タスマニアビチビチキャクブモドキ~その2~
先程の2人が更なる解説をします。天敵が現れた時の、格闘技のあれこれを披露してくれます。
そう言えば恥ずかしながら公演が終わった時、名前の由来(脚部をビチビチ鳴らすから)に気付き、今更感半端なかったです。
⑩修学旅行
男子部屋の男子4人と生活指導の先生1人。
ギャル部屋行こうと色めき立ち、ふざけまくるアホな高校生(中学生)の感じがよく出ていました。テンポが良かったです。
満足度★★★★
芝居らしいお芝居
会話中心で、現実の日常のようにゆっくりと時間が経過していきます。
ネタバレBOX
ある日、「安田」が亡くなったという知らせが、元大学サークル「ネガポジ」仲間達に入る。死んだ理由が明かされないまま、30代で働き盛りな彼らは、それぞれ仕事をしたり、結婚式があったり、お酒を飲んだり、墓参りなどで、安田の話をする。安田の職場でも、新入社員らが安田の写真を見て話を聞いたりする。
会話の中で、部分的に、少しずつ表れてくる安田の生活、それぞれの交遊関係、恋愛関係。
「突然の喪失と、ゆっくりとした再生を描く物語」という謳い文句通りの内容でした。モノローグとかは基本的に無いです。出演者10人で2時間公演。
主役の春山(森木麻衣)さんは、やや融通のきかない、頑なで飾り気のない女性を演じていました。本当は恋を実らせてあげたかったです、リアルな感じなのが切ないです。高木(加藤朝飛)さんは、ローテーションぷりが、リアルだなと思いました。影がある感じでした。宇佐見(塩原啓太)さんと前田(荻山恭規)さんのコンビが上手でした。若林(鮎沢由祐)さんが、頼れる上司で、春山が羨ましくなりました。
BGMがあまり無い緊張感の中で、淡々と同じテンポで会話が繰り返されるので、半分くらいで集中力が切れてしまいました。でも、現実で知人の喪失と再生も、このくらいのテンポなのでしょう。しっとりとした散り桜の余韻に浸りました。
満足度★★★★★
イケメン達との距離が、近いです
単純でストレートに楽しめる舞台でした。
ネタバレBOX
最初のホストのような、六本木のクラブでのダンスは、左右2人が腕上がっていなくて疲れてるのかなと思いましたが、島に着いてから、衣装に個性がついてから、どんどん面白くなっていきました。
歌について。テーマソングの「熱帯男子」はマンボのように、あまりにシンプル。しかも全編を通してハモり無しのユニゾンで、ジャニーズっぽさはあるけどそんなに上手くは聞こえないのが勿体ないです。ハモりは、「思う~」の3文字、白鳥さんの一部分、最後のヒロインデュエットの1フレーズくらいだった気がします。
ただし、キャラクター紹介ソロが非常に良かったです!!!
ガテン系コンビの「ウッ!ハッ!」とか、ロマンチストとか、怪しい呪いとか、個性が凄く素敵てした。一番好きなシーンです。
ヒロインの岡本さんは、歌声がとても素敵でした。デュエットでは歌のお姉さんのように、しっかり声で皆をリードしています。ちょっと打算的な、やや積極的な今時の女性を、上手く演じていました。自称「頼まれたら断れない」はキャラクター本人が思ってるだけだなぁというところも、今時の女性でした。
ストーリーは、途中、島を出た凄腕のプロデューサーが、ヒロインの父なのではという予想を立てたのですが、見事に外れました。
笑いどころが多くてとても楽しい舞台でした。
満足度★★★★
20~29歳の10年間
を描いた作品。再演らしいですが私は初見でした。
ネタバレBOX
on7の「Butterflies in my stomach」を観てきたばかりだったので、それほどの斬新さは薄れてしまった感が。「Butterflies in my stomach」は7~77歳までの一人の女性を複数の女優で演じていましたが、こちらは20~29歳までの一人の女性を複数の女優で演じていました。
音大生だった20歳から、様々な挫折を味わい、彼との別れ、就職、不倫、そして音大生の頃の彼との復活を想定させるような終わり方で幕は閉じられていました。10年という歴史は、はやり重く切ない序曲でしたが、この後の30歳からも観てみたい気がしました。
あと男性バージョンも観てみたい。
好みが分かれそうな舞台ですが、演劇というよりリーディングに近い舞台だったような気がします。
満足度★★★★
てのひらに眠るプラネタリウム
幻想的で面白かったのですが、ちょっと分からない所もありました。
ネタバレBOX
母親の葬式に集まった兄弟が子供時代を懐かしむ流れは自然で、戦隊ヒーローごっこも面白かったです。葬儀社の面々が巻き込まれていくのも笑えました。同時に、子供の頃の次男が現れ、大人になった次男に母親との思い出を辿る様子が描かれ、母親と不仲なまま別れた後悔が昇華されていく様子が繊細に描かれていたと思います。
よく分からなかったのは、タイトルの「てのひらのプラネタリウム」が示される場面で、事故に遭った飼い猫と自分の血で汚れた手をプラネタリウムの星空のなぞらえていたことです。こじつけっぽくて、腑に落ちませんでした。大事な部分なので、もう少し丁寧に説明して欲しかったです。
演出では、抽象的な舞台を上手く使っていたと思います。アルバムをめくる場面など、人物の配置が良かったと思います。次男役の本人と子役が入れ替わる場面は、少し混乱しました。長男と三男が本人のまま子供時代を演じていたこともあり、解釈が難しかったです。
演技では、長男は調子の良さが出ていましたし、妻もしっかりした感じが良かったです。次男は声が籠もりがちで、台詞が聞きづらい時がありました。全体的に舞台っぽい台詞回しの役者さんが多いと思いましたが、少し際立っていました。
三男は、甘えん坊でワガママな感じが良かったです。子供時代との演じ分けも良かったです。お葬式や戦隊ヒーローの場面は役者さん同士の息が合っていて、面白かったです。お葬式のカラオケの選曲が良く、三男が遊ばれるのも笑えました。通りすがりの男も渋かったです。
世界観がしっかりしていて、劇団のカラーが良く出ていたように感じました。楽しかったです。
満足度★★★
上演時間2時間超えの大作
でしたが、返ってアラが見えてしまった気がします。
脚本は工夫が凝らされていましたが、凝り過ぎな感があります。まずは、劇団の力量に合わせて、簡略な作品を作り込んで行った方が良いように思いました。
ネタバレBOX
脚本の力だけではなく、総合的に舞台を作り上げて欲しいです。謎を幾重にも巡らせたいのは分かりますが、残念ながら演技が追いついていないように思いました。凝った作りにすれば上演時間が伸びてしまいますが、長時間、観客の興味を引きつけ続けるのは大変なことだと思います。
貴劇団の場合は、演技に課題が多いように思いました。本作に関しては、坂本龍馬絡みのエピソードが良かったので、夢魔や死神の話とは別で見たい気がします。観客の反応も、龍馬の正体が明かされた場面が最高だったと思います。
ただ、伊東が龍馬を切る場面では、明らかに三樹三郎の暴走が原因なのに、急に伊東が逆上したのに違和感がありました。それまでの冷静なキャラとは差が大きすぎな気がします。序盤から、シスコンの伏線があれば、すんなり納得出来たと思います。
演技は、上手な役者さんと下手な役者さんの差が大きく、バランスが悪かったと思います。本作では、主役クラスに魅了が乏しく脇が魅力的だったので、キャスティングミスもあると思います。
文はビジュアルで勝負するタイプではないのに、そこに触れないのが残念でした。女優さんなので酷だとは思いますが、芸人のNon Styleの井上に感じるのと類似の反感がありました。ルックスで勝負する世界にいるのであれば、本人も周囲もイジられる覚悟を持って欲しいです。
主役に反感を感じる舞台は、見る方も辛いです。伊東は台詞が聞き取れない場面が多々ありました。力が入ると噛むので、結果として大事な台詞が聞き取れませんでした。途中、大道具の障子がひっかかって閉まらなくなりましたが、昔は良くあることだと思います。大の男が直せず、半開きの障子の前で密談するのは違和感がありました。アドリブで切り抜けて欲しかったです。
佐那子は、演技は良かったのですが、立ち回りが踊りみたいでした。重心を下げて、動きの中の止めをしっかりすると良くなる気がします。輪違屋、勝、才谷は良かったです。ただ、梅枝は実力があるために、少し浮いて見えました。沖田は咳き込む演技が嘘っぽかったです。登場から、実は体が弱いんですアピールがあると良かったと思います。魔子は、終盤の長い場面では重々しく見えますが、序盤から一言、二言で存在感や重い感じを出すのは、見た目からも難しいと思います。台詞も棒読みに近い感じがありました。
夢子は健闘しましたが、獏助、獏雄は演技が悪く目立ちしました。少ない出番でアピールしたい気持ちは分かりますが、無駄な動きや違和感のある動きで舞台の空気を壊していたように思います。場の雰囲気を感じたり、主要な役を立てることも必要だと思います。
ダンスは、迫力はありましたが、練習不足が目立ちました。曲数を減らして、踊れるキャストに絞り込んだ方が良いと思います。特にAKBは口パクで踊っているのに、歌って踊る本家より下手な人が多く、新年会の出し物レベルでした。また、女の子向けの振りなので、センターは女性の方が良いと思います。他の曲も振りが入っていない人が多く、残念でした。踊るなら、最低でも振りは入れてほしいです。
大道具で障子が引っ掛かった後のフォローは、タイミングも完璧でした。立ち回りで時々音響がずれたのは残念です。
開場前、外は寒いし、ロビーは狭いので、もう少し早く階段に並ばせてくれた方が助かります。トランプの整理券は可愛くて良かったです。
厳しいことを書きましたが、面白い場面もありました。今後の健闘を祈ります。
満足度★★★★★
TEAM HAZARD 版を観劇
最後に誰か殺されてお涙頂戴で終わちゃうこともなく、裏切りもなく、意外にほのぼのしたところがあるのが良かったです。
気楽に楽しむのが良い感じです。
現実だったとしたらファルコンの負担が余りに大きすぎますね…ファルコンの有能っぷりはあまりに凄かったです。
ネタバレBOX
子供も来ていて、長老がスケベなところ以外は子供も恐がらず平気です。
バイオハザードの世界観の説明、昭明と音楽に期待が高まりました。
Tウィルスへの感染が拡大し、人間は死ななくなったがアンデッド(ゾンビ)と化し、記憶と理性を失ってしまう。その為生き残った人間はゾンビと見るや銃撃して身を守っている。
主人公は、体はアンデッド化したのに人間としての意識があるハンテッドであり、アンデッドと人間両方に襲われる存在。だがある日ハンテッドが集まり暮らしている「バイオハザードカフェ」に歓迎される。いつ誰がゾンビ化するかという不安の中、皆で無事ワクチンを開発することができるのか!?ついでに主人公の過去は一体?という大筋でした。
リーダーの中路さんはとてもリーダーらしく、仕事ぶりが論理的で優しくて素敵でした。タナカの韋駄天さんは、お笑い芸人を目指してる役で、小柄な体つきでぴょんぴょん跳ね回っていて元気があって良かったです。
スチールがカメラ小僧で常に皆の写真を撮っているので、もしもスパイとか記録係とかだったら嫌だなぁと思っていたけど、大丈夫でほっとしました。ミク役の佐久弥さんの歌がとても綺麗でした。ファルコンは、天才的ハッカーで機械工学にも精通していて、薬学の科学配列もわかって、本当に万能な学生で熱かったです。洋画でスイーパー役で出てくるような、アリスとカルロスのコンビもかっこ良かったです。
人語を介するパンダが出てくる意味が全く分からなかったけど、よく見張りを交代してくれる良いやつでした。パンダもハンデットなのでしょうか、信号機を確かめる云々の話をしていた時、パンダについてモヤモヤしました。
長老がアンデッド化したのは、主人公が心残りを取り除いたからだよなぁと思うと切なかったです。その調子で、父を失ったリーダー、再会を知ったマタニティ、ワクチンの謎を解いた先生とファルコンが、ほっとしたあまりアンデッド化するんじゃないかと心配しましたが、ハッピーエンドで良かったです。
満足度★★★★
リーディング
7~77歳までの女性の一生を描いた物語。
ネタバレBOX
ななこ17歳の、はじめて好きになった少年の死から、ももこ(ななこの娘)の誕生のまでの青年期を経て、特別な事は何もないけれど、人として、めくるめく年月の平凡な生きざまが素敵な舞台でした。