柏木れいの観てきた!クチコミ一覧

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ぬれぎぬ

ぬれぎぬ

アマヤドリ

シアター風姿花伝(東京都)

2014/04/01 (火) ~ 2014/04/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

大絶賛です!!!
いやーオモシロかった!手放しで絶賛です。

久しぶりに作り手の強い意志が感じられる誠実な舞台をみました。
誠実であり、主張もあり、且つ客の視点を忘れない素晴らしい舞台です。
熟考の末に書かれ演出され芝居となって客にきちんと届けられ、客が何か確かなものを持ち帰えることのできる舞台。

こういう舞台に出会えるから劇場へ通うのはやめられません。

チラシに挟まれていた「制作者募集」の案内にも、主宰の強い思いが感じられてたいへん好感がもてました。
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「ちょっと大変だけど良い結果を産むA」と、「効率的だけどちょっと劣る結果を産むB」みたいな選択肢を前にして、いつもAを選ばずにはいられない人と仕事をしたいと思います。
10年後に「ビッグ」になっているかのイメージよりも、目の前のクリエーションをわずかでも良くするイメージを持っている方と仕事をしたい。
ポジティヴに明るく次へ次へと進んでいけなくても問題ありません。
しつこく目の前の現実につまづいて、摩擦を恐れずにやりとりできる方と仕事をしたいと思います。
(アマヤドリ主宰 広田淳一さんの言葉からの抜粋)
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こんなことを言われたら一緒に仕事がしたくなってしまいます。
演劇に限らず、モノづくりに真摯に向き合い携わる人間であれば、こういう言葉にひびいてしまいます。

あと何回か観たいなあ。めずらしく大絶賛です。

ミハルの人魚

ミハルの人魚

X-QUEST

駅前劇場(東京都)

2013/08/17 (土) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

めちゃくちゃ面白かった~!
軽くないテーマやストーリーに観劇後の爽快感!スピード感ある展開がそう感じさせるのかもしれません。目にも耳にも頭にも楽しいX-QUESTさんですが今回もどこまでも面白かったです!ああ、もう一回観たい!!

なまず

なまず

metro

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2013/05/08 (水) ~ 2013/05/12 (日)公演終了

満足度★★★

初演時よりも美しい印象でした。
ものすごく、ものすごく楽しみにしていた舞台。

一昨年の「引き際」でも、震災直後にあそこまでふざけたことができる脚本に感動しましたが、昨年の「なまず」は、それをさらにグレードアップした感じで素晴らしいかったです。

重いテーマを重くやってどうするんだ、という天顔大介監督の姿勢がとても好きです。
ふざけて、茶化して、問題をしっかり提起して、ドギツイことを真正面からぶつけてくる。
時代の空気感をちゃんと読み取りながら「一歩早いのかもしれない」そのタイミングで、ギリギリの真実を投げつけてくる。
今だからこそ、その発言に意味がある、というものをちゃんと提示してくるあたり、観ていて嘘も欺瞞も諦めも無くてとても好感が持てるのです。

楽しいことも、夢みたいなことも、ちゃんと見ていたいけれど、でも、そういう色々を見つめる同じ視線で、変わってしまった世界も認めて受け入れないといけない、と思うのです。

そして世界が変われば文脈も変わり、同じことをしても、同じものを見ても、それ自体のもつ意味が変わってしまっている、
ということを理解した上で発信されるものにこそ心動かされるのだとおもいます。

天顔大介監督の視点は清々しいほどに真っ直ぐで気持ちいいです。
昨年とはまた変わった文脈のなかで、同じ演目をどう調理してくるのか、そこが今回の見どころでした。

そんな再演は、初演時の衝撃が強すぎたせいか、やけに上品にまとまり過ぎている印象で、若干の物足りなさの残るものでした。

冒頭に、初演時にはなかった講壇の形で世界観をみせるところは面白かったです。
他はほぼ初演時と同じ構成・演出。
全体には初演時の良い意味での小屋まるごとのゴチャゴチャ感が薄れて上品にまとまってしまった印象です。
劇中の舞踏が初演時の池田遼さんから舘形比呂一さんへ変わったことも、全体を上品で美しい印象に変えた大きな点かもしれません。

でも、あれはあれでいいのかな。

小屋も神楽坂die pratzeから芸術劇場シアターイーストへ変わったことだし。
客層も、あまり普段お芝居を観ないような雰囲気のご夫婦連れや舘形比呂一さんのファンのような方が多かったし。
「泥臭くて禍々しい世界」から「綺麗で絵空事のような世界」へ印象を変えたのは…だから故意なのかな。

とか、観劇してから1週間がたって思ったりしているのでした。

2013年という時代とのマッチングの問題でしょうか。
そこにまだ疑問が残るので、初演時のDVDを観て、また考えたいと思います。

ミュージカル「コーヒープリンス1号店」

ミュージカル「コーヒープリンス1号店」

ネルケプランニング

青山劇場(東京都)

2012/04/13 (金) ~ 2012/04/21 (土)公演終了

満足度★★★

真正面からのラブコメ!
中尾ミエさんが孫である山崎育三郎さんに秘密を語り歌へと展開するシーンの、女性として人としての深みや豊かさに感動しました。
圧倒的な表現力が、甘さやダレ気味なところも引き締めて、説得力を持たせてくれて素晴らしかったです。
高畑充希さんの純真な歌にも心揺さぶられました。
上島雪夫さんの演出・振り付けも期待通りで、気楽に楽しく堪能してきました。

We Love兄さん!!~ボクらの兄さん、イケてなくなくない?~

We Love兄さん!!~ボクらの兄さん、イケてなくなくない?~

る・ひまわり

ラフォーレミュージアム 原宿(東京都)

2012/04/03 (火) ~ 2012/04/10 (火)公演終了

満足度★★★★

いっぱい笑った!
お芝居を観たというよりは、小林健一さんと加藤啓さんのコントを観に行ったような舞台に終始笑いっぱなしでした。
お兄さんの悪友二人の演技が最初から最後まで芝居を牽引しているようで、劇場内の観客を引っ張る力のすごさに自然と引き込まれました。
あんなにハチャメチャな体裁なのに安心感があったのは、彼ら二人の存在も大きかったのだとおもいます。
とても面白い舞台でした。

ニジンスキー

ニジンスキー

ニッポン放送

天王洲 銀河劇場(東京都)

2012/04/01 (日) ~ 2012/04/08 (日)公演終了

満足度★★

とても静かな舞台でした。
音がないということではなく、心の声や情念がないということでもなく、激しいダンスがないということでもなく、ただそういったものが静かに通り過ぎていく様は、狂気さえもが美しく、悲しさが静かに満ちて、音もなく降り積もる雪のようでした。


【ご来場ありがとうございました!】死と再生とテクノに【次回本公演は6月です!】

【ご来場ありがとうございました!】死と再生とテクノに【次回本公演は6月です!】

ロ字ック

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/04/03 (火) ~ 2012/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★

おもちゃ箱みたいな舞台!
意地悪いってもムキになっても誰かを攻撃しちゃっても、自分の大事な心を必死に守ろうとしている女の子が可愛くて、そんな女の子の心模様がそのままつまった、ちょっぴり毒入りのおもちゃ箱みたいな舞台でした。
せまい空間に舞台も客席も物語も音楽も、様々な観客の過去あるいは現在進行形の人生までをも詰め込んでしまったような、辛苦さえもがその勢いにまぶしく感じられる1時間は濃密で、「こういうところで生きていた頃もあったな」と苦々しくも懐かしい気持ちになりました。
絵画的な印象を受けた今回のロ字ックさんの舞台。物語、そこに流れる女の子たちのメンタリティ、美術、音楽すべてに統一感があって、ひとつの世界を作り上げているところが面白かったです。
いろんな女の子の心はそれぞれまったく違うのだけれど、どの心、言葉も女の子なら誰もが内面にもっている或る一面であって、その同じだけれど微妙に違う繰り返し感がテクノっぽいのだと、観劇後しばらくしてから気づいたときに、タイトルの意味の重さにも気づきました。
とてもいい舞台でした。

御用牙

御用牙

RUP

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2009/03/20 (金) ~ 2009/03/29 (日)公演終了

満足度★★★

右京さま!素晴らしかったです!
中川晃教さんの独壇場といってもいいほど個性的なキャラクターを魅力的に演じていらして、とても輝いていらっしゃいました。所謂悪役でしたが、客席まで伝わる彼の苦悩や悲しさに、彼が登場するたびに気持ちがもっていかれるようでした。
アンサンブルの方の殺陣など素晴らしかったです。

裏YAGYU

裏YAGYU

Project JAX

座・高円寺1(東京都)

2012/04/11 (水) ~ 2012/04/15 (日)公演終了

満足度★★★

どこか歌舞伎っぽくもあり…
バレエ要素の多いダンスやアクションが時代ものに思いのほかマッチしていたことが印象深いです。舞台を見慣れない方にも肩の力を抜いて楽しめる丁寧な進行の作品だったとおもいます。いろいろな角度から楽しめるのではないかと。
舞台の内容そのものではないのですが、最後の舞台挨拶で千葉真一さんがサプライズでご登場されて「役者はほんとにみんなひもじい思いして頑張ってるんで、この若者たちをどうぞ応援してください」というようなことを頭さげて静かに話された言葉にとても感動しました。

鬼界ヶ森

鬼界ヶ森

劇団め組

吉祥寺シアター(東京都)

2012/03/29 (木) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★

大団円、ですね。
いつ観てもこちらの劇団の役者さんたちの動きの美しさには目を見張りますが、今回も本当に美しかったです。
淀君の生霊としての情念が鎮められることなく大団円を迎えたことには違和感を拭えませんでしたが、役者の方々の美しい演技には心の底から感動いたしました。
311から1年、どういう視点で何をどう語ろうとしているかのを見せていただきたいと思い、今回の舞台は観させていただきました。
社会や人の心の有り様の変化が著しい中での、虚構の世界の在り方というか、虚構の世界に生きる人々の心の有り様がどのような形で作品に描き出されているのだろう、と。
そんな視点からは、もう少し美しい絵空事としてではなく、いろいろな意味で切り込んでくれるともっと楽しめたと思います。
十二分に素敵な役者さんたちの演技に酔いしれたのですけれど。
次の本公演に期待したいと思います。

七人の白雪姫~同時上演 七人の桃太郎~【満員御礼の中、無事終演致しました!】

七人の白雪姫~同時上演 七人の桃太郎~【満員御礼の中、無事終演致しました!】

X-QUEST

吉祥寺シアター(東京都)

2012/03/23 (金) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

期待通り!期待以上の素晴らしさ!
お為ごかしの一切ない誠実な主張をエンターテイメントとして見せきる力技に感動しました。重すぎるテーマだから、あえて殺陣やダンスや様々なエンターテイメント的要素で薄めて、でも全体には芯の通った主張をブレることなく突きつけられる攻撃的な舞台には魂を揺さぶられました。

琴線にふれる舞台ってこういうのを言うんですね。観客として心地よく負けを認められる舞台でした。

3.11を境に世界が変わったことにも目を瞑ったままの作品を観せられることの多い中で、X-QUESTは期待通りやってくれました!
多くを語りすぎていないのに、真摯に受け止めて、自分たちの言葉や動きやストーリーで私たちの前にエンタメの形で提示してくれたことには心から感動しました。
押し付けがましくないのに、しっかりとメッセージとして伝わる。
ほんとうに素晴らしい舞台でした。






ネタバレBOX

仁美さん独白シーンは感動して涙とまりませんでした。
あんなに短いシーンなのに心を掴んでしまって涙まで流させてしまうだなんて、ほんとうに凄いです。お婆さんネタの笑いも面白いし、ほんとうに素敵な女優さんで大好きです。

「ザ・シェルター」「寿歌」2本立て公演

「ザ・シェルター」「寿歌」2本立て公演

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2012/03/02 (金) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★

面白かったのですが…。
いつもながら加藤健一さんんの説得力ある演技は素晴らしかったです。



ネタバレBOX

「ザ・シェルター」は閉所に閉じ込められた或る家族のはなしですが、なぜ核シェルターじゃなきゃダメなの?とか、コンピューターって補助の電源ぐらいあるでしょ?とか、携帯とか無線とか有線の電話とかとにかく連絡をとれる手段ぐらい考えて作られてるはずでしょ?とか、いろいろと些末なことが気になって、家族の会話に集中しずらかったです。古い脚本の再演ということなので、そのあたりは仕方ないのかもしれませんが、今を生きる私たちが観ても違和感のないように演出してくれていたら、もっと観やすかったと思います。「寿歌」でも言えることですが、当時の脚本をそのまま再演するということの意味がわかりずらく、311以降の演目として、もうすこし敏感に世の中の空気を感じて選ばれた演目であることを期待していたので、すこし残念でした。
あちこちとても面白かったですし、加藤健一さんの間合いにはいっぱい笑わせてもらったのですが。

「寿歌」については、ただただ生きている、というか死んでいる、というか、目的があろうがなかろうが、どこかへ行くしかないから歩くしかない、みたいな、前へ進む、それだけ、といったあたりが、時代の空気感とか些末なこと、大きな出来事をも超えて普遍的なんだと思えて面白かったです。
生きながらにして死んでいる人たち、死んでいることに気づけないままに彷徨う人たち、そういう人たちのどこへともなく進む姿を、ただリヤカーを引いて歩くことで、それ以上でもそれ以下でもないものとして表現しているあたり、面白いとおもえたのです。
ほんとうに大変なときに人はああいうふうになるのだろうな、と。悲壮感なく歩く人の姿にリアリティを感じました。

2本とも面白かったのですが、もうすこし踏み込んだ内容であって欲しかったというか、古い脚本の再演もいいのですが、今だからこそ、といったものを舞台の上から投げかけて欲しかったと思うのは、期待のしすぎでしょうか。

という上記感想に、「寿歌」は「市民の安全な生活が崩壊した世界(現在)における役者や戯曲家の営為(観客が亡者だけなのにそれでも上演を続ける座長)という点で今再演すべきと考えたのではないかと」という指摘をいただいて、今「寿歌」が再演された意味をそういう視点から再考してみましたら、すっきりと腑に落ちた気がしました。
ゲサクの生き様を演劇人、表現者としての在り方とみれば、なるほど、と思えます。表現者として今の世界へなにを発信できるのか、どういう姿勢で発信しつづけていくのか、ということなのだとおもいました。

そういう視点から、今この「寿歌」を上演した意味を考えると、加藤健一さんの気概のようなものが感じられる演目であったのだと、今更ながらに理解できたのでした。

新・七夕伝説「煌星★天女」

新・七夕伝説「煌星★天女」

WHATCOLOR

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2012/03/01 (木) ~ 2012/03/05 (月)公演終了

満足度

天女チームだよ!
フウリンちゃんが意地悪テイストを前面に出しているキャラだったら、もっと可愛かったと思います。レダちゃんは、スタイルがよくてびっくり。あのぐらいスタイルがいいと、とりあえず立っているだけでもなんとかなるのだぁと感動。
コウマオウの神田英樹さん、とっても魅力的でした。ゲーの岩田有民さんって、どうしてあんなにセリフも出番も少ないの!もっといっぱい見られると思っていたので残念。でも少ない登場にもかかわらず印象に残るのは流石でした。レムウの宮内洋さんもステキな役者さんでした。
殺陣を期待して観に行ったので、女の子たちのなんともお遊戯のような殺陣が少し淋しかったです。あ、可愛かったから、いいんですね。
レムウの好々爺ぶりがとっても好感でした。

ジレンマジレンマ

ジレンマジレンマ

ワンツーワークス

ザ・ポケット(東京都)

2012/03/03 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

ジレンマな感じ。
社会的に共通の大きな問題を抱えたその結果を個々に落とし込んだ時、それぞれには選択の瞬間があって、そこから各々自分のできる方向に進んでいったがために個々人の事情や立場で立ち位置が大きく違ってくるのだ、ということを突きつけられる厳しい内容の舞台でした。
結果や、どうすればいいのかという具体的な示唆はなかったものの、問題提起として、思考停止を許さない、という厳しさ、を感じたといいますか。
それを堅苦しくなく淡々とした会話で綴られていくので、しずかに言葉が心に積もっていくようでした。
冒頭シーンの役者さんたちの動きがパペットのようだったので、その後の舞台が箱庭のように感じられて、全体を俯瞰して見ているような、客観的視点を強調してくれているような、そんなところも観やすくて、舞台に、というよりは提示された問題に、気持ちが入り込みやすかったです。
スポットを浴びていない人たちの静止した存在にも、彼らの抱える物語(人生、問題)は続いているということを強く訴えかけられているようで、とても面白い演出に感じました。
面白かった、というのも語弊があるかもしれませんが、面白かったです。

狂おしき怠惰

狂おしき怠惰

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/29 (水)公演終了

満足度★★

長かったです。
1幕と2幕のあいだのスクリーンに字幕が映るところで、休憩を入れて欲しかったです。お化粧室にいきたくて辛かった。
さまざまな問題をあまり深く鋭く抉らないで表面的に描いていたのは、幅広い層にわかりやすい形にするため?エンターテイメントとして楽しめる範疇にとどめておくには仕方ないのかなとも思いましたが、もうすこし突っ込んだ鋭い視点と主張が欲しかったです。
男女の絡みが、意図的にそうしていたのかもしれませんが、とりあえず入れておいた感が拭えなくて、なんとも表層的で滑稽で、いまの男女関係をそういう形で捉えていてそこに問題があると言いたかったのかな、とか、悩んでしまいました。
製薬会社の社長の伯父役の方や、主人公の兄役の方、厚生省の方が、とても魅力的でした。

abc★赤坂ボーイズキャバレー Spin Off ~2回裏!~―喝!&勝つ!―

abc★赤坂ボーイズキャバレー Spin Off ~2回裏!~―喝!&勝つ!―

K Dash Stage

博品館劇場(東京都)

2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了

満足度★★★★

表とはまた違う面白さでした。
堤泰之さんの脚本は本当に面白いですね。
音響って!そうそう!いるいるー!といったようなところも面白いのですが、表とはまた一味違うドラマ性があって大変楽しめました。
今回の利根川渡の葛藤が、表の台詞にもリアリティをもたせて「好きだから芝居をつづけたい」という彼の意志に力を与えたように思います。
架空の人物、架空の劇団とは思えないリアリティ。
天空旅団という劇団は、もはや架空ではなくてどこかで何かを上演しているという気がしてなりません。
自分がやりたいことをやっているんだと主張する利根川渡ファンタジーにはどっぷりハマりました。

女の平和

女の平和

ネルケプランニング

俳優座劇場(東京都)

2011/12/03 (土) ~ 2011/12/11 (日)公演終了

満足度★★★★

壊れ方が最高!
上には上があるというか下には下があるというか、とにかくハチャメチャですごかったです。言葉の意味そのものよりも、パッションが伝わってくる舞台に圧倒されました。
芝居の枠組みを超えた表現のようでもあり、80年代ぐらいによく観た馴染みの形に近い気もしたり。ブラックユーモアいっぱいなようで、真摯に怒りを訴えているようにも感じられて、観劇後は、わけのわからないハイな状態になれて、とにかく気持ちいい清々しさを感じました。
役名が番号なので覚えられなくて帰ってからチラシを見てもなかなか一致させられなくて残念。
ステキな女優さんもたくさん出ていらしたので、再観して、次は役者さんチェックもしたいです。
ブラックジャックがものすっごく最高にイカしてました。

ネタバレBOX

手ブラでフンドシ姿のお姉ちゃんいっぱいの舞台は圧巻。
どんどん勢いよく脱いでいく姿は、いっそ清々しさを感じました。
同性が見ていて不快にならない脱ぎっぷりは、すごいな、と。
タイム・フライズ

タイム・フライズ

ミュージカル座

THEATRE1010(東京都)

2011/12/01 (木) ~ 2011/12/06 (火)公演終了

満足度★★★★

面白いミュージカルでした!
エンターテイメントでアングラ・ミュージカルということでしたので???いっぱいで劇場へ出かけました。
内容は、笑っていいのか、真剣に受け止めていいのか、見ながら迷ってしまう感もありましたが、素直に面白いと思ったところでは笑わせてもらいました。
311以降の世の中のムードが舞台上の平成よりも、全共闘の時代の方にやや寄りつつあるようにも感じられるので、2年前の初演時の平成感のかなり古い印象が、逆に全共闘の時代との対比には良かったようにも思いました。
ミュージカルとしてクオリティの高いものをみせていただけたので、とても満足できました。
面白かったです。

ネタバレBOX

大真面目にアジ演説を歌ったり、ゲバ棒を振り回すダンスがあったりと、想像はしていたのですが、本当にそういう舞台をみせてもらえて、ビックリしたのと同時に斬新でもあるとおもいました。

= TANGO Doki Doki =

= TANGO Doki Doki =

DIAMOND☆DOGS

天王洲 銀河劇場(東京都)

2011/11/23 (水) ~ 2011/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★

うつくしい世界
ラヴィアンローズではじまったダンスショー、アストロリコの演奏がシャンソンにも不思議とあっていて違和感なくタンゴの世界へ連れていってもらえました。
二幕、客電が落ちると同時に響くバンドネオンの心に沁みわたる音色が、銀河劇場を一瞬にしてブエノスアイレスの街角に変えてしまいます。抒情的な音楽にのせた美しいダンスに心から魅了されました。夢のようにうつくしい時間。中塚皓平さんのダンスがホントに素晴らしかったです。指先からなにか目に見えない美しい気を出されているとしかおもえないほど、彼の周りの空気は美しく、ときに清浄でときに妖艶で、さまざまな表情を空気に伝えて客席まで届けてくれました。
夢のように美しい世界。とても素晴らしかったです。
D☆Dの舞台はいつもエンターテイメントとして客席を楽しませることを忘れないでいてくれるところが、安心して身をゆだねられる所以です。今回も、心身ともに心地よく攫われることができました。
年を追うごとに艶がでてくる彼らのダンス、切なく心ふるわせるバンドネオンの響き、素晴らしいゲストの歌にダンス、とても楽しめる2時間20分でした。

源氏物語

源氏物語

ドワンゴ

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2011/11/16 (水) ~ 2011/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★

もう一度観たい!!
素晴らしく面白かったです。
出だしで一瞬、学芸会?の不安が頭を過るのですが、テンポよく進んでいくうちに不安も払拭、湯澤幸一郎さんが出てきた途端に力技で舞台に引きこまれてしまいます。
今の若者言葉とやや昔っぽい雅な言葉の混在するそのバランスや遣い方が秀逸でした。
平安時代の腐女子である紫式部の視点で語られる源氏物語というニコミュ版新解釈は面白く、同人作家紫式部がとても魅力的でした。
男性が女性を演じると、ドロドロした内面もどこか距離ができて、昇華された形で提供されるせいか、痛いシーンもすんなり受けいれられますね。
歌も満載、エンターテイメントとしてとても楽しめる舞台でした。

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