満足度★★★★★
悪霊はわたしたちの中にいる
この時代のしかもこの題材を直接的に取り上げることは、まだ我々の世代においては逡巡するところがあると思うが、この若き劇団はそれを真っ向から挑んだ。そして演劇というアイテムを使って人間の謎にせまるドラマを形作った。その取り組みは、社会的な存在意義をもたない趣味的小劇場劇団が大多数の中では注目すべき成果であると思う。
満足度★★★★★
あの革命は何だったのか
社会派の劇団を観るときは「理解できるかな、楽しめるかな」という不安を抱くのですが、いつもながら劇団チョコレートケーキはその不安を払拭して芝居にぐいぐいくと引き込み、ついにはここが劇場であること、目の前で繰り広げられているものが演劇だということを忘れさせてくれる・・・。今回はあさま山荘事件をベースに「あの革命は何だったのか」を、緻密で硬派でありながら実に理解しやすい脚本と演出で表現。描かれる一人一人の人間の、心と行動が重なり合って更に動いていく様は圧巻。中でも、オルグされた人質の主婦(渋谷はるかさん)が逮捕された女性指導者さながらに思想を主張する様、彼女の存在で革命家達の心の武装が解かれて乱れていく過程は、こんなに緻密な作劇が可能なのかと舌を巻きました。役作りのためにダイエットをした岡本篤さんの葛藤を秘めた演技も素晴らしく、カーテンコールでの熱い拍手にも納得の極上のお芝居でした。
満足度★★★★★
異議なし!
浅間山荘事件をモチーフとした話でした。観賞後、Wikipediaで実際の出来事を確認したところ、劇での話とは異なりました。実際の事件を知ってた方がより楽しめるかもしれません。自分は詳しくは知りませんでしたが、十分楽しめることができました。
舞台や衣裳、音響、照明、スタッフ、タイムキープどれも満足でした。ストーリーはやや閉じてしまった感が否めませんが、題材から到達できるものとしては、かなり水準の高いものに仕上がっていました。
役者陣も良かったです。特に渋谷はるかさんの演技には吸い込まれました。
良い舞台を見させていただけて本当に感謝しております。
満足度★★★★★
再演に感謝
対面式客席の造りは、やはり、なにか落ち着かないので苦手。場面によっては役者さんが見えなくても、空気感が濃厚なので、大満足でした。6人だけなのに、もっと多くの仲間たちの姿も叫びも、浮かび上がってくる世界でした。
彼らの闘争自体の非正当さ、自己矛盾や挫折という社会派作品という一区切りに収まらせることなく、心理劇としても成立させ、重い雰囲気でありながら、救いを感じさせる作品で、とても素晴らしかった。
私は2度目ということもあり、物語を追うだけでなく、より深く響くことが多く、再演に感謝です。ぜひ、2回見ることをお勧めします
満足度★★★★★
見ごたえあり!
やっぱり、こういう本格的芝居は今後ものこっていくのでしょう。
史実に基づいた中に山荘の管理人変貌のアイデアは素晴らしい。
正直、見るまでは、あの事件の再現に近いものかと思っていたが、予想を超えていました。普通のひとが、あるきっかけで普通でなくなるということが、西牟田康子役渋谷はるかさんに象徴されていました。誰も革命が実現できるなんて思っていないのだが、引っ込みが付かなくなった1部の人間の権力保持がこんな狂気を生んだ。できれば、本当に怖かった迦葉山の出来事を含めた続編が観たいです。
満足度★★★★★
自己批判します
連合赤軍あさま山荘事件を題材にした作品。
異様なルールを持つ組織の凄惨なリンチ、生中継や
女性リーダーの人間性が話題になった事件だが
実は閉鎖的な集団における“思想に理想を求め過ぎる頭でっかち”達の暴走劇でもあった。
組織の中で自分を守るために強いものに服従し、暴力に名目をつけて正当化する。
その根底にある人間の弱さをえぐるように描いた脚本が素晴らしい。
ラスト、銃口の前にたたずむ坂上の表情がこの組織の終焉を示して秀逸。
満足度★★★
飢えたる者とは?
遠くて近いあの事件を下敷きにした骨太な芝居。
柱が邪魔で芝居が見えない部分があったのが残念でした。
紅一点の渋谷はるかさんが美しくも狂気を孕んでいて素晴らしかったです。
自由席にも関わらず、一番見やすい座席が関係者席(招待席?)だったのが
非常に残念でした。
満足度★★★★
初日観劇
対面式客席、実在の事件を基にしたフィクション。
総括という名で皆の前で反省発表会、自己中が集まるとミイラ取りがミイラになり、結局アンタらどうしたいの!っと突っ込みたくもなったが、全体的に濃密でヘビーな観劇でした。異様な時代の出来事だけど、現代でも起こりうるような話。あの時代を体験してた人は朝まで喋り場しそうな舞台。
楽しむ要素は皆無、骨太な知る演劇を見た感じ。
約2時間。