満足度★★★★★
あの革命は何だったのか
社会派の劇団を観るときは「理解できるかな、楽しめるかな」という不安を抱くのですが、いつもながら劇団チョコレートケーキはその不安を払拭して芝居にぐいぐいくと引き込み、ついにはここが劇場であること、目の前で繰り広げられているものが演劇だということを忘れさせてくれる・・・。今回はあさま山荘事件をベースに「あの革命は何だったのか」を、緻密で硬派でありながら実に理解しやすい脚本と演出で表現。描かれる一人一人の人間の、心と行動が重なり合って更に動いていく様は圧巻。中でも、オルグされた人質の主婦(渋谷はるかさん)が逮捕された女性指導者さながらに思想を主張する様、彼女の存在で革命家達の心の武装が解かれて乱れていく過程は、こんなに緻密な作劇が可能なのかと舌を巻きました。役作りのためにダイエットをした岡本篤さんの葛藤を秘めた演技も素晴らしく、カーテンコールでの熱い拍手にも納得の極上のお芝居でした。