満足度★★★★
演劇的表現力の高さ
まず冒頭のスローモーションとストップモーションの身体表現にハッとさせられた。「徐々に恐怖が迫ってくる」という表現にピッタリだったから。また同じ茶の間なのに、二つの家族が瞬時に入れ替わり場面が転換していく手法も面白い。演劇ならではの表現力の高さを感じた。また、役者陣の安定した演技力も相まって見応えのある舞台となった。
この物語で語られるのは「見えないもの」(放射能汚染)を、時の経過とともに「ないもの」「なかったもの」にしてしまう「人の心」の恐ろしさ。これは我々に突きつけられた大きな問題である。
それどころか、渦中にいる原発作業員でさえ、組織のため、義理や面子のため、「見えないもの」に蓋をして「ないもの」にしてしまうことの愚かさ。ラスト近く、仕事を続けようか、やめようかと迷う若い作業員に白血病で亡くなった年嵩の作業員の妻が「自分の真ん中にあるものをまっすぐに見つめて答えを出す」よう話すシーンがある。そう、「命より大切なものなんてないんだよ」というシンプルかつストレートなメッセージが痛いほど突き刺さってくる。ラストの、登場人物たちが1からカウントしていくシーン。一つ一つに祈るような思いが込められていたと感じたのは私だけだろうか。
満足度★★★★
現在も
時と共に記憶やニュースからもだんだん薄れていきますが、今現在も確実に事実は存在しているわけで、誰かが発信することに意味はあると思わせてくれました。いろいろな意味で難しい問題、正しい答えははたしてなんなのか、そもそも答えがあるのか!?演劇の力の一面を感じました アフターイベントの公開ダメだし、普段観る事のできない稽古の一部分を観れたようで楽しかったです
満足度★★★★
ネタバレかー
パンフレットに各役者の恐怖体験が書かれており、今回の舞台内容とそれを同列に見ていいものなのか気になった。
色々な形の恐怖がある中、たまたまこの題材が選ばれた、とも取れてしまう気がする。
ただ、そうだとするとこの題材が選ばれている意味合いが薄くなってしまうのではないかと。
満足度★★★★★
終わりそうもない恐怖
チラシのユーモラスなイラストとは裏腹に本当に怖い話。
無理矢理論点をずらして問題の核心から遠ざかる我々の悪い癖を見事に表現。
満足度★★★★★
辛いけど面白かった
チラシの表のイラストと、裏の剣呑な文章のギャップにザワザワするものを感じて、初めてこちらの劇団の芝居を観に行き、衝撃を受けました。
考えてもしょうがない、と目をそらして生活していても、辛酸な出来事は今も進行形で存在しているのだよな、と改めて考えさせられました。
ほどよくユーモラスなので「口当たり」よく観てしまうのだけど、ずっしり重い内容でした。面白かった!
満足度★★★★
痛い
作者の意図とは違い、感じたのは「痛み」だった。いつも頭のどこかにいてなるべく見ない、触らないようにしているもの。目の当たりにぶつけられているようで・・・。リアルすぎるその内容、よくぞここまでという情報収集力、それを活かしきった作品。舞台構成も上手い。場に違和感無く茶の間の造りが見えない姿に変わっていく。そしてレベルの高い出演者、見応え有りの舞台でした。
満足度★★★★
高い演劇性を感じさせる
社会派のお話。相変わらずの見事なムーブも面白く、人物設定もいかにも日本人に有りそうで説得力があった。でも真正面から放射能を取り上げたことで、社会派のイメージが強く出てしまい、この劇団の持つ素晴らしい演技力や構成力がかすんでしまった感じ。残念だ~。それにしても演劇の様々な可能性を次々と打ち出していく手腕はお見事。演出の巧みさに酔わされました。俳優陣の、演出に負けない演技力があってこそのものだと思いますが、うまく噛みあっていて見応えがあった。この劇団はついついハードルを高くして見てしまいますが、(台詞の噛みが一つ有っても気になる)軽々とクリアされてしまった感じ。なんか、悔しい・・・・・。ので、勝手ですが星ひとつ減らしてやる~。
満足度★★★★
芝居中、別の思考が駆け巡る
チラシを見ただけでは、どんな恐怖が描かれているのか、予測がつかず、チラシの右の雪だるまみたいな人物の意味するところも、わかりませんでした。
冒頭、出演者達が号礼のように口にする数字の意味も、固有名詞が話されないので、徐々にわかるようになるまで、時間を要します。
そして、この芝居の描く恐怖の輪郭がはっきりした途端、今度は、思考は、舞台上のそれではなく、私がこの芝居を観ている今この時にも、作業している方達へと飛んでしまいました。
この芝居を観ている、一般人の私に一体何ができるのかと、もどかしい思いが心に充満するばかりで…。
大変、うまく構成された舞台で、役者さん達の演技も秀逸なのですが、演劇として、この作品をどう捉えたら良いのかと、ある種の戸惑いも感じました。
アフタートークは、ゲストの劇団チョコレートケーキの古川さんの紹介に終始した感があり、まるで、チョコレートケーキの宣伝のような印象でした。
会場に来ていた客は、今観た芝居の話題を中心にした話を聞きたいのではと思うので、もう少し、そういう方向でのアフタートークであってほしかったと感じます。
満足度★★★★★
期待通り!あっぱれ!
期待通りワンツーワークスらしい舞台であった。
核心をじわりじわりとついてくる運びは秀逸である。
社会貢献と生命との相容れない葛藤。それを知りつつ信念を貫いていくが、
その結果は誰もが知っての通り。茶の間のセットで、現在と回想シーンを混ぜていきながら、男たちの働く姿のパーフォンマンスはとても良い。
もちろん、役者の皆さんレベル高いのは言うまでもない。
満足度★★★★
何を書いても
劇を通して見た現実に対する怒りにしかならない。きちんとした取材を基に書かれているからだと思う。いつものことながら俳優さんたちの演技がリアルで細かい。音楽・音声の使い方もうまい。「公開ダメだし」は、見てる方は「ほほーっ」となるほど厳しかったが、ダメだしされた人たちはちょっとかわいそうだったな。特に日暮君(だったか)は、緊張でがちがちになってて、やり直しがやり直しになってなかった。(あ。傷口に塩を塗ったか~)
満足度★★★★★
この上ないクォリティの高さ
相変わらずクォリティが高い芝居を見せてくれます。
役者陣の演技力の高さ、演出のこだわりは、他では見られないです。
奥村さんのよだれを垂れ流しながらの演技は、さすがです。
女優陣の演技には、生気みなぎる色気がありました。
この日は、公開ダメ出しなるイベントがあり、古城さんのダメ出しがみれました。
単に演じることを許さない厳しさ、観客が共感しない演技には妥協しない、素人には超人の域の演技のこだわりでした。
役者の演じるとは、私のような一般人にとって改めて特殊能力だと実感しました。
帰りには、展示されていたDVD全種類を大人買い、そして次回公演を予約しました。
その場で、座席指定&発券という驚きのサービスです。
満足度★★★★
これは,すごいインパクトがあった。
劇場HOPEで,『恐怖が始まる』を観た。これは,すごいインパクトがあった。冒頭,登場人物による作品をイメージしたスローモーションが印象的だった。
作品は,ずっと味気ない夫の49日シーン。時間が進むと,そこに絡むように追憶の場面が出て来る。数に執着があって,それは,終始一貫して繰り返された。なぜか,20とか,100とかわけのわからない値が出て来る。健康診断の何かの数値かな・・・
そのように思っていると,どうやら一人死に,二人死んでいく。でも,会社が生き残って欲しいから,少しばかり労災の申請は遅らせよう。夫は,信念を貫いて,会社に殺されていく。それを,妻は,悲しくも見送ってしまったのだ。
公演終了後には,演出家によるトークショーがあった。この団体は,多くの社会派の演劇を手掛けていた。私は,内容を事前に調査せず飛び込んだ。最初,このまま延々何が起こるのだろうか。という,そのような苛立ちの中,あ!これは,あの話か。
それにしても,関係者は,事態解決に相当振り回されて来た。そして,その中で,一番言わないといけない核心には,誰も触れない。それは,現場取材した演出家の感触でもそうだった。まだ,あと一週間あるので,中野にあるオシャレな劇場で,放射能に侵されて死んでいったひとたちの苦悩の物語を観るといい。
満足度★★★
自分の生き方、信念、誇り
タイトルや内容からして、気になっていたが、
時間ができたので、観劇することにした。
役者陣の熱演、物語の演出は楽しめた。
上演時間約2時間。
満足度★★★
むずかしい、、、
作品が難しいのではなくて、評価が難しいです。
真面目な姿勢には共感しましたし、役者さんの熱演は凄いと感じましたが、
舞台としては面白く感じませんでした。