みんな豚になる-あるいは「蠅の王」- 公演情報 みんな豚になる-あるいは「蠅の王」-」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-20件 / 20件中
  • ムーブってのがスゴイ
    役者さんの身体能力がすごくて、暗転なしでも最後まで集中して観ちゃいました。

    本当にすごかった~~~

    ただし物語としては私の苦手分野なので・・・・・あれですが。

    見に行く時に普段ならゼッタイにチョイスしないような演目です。

    でも、素敵なご縁の陰で拝見させていただいて、ストーリーはさておき、本当に役者さんたちの体の使い方や息の合わせ方に大感動!!!!

    行ってよかったです☆そしてこのお芝居を紹介してくださった方に心から感謝♪

  • 満足度★★★★★

    私は感動、友人は胸が悪くなったと・・・・
    この劇団の凄みをたっぷり味わいました。何よりも劇としての完成度の高さがすごい!吉祥寺シアターの広さを十分に活かし、なおかつ特有の濃密な空気に引きずり込むパワーは他劇団には見られない個性だ。ムーヴの使い方も前より更に洗練されて、演劇の進化型みたいな感じさえする。こうしたコントラヴァーシャルな劇、この劇団にぴったりですね。も~、次回も絶対見ます!

  • 満足度★★★★★

    重くて痛いけれど
    がつんと衝撃を受けました。大体の予想はついていたはずなのですが、息苦しくて正視にたえませんでした。
    原作にあるような物質的な暴力性とは異なり、現代社会を舞台とした本作で展開されるのは、もっぱら精神的な暴力です。一見、正しいように思える主張を論理的にぶつけられれば、当てられたほうは恐縮するしかない。論理力という力関係において弱者となる人間は、次第に弾圧されてゆく。恐ろしいと思うと同時に、ではなにが間違っていたのか、なにが正しいのか、ひどく考えさせられました。

    ネタバレBOX

    ゴールディング『蝿の王』の舞台を現代の会社組織に置き換えた作品ですが、まったく違う内容のようであり、要所要所で『蝿の王』の内容をしっかり取り込んでいたり、原作を知っているとまた違った楽しみがあります。集団の秩序がだんだんと保てなくなっていくさまを、ただ傍で見ているもどかしさ、焦燥感は、原作に通じるものがあると思います。氷室さんも、末期になるまえにフォローしておけばよかったのにね・・・あんな状態になってからホラ貝持ち出しても遅いんですよね・・・。予想していたとはいえ、後味の悪いラストには打ちのめされました。

    演出面では、効果的に持ち出される豚の面や、他の方も指摘されている「ムーブ」が印象的です。「動き」の効果が素晴らしいと感じました。設定・舞台を変えたという以上に、この「動き」があることで、劇の内容が現代的・スタイリッシュに表現され、原作『蝿の王』との違いが際立っているように思いました。「ムーブ」をスタイリッシュと表現しましたが、同時に一部のムーブは非常に不気味で、壊れた世界観をうまく表していると思います。

    ところで、あまり注目するところではないと思いますが、冒頭にあった氷室さんの小木さんに対する「抑えて~」のアクション、いいですね。観劇中、思うところがいろいろあって胸がつかえたようになっていたのですが、あの「抑えて~」を思い浮かべて気持ちを静めていました(笑) 今後、またなにかもやもやするときには活用させていただこうと思います。ありがとうございます。
  • 満足度★★★★

    ゾクゾクする舞台
    会社でのいじめの閉塞感と緊迫感、身につまされます。問題提起だけでなく、エンターテイメントとしてゾクゾクするくらいに面白い。くーたまらん。

  • 満足度★★★★

    作りこまれてますね。
    たくさん研究して作品を作り上げたのでしょう。
    最近は少なくなってきましたが、昔はこんなものじゃなかったです。
    そこで鍛えられて成長してきました。
    最近は、この調子だと若い人はすぐに会社を辞めてしまう。
    時代に合わせて育てていかないとね。

  • 満足度★★★

    時として痛いぐらい
    現実にあり得そうな会社組織の中での「パワハラ」「いじめ」が題材。結局飲み込まれていく感有りの象徴的なお面と動きで終わる最後は、どう感じて処理するのかを観客に委ねてるという事だろうけれど、日常を普通に過ごしていても、やはり3.11以降感じているある感情の上では、突きつけられる事は痛みを感じる事でもあったりする。だけど、役者の演技のメリハリさや、象徴的なお面や動きなどが意外にも嫌み無く、スッと入ってくる感じは、良質な演出力が感じられた。そういう意味では、とても面白かったと思う。

  • 満足度★★★★

    計らずしてタイムリーに
    身体表現を採り入れて、ストーリー・テリングだけに終わらない演出が良かったです。

  • 満足度★★★★★

    鳥肌が立つ舞台。
    寒気がしました。

    あまりの緊張感に目が離せず、息すらできず、
    舞台が暗転して初めて、大きく息が出来た舞台。

    「素晴らしい」の一言に尽きます。

    ネタバレBOX

    ■私的勘違い■
    あらすじに「プロジェクトチームが二分される」とあったので、
    いつチームが二分して各業務にうつるのかな?と思っていたのですが、
    そういうことではなかったんですね。

    「いつ二分されるんだろう、この人はどちらのチームにつくんだろう」とか
    ストーリーの進行を追いながら悶々としてしまい、
    「もしかして各員が厳密に2分割される訳ではないのかも」と
    最後の最後で気がつきました…。

    この思い込みさえなければ、もっとしっかり舞台を見られた気がする。
    舞台が終わってから、私的勘違いにがっくりきました。
  • 満足度★★★★★

    「二度観」しました!
    私としては珍しいのですが、二度観しました。
    重い芝居を、猛暑の中、横浜からは遠い吉祥寺に行き。
    そしてアフタートークまでいると、帰りもかなり遅くなって、翌日疲れますが、
    やはり観終わると、「観に行って良かった」と思いました。
    (以下ネタバレ)

    ネタバレBOX

    二度観ですと、「それからどうなるか」が分かっているので
    (台本に変更があれば別ですが)、
    前半部は結構楽しい雰囲気にも包まれているものの、
    これが悲劇的結末に向かうのだと思うと、
    何とも言えない気分に・・・。

    そして、この前半部に「伏線」がかなりちりばめられていることに
    気が付きました。
    1回目は、「やや違和感があるシーンが出てきたな」で
    やり過ぎしていましたね・・・まあそれで良いのだとは思いますが。

    さて、この日のアフタートークは役者3人によるもので、
    これまた興味深いものでした。
    この日の3人、地と配役と逆の方ばかりだったようで、
    それまでのアンケートでは、「いじめ役」の方、
    結構お客からも嫌われてしまったみたい(好演の証拠ですが)。

    それで、「いじめ役」の方のお話で、最初はいじめるシーンの動作や台詞に、
    違和感を抱いたそうですが、繰り返すうちに、それが無くなってきたとのこと。

    実は、書くいう私も、2回目は「いや、結構いじめた側にも一理あるじゃない。
    たしかに仕事ができない人っていうのも困るんだよね」なんて、
    正直思ってしまいました。

    もちろん、これは1度目にも多少は感じたことですし、
    また今回の2度目も、やっぱりいじめられる側の切実な訴えが、
    観る者の心に響いてきたのもたしかでした。
    要はこの相反する感情のうち、
    どちらの比重がより高かったか、ということでしょうか?

    つまり(これもアフタートークで言われていましたが)
    人間みな両方の要素を持っていて、
    ただ、慣れてくると、いじめに対して咎める感情が希薄化してくる、
    というのは確かのように思えます。

    会社に限らず、連日報道されている学校でのいじめや、
    卑近なところではネットでのいじめなどというのも起きるわけです。
    精神科医キュブラー・ロス女史が、「人間誰しも、マザー・テレサの要素と、
    ヒットラーの要素を心の中に持っている」と言っていて、
    ただ、どちらの要素がより支配的なのか、ということなのでしょうね。
  • 満足度★★★★


     ゴールディングの「蠅の王」を下敷きにしている割には暴力性に乏しい。まあ、シチュエイションも会社に変えられており、登場人物も子供ではなく大人に変えられているので、作品の骨格、柴門が、豚の仮面を被った者から内面を問われるシーンなどが原作からの影響を色濃く伝えたシーンといえようか。
     今作品では、暴力は、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントに置きかえられて我々の日常に近づいている分、原作にあったストレートで純粋な暴力性は弱まってしまった。その分、インパクトに乏しくなったように思う。自殺者を出すくらいのことは描かれて良かったのではあるまいか? その上での蠅の羽音なら、更に演劇的効果は上がったように思う。

  • 満足度★★★★

    そっくりな人がそばにいて・・・
    あの女課長と金魚のふんみたいな子分、まるで彼女たちが舞台にいるかのようだった。と、言うことは、結構こういう人が世間にはいるってことなのね・・・。とにかく自分の価値観以外は認めない人はやっかい。あ、もしかしたらこの芝居に出てきた人はみんな結構そんな感じかも。それにしても大人の世界がこんなだと、子供の世界もひどくなるわけだ。と、いうわけで会社員にとってはなかなかおもしろくもあり、怖くもある芝居だった。役者さんたちが皆演技力のある方たちばかりなのもよかった。

    ネタバレBOX

    全員独身というわけではないだろうから、家族のことがちょっとずつ会話の中に入っているともっと良かったし、より恐ろしくなったのではないだろうか。(こんなやつが人の親かよ~って)
  • 満足度★★★★★

    精錬された作品でした
    広い板、気味の悪い豚の面、時間を意識した演出など、精度の高さを感じました。作品の内容は重たく見ていて辛いところもあり、適さない方も多いかと思います。ですがパワハラやいじめなど、誤った力が入り乱れてる昨今では、観て意識を改めるのもよいのではないでしょうか。過剰かもしれないストーリーでも、陰湿ないじめ自殺を思い起こせば、充分ありえそうな気がしたのが悲しかったりします。
    ただ観るのでは気分が晴れない配慮もあったのか、アフターイベントもあり、役者でない方には斬新だったのではないでしょうか。色んな意味で僕は面白かったです。

    ネタバレBOX

    豚さんのカクカク動きは僕もたまにやってますが、それを演出として見せるのは不気味で良かったです。何時なのかをあえて言わなかったり、照明に緩急を混ぜ合わせた演出など非常に興味深かった。ラストの動きでいつの間にか豚になっているのは、一見気付かなくて上手かったですし、1番最後のゆっくりと豚が客席を向く様は、怖過ぎるのでR指定にして正解ですね。ほんの少しだけ、立ち位置が気になるところあったり、板上を広く作って遊びが面白い分、遠近感が出過ぎて見せる難しさも感じましたが、全体としての質の高さに魅入ります。
    実際に見ていて、他者の人格を否定していいわけはないですが、能力がそんな高くもないのに意見主張だけ一人前というのも問題があると感じます。仕事は出来るが人格的にキツイ3人は、嫌な気持ちにさせられる分、お芝居としてお上手だと思います。義務教育と違って生き残りが懸かる社会の厳しさや一部の現実、モラルハラスメントが深刻な問題だと考える機会でも、重たい話を除けばオススメ出来る良い題材です。アフターイベントは普段見ないところを見れて楽しかったです。
  • 満足度★★★★

    高いクオリティ
    社会問題などを独特の雰囲気で魅せてくれる ワンツーワークスさん。

    作・演・主宰の古城さんは 元新聞記者の経歴があるんですね!?

    前回の「ジレンマ・ジレンマ」は福島原発を題材にされていたけど・・

    今回のテーマは「人はなぜ凶暴化するのか」そして、
    「どういうプロセスを経て、言葉の暴力を含め『暴力』を『よし』とするのか  という 今社会問題となっている いじめ にスポットを当てています。

    内容は「ネタバレBOX」 にて

    ネタバレBOX

    企業のある新規プロジェクトに たまたま招集された 8人のサラリーマン。

    第一線バリバリの女課長や総務、経理しかしらない女子社員、 できる!といわれている若手や
    「アイツはダメ」と言われている社員・・・ などなど

    実社会でも 十分ありえるシチュエーションなんです。

    その中で、まさに 執拗以上に暴言、中傷、パワー・ハラスメント。。。

    言葉という誰もが簡単に使える凶器を これでもかっ!! ていうくらい浴びせまくります。

    ちょうど大津のいじめの問題なども報道されており 子供の世界だけでない いじめ の問題にスポットをあてつづけます。

    昨年に初演された作品だそうですが 改訂版としての今回は より身近に感じました。

    ただ・・・どうでしょう・・  いじめる側と それを受ける側 

    papasanも そうだったんだけど 観ている人の大半が いじめられる側の目線になってしまうのじゃないかな・・

    いじめられる者への エールや 頑張ればその先に光がある!! とかが最後まで無いので

    観終わった後のモチベーション がめっちゃ下がってしまい劇場を出る感じでした。。

    作品としては、暗転のかわりに ワンツーワークスさん独特な"動き"で時間の推移などを表現していき

    かなり思いテーマの2時間ですが 長い!!とは感じませんでした。

    どういう見方をするかによって 賛否両論ありそうですね。
  • 満足度★★★★★

    もし会社に入ってたとしたら
    吉祥寺シアターのステージって実は凄く奥行きがあるんだ〜とか、そこに机がずら〜っと並ぶと壮観だなあ、とか考えつつも、もし会社組織に入ってたとしたら、自分はどの位置にいただろうか?とずっと自問しながらの観劇でした。重いシーンの連続の中、時折登場するアングラ・サイケ映画のような動きが、作品にメリハリと少々の安堵感を与えていたと思います。見応え&満足度は☆☆☆☆☆だけど、胸くそ悪い度も☆☆☆☆☆。

  • 満足度★★★★

    パワハラ・セクハラ
    奥村さんの身体能力すごいです。そこに感心してはいけないですね(笑)大手勤務じゃない私にとってはあんまり身近でもないけどサラリーマンって(しかも日本の)大変なのねぇ。でも実際にも友達からきいたことあるし、そんなこというんだったら仕事しろ!って思ってしまうし…。あー。なんか…。アフタートークで「蠅の王」の話をきいて、作品をだいぶ理解できたような気になりました。

  • 満足度★★★★

    真面目に向き合う舞台
    何人かの人もおっしゃっていましたが、最初何が起きたのかわかりませんでした。とにかく登場の仕方がとても不思議でした。ステージがとても広くみなさん走り回っていました。
    途中から空気が重くなったように思います。でも今回の舞台のテーマである「パワハラ」は、社会問題にもなっているように、私たちも他人事ではありません。こういうテーマだったので、みていて心がウズウズして何とも言えない感情になりました。でも、現実にもあるんだし真剣に向き合わなければいけない問題として、とても勉強になりました。

    ネタバレBOX

    椅子取りゲームのシーンではさりげなく走っているように見えて、椅子を動かしたり座るタイミングとか、全部計算されていて相当練習したんだと感じました。途中のパントマイムみたいな動きも、一人一人が少しずつずれていたり、スローモーションになっていたり、こんな演出は初めてだったので、見入ってしまいました。豚のかぶり物には驚きましたが、動きが普通ではなかったので怖かったです。
    劇中では、自分にも当てはまるところがいくつかあり、上司に言われていたことが心にぐさっと来ました。
  • 満足度★★★★★

    企業内いじめを扱った、重いが、しかし素晴らしい舞台
    冒頭は何が始まるのか分からなかった。
    一部の人は「豚の仮面」をかぶって登場し、
    幻想的な雰囲気の漂う中、話が進行して行く。

    その後、なぜかゲームが始まったり…。
    しかし、次第に劇の本質が見えてくる。

    (以下、ネタバレ)

    ネタバレBOX

    いわゆる「企業内いじめ」が、この劇のテーマだったのだ。
    詳しい内容は、ネタバレとしても書かないでおくので、
    ぜひ観劇されることをお勧めするが、
    最初にも登場した「豚の仮面」が、その後も時々登場し、
    それは単にいじめられて鬱的になった精神状態とも取れるが、
    それ以外の多様な可能性をも象徴しているとも解釈可能と思われる。

    前にもどこかに書いた気がするが、かくいう私も、
    多少はサラリーマン生活を送ったことがあるものの、
    それに馴染めず、いわば逃げ出して、
    今は細々ながら自衛で生活している人間なので、
    観ていてちょっと辛いものがあった。
    しかし、演劇としては素晴らしい水準で、
    遠路吉祥寺まで出向いて良かったと思った次第

    そして、2人の女性の、「セクハラ・パワハラは違法行為
    (私も多少は法律知識で食ってる身なもので、一応共感!)」
    VS「営業で頑張っていたらセクハラなど、一々問題にできない
    (言われてみれば、たしかに…)」の意見の対立…、
    また、「仕事ができないものへのひどい暴言」
    VS「でもたしかに、仕事ができない人がいるとみんな困るんだよなあ
    (自分のことは棚に上げてます)」の双方の感情…、
    どちらも一応理解できるだけに解決は簡単でないということか…。

    実はこの日、アフタートークもあって、作・演出の古城氏と、
    ゲストは(演劇関係者でなく)パワハラの専門家の金子雅臣氏が
    登場し対談。これも詳細は省略しますが、
    やはり簡単な問題ではないことを、ここでも再認識した。
  • 満足度★★★★★

    さすが
    役者のメリハリのある迫力あるセリフで、パワハラの緊張感が伝わってきます。
    今回は、再演ですが、初演時も今回も上司は違うが、深刻なパワハラに悩んでいるときに巡りあうタイミングで、観劇している。
    力ある立場のものは、閉鎖された会社の世界では、強かで絶対権力である。
    だから解決策を得るのは難しい。
    今回も客観視ながらも、身につまされる。公演時間の2時間が、1時間程度しか経っていないかのような内容の濃い作品でした。
    良く出来たないように、会場の空気も凍るそんな緊張感一杯の作品で、役者の技量の高さを前回同様に感じる内容でした。

  • 満足度★★★★

    役者陣が上手い!世界観が秀逸!!
    会社員の自分にとっては、観劇しながら色々思う内容だった(笑)。
    痛いくらいの世界観がヒシヒシと伝わってきた!
    それにしても、役者陣が上手い!
    いろんな意味で感情移入してしまった(笑)。
    上演時間約2時間。

    ネタバレBOX

    ある会社の新規プロジェクトでの物語。

    「仕事ができる人」が「仕事をできない人」をいじめるという構図。
    これでもかというほど、いじめる側が調子づく。言葉の暴力である。
    会社員としてみた場合、いじめる側の主張は言い方には問題があるものの、強ち間違っていないように思えた。

    ただ、「自ら仕事ができると言う人」で、仕事ができると周りから認められる人って、あまり聞いたことないなあと思ってみていたら、案の定・・・(笑)。

    しかし、今時職場でこんな陰湿ないじめはリアリティがないように思えた。
    (それとも自分が恵まれた職場なのか(笑))
    それに、出世したいと思う人で、あからさまに上司相当の人に
    真っ向から逆らう人はいないだろう(笑)。

    ただ、パワハラ、セクハラを分かり易く、伝えるには、
    この位強調した方が良いのかもしれないが。

    リーダーが上手く舵取りできない組織が崩壊していくさまも
    分かり易かった。
    机がバラバラの方向に並べられるさんて、まさに無政府状態(笑)。

    中間管理職、担当者、女性管理職、女性一般職それぞれの主張が
    多少誇張はしているものの、会社組織の生の声に感じられ、
    他人事じゃないなと感じた(笑)。

    まあ辞令も正式におりていないのに、プロジェクトにメンバーが集められる
    こと自体、まともな会社では実際には有り得ないことだと思ったが、
    やっぱり・・・。

    結局、会社は過剰在庫を抱えたことにより、倒産する。
    最終的に、在庫管理の責任部署である自分たちは全員責任をとらされ、
    クビになる・・・という暗示で物語は終了する。

    結局、”人並み”に仕事ができると評価されている者は、
    このプロジェクトには誰もいなかったのだ。

    ラスト、全員が豚のかぶりものを被った状況で終了した。


    役者陣はいじめる側、いじめられる側とも、抜群に上手い!
    観ている側をイラっとさせる感じやそこまで言うか感じさせるところは、
    とても良かった!
    公演後、観客席の仲間同士で「あまりにいじめる場面が多く、心が痛んだ」と言っていた。。

    演出では、物語の途中で場面転換でダンス?のような動きが
    何回もあったが、緊張感を和らげる箸休め的な時間で好み。
    描かれている世界観の強弱が感じられ、効果的だと思う。
    豚のかぶりもので暗示させる世界観も好みであった。

    こんな舞台を観せられたら、次回公演も楽しみである。
  • 満足度★★★★★

    「守る」ということ。
    およそ2時間の芝居。

    胸が締めつけられ、怒り、嘲笑し、肩を抱きたくなり、いつの間にか高揚してしまって、口をはさみたくなる!守りたくなる!!

    時折挟み込まれる「ムーヴ」(パントマイムのような表現。でも、パントマイムよりも濃厚で、その動きに意味を乗せている)が、高揚しすぎた感のある僕を、ちょっとだけ冷静にさせてくれる。第三者の立場に戻してくれる、というべきか。

    説明に、「パワーハラスメントの実態に迫る」とあり、ロビーにも関連書籍が販売されているのだが・・・この『みんな豚になる』は、パワハラや会社内での人間関係だけがテーマじゃない気がする。

    「序列のなりたち」「役割とは?」「生きる知恵」・・・日本で生きてゆくには不可避のことがらについて、問われているような。

    「給料泥棒!」「寄生虫!」「ちゃ~んと仕事してくださ~いっ!!!」etc.って・・・言葉にしないまでも、思うことはあったんじゃないか?

    「彼の仕事は危なっかしいから、配置を変えよう」「来てもらわなくてもイイんだけどなあ」って思ってたよな、あの日。

    「組織を守るために行う排除」と「組織を守るために行う教育」。
    どちらが良いかなんて、その時じゃないとわからない。性善説、というか「誰もが向上心を持っている」なんて童話を信じるほどピュアじゃない。
    向き不向きを見た上での人材配置をするほどの部署の数があるわけじゃない。 どうしたものか・・・自分も操られている身であると自認することで矛を収めるべきなのか?

    言葉の暴力って何?

    登場人物の女性社員のように「セクハラは、受けた側がどう思うかなんです」と思う人がいるならば、キツイ言葉はすべてパワハラで、言葉の暴力になるのか?

    コリッチでの、「金返せ」「時間がもったいない」「どうしようもなく下手」という言葉は、受け手によっては言葉の暴力になるのか?

    ・・・なんとなく、ネタバレっぽい気もしてきたので、あとはネタバレで(笑)

    あっそうそう。

    この公演は、再演なんだけど(随分シェイプアップされて、筋肉質になった感じがする)・・・課長代理が重藤良紹さんから、藤敏也さんにバトンタッチ。

    ブン殴りたくなる感はほ~んの少しだけ薄まったので、救われました(←重藤さんの課長代理のイヤ~な感じは、完璧完璧完璧でした 笑)。

    でも、「お前、いったい何やってんだあ?」なプロジェクトリーダー役を重藤さんがやった方が、初演を観た僕には救われたかも(笑)

    それにしても、役者さん全員が練りに練られた演技。
    すばらしかったです。

    でも、やっぱ藤さんと片桐さんの肩をキツ~ク揉みたくはなったけどな!笑

    ネタバレBOX

    芝居は、パワハラセクハラ満載の在庫管理部署に、諦観・いらつき・焦燥がみなぎってきたところ・・・「ウチの会社が、過剰在庫が原因で会社更生法の適用を申請した」という情報が入り、「あ~ボクらワタシら全員、会社にとっては不要人材だったのね」と気づかされて幕を閉じる。

    観客にとってはガス抜きのような結末であるのかもしれない・・・「みんな、哀しい人たちだったんだな」みたいな。

    となれば、この『みんな豚になる』は、ブラックコメディだったのか?笑

    ベタだし、想像力や考える力を削いでしまうのかもしれないけど・・・処方箋、もしくは「人間ってこんなもんさ」でも良いから、古城さんなりの「オレが、この部署にいたらこうする」的なものは欲しかったかも。

    いや、やっぱいらないか・・・「言葉」や「役割」について考えることなんてめったにないボクが、考え悩むきっかけをくれたんだから。

    でも、豚にはなりたくねーな。「気合だーっ!」ってタイプの人間じゃないけどさ。

    ま、なったらなったで幸せなのかなあ?笑







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