みんな豚になる-あるいは「蠅の王」- 公演情報 ワンツーワークス「みんな豚になる-あるいは「蠅の王」-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    「二度観」しました!
    私としては珍しいのですが、二度観しました。
    重い芝居を、猛暑の中、横浜からは遠い吉祥寺に行き。
    そしてアフタートークまでいると、帰りもかなり遅くなって、翌日疲れますが、
    やはり観終わると、「観に行って良かった」と思いました。
    (以下ネタバレ)

    ネタバレBOX

    二度観ですと、「それからどうなるか」が分かっているので
    (台本に変更があれば別ですが)、
    前半部は結構楽しい雰囲気にも包まれているものの、
    これが悲劇的結末に向かうのだと思うと、
    何とも言えない気分に・・・。

    そして、この前半部に「伏線」がかなりちりばめられていることに
    気が付きました。
    1回目は、「やや違和感があるシーンが出てきたな」で
    やり過ぎしていましたね・・・まあそれで良いのだとは思いますが。

    さて、この日のアフタートークは役者3人によるもので、
    これまた興味深いものでした。
    この日の3人、地と配役と逆の方ばかりだったようで、
    それまでのアンケートでは、「いじめ役」の方、
    結構お客からも嫌われてしまったみたい(好演の証拠ですが)。

    それで、「いじめ役」の方のお話で、最初はいじめるシーンの動作や台詞に、
    違和感を抱いたそうですが、繰り返すうちに、それが無くなってきたとのこと。

    実は、書くいう私も、2回目は「いや、結構いじめた側にも一理あるじゃない。
    たしかに仕事ができない人っていうのも困るんだよね」なんて、
    正直思ってしまいました。

    もちろん、これは1度目にも多少は感じたことですし、
    また今回の2度目も、やっぱりいじめられる側の切実な訴えが、
    観る者の心に響いてきたのもたしかでした。
    要はこの相反する感情のうち、
    どちらの比重がより高かったか、ということでしょうか?

    つまり(これもアフタートークで言われていましたが)
    人間みな両方の要素を持っていて、
    ただ、慣れてくると、いじめに対して咎める感情が希薄化してくる、
    というのは確かのように思えます。

    会社に限らず、連日報道されている学校でのいじめや、
    卑近なところではネットでのいじめなどというのも起きるわけです。
    精神科医キュブラー・ロス女史が、「人間誰しも、マザー・テレサの要素と、
    ヒットラーの要素を心の中に持っている」と言っていて、
    ただ、どちらの要素がより支配的なのか、ということなのでしょうね。

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    2012/07/26 00:48

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