満足度★★★★★
完全にやられた
ラップ調の台詞回し、徹底的なリフレイン、役者を酷使する動き。ここまでやっても作家・藤田さんの感性の50%も出せてないのではないか。それ位中毒性があるし圧倒された。あとは役者の演技をする(間・余白)を与えてあげるともっと良かったかも。それでも完全にやられた。
満足度★★★★★
シビレタ
初マームとジプシー
「わが星」に続き、感じ入りました。
頭と心がどうにかなっちゃいそうな反復の効果。
この感覚は病み付きになりそうです。
この作品に誘ってくれた、いつも新しい世界を教えてくれる友人に感謝。
満足度★★★★
身近な人の失踪
居なくなった人の思いをはせて沈んでいく自分との闘いのような演劇だった。狂おしいほどの思いが、居なくなった人には届かなく、その抗いを舞台化したような舞台で繊細さを感じた。
満足度★★★★
絶妙な心理描写
田舎街の中心にあるシャッター商店街や、そこから見える丘の上の家並み、そしてその先にある湖、これらの風景は3年前となんら変わらない。変わったのはKが突然として居なくなったことだ。Kの兄のかえでは、あれ以来、夜中になると街中を何かあるんじゃないかと思ってうろつく。同じように、Kの同級生や友人たちも夜中になると、うろつく。まるで絶滅する恐竜が広い草原をかつて自分たちが繁栄してた頃を懐かしむような悲しさだ。
以下はネタバレBOXにて。。
満足度★★
観劇
あんなにいっぱい動いているのに、なかなか不完全燃焼な印象。話が単純で、動きがあまりに型っぽすぎるからか、最初から泣かれるからか、一歩引いて観てしまいました。 繰り返しが積み重なる表現はとても好みなのですが、前に観た公演の方が、繰り返す事での感情が徐々に高ぶって行く感じとか、切なさが素直に受け止める事ができて気持ちよかったです。 あまり入り込めていない時に役者さんが泣いていると、それは自己顕示やこちらには伝わらない涙に感じてしまうのでとても残念。 ちらほら入る、クスッとくる笑いが好きです。
満足度★★
へとへと
初見です。
舞台上では真夜中を過ごしている人々。
それぞれの人の、それぞれの時間と感じた思いが、ありとあらゆる方向から走りまわるのですが、すっごく動くのですね。初めて知りました。
息切もしながら、水も飲みながら、ものすごい全力疾走です。
まったく余裕はないように見えました。
客席との会話があるようにはとても思えず、
一生懸命さはすごいけど、こちらもへとへとになる程。
汗をかく演者さんの肉体が躍動し、生き生きとして、生命力にあふれているように見えました。
大変頑張っていましたから。
だから「K」の事を考えて、泣き声で思いを連ねられても、肉体がとても生き生きとしているので、まったく共感出来なくて、なぜ、こんなに動くのかなあと。
いなくなった人を思う、周りの人々達からの世界、というアプローチはいいなと思いました。
星は演者さん、すてきな当日パンフ、チラシデザイン、グッズに。
満足度★★★
期待しすぎたかも
どれだけ面白いのだろうと、けっこう期待して観たんだけど、何にも共感できなかった。リフレインし過ぎに感じてしまって。途中早い段階で飽きてしまった。なんで共感できなかったんだろう。単なる好き嫌いなのか。
熱気と激しさ
繰り返される言動と行動によって表現されるものや、激しい動きをこなしながら演じる役者から表現されるものが確かにあると思います。
酸欠になりそうなくらいの熱気と激しさから伝わってきました。
満足度★★★★
視線の劇場
初見。内容的な前知識はほぼゼロだったけれど、評判の高さが納得できた。
面白かったのは役者同士の視線。異なるエピソードのラインにいるのに、役者同士がアイコンタクトする。それが芝居全体に不思議な吸引力をもたらしている。こういうのは初めて見た。
重厚なドラマツルギーが支配していた時代、役者の目線は客席の頭上を越えてどこか遠くに向かっていた。
静かな芝居(私はこれが苦手だったけど)が来て、その目線はなんだかわからないところをさまようようになった。静かな芝居とは、目を閉じて耳を澄まそう、という芝居だったのだから(と勝手に私が決めているだけだけど)、それも当然だろう。
この芝居の、いや、生まれつつある新しい芝居の役者たちの視線は、さまよわないし、永遠も見ない。それはたとえば仲間の役者達を(役柄と独立に)冷静に見守り、あるいはもはや「見得を切る」という圧力抜きで客席に向かうことができる。そういう獲得を、芝居は手に入れつつある。
芝居というのは昔からある古くさいものだ。新しい芝居なんていうものはない。ただ芝居が、新しい人間を獲得するのだ。
たとえばオーケストラを見たことがない人が楽器一式を与えられて、その新たな使い方を再発見する快感。
リフレインも肉体酷使もことさら新しくはない。新しいのはそういう発見に向かう精神の自由さだと思う。
満足度★★★★★
2011年を代表する芝居のひとつ
「塩ふる世界。」以降の体力勝負な展開がさらに拡大。「あ、ストレンジャー」以前のリフレインを用いた通常のお芝居だけでもすでに高い評価を得ていた劇団だったので、あの体裁のまま進化していくこともできたはず。なのにあえて賛否を呼びそうな役者の肉体を酷使する方法を取り入れた勇気に喝采を送りたい。
ひとつの事象を多用な視点から見せる事で浮かび上がってくる情景は、観客各々の個人的な記憶に作用して、あたかも「もうひとつの現実」がそこにあるかのように感じさせた。一緒に行った友人は自殺で友だちをなくしていたので、その記憶とこの芝居が結びつき、強く内側を揺さぶられて感極まっていた。
最後の20分がクドイという声がある。たしかに「クドイ」と取られても仕方ないところもあるが、僕は昔のアルバムでよくあった「リプライズ」を聞くような気持ちで楽しめた。「リプライズ」があることにより、今まで観てきた芝居を追憶の中で再現するという効果が生まれていたように思う。
音楽のセレクトが僕の趣味と近くてグッときた。あのカヒミ・カリィのようなウィスパーボイスで歌われるエレクトロニカがとても気になったのだけど、誰か歌手(バンド)名をご存知の方がいたら教えてください。
満足度★★★★★
声
人の死について、考えてみる。
また、音楽について。
あるいは木漏れ日のように、浮かんでは消える景色について。
お別れを言って別れるのは、人生の中ではそう多くはない。
いつの間にか、溶けるように消えて、もう二度と会わないことのほうが多い。
・・ある日突然、自分の前から消えてしまった人たちのことを考える。
たとえば自分の父親について。
病室での最後の会話を思い出す。
たわいもないある一日の出来事。
久しぶりに家に訪ねてきた人の話。
父親は「よかったな」と言っていた。
笑っていた。
それは、景色。
音はあったのだろうが、父親が言ったその声がはっきりと思い出せない・・。
記憶の中の景色は、音の海に溺れて消えるだけ。
水面の景色はきらめくけれど、ゆらめくばかりでとりとめもない。
ときに音が舞台の台詞をかき消すというのは、
自分にとっては酷く自然に感じられる。
考えてみれば、記憶のなかの美しい景色にはっきりとした声が必要なのか?
上演する2時間ほどの時間は、
自分のなかの記憶を探す旅でもあるように思う。
満足度★★★★★
時間の肌触りを伝える力
冒頭のひとつの感覚から
次第に広がっていく
その、真夜中の感覚に浸されて・・・。
作り手のこれまでの作品にも内包されていた精緻さが
従前にはなかった強度をもって
やってきました。
ダンス度が増してる
よりコンセプチュアル、運動的になっていて個人的には大変好き。
逆にわかりやすいセンチメンタルとかストーリーを求める人には合わなかったのかも、と、Corichのコメントを見て邪推。
以下ネタバレボックスに。
満足度★★★★★
飲込まれるっっ
リフレイン初体験。訳わからないけど面白いなぁ。ダンスのようで音楽のようで朗読のようで演劇でないみたいな不思議な空間。時間も空間もひょいと飛び越える、役者の体現するジューオウムジンでジユージザイな空間は居心地が良くて。繰り返されるシーンはいつまでも見ていたくなる美しさと、力強さを持っていて、この心地よさは演劇だから、マームとジプシーだからこその体感。繰り返されるシーンが折り重なって紡がれる物語は徐々に深化して、いつのまにか怒涛の加速を経て観客を飲み込んでいく。真夜中の闇や静寂や神秘性のある特別な空気感をも生み出すパワー。見れて幸せでした。
満足度★★★★★
無題166
当日券で。前売がはやばやと売りきれのようだったのであっさり計画変更。そもそも、水天宮のときが初めてで、全然あわなかったので、その確認みたいなものでした、なので次の機会にと、今日は観劇数削減のため休観日、のはずが、夕方、当日券が出るのか電話でお聞きすると、それまで入れなかった日はなかったというので、2階席かもと言われても席はどこでもいいから(この時点で、少しも期待していないことを自覚)と会場へ、18:55中へ、右奥に席をつくっていて、結局、一番前、上手が少し切れますが、壁に寄りかかりながら舞台上の役者さんを見つめました。21:00ちょっと過ぎて終演。終わってみて、水天宮、きちんとみておけば…と猛省(もうひとつ、ジエン社もよくみておくべきだった)。時間は問題じゃない。
満足度★★★★★
素晴らしい、しかし
素晴らしい。客の感性に訴える演出。というか、藤田の感性による演出。セリフなんて肝心なところだけ聞こえればいい。かつ舌が悪くて聞こえづらい役者もいたけど。まるでコンサート見るみたいに、ノリノリで見ていた。かえでが自分のことのように思えたし、Kが自分の妹と重なった。でも最後の20分は飽きたよ。ふらふらになった吉田聡子は良い感じだったけど。「塩ふる世界」の方が完成度が高かったかな。吉田、成田亜佑美が頑張った。役者さんたち、連日の2回公演、本当に御苦労様。
満足度★★★★★
初めてのマームとジプシー。
チケットから、当日パンフレットまで。こだわっていて、個人的にすごく気に入りました。お芝居も、台詞回しなど、とても好みです。好きな劇団が増えて、しあわせでした。次回公演も楽しみにしています。