エーリヒ・ケストナー〜消された名前〜 公演情報 エーリヒ・ケストナー〜消された名前〜」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-19件 / 19件中
  • 満足度★★★★

    国や時代背景に隔たりがあるので、現実味は薄かったですが
    見応え充分でした
    こんな生きづらい時代が二度と来ないように願います。

  • 満足度★★★★★

    駅前劇場には行けず配信を鑑賞。芸術作品には作り手の力だけでない「降りて来るもの」(’芸術の神とでも)の力を得て生み出されたと思えるものがあるが、本作は戯曲+配役にそれを感じさせる秀作であった。
    児童文学者エーリッヒ・ケストナーの人物像と、物語上の位置づけが良い。やがてナチスが台頭するドイツの闇の時代を彼らの目線を通して描写して行く。開幕を担うのがケストナーの寄宿舎時代の友人ハンス・オットー。同じカフェにいて彼をケストナーと勘違いしたジャーナリスト志望の女子中学生ロッテが彼に熱烈にアピールするシーンから物語は始まる。ハンスは自分が俳優である事を語り、従って私は君が思っている人ではない、と説明する(演劇への愛、俳優業への夢と情熱、俳優と物書きと俳優の違い、でも広く見れば同じ世界に住む人間である事、などのニュアンスが凝縮された簡潔なやり取り)。落胆したロッテにハンスは「君にケストナーを紹介する」、これからクラスメイト3人で同窓会をやるのだという。ここに映画志望だが普通の会社勤めのもう一人の友人が登場、あけすけな彼はケストナーに憧れてるらしいロッテの前であいつが如何に女にだらしない男かを話す。怒り心頭のロッテの前に、そのケストナーが登場。「今見た踊りが凄かった」と話す。新聞に劇評も書く彼の守備範囲での話だが、その話につられたあけすけな友人は(マンネリな日々に刺激を求めてる風)見に行って来る!と去り、やがて「俺は恋に落ちた」と言って戻って来るのだが、その踊り子というのが後の女流映画監督リーフェンシュタール(名画でありナチスドイツに協力した映画と評される「国民の祭典」の監督)で、クラスメイト二人に恋の俄か指南を受けて挑むも撃沈、彼女は「ケストナー」に会いに来たのだった。そして町でパンを売る俳優志望の少年の登場。以上で人物はほぼ出そろい、歳月を重ねてその変化が描かれて行く。(後一名はケストナーの「エミール」や「飛ぶ教室」に挿画を提供したユダヤ人画家。)
    個々の人生の変節は省くが、私にとっての特筆は、最終場でのやり取りだ。ドイツの敗勢が決定的になった1945年5月、国家の庇護下で映画を撮っていた映画人らがベルリンから遠く離れたドイツ領オーストリアでのロケを認めさせ避難して来る。そのホテルに後を追ってリーフェンシュタールが駆けつけるのだが、彼女が登用し映画界入りをしたなんちゃって映画監督(あけすけ男)にも、同じく映画界入りしナチス党員にもなった元パン屋にも冷たく対応される。そこにケストナーが現われ、彼女は彼に助けを乞う。他の著名人や文化人芸術家が亡命する中、ケストナーはドイツに残る事を選んだ人としても知られる。だがその中で彼は(表向き、と言っておく)ナチスに協力もした。リーフェンシュタールはその事をもって相手も自分も同罪だと言う。これに対し、ケストナーは自分が如何に相手と違うか、それを説明しようと言葉を絞り出す瞬間が、この作品の肝である。(時間切れにつき、後刻に)

    ネタバレBOX

    (続き)
    ナチス礼賛の映画を撮ったリーフェンシュタールから「ナチスに協力した」意味ではあなたも同類だと言われたケストナーは、「私はあなたとは違う」としか言い返す事ができない。作者はそれによって、ケストナーが長かった国家社会主義ドイツ労働者党支配の時代を苦悩の内に生きた「事実」を頼みに、「あなたとは違う」を繰り返させる。彼女は「映画を撮りたかった」自身を振り返り、与えられた機会を逃さなかっただけ、という。ケストナーも映画「ほら男爵の冒険」のシナリオ提供を求められ(「書きたい気持ちに抗えず一晩で書いてしまった」とロッテに告白する)、最終的に応じたが、彼なりの抵抗を盛り込んだ。リーフェンシュタールは「同罪」だ、と言う。だがケストナーは苦しんだ事実を思い、あくまで「私は闘った」と言う。
    今この時というのは、二人を同じカテゴリーに括りたい(そうしてスッキリしたい、余計な事は考えたくない)時代ではないだろうか。そしてどうせ罪人なら楽な方を行けば良い。所詮自分らは弱い存在だ。・・だがこの舞台は、この二つを峻別しようとした。ケストナーという(好感度の高い)主人公を予定調和的に「良い人間」として落着させるためでなく(その人間像は最初に崩れている)、「生き方」の明白な違いを、この際はっきりさせるため。「ささやかな抵抗」、何故昔の日本人はそれをしなかったのか、かつて歴史を学んでそう問うた「その時代」に今すでに足を踏み入れている。
  • 満足度★★★★★

    このコロナ禍、簡素化する舞台が多々ある中しっかりと作り上げていた・・・♪
    そこからも意気込みが見え、良い舞台に仕上がっていた♪

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2020/12/09 (水)

    面白かった。それぞれの考え方主義が未来を変えている。変えていく。
    それが正しいかどうかはさておき、ケストナーの想いを貫く気持ちとか、流れに乗り夢をかなえる友人たちとか…。
    色々考える隙を残してくれてあり久々に演劇を観た!!って感じがしました。

  • 満足度★★★★★

    劇団印象は初めて観劇しました。
    また次回も観劇したいと思わせる内容でした。
    劇団チョコレートケーキの古川さんとのアフタートークも興味深かったです。
    事実の奴隷になるな、事実に対する尊敬は忘れるな的な名言も良かった。
    (記憶力が悪いので違ったらすいません)

    レニの「雪山を登った後に、雪が解けてから正しい道を示されても」
    という台詞も好きでした。記憶力が良くなりたい。

  • 満足度★★★★

    文豪とは言えたけど剣豪ではないのだから....
    命大事にしての国への抵抗は
    こーゆーことだよなぁと思えた重厚な作品でした
    2時間10分~休憩無し

    ネタバレBOX

    銃声のあまし聞こえない戦争作品ともいえる舞台で
    下手に西暦と月~場所が表示されて
    基本室内シーンでの舞台表現ですが
    場面転換などはヒトラーの演説やアカペラ~♪で
    最初の転換時はミュージカル作品かしらーとか思えたっす(^-^;)

    小道具~衣装や電話~ラジオ等を丁寧に再現されて
    らしさが よく出ていたなぁとも感じたデス

    ......月に行きたいという夢に向かって
    ひたすら周囲を巻き込んで利用し尽くしたV2開発者の方とは
    正反対だなぁ~とかも 同時代的に思ったりもしました.....
  • 満足度★★★★★

    ナチス政権下での究極の選択。緊張感溢れる社会派劇なのだが、エンタメとしてもめっちゃ面白い。脱帽しますね。

  • 満足度★★★★

    印象さんの舞台は何度か観ているが、それらの印象をひっくり返す、骨太の緊張感ある作品。2時間強まさに息もつかせぬといった緊張感溢れる良い作品でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     この公演の優れたところは、時代背景の説明と人物造形の多角性にある。物語は1920年代から1945年までを順々に展開し、その時代に生きた人々の性格はもちろん、立場や状況を実に巧みに描いているところ。また国家・人種観という大局観から人の感情という生活や内面まで取り込んで観客を魅了する。国家(体制)その時代にその地で暮らす人々を巧みに描くことで、物語に厚みを持たせている。この骨太・重厚感は一見難しい内容に思われそうだが、一人ひとりの人物像を魅力的に描くことによって、物語の世界にグイグイと引き込む。
     タイトルにもなっている主人公エーリヒ・ケストナーは、ナチズム台頭と同時に創作活動(少なくとも発表禁止)は行わないという抵抗をしたらしい。閉塞した現況という点(物語背景の状況とは全然違う)において、コロナ禍にも関わらず、当日パンフに脚本・演出の鈴木アツト氏は早くこの作品を上演したかったと記している。観客として自分もこの作品を今観ることが出来て嬉しく思う。
    (上演時間2時間10分 途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台美術…冒頭は1920年代ワイマール期のカフェ、テーブルと椅子のセット。2場以降はナチズム下のケストナーの自宅リビング。調度品等をしっかり配置し、特に本棚は彼の職業を意識させる。ラストは某所宿舎といったところで、簡素な作り込み。セットは場面転換によってその時々の状況を分かり易く説明する役割を果たす。また1923年から1945年ドイツの敗戦迄を時間と場所を下手側にスーパーとして映し時代の流れと人々の意識変化を分かり易く補足していく。舞台技術である照明は全体的に昏く、時に焚書を思わせる本棚へ朱色照射など状況を効果的に観せる。また音響では飛行音、爆撃音をいった状況の緊張感を意識させる。そうした演出を背景に熱い議論を展開させるあたりが実に上手い。

    公演は人物の生い立ち、立場・状況を確立する。その人物量感と時代感覚・間隔を浮き上がらせる。主人公とその周りの人物を特徴的に造形、表出することで時代に抵抗するか迎合するか…しかしそのような単純な描き方はしない。そこには人の”生きる”という根源的な問題が横たわるから。それぞれの人物に生き方の違い、選択肢を背負わせ、ケストナーという人物の生き様が鮮明になる。その意味では彫刻でいう 浮き彫り といった印象の群像劇だ。

    ドイツ人、ユダヤ人といった民族性を強調して描くことで、なぜケストナーが亡命せず、故国に居続けたのか。この地で無言の抵抗を続けた思いが伝わるようだ。国(体制)と個人(ここでは芸術家)、現実(支配)と理想(抵抗)が衝突し、その矛盾は簡単には解決出来ない。登場人物の葛藤を通して むき出しの人間存在や不条理が露わになる。国家を成す人間社会の醜さや残酷さを思い知らされるが、同時に人間の切ないまでの生命力も感じる。民族性に差別と偏見の歴史を見るようだが、ケストナーにそれに抵抗する精神を象徴させたかのようだ。

    ドイツ敗戦後、レニ・リーフェンシュタールとケストナーとの激論は時代を超えた芸術家(表現者)としての生き方そのもの。後の時代(人々)によって検証されるであろう覚悟も含め、その応酬は緊張感あるもの。またレニの「女には権力にすり寄るしか映画を撮る道はなかった」「あなたは私を見ると、鏡のように自分の姿が見えて苦しい」などの珠玉の台詞は、現代日本にも通じ心に響く。ケストナー役(玉置祐也サン)とレニ役(今泉舞サン)の激論は、2人の口跡もクリアーで確固たる論理の展開、格調も高く心魂揺さぶるものだった。この公演は、まさに自分の思考を…。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 満足度★★★★★

    観る前は、かたくるしそう、あまりおもしろくないかも、と心配してた。
    他の人がほめているものはほめたくない、というあまのじゃくな私だが、この作品は、本当に素晴らしかった。
    自分の思想、信念を、貫くというのは、本当に難しかった時代もあった。
    私たちの時代は、恵まれてる、幸せなのだ。つくづく思った。
    ハンス役の役者さん、すごーくカッコよかった。観ていて、うっとり!!!
    ストーリーもおもしろく、本当に申し分もない。この劇団さん、はじめて観たが、ファンになってしまった。次の作品もぜーったい観たい。
    よいお芝居を観ると、幸せな気分になります。
    素晴らしい作品を演じて下さった役者さん、本当にありがとうございました。
    まだ、何日か残っていますが、頑張ってください。

  • 満足度★★★★★

     タイゼツベシミル❕❕ 華5つ☆。追記後送(追記2020.12.13 02:13)

    ネタバレBOX

     殆ど総ての時間、緊迫感に包まれ我が事として引き込まれつつ同時に深く考えさせられながら拝見。脚本・演出の素晴らしさ、演技、合理的且つ良く設計され落ち着いた中にも古い物を大切にするドイツ人らしさの感じられる舞台美術、ワイマールからナチズムへドンドン傾斜して行く昏い世相を反映したようなやや昏めの照明、この流れに着かず離れず効果を上げる音響。何れもグー。
     才能というものが単に世相を的確に反映する鏡としていられた19世紀迄なら兎も角20世紀以降、プロパガンダや広告手法の発達によりそれほど単純な問題ではなくなり、創作者側の意図を如何に世相誘導に反映させるかということも大きな要素を占めることになって現在では、集合知を如何様に組み立て・発表すればより大きな効果を発揮し得るかという観点、多様なメディアを用いての相乗効果狙い等々迄総動員して「物語」は作られている訳だが、矢張りその中心を占める大きな要素は、文学作品であれば、小説、詩、戯曲、シナリオ等の製作者自身の持つ自由闊達な発想と想像力の奇抜・壮大・思いがけない結びつき等とそれを自然たらしめるだけの情景描写の緻密性にあることは無論である。今作で描かれる才能の両横綱は無論、ケストナーとレニだが、役者ハンスの才能も相当のものだし、ヴァルターのイラストレーターとしての腕も大したものである。ロッテの一貫した女性らしい強さも見上げたものと言えようしシュミットも生きることに賭け、その意味では矛盾が無い。ハンスは思想に殉じた英雄であるが、思想・正義と生きることの間にある無限の隔たりは実際にはナチをどう評価するかとの関わり、そして個々人の選択から来るホンノちょっとした違いなのである。このことの凄まじい迄の結果差こそ、今作が我々に問う最大の問題であろう。
     ところで一般に知識人・知的階層は民衆をどう観ているか? 多くの者が見下している。例えば都会生活をしていて食料品店で買い物をする。この時、売り子やレジスターで働く民衆に対し心の底から彼ら・彼女らが居てこのような仕事に携わってくれなければ自分の明日の命さえ危ぶまれると真摯に考える知識人がどれだけ存在するか? 今作で作・演出を務めた鈴木氏は総ての登場人物の社会的位置に対してバイアスを掛けていない。これがどれほど難しいことかは中々理解されないが、大変な作業である。
     さて、これらを理解した上で今作を観る側のどのような人間が最も身近に引き付けて観るだろうか? 自分自身の感覚から言うと、表現する者。即ち表現する当事者である。理由は、当に自分の問題に他ならないからだ、現実に我々が暮らす日本の現在に於いて主権者である我々は殆ど奴隷と化し、金持ちや為政者の抜かすトリクルダウンなどという詭弁を信じているフリをしている。ピケティ―を出す迄も無くトリクルダウン説など茶番であることは誰しもが気付いていよう。また、世界の大金持ちや大企業の資産は世界的不況にも関わらず増え続けている。無論、最も大きな原因は、信用創造問題であることは多少己の頭で考えることができる誰しもが認める所であろう。このような下部構造に絡んで政治も機能している。実際、現在の日本民衆の労働奴隷化の凄まじさは半端ではない。にも拘わらず、彼らには自分達が自分達自身の力を用いて這い上がる術が無いと考えられている。方法はある。土地価格を下げ、衣食住の内、今後政治的英断によって唯一現実に庶民生活を少しは楽にさせることのできる方策である。無論このまま短期間に土地価格を下げれば倒産企業続出であるから、土地を公有化することも含めて抜本的対策が必要であるし、エネルギーも電源三法廃止、湯を沸かしキチンと処理できない核廃棄物を垂れ流すだけの原発全廃は当然のこととして代わりに水素発電を国策として進め、国際特許を総なめするくらいのことをし、其の利潤で弱含み産業のテコ入れを図る。現支配層を解体する為、政治体制は、スイス型即ち、イニシアティブと2種のレファレンダムを取り入れ代議制民主主義及び直接制民主主義併用、最終決定権は国民投票など直接民主制が上位の判断とする。日本で参院は実際には本質的に機能していないからこのままなら廃止。選挙区は大選挙区制とし人や党を選ぶのではなく政策を選ぶことにする。即ち公約を守れなければ議員として不能だから失格。失格後の被選挙権も剥奪して良かろう。何となれば、所謂「サンバン」に依拠しているに過ぎない地域利害ボスに過ぎないからである。またキャリア官僚も大幅に削減すべきだ。現在では泥船日本から手前らの取り分を盗むことしか考えていないのがキャリア官僚なのだからこんな余計者は要らない。政治屋も同。キチンと未来を拓けるようなビジョンも無い奴は要らない。一方直接制民主制の自由を得た後、政治の結果責任は主権者たる国民が負うこと、当然である。その上で軍である自衛隊についても新たに真摯な議論が必要である。自衛隊を廃止しスイス型国民皆兵も考えるべきだろうし、他の選択肢として現状の国連を認めた上で、国連軍の中核として自衛隊を国連軍にするという夢想もしたい。軍事費は、日本国憲法で定めた範囲内で支出するものとし、足りない分は国連加盟国総てが分担義務を負うことを基本原則とし、5大国特権は認めず、決議は第三者機関による人類の存続可能性評価及びこれまでの実績を踏まえた人道的国際機関等の創設する第三者に従う事を決議すべきである。機関また日本の癌・天皇制についても天皇及び皇族を非人間扱いしている現行法から解放すべきである。天皇、皇族総てが人間である。現行の逆差別は改め、例えばデンマークのような人間的・歴史的王として扱うことが良いと思われる。この程度のことを自分の時間を使って調べ、自分の頭を使って考えるのは奴隷たり得ぬ者の当然の責務。この程度のことが己で出来なければ諸君は永遠の奴隷として留まることを自ら選んだということになろう。主権在民とはそのようなことである、それができなければこの国のファシズムは暴走を止めない。覚悟して対応するが宜しい。
  • 実在の人物を用いて、これだけ面白い劇を創るとは!
    お見事!

  • 満足度★★★★★

    まいった!感服です。
    この劇団に関しては児童向けは面白いけど、一般向けは内容は良いけど、面白くないという印象を持っていました。
    しかしこの作品に関しては、内容と面白さを高い次元で両立させている!と感じました。
    個人的には今年の1位かも。

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2020/12/11 (金) 14:00

    主人公はケストナーだけではなく、いろんな意味で群像劇でしたね。当時の社会情勢や人々の意識の変化がぎゅっと詰まった濃密な2時間でした。彼らの戦後の精神的葛藤を描いた作品も見てみたい。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2020/12/11 (金) 14:00

    迫力のある醍醐味のある演技の舞台でした。

  •  少ないが歌もあり、人間を明るい面から描こうとする
    作者の温かい眼差しと人物愛に溢れた評伝劇。

     ただ、ケストナーは焚書や発禁処分にあっても
    なぜあそこまで亡命を拒み国内に留まり続けたのか
    といったことなどを含め、社会の矛盾や混沌の中で
    生きる人間の内面、その奥深くに沈んでいるものの
    描写やあぶりだしが弱い印象もあり。

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2020/12/09 (水) 19:00

    劇団印象、第26回公演にして最高傑作が生まれた!と思う。これまでと一転して、まるで海外戯曲のような、大作映画を1本見たかのような重厚な物語。全ての作り手、表現者に観て欲しいお薦め作品です。自分があの時代に、その状況にいたらどうしただろう?ひょっとすると、生きるため、創るためという理由でナチスに組してしまったかもしれない。と思わされました。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2020/12/09 (水) 19:00

    135分。休憩なし。

  • 満足度★★★★

    感動しました。反ナチのケストナーと、ナチスの女神になったレニ・リーフェンシュタールを鉢合わせにする発想がうまい。共産党員でゲシュタポに殺された俳優ハンスと、ナチにすり寄って映画監督になったヴェルナー。ケストナーと寄宿学校以来の親友だったという二人の変化を絡めた、1923年から1945年までのナチスの台頭と破滅と、ケストナーの執筆禁止の中での、映画脚本という誘いを受けての葛藤。少数の登場人物たちの人間関係の変化と時代の変化を絡めるのは井上ひさし芝居のようでした。

    特に前半は、中学生のロッテの怖いもの知らずの一途さといい、レニをめぐるヴェルナーとケストナーの掛け合いと言い、活気がみなぎっていた。

    ナチスの弾圧が始まると、それぞれの立場が硬直して、人物が与えられた枠を越えられないところは残念。でも、最後、ドイツ降伏後の場面は、戦争協力を責められて反論するレニのセリフが光っていた。「女には権力に擦り寄るしか映画を撮る道はなかったのよ」なぜ私だけが」「あなたは私を見ると、鏡のように、自分の姿が見えて苦しいのよ!」
    「雪山の道なき道を必死で登ってきたのよ。雪が溶けてから、本当の道は違ったと言われても、どうしようもないわ」等々。

    戦争協力を、男社会で女性が実力を発揮するためのやむを得ない選択、という見方は、きわめて今日的だと思った。女性活躍が未だにお題目だけの日本の現実に刺さる

    ネタバレBOX

    「ホラ吹き男爵の冒険」をケストナーが匿名で映画の脚色をしていたのは知らなかった。これをナチスへの屈服、協力ととるか、やむを得なかった偽装ととるか、そもそもただの娯楽映画ととるか。難しいところである。

この公演に関するtwitter

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(ツイート取得対象にするテキストは公演情報編集ページで設定できます。)

  1. 子どもの涙が大人のより小さいということはないし、ずっと重いことだってある。 -エーリヒ・ケストナー

    4年弱前

  2. 【配信】劇団印象-indian elephant-『エーリヒ・ケストナー~消された名前~』Peatixにて映像配信開始! https://t.co/wCz7FuA7Th

    4年弱前

  3. 悲しいときには悲しめ。のべつ君のこころの見張りをするな。君のだいじないのちにかかわることもあるまい。 ─エーリヒ・ケストナー(独 児童文学者) ☆悲しみに沈んでも大丈夫です。自分の中に溜め込むよりは、思い切り悲しんだ方が良いもの… https://t.co/jhZgyTy1Uk

    4年弱前

  4. エーリヒ・ケストナー『飛ぶ教室』 クリスマス近いドイツのとある寄宿学校。そこで学ぶ少年たちの生き生きとした姿と、その成長を柔らかく見守る大人たち。 生きぬく力、希望や勇気の大切さを、ナチスの圧力に屈せず信念を貫いて執筆した著者が贈… https://t.co/zPd5pr2WPj

    4年弱前

  5. ◎サーカスの小びと エーリヒ・ケストナー作 高橋健二訳 岩波書店 *ドイツ語版(1968年ドイツ刊)共2冊にて https://t.co/ZnvBLSz2K5 #ヤフオク

    4年弱前

  6. 悲しいときには悲しめ。のべつ君のこころの見張りをするな。君のだいじないのちにかかわることもあるまい。 ─エーリヒ・ケストナー(独 児童文学者) ☆悲しみに沈んでも大丈夫です。自分の中に溜め込むよりは、思い切り悲しんだ方が良いもの… https://t.co/qvHnKXTVuK

    4年弱前

  7. おはようおやすみ : いんぞうあーとぶっく / 鈴木惠治 詩. [多摩] : 劇団印象indian elephant出版部, 2017.4. https://t.co/06KbKqwQuQ https://t.co/MfafsCX484

    4年弱前

  8. 劇団印象-indian elephant-第26回公演『エーリヒ・ケストナー~消された名前~』無事に全公演終了致しました。 1900年代前半のケストナーと周りの人達の半生のお話。ただ今を強烈に感じるお話。どう生きるかという普遍のテ… https://t.co/gmpu9e84zO

    4年弱前

  9. 劇団印象-indian elephant-第26回公演 『エーリヒ・ケストナー~消された名前~』 無事に全公演終了しました。コロナ禍の中、ご来場いただきました皆様、本当にありがとう… https://t.co/QMvejtGTMw #エーリヒケストナー消された名前 #劇団印象

    4年弱前

  10. 劇団印象『エーリヒ・ケストナー〜消された名前〜』無事に全公演終了しました〜〜ありがとうございました。帰りの電車、突然現代に放り出された感じで寂しくなってます。

    4年弱前

  11. 『エーリヒ・ケストナー〜消された名前〜』を観劇しました。 ナチス政権下、表現者たちの抵抗と妥協、葛藤を描いた物語。 登場人物を背景から言葉や行動を細やかに描き、息を吹き込んでいます。表現者の在り方について考えさせられました。 #エーリヒケストナー消された名前

    4年弱前

  12. 劇団印象​『エーリヒ・ケストナー 〜消された名前〜』観劇。何故か劇団印象さんにフォローされ、こんなひっそりすぎる末端アカをフォローするなんてどんな劇団だと思って観に行ったら、物凄くちゃんとしてた!2時間あっという間で面白かったし、… https://t.co/CYmma67J6R

    4年弱前

  13. 劇団印象(@inzou )『エーリヒ・ケストナー 消された記憶』を観劇! 二次大戦前後のドイツを舞台に、作家ケストナーや映画監督レニ・リーフェンシュタールらの対話と生涯を描く。 凄かった…。芸術への信念が変わってしまいました。… https://t.co/98yrjZubE9

    4年弱前

  14. 続き→ 話題の公演 ~12/13 劇団印象-indian elephant-/エーリヒ・ケ…/4.6(14) ~12/13 good morning N°5/ただやるだけ/4.6(5) ~12/13 劇団桟敷童子/花トナレ/4.5(2) #東京観劇カレンダー

    4年弱前

  15. 【村岡哲至】㊗️千穐楽‼️ elephant- 第26回公演 「エーリヒ・ケストナー〜消された名前〜」@下北沢・駅前劇場 本日無事に千穐楽を迎える事が出来ました。 すべての皆様に感謝申し上げます。… https://t.co/Yz8KFgFlCP #劇団印象

    4年弱前

  16. 飛ぶ教室 エーリヒ・ケストナー作 高橋健二訳 岩波書店 (岩波世界児童文学集)

    4年弱前

  17. 悲しいときには悲しめ。のべつ君のこころの見張りをするな。君のだいじないのちにかかわることもあるまい。 ─エーリヒ・ケストナー(独 児童文学者) ☆悲しみに沈んでも大丈夫です。自分の中に溜め込むよりは、思い切り悲しんだ方が良いもの… https://t.co/OMYPbOOlJZ

    4年弱前

  18. 飛ぶ教室/エーリヒ・ケストナー 寄宿学校の生徒たちが主人公のクリスマス物語。執筆されたのがナチス・ドイツの時代であることを知ると、作中に散りばめられた「勇気」に子供たちに強く生きることを願う作者の想いが感じられる。クリスマスは誰… https://t.co/Qi7AxaMgjo

    4年弱前

  19. 悲しいときには悲しめ。のべつ君のこころの見張りをするな。君のだいじないのちにかかわることもあるまい。─エーリヒ・ケストナー(独 児童文学者)

    4年弱前

  20. 【観劇三昧下北沢店】 本日の下北沢は千秋楽ラッシュ㊗ M&Oplays、劇団印象-indian elephant-、MCR EXPO’20W、東京おかわり美女、good morning N°5、阿佐ヶ谷スパイダースが最終日です😲… https://t.co/8heECmIWAk

    4年弱前

  21. 1930年代は思想により 2020年はウィルスにより 「表現」の自由が制約される そんな中で打たれ印像の舞台 昨年の瘋癲(フウテン)老人日記以来の観劇だったが 鋭く厚みのある作品で 今回も心に杭を打たれた気分 本日まで公演中、是非… https://t.co/LbysGeA1Ff

    4年弱前

  22. 1930年代は思想により 2020年はウィルスにより 「表現」の自由が制約される そんな中で打たれ印像の舞台 昨年の瘋癲(フウテン)老人日記以来の観劇だったが 鋭く厚みのある作品で 今回も心に杭を打たれた気分 本日まで公演中、是非… https://t.co/nCOPWQzOml

    4年弱前

  23. 国民はナチ政権に扇動され狂気へと駆り立てられ戦争へ 表現者が苦しみもがきながら作品を生み出し それに関わる人達が死に直面しながらも芸術に向き合い生きた証がそこにあった 7人の熱い思いを今この2020年に確かに受け取った→… https://t.co/NBKVtn17ys

    4年弱前

  24. 国民はナチ政権に扇動され狂気へと駆り立てられ戦争へ 表現者が苦しみもがきながら作品を生み出し それに関わる人達が死に直面しながらも芸術に向き合い生きた証がそこにあった 7人の熱い思いを今この2020年に確かに受け取った→… https://t.co/ABxf6NYvtn

    4年弱前

  25. 〜消された名前〜 まるでケストナーの生涯ドキュメントを観てる感覚 時代背景が似てる事も寄与し 20代前半に観た映画シンドラーのリストを思い出す 彼はユダヤ人を助けるため ケストナーもナチに傾く民衆に問題提起… https://t.co/tBpunofMMz #エーリヒ・ケストナー

    4年弱前

  26. 〜消された名前〜 まるでケストナーの生涯ドキュメントを観てる感覚 時代背景が似てる事も寄与し 20代前半に観た映画シンドラーのリストを思い出す 彼はユダヤ人を助けるため ケストナーもナチに傾く民衆に問題提起… https://t.co/iGiAR0h1TQ #エーリヒ・ケストナー

    4年弱前

  27. 直帰して今日の2本を振り返る 役者の経験も違うんだけど なんだろ、 2本とも正統派で心に響く作品 共通してるのは 演劇に対する熱量は同じだった事 1日どっぷりと「演劇」に浸れた気分 ゆっくりと感想書くけど 先ずは素敵な舞台を有り難… https://t.co/4WHXRbJSxd

    4年弱前

  28. 直帰して今日の2本を振り返る 役者の経験も違うんだけど なんだろ、 2本とも正統派で心に響く作品 共通してるのは 演劇に対する熱量は同じだった事 1日どっぷりと「演劇」に浸れた気分 ゆっくりと感想書くけど 先ずは素敵な舞台を有り難… https://t.co/uOPxXByGBa

    4年弱前

  29. 続き→ 話題の公演 ~12/13 劇団印象-indian elephant-/エーリヒ・ケ…/4.6(11) #東京観劇カレンダー

    4年弱前

  30. 「今日の観劇は?」 昼 出演 の ​ 〜消された名前〜】 を下北沢 にて ドイツはナチス政権下のstory 夜 の を… https://t.co/bn7ruznAx4 #今泉舞サン #劇団印象 #エーリヒ・ケストナー #駅前劇場 #三国悠 #舞台あしながおじさん

    4年弱前

  31. 「今日の観劇は?」 昼 出演 の ​ 〜消された名前〜】 を下北沢 にて ドイツはナチス政権下のstory 夜 の を… https://t.co/NiTZbNXQjF #今泉舞サン #劇団印象 #エーリヒ・ケストナー #駅前劇場 #三国悠 #舞台あしながおじさん

    4年弱前

  32. 悲しいときには悲しめ。のべつ君のこころの見張りをするな。君のだいじないのちにかかわることもあるまい。 ─エーリヒ・ケストナー(独 児童文学者)

    4年弱前

  33. 【観劇三昧下北沢店】 本日の下北沢では引き続きM&Oplays、劇団印象-indian elephant-、MCR EXPO’20W、東京おかわり美女、good morning N°5、阿佐ヶ谷スパイダースが上演中! コロナも… https://t.co/eifjb5FGNT

    4年弱前

  34. 劇団印象「エーリッヒ・ケストナー〜消された名前〜」しかし。これも「演劇」「映画」が出てくる物語。しかも脚本家の鈴木アツトさんは明確にコロナで公演が出来ない中書いたって。間違いない。コロナ禍は何かを変えてる。

    4年弱前

  35. 悲しいときには悲しめ。のべつ君のこころの見張りをするな。君のだいじないのちにかかわることもあるまい。 ─エーリヒ・ケストナー(独 児童文学者) ☆悲しみに沈んでも大丈夫です。自分の中に溜め込むよりは、思い切り悲しんだ方が良いもの… https://t.co/m5ofYXGWDn

    4年弱前

  36. 因幡屋ぶろぐ更新。劇団印象公演 鈴木アツト作・演出『エーリヒ・ケストナー-消された名前-』初日観劇の記録をやっと。困難な時代にあって、表現者として生き抜くには?舞台からの問いかけは甘くありませんが、作中の人々と共に迷い、考える力を… https://t.co/MesB2TRGB6

    4年弱前

  37. 劇団印象『エーリヒ・ケストナー〜消された名前〜』昼夜2回!今日もありがとうございました。 毎回反省すること多々ありますけど、終演後の楽屋で笑い合えているのが何より幸せです。「一瞬一瞬、今を生きるってこと」を信じていきたい。

    4年弱前

  38. 下北沢 駅前劇場にて 劇団印象 ​【 〜消された名前〜】 を観劇 作・演 鈴木アツト https://t.co/B5KKlX1Alo #エーリヒ・ケストナー

    4年弱前

  39. 劇団印象「エーリッヒ・ケストナー〜消された名前〜」出演者はみなさん素晴らしい演技。それぞれの登場人物が表面上は変遷しながらも、実は変わらない(人間として)玉置さんと山村さんのラストシーンは本当に素晴らしかったです。

    4年弱前

  40. 劇団印象「エーリッヒ・ケストナー〜消された名前から〜」観ていて不思議な優しさと人の温かさが伝わる劇。脚本が素晴らしいからでしょう。ラストは全てを希望に変えてカーテンコール。観終えた後の満足感が最高でした。

    4年弱前

  41. 劇団印象「エーリッヒ・ケストナー〜消された名前〜」フライヤーのイラストが綺麗だったのがセレクトした理由なんですが、そのイラストの通りの綺麗な舞台。セット、衣装、照明、音楽、メイク。みんな綺麗でした。

    4年弱前

  42. エーリヒ・ケストナー 『エーミールと三人のふたご』 岩波少年文庫019 https://t.co/UzBu8H9Nmk

    4年弱前

  43. 劇団印象「エーリッヒ・ケストナー〜消された名前〜」駅前劇場。観ました。脚本・演出鈴木アツトさん。史実を基に主人公と主人公を取り巻く人たちを描いたとても素晴らしい舞台。観れてよかったです。

    4年弱前

  44. エーリヒ・ケストナーのスタイルで書かれたアーサー・ケストラー『真昼の暗黒』、本家より怖い気がする。 https://t.co/iCtF3jtpCF

    4年弱前

  45. 飛ぶ教室 (岩波少年文庫) (エーリヒ・ケストナー/池田香代子) の、紀伊國屋電子書籍版が予約開始されました。12/24(木)配信。 https://t.co/Bk8rxY7OIB

    4年弱前

  46. 点子ちゃんとアントン (岩波少年文庫) (エーリヒ・ケストナー/池田香代子) の、紀伊國屋電子書籍版が予約開始されました。12/24(木)配信。 https://t.co/ZeZknD96yx

    4年弱前

  47. 以前お世話になった、劇団印象-indian elephant-の舞台を観に行った。面白かった。 終演後に面会もできないご時世だから、ツイートすることしかできないけど。 良かったなぁ〜。 https://t.co/gQIR6TWAex

    4年弱前

  48. エーミールと探偵たち (岩波少年文庫) (エーリヒ・ケストナー/池田香代子) の、紀伊國屋電子書籍版が予約開始されました。12/24(木)配信。 https://t.co/GoZIe2jKzk

    4年弱前

  49. エーミールと三人のふたご (岩波少年文庫) (エーリヒ・ケストナー/池田香代子) の、紀伊國屋電子書籍版が予約開始されました。12/24(木)配信。 https://t.co/HDRSE7I9ve

    4年弱前

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