
COLOR
ホリプロ
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2022/09/05 (月) ~ 2022/09/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
交通事故で記憶喪失になった青年の混乱と回復、新たな生きる道の発見の物語。シンプルで淡彩のパステルカラーで描いたような舞台だった。舞台上の右から上部にかけてを覆う白い壁が、木のようにも、波のようにも、繭のようにも見える。そこに映像を映すことで、作品を視覚的にも膨らませる。
青年(成河)と母(濱田めぐみ)、父、編集者、友人(浦井健治)の回を見た。全編に歌がたっぷりあって、85分と短いが、濃密な音楽劇になっているピアノとパカッションの生演奏。。最初のうち、青年の歌が音程を外したような、稚拙な旋律になっているのが、記憶喪失の戸惑いをよく示している。母の嘆き、喜び、青年の右往左往も歌があることで、情景の積み重ねや説明抜きに、観客に伝わってくる。
ユーフォ―キャッチャーにつめこまれた動物のぬいぐるみたちが、記憶のない世界に閉じ込められた自分に重なる場面が面白かった。
豪華キャスト(母は、柚希礼音とのWキャスト)からすれば新国立の小劇場という小さい空間でやったのはぜいたく。でも新国立の小劇場でもまだこの芝居には大きく感じた。100-200人の劇場で、俳優の息吹をもっと近く感じれば、母子の悩み、父の強さが一層濃密に迫ったと思う。

Show me Shoot me
やみ・あがりシアター
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2022/09/02 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
冒頭の夫婦漫才(「三鷹はいい街ですよね。××もあるし、△△もある」「それ吉祥寺のことだよ」)からはじまって、コントを次々とつなげたような芝居。隣に越してきた関西弁乗りの夫婦、会社の喫煙室での会話、OL二人のランチ風景、社宅に住む兄とヴォーカロイド作曲家の妹、性格の悪い彼女と「一日一善」がモットーの彼氏、読み聞かせ会の子どもたち。
関西弁夫婦に押されて、自信をなくした根暗の漫才夫婦の危機を軸に、いい年したOLのカブトムシ取りや、おじさんの早朝ランニング風景なども織り交ぜていく。ばかばかしい話なのだが、俳優たちがそれぞれ個性的なキャラを熱演していた。その中にあって、根暗の漫才夫婦が、終始どよーんとした雰囲気をまとわせていたのが、コントラストをつけるともいえるし、足を引っ張るともいえる。関西弁妻のさんなぎの迫力が目立つが、おとなしいけれど漫才の妻役の加藤睦望の天然ボケの感じもよかった。

Show me Shoot me
やみ・あがりシアター
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2022/09/02 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
2時間の上演時間であるが実にスピーディな舞台で楽しめました。フライヤーのあらすじを読んでいたので、すんなりと入れたが、未読だと戸惑う方もいるかなとは思いました。今回も登場人物のキャラ設定がしっかりしていて、密かに応援したくなる人達でした。

老獣のおたけび
くちびるの会
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/09/03 (土) ~ 2022/09/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
昔雑遊あたりで観た切り、と思っていたら割と最近吉祥寺でも観ていたくちびるの会。どちらも中々イケる舞台だった感触のみ記憶に残ってい、期待値やや高で観劇。
役者力に頼んだ芝居、とは言え、不条理な設定がじわじわと効力を発し、花開いたと感じた。日本の不条理演劇の開祖別役実の作品に肖った訳ではなかろうが、、チョイスは正解。子供に好かれるキャラ、しかし害獣、の二面を備えた存在に頼んだ芝居、とも言えるか。
終始目に映っていたのは認知症老人という「困った存在」で、そのデフォルメされた表現としてのそれ。「困り」つつも理解に努め、「共生」を模索している所へ排除主義が介入してくる。安全を掲げ、遵法精神を発揮して(法の奴隷)、正義面して人の弱みを突く(コロナが増産した、否見える化した)何とか警察的な人間共を自分はつい重ねて見ていた。
ひいては、そうした大衆の反知性化を歓迎し「何もしない」政治で「やってる感」の演出だけに勤しむ、我が国の統治者たちに身を預けておる現状へのやるせなさも。(まァこれは個人的な、投影ではあるが..。)
父権的で一方的に価値観を押し付ける父、であれば結婚は双方の合意のみで成り立つ、父無視で良いではないか。実家を出て10年間近寄ってもいないのだし・・とはならない所は、現今の何でもありな風潮にはそぐわぬが、慣習は内律的なもの。どこか韓国ドラマを思い出させる(かの国では家父長制が強いがこの理不尽な代物と「付き合う」事を良しとしている所がある・・映画等の印象だが)。
役者力に頼んだ、と書いたが、とりわけN氏の設定を体になじませ「認知の揺らぎ」を無言で見せる演技に感服な一時間半であった。

A.R.Pフェスティバル
A.R.P
二子玉川ライズ スタジオ & ホール(東京都)
2022/09/06 (火) ~ 2022/09/08 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
OPのダンスと短編
ラストが長めの話でまとめた
お祭り公演でした
ほんにラストの
風が吹けば桶屋が儲かる的な話は
多少強引さは感じられたが
楽しく見られれる話となっておりました(^-^)

Show me Shoot me
やみ・あがりシアター
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2022/09/02 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

シンデレラストーリー
サンライズプロモーション東京/パルコ
日本青年館ホール(東京都)
2022/09/06 (火) ~ 2022/09/19 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
演技力と歌唱力、ストーリー展開、舞台美術、楽曲 どれをとっても一級品
ゴージャスでコミカルそしてドラマチック、思わずため息が漏れてしまう極上のラブストーリー、まさに夢の世界でした
シンデレラと王子が歌い上げる切ない旋律の数々、王と王妃の歌声の豊かさで更にうっとり
破壊的に面白い魔法使いのアンミカさん、歌にも迫力がありミステリアスな一面も
とことん底意地悪い義理母の佐藤アツヒロさん、自己中勘違い姉妹の ゆいP&まりゑさん、このトリオにはもう散々ハラハラさせられ且つ笑わせて頂きました
あぁ他にも・・・華やかに舞台を盛り上げてくれた登場人物(&動物キャラ)や演出の楽しさを拾い上げればキリがなく
そんな思いはひとつとなって、満場一致のスタンディングオベーション
感動的で超贅沢な時間でした。

A.R.Pフェスティバル
A.R.P
二子玉川ライズ スタジオ & ホール(東京都)
2022/09/06 (火) ~ 2022/09/08 (木)公演終了

老獣のおたけび
くちびるの会
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/09/03 (土) ~ 2022/09/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/09/08 (木) 14:00
故郷の実家に住む父親の様子が変だ。「ちょっと見に行ってくれ」と兄からの電話で嫌々ながら実家に行った弟。何と父は象さんになっていた。
というところからスタートするこの舞台。何で象さんなんだろうとずっと考えていたが、小動物では様にならないし、ライオンだと危険すぎる。身体は巨大だがおっとりしているという感じの象さんがいいのだろうか。発想が飛んでいるとも言えるが、この舞台、なかなか面白い。
兄は大学院を出て銀行に就職したエリートで、母親を亡くしてからは時々は実家に戻っていたようだ。弟はうだつの上がらない放送作家で、父親が「収入もろくにないから一人前じゃない」などと罵倒するので実家には寄り付かなかった。父が大変なことになっていると気付いた二人は、とにかくその事実をひた隠しにしようとする。畑の耕作を頼んでいる隣家にも、特に父と自治会で一緒のおじさんには内緒にする。果たして、この一家はどうなるのか。弟の恋人も巻き込んで大騒ぎになるのだが、父が象になったことを機に、この兄弟は父の面倒を見るという展開になっていく。
思うにこれは、父が象になったということをメタファーにして、例えば独居の父が認知症になったとか、世の中にたくさんあるお話に直結するとも言える。その意味で普遍性があると思うし、そう考えていくとラストシーンはとてもいい展開で素直に受け入れられる。
ただ、この兄弟は誰か相談する人がいなかったのか、という疑問はある。まずいと思ってひた隠しにするというのは、巨大な象さんなのだから無理だと思うし、そういうつっこみどころはある。でも、90分の舞台は十分に楽しめる。効果音や暗転の使い方もうまく、演出は成功していると思う。
余計なことだが、この実家は愛知県の三河という設定だ。なぜ三河かというのはよく分からないが、三河にするのなら、お父さんの三河弁はもう少し徹底的にやるべきだった。東京に出て行った息子の言葉とお父さんの言葉がほとんど同じ言語なので、せっかくの「三河」の設定が生きていない。

老獣のおたけび
くちびるの会
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/09/03 (土) ~ 2022/09/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/09/07 (水) 19:00
名前は以前から知っていたが実は初めて観る。面白い視点だが、中途半端な感じが惜しい。(4分押し)93分。
売れない脚本家の男が女性と同棲しているが、兄から父の様子がおかしいので見に行け、と言われて行くと父は象になっていた、というところから起こる、父の持つ土地を借りて農業を営む父・息子を巻き込んでのあれこれ。象、というのは、老境に達した父の、図体が大きくて言うことを聞かない存在、ということのメタファーのようだ。兄の、父が象になったことは認めているのに、周囲の人にそれを知られたくない、という行動の論理がどうにも分かりにくくて、加えて、農家の父と息子の関係とか、多過ぎるエピソードが整理できないまま終わった。

評決 The Verdict
劇団昴
俳優座劇場(東京都)
2022/08/31 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了

夜鳴く鳥は朝に泣く
吉祥寺GORILLA
インディペンデントシアターOji(東京都)
2022/09/07 (水) ~ 2022/09/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
山崎丸光氏は北岡悟のような体格で秋山成勲っぽい面構え、柔術家顔。
平井泰成氏の耳が潰れていて、柔道経験者か?
デリヘルがリアルじゃない。若い女のスタッフなんて雇わないだろう。
もっと同性愛をハッキリと打ち出した方が良かった。
この作家の武器はこういうドラマではなく、もっと違うところにあるリアリティー。彼にしか奏でられない唯一の楽器がある筈。
クライマックスで流れるエモい曲が良かった。

夜鳴く鳥は朝に泣く
吉祥寺GORILLA
インディペンデントシアターOji(東京都)
2022/09/07 (水) ~ 2022/09/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/09/07 (水)
価格3,500円
7日19時開演の初日舞台を拝見(101分)。
チカラ技な筋立てのホンを、行間にこもった作者の熱気と、演技者達の熱演とで、最後までやり抜いた101分。観る側も居住まいを正して拝見した。
なお、なにせ豪速球な芝居だけあって、ワンクッション的役柄の村松ママンスキーさんの存在感がひときわ尊く感じられた。
それにしても、最近観た、中野坂上デーモンズ、あやめ十八番、やみ・あがりシアター、アガリスクエンターテイメント(注.観た順)の緻密さやら様式美といったプロ仕草な味わいは、失礼ながら、あまり感じなかった。代わりに、アマチュア的なパッションには大いに引き込まれるものがあった。

待ちぼうけの町
劇団俳優座
シアターX(東京都)
2022/09/02 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
東日本大震災から7年、ほぼガテン系のお客さんで賑わう居酒屋さん
その土地(三陸の港町)での情景がそのまま舞台上に宿っているよう
それ以降も三陸での情景を通して自然と物語が身体に入って来る上質な舞台。
女店主の夫は漁師、震災で行方不明になったまま
7年、待つ といっても何を待つという事になるのか。
夫が「ただいま」と帰って来る事なのか、それとも死亡した証拠が発見される事なのか。
被災地で生きる人々
どういう理由であれ必ず訪れる「死」に対して悲観だけではないと受け取れるシーンに救いを感じます。
自然と顔を上げたくなる「前向き」に元気をもらえます。

新宿ストリートシアター
プーク人形劇場
新宿髙島屋1階JR口特設会場(東京都)
2022/09/07 (水) ~ 2022/09/09 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初日18時からの回を鑑賞。まず、人形劇団プークによる「チンドン親子」「プー吉・チビの傘踊り」。続いて、来日公演が待ち遠しかったチェコアルファ劇場の「快傑ゾロ」。素晴らしい出来で、予約済みの劇場公演が更に楽しみになった。

Show me Shoot me
やみ・あがりシアター
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2022/09/02 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

老獣のおたけび
くちびるの会
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/09/03 (土) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

Show me Shoot me
やみ・あがりシアター
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2022/09/02 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

あの夏の暗い夜、虹の袂のエデン。
Oi-SCALE
新宿シアタートップス(東京都)
2022/08/31 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/09/02 (金) 14:00
風俗店のリネン交換業の男たちを中心に描いた物語。
描かれる時間帯は深夜から未明が大半で、まさしくOi-SCALEが得意とするパターンと言えるか?
映画用語の「アメリカの夜」(フィルターを付けて撮影することによって昼間の撮影でも夜のシーンに見せる)のように「オイスケールの深夜」で昼公演であっも観ている間その時空は深夜になる、的な。
そして各人物の背景・生き方の実在感たるや。「さすがにそれは……」な行動もあれど、そこに至るまでがリアルなのでついつい納得してしまう、みたいな。
あと、独特な照明、舞台美術、生演奏も良かった。

旅に出る。
ソラカメ
中野スタジオあくとれ(東京都)
2022/08/31 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了