最新の観てきた!クチコミ一覧

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リアル・ラスベガス

リアル・ラスベガス

とくお組

赤坂RED/THEATER(東京都)

2009/06/03 (水) ~ 2009/06/07 (日)公演終了

満足度★★★★

まさかの
コメディ見に行って泣くとは思いませんでした。
今までのドタバタ&テンポのいい笑いを期待するとちょっと違うかもしれませんが、しっかりした間とおさえた演技で泣かせてくれました。
ラストもちゃんとすっきり解決して良かったです。
今まで笑いに逃げた?と思うこともあったのでw

面白いけどいつもあのパターンだよなー
と密かに思っていましたが(ごめんなさい)
ちょっと違う芝居もやるんだと知ってうれしい驚きでした。

ネタバレBOX

死を受け入れるっていろんな表現がるけど、とくおさんは最後に大切な人にメッセージを残したいんだろうなーって思いました。
何年か前の「成層圏で仕事も遊びも」でもラストに主人公が恋人に天国から電話をするシーンがあったけど、今回もそういうシーンがあって号泣してしまいました。
演技(演出)レベルが上がったってことなのか、泣かせるシーンをがっちり作ってたのがよかったです。

にしても、あの外人美女はずるい。
オリマエ

オリマエ

劇団K助

ウッディシアター中目黒(東京都)

2009/05/13 (水) ~ 2009/05/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

騙される快感
刑務所の前にあり、関係者が出所する者を待つことも多いと言われるカツ丼屋での出来事を描いた物語、出だしは程良くコミカルながら次第に巻き込まれ型サスペンスに転じ、クライマックスは二転三転して先を全く読ませないのが見事。
特に一件(というよりはむしろ“一見”)落着した後、2年後を描いたエピローグでさらにひっくり返されて「騙される快感」に酔う。
その前のタネ明かしの時に「芦北・兄がニセ警官に気付かなければあんな展開にならなかったのでは?」という疑問は浮かんだものの、それも実は計画されたものだったとは。
ちなみにエピローグで芦北・弟が指摘した「唯一の計算外が俺たちだと言ったのに、俺たちのことも調べ上げていたじゃないか」という点については気付かず、そこで眼からウロコ。
また、「死体と遺体の違い」や「警官は傘をささない」(←制服限定か?)なんてトリビアも「へぇ」だったし、すべてのベースにあるのが兄弟愛だというのにもツボを突かれる。

リアル・ラスベガス

リアル・ラスベガス

とくお組

赤坂RED/THEATER(東京都)

2009/06/03 (水) ~ 2009/06/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

新しいとくお組
いつもの感じかと思っていたら、テンポや物語の作り方が新しくなっていた。赤坂の雰囲気にすごくあっていたし。笑いが上品ですごく好みだった。

ネタバレボックスにも書けないくらい、いい仕込みがあったな~。

また、次回も観に行きたいです!!!

旅がはてしない

旅がはてしない

アマヤドリ

アサヒ・アートスクエア(東京都)

2009/05/13 (水) ~ 2009/05/13 (水)公演終了

満足度★★★

多分に哲学的
一言で表現すれば「多分に哲学的」。前作『プラスチック・レモン』もある意味哲学的だったけれど、あちらが詩的な哲学であるのに対してこちらは理詰めの哲学、みたいな?(笑)
未来あるいは別次元(かつ多層構造=パラレルワールド)のように見えつつ、実は何らかの理由で眠り続ける人物の見ている長い(果てしない)夢なのではないか、などと誤読をしてしまったのはここのところたて続けにそういうネタの芝居を観て、思考回路がそっち寄りになっていたからか?(爆)
また、前回は「整然とした動き」にとどめて封印していた(?)「乱舞」が復活。これがまた情熱的と言おうか派手と言おうか、特徴的。

PerformenⅣ~Inferno~

PerformenⅣ~Inferno~

電動夏子安置システム

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2009/05/07 (木) ~ 2009/05/12 (火)公演終了

満足度★★★★

まさに「ロジカル・コメディ」
哲学的な縦軸に、まさに「ロジカル・コメディ」なエピソードを串刺しにした構造は、初見であった『笑うフレゴリ』&『そのどちらかは笑わない』とは大きく異なり、がしかし観方を教わっていたので混乱することなく「こういうのもアリなのね」と楽しく観る。
その「串刺しにされた」コメディ(コント?)部分は、それぞれ「一定の決まりごと」(あるいは「お約束」)に則っており、その意味で非常に基本に忠実。
あと、序盤でダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の構図を生身の役者たちで表現する場面や、出演者の大半による群舞もステキ。

なお、11日、12日でリネア編、プント編両方を観る。

花のゆりかご、星の雨

花のゆりかご、星の雨

時間堂

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/06/02 (火) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

命と時とモノが危うくも繋がり、危うくも続く
たぶん作者が言うところの「ふつう」の感じで、まったく無理なく舞台は進行する。
無理なはずの内容も、「ふつう」に見えてしまう。
そういうマジックが、やさしくやって来る。

ネタバレBOX

アンティークショップが舞台。取り置きの商品を女性が受け取りにくるのだが、手違いで別の人に売られてしまう。その商品(彫刻のあるソムリエナイフ)を巡る、母娘三代の途切れそうだった命の繋がり、親子の繋がりが、危うくも繋がっていく様子を丁寧に見せていく。

たとえ血が繋がっていても、いったん途切れてしまえば、おしまいになってしまう。それを繋げていくには、タイミングとどちらからかの働きかけが必要なのだ。しかし、それはわかっていても実際にはなかなか動けない。特に肉親だからこそ。

前半のアンティークショップでは、いろいろなエピソードが多く盛り込まれている。このままこんな感じで進むのかと思い始めた中盤から、ぐるっと話が展開する。

なるほど、前半の日常をきちんと描いたというのは、この後半の、三世代を遡るという非日常的な内容を、あまり突拍子もないことに見せないためだったのか。
実際、劇中でもスピリチュアルと言っていた展開だったのに、さほど違和感を感じなかった。
ふつうと地続きの非日常。

「ふつうの、すごい演劇」というのはこういうことなのか。

それは、前半の日常を描いたことだけではなく、扇子をコップや傘に見立てたり、暖簾や、ショーケースや修理している椅子まで、実際のモノ自体を使っても問題なさそうなものまで、すべてモノがない状態で演じるという演出によることも大きくかかわっているのだろう。特に花柄や破けた黒い布の使い方とイメージのさせ方はいいな!
こうした観客へのイメージの委ね方で、「ふつう」さは補強され、またさらに、観客としてはそれをしっかりと受け止めようと、より舞台に集中するという効果もあるのだろう。

効果音と音楽は役者がその場で作るのだが、その音と、無音の舞台の中に響く、外の自動車や山手線の走行音は、劇中のアンティークショップがある、街中をイメージするようで逆に生きた効果音だったように思える。花屋のシーンでも同様。

母と娘の確執は、具体的にはどんなものだったのかは示さないが、母親を「あの人」と呼んでいた娘が、母になり、その娘から、やはり「あの人」と呼ばれているのは哀しい。
ただ、同性の親子であること(特に女性同士)による、ドロっとした関係みたいなものがなく、意外のさらっとしていたし、最後の納得も実にあっさりした印象だ。

これは勝手な思い込みなのだが、女性の書き手が同じ内容を書けば、「母娘」の関係だけに、誰かの何かを犠牲にしても、痕が残るような何かがあったのではないかと思った。
であれば、作者が自分目線で、つまり、息子と母親の愛憎目線で描いたら、まったく別の世界が拓けたような気がするのだが、そういう、一見、赤裸々な感じは作者自身の好みではないのだろうなぁとも思った。全体の雰囲気とも違ってきそうだし。

客として店を訪れた女性は、自分の母や祖母の、途切れてしまいそうな縁や命が、危うくも繋がっていく大切な場面に立ち会う。そこにはいつも自分が取り戻したソムリエナイフがあった。しかしそれを見た女性が、自らはそれに頼らず自分のみで向かうという決意には力強さを感じた。

ナイフという、モノを切り離す道具が、結果、人をつないだり、つなぎ止めるような場面の需要な要素となっているスパイスの効かせ方は、なるほどと思いつつも、よく考えると、劇中のソムリエナイフは、モノを切り離すというより、ワインを開けて、人が集うという意味もありそうなだけに、おしゃれすぎるかも(笑)。
ソムリエナイフだから、ワインを開けてしまえば、飲まざるを得ない(前に進まざるを得ない)という状況になるということもかけているのだろうか。ていうか、考えすぎか。

アンティークショップの主人とその妻の関係と、また命の繋がりがさらに続くといのも、とても好ましいと感じた。

ラストの歌には、単純に思わず涙してしまいそうになった。

ちなみに、劇中で飲まれる紅茶どんな味なのか気になったのだが、実際に劇場内で飲める。結構強烈な香りと味わい。300円也。
前半は、紅茶の香り、後半は花の香りがするといいのにと、紅茶を飲みながら思った。ま、実際には無理だと思うけど。
リアル・ラスベガス

リアル・ラスベガス

とくお組

赤坂RED/THEATER(東京都)

2009/06/03 (水) ~ 2009/06/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

感動した!
不覚にも(笑)、感動してしまいました。
新たな一面を見た気がします。
アフタートークも面白かった。みなさん本当に仲がよろしいようで。

ハナウタ日和

ハナウタ日和

IOH

シアター711(東京都)

2009/05/27 (水) ~ 2009/06/07 (日)公演終了

満足度★★★★

なんとリピート!
いろんな作品を見たいから、金銭的な問題以上に、
時間の問題で(!)なかなかリピートって出来ないんだけど、
この作品の印象は自分の中に、後から後から、どんどん沸いて来て、
リピートしました。
ストリートプレイで2回目って、
冷めた目で見るというか、粗探しのような、下品な視線を
持ってしまう修行の足らない自分でですが、
なんと素直に見れたことか。
この家族、前回よりも、ぐっと絆が強く感じられ、
一層芝居に膨らみをもたせている。
前回よりも多い、5回も95分の上演時間中に涙しました。

基本的に、初日から芝居が変わることは、
否定的です。
だから、この作品も、前のほうが良かった、
とは言いたくないけど、
さらに進歩している。
悔しいけど。リピートしてよかった。

千秋楽に行きたいなぁ
でもチケット買えないだろうな

JUMON(反転)/便所の落書き屋さん【満員御礼で終了】『観て来た!』に全レス中!(ただいま1/3)

JUMON(反転)/便所の落書き屋さん【満員御礼で終了】『観て来た!』に全レス中!(ただいま1/3)

MU

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/05/26 (火) ~ 2009/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

定番と挑戦。
前回の「死んだ赤鬼」が難解ながら傑作だったので、
今回も言葉の端々、視覚の隅々まで逃さないよう意気込んで行ったところ、
「呪文」はさて置き「便所」がこれまでのMUからは考えられない
ライト&ポップな青春劇!
ここでこの作品を持ってくるところに、MUの勝負を感じました。
ていうか、重めな呪文が定番で、ライトな便所が挑戦って
つくづくMUって捻くれてますね。

ネタバレBOX

「JUMON」
男女を反転したことにより、2部屋の対比がもう、生々しい!
ままごとのように「愛が見えた」とリビングでただ鶴を折りながら待ち続ける男子と、
物置で生々しく罵り合う女子。特に物置は、女対女になった分かなりじめっと。
壁1枚隔てて、というより舞台上では同じ空間なのに、この温度差!
物語の終盤まで肝心の「信子」が登場しなくて、
あれー前は最初の方から出てきた気がしたんだけどなーと思ってたけど、
実際に信子が登場して納得。
この存在感というか潤いは、ここまで引っ張る意味がありますね。
いきなり物語の湿度が変わったように感じました。

この後の便所で「責任を取るのが恋愛」というラインが出てきて、
なんとなくJUMONのラストシーンを思い浮かべました。
妊娠という、恋愛において最大の責任が問われる場面で
このJUMONという物語は起きていたのだなーとか。


「便所の落書き屋さん」
疾走する青春、想像以上のライトノベル度にびっくり。
でもライトノベルでトイレ難民とかホームレスとか
そういうのが出てきちゃうあたりがやっぱり気持ち悪くてニヤっとしつつ見ました。

ライトノベルなら優里と西森の全力ハイスクールな大回転で終わるところが
最後に便所に2人が逃げ込んで疾走は急ブレーキ。
佐田先生が「ここは便所よ」と力強く言い放って物語の暗黙の了解が根底から崩れ、
佐田先生が泣き崩れて、なんとここで「スタンド・バイ・ミー」!
ここでスタンドバイミーを流したところに、MUの善意と悪意を感じました。
物語のオチをオチとして、正しく青春ドラマを終わらせた善意と、
分かってる客に「敢えて」この曲を流して
MUってこんなのもやっちゃうんだぜ的な計画的悪意…って深読みしすぎですか

個人的には「なんでもない」っていうのがはまりました
MUってこんなに笑えて泣ける劇団だったんですね!(笑)
優里がとにかくバカで超愛らしい女子高生で、すごく素敵でした。

あのスタンドバイミーの後、
佐田先生はどうやってトイレから出てきたんだろうか
誰かがドアをノックしたのか、泣き止んで自ら扉を開けたのか
帰り道にぼーっと考えてて、まだ考えてます。

リアル・ラスベガス

リアル・ラスベガス

とくお組

赤坂RED/THEATER(東京都)

2009/06/03 (水) ~ 2009/06/07 (日)公演終了

満足度★★★

評判通り
面白かった。
テンポいいなぁ。

音楽劇 三文オペラ

音楽劇 三文オペラ

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2009/04/05 (日) ~ 2009/04/29 (水)公演終了

満足度★★★

もっと
音楽が素晴らしかったような記憶があります。
昔観た三文オペラにあこがれの念をもちすぎたのかな。

にしても、豪奢。
最終的に何だったんだ、あれは!
みたいな気持ちになりました。

こうくるか、こうくるか、
と片方で笑い、片方で苦かった。

義弟の井戸

義弟の井戸

黒色綺譚カナリア派

シアタートラム(東京都)

2009/04/10 (金) ~ 2009/04/15 (水)公演終了

満足度

多分に
私はこの劇団が苦手なんだろうな、と。

世にも奇妙な物語なんだろうな、と。

これが美しいのだろうか、と。

PerformenⅣ~Inferno~

PerformenⅣ~Inferno~

電動夏子安置システム

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2009/05/07 (木) ~ 2009/05/12 (火)公演終了

満足度★★★★★

当たり!
めちゃくちゃ面白かった!
本当に救われた!!

開始5分でこの2時間ほどを全幅の信頼で委ねましたもん。

いやー面白かった。
パフォーメン!!

はづきちゃんは相変わらずいい役者さんでした。
皆さんいい役者さんでした。

次回も絶対観に行くリストに入りました。

楽屋

楽屋

シス・カンパニー

シアタートラム(東京都)

2009/05/10 (日) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★

蒼井優の声
がよかった!
舞台でも映える人でした。

村岡さんも私は好きだったな。
そのセンスが好みなんでしょう。

この4人ならもっと面白くなるであろうから、
満足とは言いたくないです。

照明が美しかった~。

白と黒のナイフ

白と黒のナイフ

コンドルズ

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2009/05/23 (土) ~ 2009/05/24 (日)公演終了

満足度★★★★

近藤さんてすごい
なんでこんなにかっこいいんでしょうかね?

パイパー

パイパー

NODA・MAP

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2009/01/04 (日) ~ 2009/02/28 (土)公演終了

満足度★★★★★

ご馳走様でした
1月に観たものと2月に観たものの違いに驚き、演劇って生き物なんだと実感。そして感動。

このキャスティングももうないであろう奇跡的な中で、
個人的に大倉さん、すごいと感服。

がらす ちりじり…を始め、忘れられないシーンばかり。

今勧進帳【公演終了:次回ジェットラグは10月「肌(仮)」】

今勧進帳【公演終了:次回ジェットラグは10月「肌(仮)」】

ジェットラグ

サンモールスタジオ(東京都)

2009/05/29 (金) ~ 2009/06/09 (火)公演終了

満足度★★★★

清水宏ギリギリ
まったくもってですよね。

ネタバレBOX

タイトル、ストレートです。清水宏のギリギリな芝居も、タイトル意識、なんでしょうねぇ?
苔の心音

苔の心音

あさかめ

C.A.Factory(東京都)

2009/06/03 (水) ~ 2009/06/07 (日)公演終了

満足度★★

最後までつかみきれず
なにかわからないうちに2時間が

花のゆりかご、星の雨

花のゆりかご、星の雨

時間堂

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/06/02 (火) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

“深呼吸できる演劇”そのものを、もっと味わいたい
 プロデュース団体だった時間堂が劇団化して初めての公演です。時間堂堂主の黒澤世莉さんが5年ぶりに新作戯曲を発表することもあり、自ずと期待が高まっていました。出演者5人全員が劇団員であることからも、新生・時間堂のお披露目公演という位置づけになるのでしょう。

 舞台は、地味ではあるが品揃えは良い骨董品店。木彫り細工のソムリエナイフをめぐって、現代人の素朴な喜び、悲しみがふんわりと、でも鮮やかに描かれます。心温まるストーリーの口語劇でした。
 ギャラリーLE DECOの4階をほぼそのままに使い、主だった小道具はマイム(という表現がふさわしいかどうかは疑問ですが)で表現します。演技スペースは舞台前方。後方は登場しない役者の待機場所であると同時に、楽器の生演奏ブースでもあります。

 黒澤さんの演出作品といえば一番の見どころは、舞台上で自らが演じる役柄として伸び伸びと生きる俳優たちだと思います。今作でも、舞台上で相手役とコミュニケーションを取り、その場で感じたままを発露させる、心理的リアリズムの手法にのっとった素晴らしい演技を見せてくださいました。

 ただ、俳優指導者としての黒澤さんのご活躍や、過去の上質なストレート・プレイ(コロブチカ『proof』)を観たことがある者としては、マイムや生演奏に気を取られて、肝心の俳優同士の演技のぶつかり、調和、そこから生まれる劇空間のうねりを存分に味わえなかったのが残念。

 劇場内で飲み物やグッズが販売されていました。オリジナル・ドリンクも豊富で、私は劇中に登場した紅茶(正露丸の匂いがする・笑)をいただきました。美味しかったです。

ネタバレBOX

 リストラされたミキ(花合咲)は、母が手術を受けると知って実家に帰ることにした。上京した時に母の骨董品を盗んで売り払ったため、せめて少しでも買い戻して、手土産にしようと思いつく。母が最も大事にしていたソムリエナイフを見つけ、取り置いてもらっていたのだが、骨董品屋の店長ら(菅野貴夫&星野奈穂子)の不手際で、近所のフレンチ・レストランのシェフ(鈴木浩司)の手に渡ってしまい…。

 “モノの記憶をたどること”を特技とする店長の誘導で、ソムリエナイフが経験した過去が劇中劇の形で表現されました。1つ目は、ミキの母(雨森スウ)が父(鈴木浩司)と駆け落ちし、2人で富山に開店した花屋に、祖母(星野奈穂子)が訪れるシーン。母と祖母の間に確執があったことがわかります。2つ目は終戦直後の焼け野原の東京で、娼婦となっていた祖母(星野奈穂子)と、戦場から帰還した祖父(菅野貴夫)が出会います。祖父は、祖父の兄つまり祖母の許婚が戦死したことを告げ、彼女にプロポーズするのです。
 どん底の悲しみと、それを乗り越えて得た幸せがソムリエナイフに刻まれているように感じ、それまでは誰かの噂話のようだった物語の中に、やっと入ることができました。

 オリジナル曲を全員で歌うエンディングは、物語の結末としては少々ハッピーが過ぎて冷静に眺めざるを得なかったものの、6人の混声合唱の美しさには聴きほれました。ミキがナイフをシェフに譲ることに決めた時の、花合さんの笑顔がとても良かったです。

 店長の妻役の雨森スウさんは実際に妊婦さんなんですね。雨森さんがトランペットを演奏された時は、なぜかドキドキしてお腹をじっと眺めてしまいました。妊婦がリアルに妊婦を演じているのって、実は凄いことなんじゃないでしょうか。

 終演後のトークのゲストは演劇ライターの徳永京子さん。「骨董店の店員キリコの存り方に、時間堂が目指す演劇が象徴されている」という鋭い指摘に、劇団員の皆さんは驚愕のご様子でした。
 扇子を使って物体を表現する演出は、落語から来ているとのこと。アイデアは面白いし、そのこと自体を楽しめたお客様もいらしたことと思います。俳優の心の演技によって物語を伝えて欲しかった私には、必要性が感じられませんでした。
一月三日、木村家の人々

一月三日、木村家の人々

青年団リンク 二騎の会

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/05/23 (土) ~ 2009/06/02 (火)公演終了

満足度★★★★★

♪⌒ヽ(*゚O゚)ノ スゴイッ!!!
気鋭の某劇作・演出家が個人ブログで手放しで賞賛されていたので急遽観ました。納得です。

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