最新の観てきた!クチコミ一覧

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In The PLAYROOM

In The PLAYROOM

DART’S

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/12/01 (火) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

すごかった!
初めて見に行ったけど、勢いのあるストーリーで2時間ぐいぐい引っ張られた。役者もすごいし、演じてるのかマジわからない。立位置が変わった瞬間のあの人の演技がものすごく怖かった。つーか、渋谷が怖い。一人で歩きたくない、肩たたかれたらイヤだ!誰か一緒に歩いてクダサイ(笑)

倶楽部

倶楽部

Rotten Romance

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/12/01 (火) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★

全体として伝わってくる空気
ばらばらに見えるいくつものイメージが
その街の
雑然とした空気を現出させていました。

ただ、寄りかかる場所がない舞台空間というか、
観る側が居場所を見つけるのが難しい感じがしました。

ネタバレBOX

インスタレーションというのでしょうか、
劇場全体が雑然としたイメージの中・・・。
まるで美術作品のなかに取り込まれたような
感じがします。

よしんば他の惑星から人が集まったとしても
(この会話はとてもおもしろかった)
その中に流れる時間は
ある意味とてもリアルな渋谷の風景だとは
思うのです。

作り手が受け止めた街のイメージが
シーンに織り込まれ
会話となったり、イメージとなったりしていく。
多分、その街は多重人格で
それゆえ、舞台全体が
心に病を持つ人が、
夕方から朝までに眺める景色の連続にもみえて。
妄想と出口を失ったような閉塞感が
街が持つ高揚や倦怠、さらには狂気と重なる・・・。

ただ、舞台からその色が見えても、
観る側をその空気に取り込んでいく力が
今ひとつ感じられないのです。
観る側が客観的に眺めるだけというか・・・。

繰り返しとその中でのコンテンツの変化で
街に取り込まれた人々の
景色は伝わってくるのですが
それを眺める観客の場所が
内側に入っていかないのです。

作り手には感覚を具象化する豊かなセンスがあったし
役者たちのお芝居も安定していて
退屈をするということはなかったですけれど・・。

その感覚を観客の内側に留める
ピンが抜け落ちているような気がする。
なにか、すっと流れていってしまう
舞台でありました。





十二人の怒れる男

十二人の怒れる男

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2009/11/17 (火) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★

観ました
重い内容なのに、あっという間に感じました。
映画で内容の方は知っていたんですが、改めて陪審員の難しさを感じました。 
時代ですかね、まさか自分たちもその立場になるとは。
疑う余地があれば決定することは出来ない。
こういった考え方は今までしてこなかったなと思いました。


作品も役者もいい素晴らしい舞台でした。
ただあっという間過ぎたかなって個人的には感じました。

沼袋十人斬り

沼袋十人斬り

THE SHAMPOO HAT

ザ・スズナリ(東京都)

2009/10/14 (水) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

ずいぶん前になってしまいましたが…
拝見させていただきました!

舞台の使い方が巧妙で、引き込まれました。
しかも出だしがパチンコ屋!そんなのアリですか!と。

ど頭から興奮したのですが、
ありえない展開をありえる話にする演出の力量には感動しました。
ありえない展開の中でのフィギアも素敵でした。

生きてるものはいないのか

生きてるものはいないのか

五反田団

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/10/17 (土) ~ 2009/10/31 (土)公演終了

満足度★★★★★

さすがの脚本!
本当にすっごい脚本だなーと驚きました。

私は野田秀樹さんがゲストの日に拝見しに伺ったのですが、
野田さんが前田さんのことをしっかり評価していて、
やはりこの脚本は凄いんだな、と勝手ながら感じました。

人がバンバン死んでいく話って、
途中からは誰がどう死んでいくのか楽しみになりますね。
とっても不謹慎ですが。

これからも楽しみにしております。

印獣

印獣

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2009/10/13 (火) ~ 2009/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

ラストの終わり方に生唾
何てったって岸田戯曲賞のチームなので、
面白くないはずがない!とパルコ劇場へ。

やっぱり演出が凄い凄い!面白い面白い!
もたっとした芝居が続いたとしても、「寝るなよ!」と言わんばかりに驚きをガっつり差し込んでくる。さすがだなーと感動しました。

社会派すけべい

社会派すけべい

毛皮族

駅前劇場(東京都)

2009/11/19 (木) ~ 2009/12/01 (火)公演終了

満足度★★★★★

初毛皮族!初すけべぃ!
スピードが早い早い!
びゃーっと進むストーリにいつの間にか巻き込まれておりました。
光栄なことに最前列、ど真ん中で拝見したのですが、
いろいろ浴びさせていただきました。笑

とても面白かったです。
また伺います。

再会【ご来場ありがとうございました】

再会【ご来場ありがとうございました】

はらぺこペンギン!

シアター711(東京都)

2009/11/26 (木) ~ 2009/11/30 (月)公演終了

拝見させていただきました!
チラシの感じがとても気になり、初めて拝見させていただきました。
2作目の男子たちのやり取りがとても気に入りました。

これからもがんばってください。

乾かせないもの【御来場有難うございました】

乾かせないもの【御来場有難うございました】

机上風景

タイニイアリス(東京都)

2009/11/26 (木) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★

全球ストレート勝負。
個人的にはもう少し遊び球があったほうが良かったかな。

照明(明かり)がとても雰囲気が良くて印象的だった。

崩れたバランス

崩れたバランス

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2009/11/28 (土) ~ 2009/12/13 (日)公演終了

満足度★★★

考えてみると。
見てきました。

ネタバレBOX

しょっぱなから、車との衝突音で始まります。ベットに寝そべる夫婦の何気ない会話。

クリスマス・イブなのに車がスリップして人々がはねられて死んでいく。死者の数は、警察が数えるのをあきらめるくらいに増加…。

夢の中ではクリニックで治療を受ける、まっとうな人。さみしい人。

息子は電話をかけてこない、子供はパパが迎えに来ない。

クリスマス・イブなのに、寒さでバランスが崩れる。バランスが崩れた人はどうなっていくのか、バランスを崩した車はどんどん人とはねる。

それぞれのクリスマス・イブ、特別な日と思うのからむなしいのか…さみしいのか…。愛されたいから「愛してみせる」と断言するのか。

とっても文学的・・・。
シャッフル・ルーム

シャッフル・ルーム

東京おいっす!

「劇」小劇場(東京都)

2009/12/01 (火) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

上等なシチュエーションコメディ
東京おいっす!初観劇。
前評判も何も見ずコメディだという事だけ頭に入れて行く。
始めこそ役者にも観客にも緊張感が漂っていたが、よく練り込まれた脚本、演出、演技、切り返す一つ一つの言葉の妙に自然に笑いの波が大きくなっていく。
意味の食い違いや状況の勘違いのパーツが複雑に絡み合い変容し続け、かつ舞台という空間のトリックも相まってワクワクかつスリル満点。
キャラクターや展開の派手さに頼らない真っ当勝負のコメディでこんなに楽しめたのは久しぶりかも。

シャッフル・ルーム

シャッフル・ルーム

東京おいっす!

「劇」小劇場(東京都)

2009/12/01 (火) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★

絡まるすれ違い
それぞれが自分の世界で物を見て、解釈して…そんな可笑しさが面白かった。前半ちょっと理解するまで時間がかかっちゃったけど、乗り出したら止まらない。笑っちゃった!

BOOKEND

BOOKEND

INUTOKUSHI

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2009/11/26 (木) ~ 2009/12/01 (火)公演終了

こういうのが…
前回のカシスのときも思ったけれど、みんなこういうのが好きなんだぁ、と思って気持ち的に遠くの方から観てました。
やはり笑いについての芝居だったホチキスの公演(アルバトロス)がかなり楽しませてもらったので、こういうのはちょっと好みではなかったです。下ネタはキレがあれば面白くなりそうですが、あまり頻繁だとただの露出にしか思えず…。声もがなり気味で耳触りだったのが残念でした。
前回よりは劇団の色が見えてきたかなと思いました。

瞬間キングダム

瞬間キングダム

あなピグモ捕獲団

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/11/27 (金) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★

楽日観劇
パラレルワールドっぽかったり王様が優男だったりするので、ライダーの出てこない平成仮面ライダーという印象。

毎回観劇後、あれこれ解釈して遊ぶのが楽しみだったりしますが、今回は(自分にとっては)ワケわからない度が高く解釈しきれないです。

石井・ますだ・遠藤の三女優はいい味だしてるなあ。

11月戦争とその後の6ヶ月

11月戦争とその後の6ヶ月

アロッタファジャイナ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/11/23 (月) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

「11月戦争とその後の6ヶ月」を観た
ひたむきな愛は冷えた心を癒してくれるから、最後にそこにたどり着くのかもしれない。
ナオもミサもこうして愛しさが溢れる恋人に気が付いたのだ。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

今回の物語は「愛」がテーマだ。だからナオの研究やその他の経過は、その真髄に触れるまでの予兆にすぎない。

ナオを想うマコとミサを想うサトルの真剣さは同等で大人の恋に相応しい。
一方でナオとミサのそれはどこかふらついている。ナオはマコと付き合いながらも昔の彼女ミサと寝るし、ミサの現在の彼・サトルはナオの友人でもある。
当初、この4人の関係がぐちゃぐちゃで、一体どーなってんだ?!と思いきや、そのうち、ミサはナオのことがまだ好きで別れた後もナオを忘れられない感情があるのが見てとれる。

しかし、ナオもミサもマコとサトルのひたむきさにいつしか惹かれ真剣に想うようになるが、ミサからナオの不実を明かされたマコはナオから離れる事を決意する。しかし、別れを告げられたナオは自分こそがマコを真剣に求めていたのだと今更ながら気づくのだった。

ある日、好きな相手がいなくなるということは、もはや言葉を交わすことも、あの穏やかな笑顔を見ることもなくなるということなのだ。この不思議な空白、何かが断ち切られたような寂しさを生々しく思い出すとナオは自分の一部がもぎ取られたような暴力的な不在に気がめいってしまっていた。

ここで、ワタクシが一番注目したのはマコの幼馴染のタイチの存在だ。彼がこの物語に絶妙に関わる事でそれぞれの登場人物の癒し的な存在になり、時にはナオを、時にはマコを、と、くるくると転がして見守る。彼こそが最後までマコを愛し続けていた存在に他ならない。父親のような愛だ。

やがて、タイチのキューピットのお陰でマコとナオは再び結ばれるが、ナオが開発したワクチンのウイルスを悪用する輩のせいで世界中がインフルエンザウイルス感染の猛威に脅かされることとなってしまう。研究室に戻るように指示されたナオを待ちながら、やがてマコも感染し帰らぬ人となってしまう。

残されたタイチの孤独はマコがナオに思いを寄せた時の孤独と同等なのだろうか?季節の変化が突然やってくるように、自分の大切にしていた人が他の男を好きになった、と解ったときの突然の孤独。それまでもずっと孤独を感じていたのに目の前で愛する人が亡くなった孤独。

今回は自分の孤独と戦いながらも、なんとか二人に関わり紛れ込んで普通のふりをしていたタイチを想う時、愛しくて仕方がなかった芝居だった。

踊る美術展

踊る美術展

七緒りか

大野城まどかぴあ(福岡県)

2009/11/23 (月) ~ 2009/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★

本当に「美術展」
まどかぴあのあちこちで踊り手さんがパフォーマンスをしていて、それを思いのままに見て回る。
美術館に行って彫刻を見て回るような感覚でした。
コンテンポラリーダンスは普段観ないのですが、これだけ観客に自由度を与えつつ見せられるのはすごいなあと感じました。

図書館に来た人とか、ほかの用で来た人とかも半ば巻き込まれるように興味を示していたのもすごいイベントだなあと。そう思うとまどかぴあならではのイベントでもあったなあと思います

青空

青空

劇団こふく劇場

ぽんプラザホール(福岡県)

2009/11/14 (土) ~ 2009/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★

とにかく「美しい」。
車イスの方とか、そういう方が一緒に舞台に立っているんだけど、違和感はまったくなくて、「いろんな人がいる」という世界観の広がりみたいに感じました。
淡々と交わされる会話も、途中のダンスも、落ちてくる砂も、みんなひとつの舞台のためにあって、ひとかたまりの美しさというか、うまい言葉が出てきません(泣)

21世紀の市民劇「蝿」

21世紀の市民劇「蝿」

空間再生事業 劇団GIGA

清流公園 野外特設ステージ(福岡県福岡市博多区中洲1丁目)(福岡県)

2009/10/30 (金) ~ 2009/11/01 (日)公演終了

満足度★★★

演劇って本当に多様な表現なんだなあと
人を食ったようなやりとりから始まり、大音量のバンド演奏があったり、途中お客さんも駆り出されてワークショップぽくなったりしながら、ラストはぐぐっとひきつけられ。
それらがバラバラに取り入れられているわけではなくて、ひとつの作品を確かに形作っているのを感じました。
演劇って本当に多様な表現のありうるものなんですね、と改めて思いました。

琥珀ノ宴

琥珀ノ宴

三日月バビロン

ザムザ阿佐谷(東京都)

2009/11/27 (金) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

舞台装置が
いつも素敵
今回はでっかいアンモナイトがポイントかと
照明に透けてキレイでした
音楽がいつもに比べてデジタルな音で最初違和感でしたが、ラストまで観て思い返すとなかなか素敵に合っていました

十二人の怒れる男

十二人の怒れる男

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2009/11/17 (火) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

観客は13人目の陪審員
まず、コクーン初出演という中井貴一をはじめ、12人の陪審員の配役が
新鮮だった。品川徹、田中要次、斉藤洋介、辻萬長らの性格俳優が
揃ったのも大きい。
平面的に席を並べると「最後の晩餐」の絵みたいになってしまう
と蜷川幸雄は思い、いかに立体的に見せるかと知恵を絞った
ようだ。派手な視覚的演出が望めないので、観客が退屈してしまう
と一気に重苦しい空気になってしまうだろう。ベンチシートが舞台
を四方から取り囲み、日頃身を晒すのに慣れている俳優もかなりの
緊張感だったと思う。観客もまた13人目の陪審員の気分で舞台を
見つめる。
今回注目したのは、蜷川が上演に際して原典に当たり、
改めて翻訳して上演台本を一から作り直した点である。
この芝居の核となる「8号」同様、演出陣も先入観を捨てて、
立ち向かったというわけだ。
「改めて人間について考えて頂く芝居にしたかった」と蜷川は訴える。
人は人を裁くときにも、「自分」という人間から逃れてそれを行うこ
とはできない、ということを強く感じ、いろいろな意味で複層的に
楽しめる芝居となった。

ネタバレBOX

芝居では、やはり、最後まで意見が真っ向から対立する8号の中井貴一と
3号の西岡徳馬の対決が見所となる。3号は息子との関係がこじれている
ことから、この年頃の少年にも偏見がある。少年の無罪を認めることは
息子の行動を容認するようなものなのだろう。西岡はいつもの3枚目的洒脱さは封印し、屈折し苦悩する男を演じきった。
中井貴一の舞台を観るのは実は今回が初めてだ。演技が映像のときと同様、実に自然で、弁護士役がはまるだけに、8号の賢明さ、誠実さがよく出ていた。父佐田啓二の亡くなった時の年齢はとうに超えたが、父同様、爽やかな二枚目俳優から深みも感じさせる演技派へと脱皮した。
緊迫した空気の中で、田中要次のノンシャランとした態度が笑いを誘い、一種の潤滑油となっていた。
2号の柳憂怜は「え、あのたけし軍団のユーレイなの?」と同伴者に教え
られるまで気づかなかったほど(いま芸名が漢字なのね)自然な語り口
で観客をひきつける。
陪審員長の石井愃一もいかにもそれらしい演技で芝居を締める。
45年で初めてふだんの役どころとは違う役を演じたと言う10号の大門悟朗の
短気で怖いおじさんも面白かった。4号の辻萬長も久しく舞台を観ていなか
ったので、こういう重厚な役を演じる年齢になったのだという感慨が。無名の若手のころ、あるTVCMのコミカルな演技で注目され、「あの俳優は誰?」とメーカーに問い合わせやファンレターが殺到した当時を覚えているから。
5号の筒井道隆は三谷幸喜の「十二人の優しい日本人」と両方に出演した唯一人の俳優だとか。5号がナイフの特徴から刺し傷の矛盾点を述べる場面に注目した。これは5号がスラムで育ち、ナイフを振り回すような少年時代を送ったことに起因する。
しかし、8号がこの事件についてもう一度、よく考察してみようと提案するまで、だれも少年の有罪を疑わなかったのである。
痴漢冤罪を描いた「それでもボクはやっていない」の映画監督、周防正行氏が関連自著について語った中で「裁判員制度で、自分の決断によりだれかが死刑になるのは嫌だと言う人がいるが、それは裁判の実態とはかけ離れている。裁判は、調書、証言や証拠によってある程度の道筋が決められてしまうのだ。裁判員はそれを認めるかどうかで、一から話し合って有罪か無罪かを決めるものではない」という内容の指摘を読んだことがある。
この芝居でも、8号を除くと、全員が「裁判の道筋」に概ね納得していた。
劇中のセリフにもあるように「裁判とはそういうもんだろう」という意識が強かったのだ。
わが国の裁判員制度でも、裁判員はこの陪審員たちと似た状況で事件と向かい合うことになる。それだけにこの芝居は他人事ではない。「裁判の道筋」にあらがえるだろうかという問題。個々のエゴも出るだろう。その象徴として「さっさと終わらせて野球を観に行きたい」と言う7号(大石継太)のような男もいる。12人は8号の提案により、自分たちの目で事件を見つめ直していくが、そこにはめいめいの人生観が関ってくる。少年を裁くというよりも、自らの人間性、生き様を問われるかたちになる。
強く有罪を主張した3号も、再考の過程で、自分と息子の問題を見つめ直すことになる。
8号は少年を無罪だとは主張していないし、この芝居でも有罪か無罪かの決断を下していない。そこが重要で、この芝居の優れた点でもある。
俳優たちもまた、自分の役を演じながら、自分がこの陪審員ならどうかと考えたり、他の役との芝居上のコミュニケーションをいつも以上に要求されたようだ。
カーテンコールで俳優たちはテーブルの周りを一巡して、四方の観客すべてに挨拶する。1人1人の「生き様」が流れていくようだった。
昨年、ロシア映画祭でロシア版の「十二人~」が上映されたが、
ロシアの社会状況を反映させたという点が気になって観ておらず、
観ればよかったと後悔している。来年の俳優座版もぜひ観に行き
たいと思う。こちらは従来の訳で上演するのなら、今回とは印象
が違うかもしれない。

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