最新の観てきた!クチコミ一覧

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DANCE SYMPHONY2010-LOVE -

DANCE SYMPHONY2010-LOVE -

ニッポン放送

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2010/01/12 (火) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

満足度★★★★

圧倒されたました
実力ある男性ダンサーが放つ魅力と迫力に
圧倒され魅了され、息詰まるような緊張感で
100分を堪能しました。

最後のキャストの清々しい笑顔が忘れられ
ません!
ダンス表現の豊かさと可能性と素晴らしさ。
素敵な舞台でした!!

キミ☆コレ~ワン・サイド・ラバーズ・トリビュート~ 

キミ☆コレ~ワン・サイド・ラバーズ・トリビュート~ 

シベリア少女鉄道

タイニイアリス(東京都)

2010/01/06 (水) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

満足度★★★★

2度目
なのでさすがに「感動」はしないけど、「感心」はした。
やっぱり面白い。

EKKKYO-!(公演終了!次回3月[家族の証明∴]は1/30より発売)

EKKKYO-!(公演終了!次回3月[家族の証明∴]は1/30より発売)

冨士山アネット

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2010/01/14 (木) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

理屈ぬき
ライン京急、ままごと、CASTAYA Projectまではその先鋭的というか、とんがった表現を面白がることができたのだが、後半のモモンガ・コンプレックス、岡崎藝術座、冨士山アネットでは、最後まで目を開けているのがつらくなった。疲れ気味の体は正直だ。

ネタバレBOX

ライン京急は去年の吾妻橋ダンスクロッシングに次いで二度目。大谷能生の音楽と山縣太一のパフォーマンスという組合せだが、基本的には音楽作品だと私は思っていて、山縣のしゃべりも台詞というよりは歌詞として聞くと受け止めやすい。端田新菜が客演。全然嫌いじゃない。

ままごとは以前にやった「あゆみ」の3人バージョン。黒川深雪、斉藤淳子、中島佳子が出演。二人の少女の、時代を超えたやりとりを上手から下手、奥から手前への移動によって描き出す。以前に見たときは幕が垂れていて、下手から上手への移動はその幕の向こう側に隠れていたが、今回は何もないのでその移動の様子も客席から見える。子供時代の、しかも女の子の心理的な機微を、作者の柴幸男は男なのによく掴んでいるものだと感心する。なんだかものすごく「おセンチ」な世界を描いていて、その辺が女性ファンの心をぐっと捉える所以なのかもしれない。

CASTAYA Projectは、またやってくれましたね、という感じ。作り手の企みが今回は意外と早くに察せられたので、余裕を持って最後まで眺めることができた。立ち上がれとか拍手をしろという挑発には乗らなかったが、「we are the world」は大音響にまぎれて一緒に歌った。こういうプロデュース公演の参加メンバーだから無難に終わったものの、もしも単独公演でこれをやったら「金返せ」の声も出るのでは?

モモンガ・コンプレックスは吾妻橋ダンスクロッシングにおける鉄割アルバトロスケットのようなことをやろうとしたのかもしれないが、ネタ的にはかなり弱いし、最後の群舞もいまいちだった。

岡崎藝術座はいったい何をやろうとしていたのだろう。宇宙時代のロックコンサート?作品として目指しているところがまるでわからないので、はたして目指したところまで到達したのかどうかの判断もつかない。出演は大重わたる、夏目慎也、島田桃衣。

冨士山アネットは前回に次いで二度目。演劇的なやりとりからダンス的な動きへと移行するのが一つの特徴みたいだけど、こういうのは水と油とかCAVAとか、ほかのマイムのカンパニーがもっと巧みにやっている気がするので、パフォーマンスとしてはちょっと物足りない。
女魂女力其の壱しじみちゃん

女魂女力其の壱しじみちゃん

カミナリフラッシュバックス

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2010/01/07 (木) ~ 2010/01/10 (日)公演終了

満足度★★★★

ぎゅうぎゅう詰めだったけど・・
演出が良かった。狭いながらも、上手く使えていたと思います。最後のシーンには驚いた!夜の回は観ることができるのだろうか?一生懸命さが出ていて、好感でした。お尻が痛かった。

女魂女力其の壱しじみちゃん

女魂女力其の壱しじみちゃん

カミナリフラッシュバックス

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2010/01/07 (木) ~ 2010/01/10 (日)公演終了

満足度★★★★

メビウスの環かクラインの壷か…
内容説明を読み始めて主演のしじみの紹介かと思いきや終りまで読んだら芝居内容だったことから予期した通り「実録系」で、当日パンフによればそれもかなり事実に近いとのこと。
確かに冒頭の家族揃っての夕食シーンでの昭和どころか明治大正のような(笑)頑固オヤジからもうリアリティあり。なんだかその場の気まずい空気まで伝わってくるようで。
その意味では中盤以降、家族の一員がAV女優になったことを知った家族のオドロキや戸惑いなども「あぁ、そうなんだろうなぁ」であり説得力十分。
なんたって本人の経験談を基にしているばかりではなく、本人役を当人が演じているんだからそれもそのハズ?
セミ・ドキュメンタリー(というよりは「セミ・フィクション」の方が的確か?)として事実の重みがたっぷりのっている、みたいな。
さらに終盤でのしじみによるAV引退の弁はまんま事実であろうし、彼女の進もうとする方向を否定するAV監督の言葉が現実では覆されているという、舞台上の過去と演じられている現在の関係が面白く…どころかそのつながり具合がメビウスの環の表と裏かクラインの壷の外側と内側の如くシームレスにつながっているように感じてゾクゾク。
それに加えて舞台から降りて夜の街(マチネでは当然昼の街なんだが)に去るしじみとそれを追うカメラに「持田茜なんていないんだよ」と台詞がカブるラストの切れ味鋭いことと言ったら! これでトドメを刺された…というよりはダメ押しな感じ。
事前に目に入った情報には「感動」「泣けた」などの文字があったので家族モノに弱い身として泣けるかと思っていたらそうではなかったけれど、言葉では語れないようなフシギな感覚を味わったってところ。

新春浅草歌舞伎

新春浅草歌舞伎

松竹

浅草公会堂(東京都)

2010/01/02 (土) ~ 2010/01/26 (火)公演終了

満足度★★★★

第二部観てきました
亀治郎さんの酔っ払い踊り、上手いですね。

花道の亀治郎さんに、「亀治郎さーん」という掛け声もありました。大向こうとは違ったこういうのも浅草らしくていいものです。

ORANGE

ORANGE

劇団PEOPLE PURPLE

前進座劇場(東京都)

2010/01/15 (金) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

何よりも圧倒的な阪神淡路大震災の事実の重みを、日常のユーモアに重ねて観客に伝え続ける。
今年の1月17日で阪神淡路大震災から15年、その前日に観劇。
私の初「前進座劇場」、場内の赤い提灯が目立ちます。

作品は、劇団も出演者も作品も、すべてにおいて全く
何の予備知識もなくチラシのコピーに惹かれての観賞です。

神戸湊山消防署に働く消防・救急・救助に携わる隊員たちの
活躍を阪神淡路大震災の出来事を交えて描く作品。

とにかく脚本・演出・主演の宇田学さんが、神戸市の
消防・救助・救急隊や被災された人たち100人以上に
3カ月にわたって取材した内容に基づいて書かれた話の
重みが凄い。
(宇田さんも「消防士になろうと調べた」程にのめりこんだ)

消防署の日常に続き、小隊長から若い隊員に語られる
阪神淡路大震災の記憶。
15年前の1月15日突如発生した災害に、無線も使えず
何も情報がないまま救助活動を始める消防署の隊員たち。

鉄骨が数本置かれただけのシンプルな舞台に、
光と煙の演出だけで震災の現場が次々に再現されます。

漠然と考えていた震災というものについて、
1つ1つ提示される具体的に演じて提示される悲劇に、
圧倒されます。

あまりの要救助者の数に「呼んで返事がない人は助けない」
という本部の方針に、人殺し呼ばわりまでされる隊員たち。
それ以外は周辺住民自身が協力して助けるしかない現実。
実際に助けられる人は、ごく一部の人に過ぎないこと。

実際の話の迫力と重さは凄い。
また、当然ながらそれを毎公演ごとに再現し、演じる
という演劇としての意味なども考えます。



救助隊の小隊長高橋を演じた植村好宏さんは、
隊での普段の生活ではユーモラスに、
しかし、震災での救助の体験者で、
若い隊員を集めてその経験を話す重要な役。
まさに流暢なセリフと仕草がまさに救助のプロらしく、
安定感がある芝居が素晴らしい。

他に特に目立つのは、袋小路林檎さん。
コメディレリーフで、重い話を見やすくする重要な役目。
なにしろ白塗りに真っ赤な林檎ほっぺの濃い化粧で、
登場シーンはほぼすべてが彼女のギャグというか
コントになっていて、とにかくおかしい。
この芝居の役名を芸名に変えたのもうなずける適役で、
悲惨な事実と相反して、茶化さない(失礼にならない?)
ぎりぎりのところでバランスをとってます。

初春花形歌舞伎

初春花形歌舞伎

松竹

新橋演舞場(東京都)

2010/01/02 (土) ~ 2010/01/26 (火)公演終了

満足度★★★

昼の部を観ました
海老蔵さんは首をぐるんぐるんと何回も回しましたが、やっぱり夜の部「伊達の十役」がメインのため、昼の部は全体として何となく温い感じでした。

僕らの声の届かない場所

僕らの声の届かない場所

ろばの葉文庫

The Art Complex Center of Tokyo(東京都)

2010/01/12 (火) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

満足度★★★

作、演出とも初見!
建物へ入って会場まで、雰囲気あって良いですね。画家の物語にはピッタリかと。名村の過去、茜の秘密などシリアスな展開だけど、暗さでは無く光りを感じる。

ネタバレBOX

朽葉役の関根さんが良いですね。物語を包むような感じがする。佐々木なふみさん、ブリッジ状態で肩に担がれるのって痛くないですか?
東京ノーヴイ・レパートリーシアター 6thシーズン

東京ノーヴイ・レパートリーシアター 6thシーズン

TOKYO NOVYI・ART

東京ノーヴイ・レパートリーシアター(東京都)

2009/11/06 (金) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

満足度★★★★

どん底で
シーズンチケットを購入したので、今回は「どん底で」を観劇してきました。どん底で生きるとは?人は何のために生きているのか?。私にはかなり難しく、奥の深い作品でした。

美しいヒポリタ

美しいヒポリタ

世田谷シルク

小劇場 楽園(東京都)

2010/01/13 (水) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

満足度★★★

本公演、2度目。
オープニングのダンスシーンから魅せられた。古典を可愛く表現しつつ、会社内の人間関係を上手く絡ませるあたり面白かった。前園さん好演。

【無事終演!】LOOKING FOR A RAINBOW【公演写真多数UP!】

【無事終演!】LOOKING FOR A RAINBOW【公演写真多数UP!】

劇団宇宙キャンパス

吉祥寺シアター(東京都)

2010/01/07 (木) ~ 2010/01/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

想い出を刺激されました
友人が出演していたので観劇いたしました。
自身も演劇を生業にしようともがいている身でして・・・心にくるものがありました。
さらに、公演が打てないかも、という、劇中と重なる想い出もあったもので・・・個人的な感想で申し訳ないのですが、涙が出ました。

熱かった昔とは、取り組み方も変わってきたかもしれませんが、主人公の最後のセリフが心に染みました。まだまだ頑張れそうです。
ありがとうございました。

【無事終演!】LOOKING FOR A RAINBOW【公演写真多数UP!】

【無事終演!】LOOKING FOR A RAINBOW【公演写真多数UP!】

劇団宇宙キャンパス

吉祥寺シアター(東京都)

2010/01/07 (木) ~ 2010/01/10 (日)公演終了

満足度★★★★

結成十周年の総括と決意表明
「定番どころかテッパンな学園青春もの」で、「弱小グループが次第に仲間を増やしながらコトに当たろうとするストーリー」を通して、「芝居に対する想いを語る」、とσ(^-^) の好み、あるいは弱点(笑)を3つも盛り込んだツクリとあっちゃあタマラン。
しかもそこで語られる芝居への想いは結成十周年の総括と今後への決意表明でもあるというのが巧い。
また、中盤でヤンキーっぽい女子が、それまで小バカにしていた芝居の面白さに気付き、演技できるコを素直に「スゴい」と認めるところなんか王道なのだけれど、芝居を絡めているのがイイ。
さらに、公演中止の決定が下された後の3年生2人のオトナの対応が、その心中も伝わって来てホロリとさせるんだよなぁ。

お代り

お代り

ラックシステム

ABCホール (大阪府)

2010/01/14 (木) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

お芝居らしいお芝居
落ち着いて観れてた。
150年いろんな人が暮らした家、
いろんな人達が生きた時代、場面ごとにおもしろい話が進む。
会話がとても笑える。
生きる力、やさしさを感じる。
面白かった。

クエーク クリップ クリック 完結版

クエーク クリップ クリック 完結版

劇団ウィルパワー

せんだい演劇工房10-BOX(宮城県)

2010/01/16 (土) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

満足度

戯曲が…
とにかく上演時間が長すぎる。以下ネタバレに書きます。

ネタバレBOX

とにかく戯曲のクオリティが低い。
少人数の登場人物で世界が作りきれていない。
無駄なシーンが多すぎる。

その結果、上演時間が長くなってしまって、最後の方は客席に居ることがもう、ただただ苦痛でした。お客さんのコンディションを考えていない、劇団側の都合だけの作品に思えました。

厳しいことを書くようですが、15周年の蓄積がまったく感じられない作品でした。
わ’n Night Heaven

わ’n Night Heaven

One Hit Wonder

VUENOS TOKYO(東京都)

2010/01/16 (土) ~ 2010/01/16 (土)公演終了

満足度★★★★

殺陣の新たな魅せ方
普段は時代劇の一部としてとらえられる事の多い殺陣を様々なジャンルとコラボすることで新たな魅せ方を模索している感じでした。
クラブでの公演ということもあり、普段見ることのない日舞やダンスパフォーマンスなども見ることができて、なかなか面白かったです!
殺陣とダンスや歌や和太鼓とのコラボパフォーマンスも。ダンスと殺陣のコラボは本当に舞うような殺陣という感じでしたねー。
まだイベントとしては荒削りではあるけれども、One Hit Wonder(一発屋)で終わらせるつもりはないとのことで、今後にも期待したいです。

この部屋で私はアレをして

この部屋で私はアレをして

ガレキの太鼓

都内マンション(最寄駅:月島駅)(東京都)

2010/01/05 (火) ~ 2010/01/13 (水)公演終了

満足度★★★★

新婚夫婦編
最初は、まずいてはいけない いるはずのない空間にいることに
ちょっと戸惑い、でも不思議な感覚に陥りました
話というか繰り広げられる内容はとりたてて変わったコトでもないのですが

もっと面白くするには私的なプライベートな内容を増やしていくコトなのでしょうが
そうすると演じる部分が少なくなり

会場であるマンションの部屋も少し狭く、もう少し広いスペースであればもう少し「覗き見」感も増したのでは..とも思ったのですが
そうすると臨場感は減ってしまうのかとも思い

それぞれのせめぎ合いとバランスがキモなのかもしれないですね

ネタバレBOX

季節が良ければ、ベランダからの覗き見とか
別の部屋でのシーンはTVモニター越しで見たりとか
色んな可能性もありますね

続編(あるのかな?)、本公演も楽しみになりました
三月の5日間

三月の5日間

オーストラ・マコンドー

赤坂RED/THEATER(東京都)

2010/01/07 (木) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

満足度★★★★

空間の重さ
戯曲の骨格については
やや危うくはなっていたのですが、
一方で、戯曲が描いた場所の今を感じさせる
表現の力を感じました

ネタバレBOX

正直なところ、
戯曲が表現する世界観とは
かなり違った印象の作品ではありました。

しかし、その時間を切り取り
表現する力にはぞくっと来た。

映像で渋谷という街を浮かび上がらせる手法自体は
多少力技という感じもするのですが、
そこに生まれる時間は
重ねられていくエピソードの断片に
リアリティを与えていくのです。
それらは、当然に戯曲から導き出されている部分が多いのですが、
舞台上から浮かんでくるのは
戯曲に描かれたような
時間の軽さではなく、
むしろその風景に内包された時間の重さに思える。

偶然コンサート会場で知り合った男女に流れる時間、
映画のチケットを売ってくれた男性に高揚した女性の想い、
3人の男たちの、奇妙にデリケートな距離感と、
そこから醸成されるもの・・・。

描かれた色が
揮発することなく舞台に残る。
あるエピソードが演じられるとき
同じ空間に平行する想いの存在が描かれるのです。
想いが混ざり合って、
渋谷という街の空気として
観る者を包み込んでいくのです。

観終わっても、
ちょっと息苦しいほどの質量が
居すわり続けたままで・・・。

演じられたものが
「三月の5日間」であったかというと
違和感は確実にあるのですが
一方で、その違和感にこそ
この舞台の力を感じたりもするのです。

役者なども含めて、
作り手の空間の重さを描き切る力を深く感じる舞台でありました。
シャドーランズ

シャドーランズ

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2010/01/06 (水) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

満足度★★★★

愛と痛み、そして神
セットの色調もあるが、重厚でしっとりとした舞台だった。
やはり舞台に引き込まれてしまった。

途中の休憩で、ふーっと息をついた感じがある。
休憩があってよかったと思った。
それぐらいの深さの中に、私もいたような気がする。

ロビーに主人公ジャックことC・S・ルイスの書いた物語のあらすじが貼り出してあるのだが、これを読んでおくと、舞台の内容がもう少しわかるところもあると思う。

ネタバレBOX

主人公ジャックの神への疑問で幕が開く。
つまり、そのとき神は知っていたのに何もしてくれなかったということ。
遠藤周作の『沈黙』などを挙げるまでもなく、神について語られるときに、当時に発せられることの多い疑問だ。

ジャックは、さらに続けてこう言う。
人が形成されていくには、「痛み」が必要だ。それは、まるで大きな岩にノミを当て、削り出していくことで人間が形作られていくように、ノミのひと削りひと削りの痛みが必要なのだと。
そして、この世の中は影であるとも言う。

神の愛とは何かということも。

このときの彼の言葉は、まだ他人事であったのだが、後にジョイに知り合うことで、身をもって、まさに自分の身体と心で体験していく。

大人の恋物語であるのだが、恋に年齢はない。
いつだって、それは同じなのだ。

ジャックは自分のそういう気持ちに気がつかず、この年齢まで1人でいた。
そのことを気づかせてくれたのは、ジョイだった。
他のイギリス人から見ると、ジョイは少々違和感のある女性だったようだが、ジャックにとっては、そうではなかった。まず、自分の理解者であるということがあり、恋に落ちてからは後のことは何も見えなかったのだろう。
恋を知ることで、彼は変わっていった。

しかし、重くて、つらい物語だった。
ファンタジーへの扉が開くシーンも、黄金のリンゴのエピソードが絡み、つらい。

人を失うことは、ある年齢に達しないと、リアルな感覚にはならないのかもしれない。
ジャックが子どものときに母を失い「楽なほう」へ行ったように。

観客の私にとっても、そういう年齢に達した今、この舞台での出来事はずっしりと重くやってきた。
繰り返し述べられる、神のノミで石から削り出される人間のエピソードが、彼の心の支えになっていく。そして現実は影だということも。

私にはたぶんそうはできないような気がする。
宗教観の違いかもしれないし、求めるものの違いかもしれない。

しかし、人は何らかの方法で、喪失感と向き合い、それを乗り越えていかなくてはならないのだ、ということを強く感じた。

物語が物語だけにしょうがないのだが、もう少し明るさがあれば申し分なかったと思う。次回もまた死を扱い、重そうなので、観劇はちょっと考えてしまうなぁ。


ジョイはまるで台風のように ジャックのもとを訪れ去って行った。
残されたジャックは、その後どんな物語を描いたのかが気になった。つまり、前と後では創作上、何が変わったのかが知りたくなったのだ。
僕らの声の届かない場所

僕らの声の届かない場所

ろばの葉文庫

The Art Complex Center of Tokyo(東京都)

2010/01/12 (火) ~ 2010/01/17 (日)公演終了

満足度★★★★

今年初観劇は◎
画家のアトリエに相応しい会場(他会場の声が気になりましたが)
3人の画家をメインにその後は解らないケド
ヒロインの登場と時を同じくして動いた3人のそれぞれの苦悩と
別れ・終局が見れたし、90分で小さい会場でしたが、
観劇後に以外と爽やかな印象を受ける素敵な作品でした。
(OPの視線意味とか解ってスッキリしたし)
あぁ、三谷さんのコンフィダントって作品がありましたが
こちらが先だったんですね~なんて。TBはネタバレ過ぎです。

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