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浦島氏の教訓 公演終了 ご来場御礼

浦島氏の教訓 公演終了 ご来場御礼

殿様ランチ

サンモールスタジオ(東京都)

2010/06/23 (水) ~ 2010/07/04 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しめた!!
評判どおり、面白く、最初から最後まで十分に楽しめた。
チラシに書いてあるように、場内が割れんばかりに大笑いするほどの場面はなかったけれど、思わずクスクス笑ってしまうのがこの劇団の特徴のようだ。

ただ、勘が鈍かったり、セリフを聞き漏らしてしまうと置いていかれるので、注意が必要(笑)、というか舞台に集中していたほうがいい(途中、身内だか知り合いだかわからないが、役者のことをしゃべっている2人組がいて、うるさかった。マナーが悪すぎる)。

場面転換用のセットは、上手いアイデアだ。
で、教訓は・・・・・・ま、楽しめたからそれでよしとしよう。

組曲「空想」

組曲「空想」

空想組曲

OFF OFFシアター(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

遅くなりましたが
短編集?微妙につながっている?

各々の役者が、個性を出しながら、変幻自在に役をこなしていた。
中田顕史郎さんが潤滑油として、スムーズに物語が流れていた。

異なる役柄で、ホントにさっきの人?と思わせ、
あらためてすばらしいと思った。

サウイフモノニ・・・

サウイフモノニ・・・

劇団チョコレートケーキ

テアトルBONBON(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/20 (日)公演終了

満足度★★★

よかったです
予想以上によかったです。自分の中にある宮澤賢治の世界観とは違うのですが、こうゆう解釈もアリだと思います。

そ ら

そ ら

奥沢スロープ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/06/15 (火) ~ 2010/06/20 (日)公演終了

満足度★★★

これもアリ
心に問題のある人達のリアルな話ではと思いきや、かなり怪しい展開に。個人的には中途半端な印象ですが、これもアリかと。

組曲「空想」

組曲「空想」

空想組曲

OFF OFFシアター(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/22 (火)公演終了

満足度★★★★

予想以上
初見の劇団でしたが、予想以上におもしろかったです。テンポのよいスピーディーな展開に惹きこまれました。次回作が楽しみです。

裂躯(ザックリ)

裂躯(ザックリ)

乞局

笹塚ファクトリー(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/21 (月)公演終了

満足度★★★★

楽しませてもらいました
初見でしたが、独特の世界を楽しませてもらいました。ただ家族のお話ですと、個人的に実体験と結びついて、かなり重かったです。

不滅

不滅

鵺的(ぬえてき)

「劇」小劇場(東京都)

2010/06/23 (水) ~ 2010/06/27 (日)公演終了

201006241930
201006241930@「劇」小劇場

荒野の三猿

荒野の三猿

劇団 EASTONES

駅前劇場(東京都)

2010/06/23 (水) ~ 2010/06/30 (水)公演終了

満足度★★★★

オープニングとテーマ曲でつかみはバッチリ
ストーリーは単純明快。
ちょっとカッコつけたりしても、笑いもまぶしてある時代劇エンターテイメント

ネタバレBOX

マカロニウエスタンというのは、イタリア製の西部劇のことだ。
マカロニウエスタンが、人気が出たのは、クリント・イーストウッド主演の『荒野の用心棒』からではないだろうか。
この映画は黒澤明監督の『用心棒』の設定を西部劇に持ち込んだものであり、今回の舞台は、マカロニ時代劇ということなので、逆輸入の感がある、と思って観た。

三猿の印象的な登場とともに、昭和歌謡的で、どことなくマカロニ風味のテーマ曲が流れる。
これが、いい感じ(できれば、この雰囲気で一気に行ってほしかったのだが)。

要所要所で流れる効果音楽も、いかにもマカロニ風味。

主人公の三猿は、自分たちの身体を不自由にし、親と慕っていた人を殺されたことへの復讐劇。
これもマカロニテイスト。

そして、汚れのきつい三猿の衣装もマカロニ風味。

これだけの要素が揃っているのだが、もうひとつテンポが良くないところがあった。つまり、停滞してしまう個所があるように感じてしまったのだ。

もちろん、すべてテンポ良く進めばいいということではないのだが、じっくりと見せるところと、テンポ良く見せるところの切り分けがもっと鮮やかだったら言うことはなかったのに、と思う。

殺陣は、上手い下手が、どうしても出てしまう。もちろん、あまり広い舞台ではないので、あの舞台をあれだけ動いて、殺陣をするということが大変だというのはよくわかるのだが。

三猿を演じた、石田さん、富永さん、あもさんの3人の殺陣はさすがだと思った。それぞれ趣向の違う刀を持って、それを一番カッコ良く見せる殺陣が見事だった。

また、おえんを演じた吉浜さんの身のこなしがいい。ダンスも含め、身体にキレがあるのだ。宿屋の女将を演じた堂免一るこさんの堂に入った女将が、いい間合いで入ってくるので、舞台が締まったように思えた。

そして、岡っ引きの親分の塩沢ユーキさんは、時代劇の二枚目風の姿とカタチが良く、その手下の又八(岡本正仁さん)の濃さも良かったと思う。

さらに、白鷺新三郎を演じた徳留英人さんの、悪っぷりが、イヤになるほど良かった。この存在がなかったら、物語はもっと平板になってしまったのではないでろうか。ラストの、親の話で見せる、一瞬のスキのような見せ方もうまいと思った。

マカロニ的な要素は多々あったが、マカロニにこだわるのならば、善悪のバランスが微妙だったり、悪のほうに憎めなさ的な要素も欲しかった気がする(そういう役回りの手下がいたが、そういう効果は出ていなかった)。
三猿が仲良すぎるのもマカロニ風味ではないような。つまり、いつもは悪態をついたりしながら、仲が悪そうに見えて、いざというときは! という関係のほうが良かった気がするのだ。

マカロニに、それほどこだわらないで観るとしても、主人公の三猿と女性たちが、子どもの頃にされた、酷い仕打ちの部分を、もっと具体的に見せてくれたほうが、復讐劇の様相に拍車を掛けることができただろうし、物語の膨らみが出たのではないだろうか。

ストーリーは単純すぎたかな。

また、殺陣の回数は多いのだが、あまりに単調すぎるのではないだろうか。例えば、『用心棒』のときの出刃包丁だったり、『続・荒野の用心棒』のときの棺桶からのガトリング銃だったりという、見せ場やアイデアが欲しかった。
さらに、カンカラ的な、殺陣のときの笑いももう少し欲しかった。
・・・あれも欲しい、これも欲しい、と欲張りすぎだけど、それだけ面白く観たということでもあろう。

いずれにしても、殺陣を入れて、笑いの要素も少しあり、エンターテイメントとしての時代劇を見せてくれる劇団としては貴重な存在だ。もっと面白くなっていくような気もするし、それを期待したいと思う。
次回は次郎長モノだそうだ、この雰囲気ならば、期待できるような気がする。
不滅

不滅

鵺的(ぬえてき)

「劇」小劇場(東京都)

2010/06/23 (水) ~ 2010/06/27 (日)公演終了

満足度★★★★

エレファントムーンが好きな人、ぜひ鵺的も。
このフライヤーみたく、まったく白紙の状態で観劇して、次々と出て来る言葉たちでパズルを埋めて行く作業が面白いです。ですが、感想は中身に触れないと書けないので、一応改行しておきます。[観劇日時/木曜昼・満席]







「殺人における加害者と被害者」は、エレファントムーンの近作ともモチーフが似ていて、緊張感ある空気含め、エレファント好きな方はきっと気に入るかと。

「現実がそのまま現実に着地」するのが前回の鵺的だったんですが、今回の「現実から気付くとファンタジーに着地」する部分もエレファントムーンに似ています。設定上で、リアルに固執しすぎるよりも多少の気になる点も含めてファンタジーにしないと、重過ぎるテーマなんだと両劇団を観て思います。

加害者に対する肩入れや感情移入、また「彼も被害者なんだよ」的なよくあるセオリーの流れが一切なかったのがよかった。彼自身が自分の不可解でエラーな部分を抱え込んでいるから。だからこそ、彼の恋人が「人の心」についてつぶやく瞬間が、ギリギリのロマンチックだと思うし、あのシーンが忘れられないです。

ネタバレBOX

私見ですが、何万人の中にエラーが1人くらい生まれるのは当たり前で。エラーと呼んでしまう自分も自分なんですが、それが冷静な判断だと思うんです。下手に心の闇とか、肩入れして探るのもいいけど、エラーって言いきっちゃう強度も必要だと思うんです。その強度がないと太刀打ち出来ないくらい、酷い事件が多過ぎる訳で。

そこで鵺的では、加害者に対する肩入れや感情移入、また「彼も被害者なんだよ」的なよくあるセオリーの流れが一切なかったのがよかった。彼自身が自分の不可解でエラーな部分を抱え込んでいるから。だからこそ、菊地未来ちゃん演じる恋人が「彼にも人の心があった」とつぶやく瞬間が、ギリギリのロマンチックだと思うし、あのシーンが忘れられないです。

ラストは、こちらもセオリーを覆すような展開になるんだけど、『告白』とか読んでる僕らなら、全然許容範囲。設定はファンタジーな部分があるんだけど、あの無言でしか行えない行為たちをリアルに感じます。
ネバーランド

ネバーランド

少年社中

青山円形劇場(東京都)

2010/06/23 (水) ~ 2010/06/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

あぁ少年社中だ。
あぁもう大好きなんですよ。ファンタジー大好きなんですって。
最初から最後まで血が滾りました。
二回目のカーテンコールがなかったのが残念。
まだ拍手していたかったなぁ。
そんな気持ちにさせる超大作。
…なんか私の言葉で説明すると安っぽくなってしまうので、この感動は是非現場で味わってほしいと思います。

ネタバレBOX

一言でいえばピーターパン超かっこわりぃ!って話(笑)
いや、成長の過程をみれば実に主人公らしい主人公だと思います。
仲間との絆、大人になることへの覚悟、ネバーランドを守りたいという思い。
最初のへたれっぷりにはがっかりさせられたけど、後半の力強さといったら!

ただ魅力でいえば彼の上をいくのがフック船長…!
やばい!このキャラクターをつくりあげた毛利さんやばい。
生きざまが切なすぎる。くそう、なんて魅力的なんだ。悔しい。
そしてそのフック船長を見事に演じた唐橋さん、カッコいい。今後要注目です。


相変わらず音楽素晴らしいです。
やばいです。鳥肌。この胸に宿る冒険心に火をつけてくれるの。
で、また衣装が可愛いのよね~。ザ・ファンタジーなのよね~。
でも見たところ普通の服を加工してできるレベル。衣装さんのセンスがやばいのだと思う。

でもやっぱり少年社中の魅力は毛利さんの脚本にあると思う。
え?え?え?そうくるか~!!という展開。
この読後感はなに?芝居観た後なのに読後感と表現したくなるこの気持ちはなに?
良質なファンタジー小説を読み終わったあとのような心地よさ。

そうよ、ファンタジー小説なのよ。
ハリーポッターみたいな。ダレンシャンみたいな。
キャラクターの魅力が本の主人公レベルなのよこれ。
芝居ってやっぱり生だし、別の人間が演じてるっていうのがどこかで伝わるものだけど、社中の世界の登場人物って完璧にそのキャラクターなんだよね。超魅力的。
とっても面白かった!!
王道ファンタジー万歳!!
『うしおととら』 第十一章

『うしおととら』 第十一章

シアターOM

桜川三丁目劇場(大阪府)

2010/06/18 (金) ~ 2010/06/21 (月)公演終了

満足度★★★★

面白かった(//∇//)
原作をまったく知らなかったけど
ギザ面白かったですww
潮(獣)の役の人はまりました(≧▼≦)ウキャ
殺陣のシーンを増量してほしいです!!m(__)m
あと個人的な要望ですがGuestと言っておられました潮(獣)の人は・・・


次からは出ないんですか?
また出て欲しいです!!

キャンディード

キャンディード

東宝

帝国劇場(東京都)

2010/06/02 (水) ~ 2010/06/27 (日)公演終了

満足度★★★★

お話としておもしろいです。
国際フォーラムのときの記憶が全くなく、今回が初見みたいなもの。
新妻さん、楽しげな感じでかつ、お見事です。
くろはたさんお薦めの青ジャケCDは、売り切れでした。

風変わりなロマンス / 悲しみ

風変わりなロマンス / 悲しみ

劇團旅藝人

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/06/24 (木) ~ 2010/06/27 (日)公演終了

満足度★★★★

個人的には
物語自体が、自分の趣味では、ありません。ごめんなさい。
なのに、俳優さんたちの引力に、見事に引き込まれていきました。その目の輝きの変わる瞬間や、景色や情景を連れてくる様は、ベテランならではの凄さで、舞台の醍醐味だと痛感致しました♪・・・と言うのは、ネタバレにて

ネタバレBOX

<風変わりなロマンス>各々の虚しさと喜びの心の叫びが伝わりました。久野さんの泣き顔も笑顔も、魅力的でした。

<哀しみ>風の精達のレクイエム?、みんなで、声を揃えたりなんて、私の趣味じゃないんだけど・・主人公の苦しみと、照明さんの影や光の使い方に、支えられて、効果が出たと思いました。医師の表現も、意外なんだけど、印象的でダリ?ピカソ?に、負けず劣らず、引き付けられました。・・でも・・悲しすぎて・・!!!舞台挨拶の石坂さんの笑顔に救われた!と言うか、やっと、現実に戻れました。でも、10月公演も、是非、観たいと思いました。
浦島氏の教訓 公演終了 ご来場御礼

浦島氏の教訓 公演終了 ご来場御礼

殿様ランチ

サンモールスタジオ(東京都)

2010/06/23 (水) ~ 2010/07/04 (日)公演終了

満足度★★★

僕には難しすぎた
わからなかった。。。節々で殿様ランチ特有?のクスッと笑ってしまう場面は散りばめられていたが、スジとなるものが見えなかった。
”なぜ助けたのだろうか。なぜ連れられたのだろうか。なぜそこから帰ろうとしたのだろうか。なぜ「開けてはいけない箱」など貰ったのだろうか。”
この問いに対する作品の意図に思いを巡らす、という感じではなく、モヤモヤした気持ちで終わってしまった。

裂躯(ザックリ)

裂躯(ザックリ)

乞局

笹塚ファクトリー(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/21 (月)公演終了

『アタシが一番愛してる』

『アタシが一番愛してる』

バナナ学園純情乙女組

ART THEATER かもめ座(東京都)

2010/06/15 (火) ~ 2010/06/20 (日)公演終了

The Heavy User

The Heavy User

柿喰う客

仙行寺(東京都)

2010/06/19 (土) ~ 2010/06/19 (土)公演終了

フツーの生活

フツーの生活

44 Produce Unit

紀伊國屋ホール(東京都)

2010/06/18 (金) ~ 2010/06/23 (水)公演終了

満足度★★★★

沖縄戦慰霊の日に観劇
6月23日、千秋楽、沖縄戦慰霊の日に観劇した。劇団主宰の44北川さんはわざわざこの日を千秋楽に選んだそうです。芝居が終わり、44北川さんのとても控えめで感じの良い挨拶があり、全員で黙祷しました。
今回、沖縄からもご高齢の戦争体験者が観劇に来られていて「いい芝居でしたよ」と涙を流しながら舞台に合掌して会場を後にされたのが印象的でした。本作を観て感動した沖縄のかたもおられたのは救いでした。感想は十人十色だと思います。
「フツーの生活」というタイトルの字面が戦争物にしては軽すぎる印象で、観る前にほかのかたのレビューを読むとかなりの酷評に愕然とし、とても不安になりました。
私は商業演劇の企画がどのように立てられるのかは知りませんが、本シリーズは初演ではなく再演ですし、安易に新国立の企画をまねたとも思えません。当日パンフレットを読む限り、作・演出の中島さんは現地で取材もなさったそうですし、作品に対する誠実さはじゅうぶん伝わってきました。
「ガマ」を取材し、「取材でガマの中に入ろうが、本を何冊読もうが現実との間にはきっと随分差があって、ガマと一口に言ってるけれど、それぞれのガマにそれぞれの現実があって、また人間一人一人の現実だって違うだろうし・・・。」とあり、「この物語は体験者でもなく、沖縄生まれでもない人間が、触れにくく語りにくい物語だと思います。それでもあえて、今回この物語に関わろうと思いました。これから続いていく未来のために・・・。」という一文は鉛のように私の胸に重く沈み、部外者の傲慢な姿勢は微塵も感じられません。作・演出家も戦時中の沖縄を描くことに戸惑いや苦悩を抱えながら、作品に取り組んだのでしょう。出演者の一人である兵士役の佐藤正和さんも、ご自身のブログで、出演俳優たちと沖縄のガマを見学したことに触れ、「沖縄に行って、戦場になった場所をまわって、話を聞きました。知らなかったことに、罪悪感にも似た気持ちになりました。自分は役者なので、なんとか舞台で表現して、同じように知らない人たちにも伝えたいと思うようになりました。創作表現だから、観る人によって色んな感想を持たれるのは当然だと思います。で、自分の拙い芝居でどんな風に伝えられるのか…(中略)暗い暗いガマの中のお話ですが、彼らの笑顔を想像してもらえるような芝居になっていればいいのだけど。今回、それだけを考えて作りました」と綴っています。初演のときより今回、再演のほうが気が重かったと、作者、出演者、異口同音に語っているのが印象的で、彼らなりに作品への責任感は強く感じているようです。
「何があっても生き延びよう」というのが北川さんのメッセージだそうで、それはしっかりと伝わりました。いまだ基地問題が解決せず、琉球の時代からの蹂躙の歴史を思えば、本土の人間としては沖縄に対して拭いようのないうしろめたさを抱えているわけですが、日本とアメリカが戦争した事実も知らないと答える子供がいる時代、たとえステレオタイプの描き方であっても、このような作品が上演されることは十分意義があると私は思いました。

ネタバレBOX

冒頭。戦争を生き延びた一人の男の思い出の中で65年前、ガマの入り口が戦火に染まる。作品取材でガマを訪れた際、「こんなところで死にたくないですね」と中島さんが言うと、当時赤ん坊だったと言うガマの現地案内人が「無念だったでしょうね」と答え、「ガマの暗闇から、沖縄の強烈な太陽の下に出ると、そのあまりの変化に頭がクラクラとするのでした」と中島さんは書いている。この一文は終演後に読んだが、夏草の茂るガマの入り口の明るさがとても伝わってくる舞台装置だった。
「ここにいるのはみんな家族」という台詞があるが、強調するまでもなく、事実、東京から県庁職員の知花(大沢健)との見合いを兼ね、父について来て戦況悪化で帰れなくなった君子(高畑こと美)を除いては血縁関係が集まっており、「フツーの生活」を描こうとしたのはわかるが、人物関係の描き方が通りいっぺんなのには不満が残る。時系列的に戦況悪化の雰囲気は伝わるものの、芝居としての盛り上がりに欠けるのは事実だ。
国民学校教師で軍国教育に没頭したスエ(福島まり子)が、終盤、過酷な戦況に自身の生き方に後悔の念を語るのが傷ましい。軍国少年で警防団員として張り切る進助(恩田隆一)のような子が本土ばかりでなく沖縄にもたくさんいたことだろう。かつて自分もこの進助世代の子供にあたる沖縄県人と本土復帰直後に共に仕事をしたことがあるが、「本土の情報には嘘が多くて信用できない。戦争中まちがった情報を与えられてみんな死んだから特に新聞は読まないことにしている」と言われたことがある。その人は、職場の規律も「親父の時代がそうだった。規則なんてクルクル変わるもの。バカ正直に守る必要がない」と言って何でも無視するため、職場で孤立してしまい、戦争時の傷跡が子供の世代にまで影を落としていることに私は複雑な思いになったことがある。進助の頑なな態度は、立場は違うがどこか彼を思わせた。
けがを負って郷里に戻ってきた元軍人の年男(44北川)が、本隊にはぐれた傷病兵(塚原大助)と地元兵の部下(佐藤正和)がガマに逃げ込んでくると、次第に彼ら以上にナーバスになって、赤ん坊の泣き声にいらだったり、乱暴な態度になるところが現役兵への負い目の反動なのか、軍人時代のフラッシュバックなのか観ていてすんなり理解できなかった。
長老格の栄助(新納敏正)と娘のツキ(藤川恵梨)がいかにも沖縄人らしい雰囲気を醸し出していた。高畑こと美は顔はあまりお母さん(高畑淳子)に似ていないと思うが、ふとした台詞の言い方が似ていて、若いのにしっかりした芝居をするので印象に残った。
パンフレットにある「沖縄の人的損害」欄の「戦闘協力者55,246人」の中に、このガマの人たちも入れられてしまったのだろうか。そう思うとやりきれない。ガマへの攻撃により、一瞬にしてかりそめの「フツーの生活」は終焉し、進助だけが生き残る。その進助の眼前に、降伏勧告ビラを思わせる紙吹雪の舞う中で踊る人々の「フツーの姿」の幻影が現れる。あまりに切ない。
恋する剥製

恋する剥製

クロムモリブデン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2010/06/22 (火) ~ 2010/07/04 (日)公演終了

満足度★★★★

隙がないっ
最初から最後まで駆け抜けてく感あり。小林タクシーが意外にいかがわしくない

Good Night

Good Night

賞味期限

劇場HOPE(東京都)

2010/06/23 (水) ~ 2010/06/27 (日)公演終了

満足度★★★★

コメディ(特にシット・コム)ファンにオススメ
流星雨が降る夜に働く人々を描いたワン・シチュエーションのコメディ。
毒のある台詞を吐きまくる「黒い井口千穂」を筆頭に「残念な人々」オンパレードで冒頭から終盤まで頬が緩みっ放しだが、クライマックスにはホロリ。
また、ヘンにエピローグを付けて引っ張ったりせず騒動の頂点でスパッと幕にする引き際も鮮やかかつ潔い。

ネタバレBOX

しかしマネージャーの母の願いはσ(^-^)にとっては反則だな(笑)。

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