幸せまであと少し
赤堤ビンケ
荻窪メガバックスシアター(東京都)
2010/06/30 (水) ~ 2010/07/05 (月)公演終了
満足度★★★★
終盤の減速が惜しい
猫っかぶりでなかなか本音で人と接することができないアラサー女性(合コン場面の心の声が特に愉快)が三十路を迎えて“脱皮”し、本音を口にするラストとコミカルな前半はイイが、交際相手に想いの丈をぶつけて止まらなくなるクライマックスからラストにかけて急に減速…どころか停滞感まで漂ってしまうのが惜しい。
そこもテンポ良く見せれば満点だったのに…
音楽劇『巨人達の国々』 ご来場ありがとうございました☆小説化決定しました!!
舞台芸術集団 地下空港
ザ・ポケット(東京都)
2010/06/30 (水) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
引き込まれました
今までみてきた舞台のなかでも上位に入るくらい気に入りました。
いろいろな意見はあると思いますが、個人的には会場に一歩足を踏み入れた途端、別世界がひろがっていて初めから最後まで楽しめました。
音楽劇とあって、演奏もよかったのですが劇中に歌われていた歌詩がよく今でも忘れられません。
いろいろなキャラクターがいましたが特に野田さん演じるロナルドにいつも目を奪われました。
また違う地下空港の作品も観たいと思いました。
水×ブリキの町で彼女は海を見つけられたか【ご来場ありがとうございました!!】
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2010/06/25 (金) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
両方とも・・・
『水』『ブリキ』と続けてみました。
どちらも良かった〜。広田さんの作品やっぱり好きだな〜。
でも、どちらかと言ったら『ブリキ』の方が好きかな。だから気になることも・・・台詞を大声(怒鳴る)っている人が・・・聞こえているけど届かないな〜。
Wannabe
柿喰う客
アトリエ春風舎(東京都)
2010/06/29 (火) ~ 2010/07/19 (月)公演終了
時代が変わったと実感
日本、中国、韓国のピチピチした若い役者さんが、とても楽しそうでした。難しく考える必要のない内容ですが、見ている最中も終わった後も、世代の差や今後について、いろいろ考えることに。
ネタバレBOX
コミュニケーションの1手段として、大々的に英語を使っていました。
峯の雪
劇団民藝
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2010/06/22 (火) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
戦争直前の日本
国民が自然に戦時体制に巻き込まれていく様子がしっとりと描かれておりました。
ネタバレBOX
上薬の配給がなくなり、やる気のない名人は、食いつなぐためでもあり、国策でもある碍子作りの仕事を弟子にやらせている。
次女が大陸から帰ってきたが、寝てばかり。弟子を巡る長女と次女の争いがあって、やけになった次女が出奔したとの認識があり、からゆきさんだったとの噂を否定することもできず、ろくに会話もできない。しかし、次女は軒下に咲いていた峯の雪(白い椿)を見事に茶室に活けるなど意外に心は荒んでいない様子。
東京から電機会社の社員が来て、潜水艦に取り付けるような特殊な磁器(熱膨張率の低いセラミック製品)の試作を依頼されるが名人は断る。
しかし、次女に再会したその社員の口から、次女が張家口でタイピストとして活躍する傍ら傷痍軍人の慰問をしていたことを聞かされ、お国のために働いていたことを知る。そして、次女はしばしの休暇を取った後、また中国に行くと言う。
はからずも、近所に住む茶道の弟子が出征することもあり、国全体が戦時体制に向かっていることを肌で感じ、名人は特殊な磁器の試作に取り組むことを決意する。
それにしても、客の年齢層が高い。民芸とともに生きてきたって感じの人々。この人たちがいなくなったら民芸はどうなるのかと心配になる。そして驚くのがマナーの悪さ。携帯電話の呼び出し音が数回。ジュピターの音楽が流れたり、静かにお茶を立てているときに普通のベルの音。観劇のプロでしょ、あんたたち!
音楽劇『巨人達の国々』 ご来場ありがとうございました☆小説化決定しました!!
舞台芸術集団 地下空港
ザ・ポケット(東京都)
2010/06/30 (水) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★
赤・黒・白
よかったです。
独特な世界で、最初の仕掛けがカッコイイ。
メッセージ性が非常に高いように感じますがストレートでないので説教くささは感じなかったです。
頭の中をまだ音楽がぐるぐるしています。
ただ中盤、音にシャットアウトされたように舞台が遠く感じることがあって少しさめてしまう時があったのが残念でした。
「あなたにはきれいな歌がある」
この言葉だけだと非常にチープなのにとても響きました。
次回、また味わいに行きます。
てのひらのさかな
三角フラスコ
エル・パーク仙台 スタジオホール(宮城県)
2010/07/02 (金) ~ 2010/07/06 (火)公演終了
満足度★★★★
完成度が高いです
ちょっと重いテーマの戯曲でしたが、時にコミカルに、でも大事なところはぐっとシリアスに胸に迫ってくる作品でした。ところどころ、ちょっと泣いてしまいました。客演の俳優さんたちもきっちりお芝居に馴染んでいて、生田さんの戯曲でないのに、すっかり三角フラスコの作品になっていました。しっかり大人が満足できるお芝居でした。ありがとうございました。
スカ☆ブラ
グレコローマンスタイル
西鉄ホール(福岡県)
2010/06/18 (金) ~ 2010/06/20 (日)公演終了
満足度★★★★
本当は難しく考えなくてもいいのに
観後しばらくたつのにむず痒い感覚が今でも残っている。
ドラマ部分が微妙、なのにゲスト陣のパフォーマンスは最高、でもドラマ部分が微妙。
要は、筋立てがもう少しだけでもしっかりしていたならば、本当に最高の舞台になる可能性があったはずなのだ。
ネタバレBOX
物語の導入部分からすでにやや冗長な語り口。その割にあまり主人公・須賀兄弟の魅力を描くような仕掛けが無い。むしろ次のシーンで恋愛模様を予感させるサーモ(林雄大)の方に観客は興味が向いたのではないか。
しかしそのサーモの恋愛についてもあまり掘り下げられはせず、そこからは三撥の兄弟関係に話題がシフトし、最終的には、敵対していたスガブラザーズの手助けをするための布石扱いに終ってしまった。
ゲストパフォーマー達がそれぞれの得意な仕事で客席を湧かす中、役者たちの仕事といえば“人間を描く”ことではないのか。ただパフォーマンスとパフォーマンスの間をつなぐだけの存在に収まってしまわれては、「演劇」を期待して行く者としては寂しい気分になってしまう。
(ただ一人、高山役の瀬口寛之氏は見応えのある芝居をしていたと思う)
バブル崩壊という時代背景も、あまり重要ではなかった気がする。須賀の「恩赦による出所」と、クライマックスでさらりと持ち出される「不動産融資総量規制」によるどんでん返し、あたりにしかその効果を見出すことはできず、またそれらは他の理由付けでも充分に成立させられる要素だ。
もっとモダンな、あるいは時代背景不明の設定で組み立てても、この座組みの魅力は損なわれなかったのではないかと感じる。
・・・等々の細かなツッコミも些細に感じるほどに、繰り返すが、ゲストのパフォーマンスについてはひたすら楽しめたことも事実だ。
ダンス、スカバンドももちろん良かったが、中でも三撥は突出していた。
きちんと芝居ができるメンバーである(中村公美・国武彰の両氏はこの団体の正劇団員でもある)ということも強みで、それがドラマを動かすのに一躍買ってもいたし、和太鼓の演奏は静寂まで織り込んだ緊張感のある構成で非常に素晴らしかったと思う。
(ザ・サラリーマンのコントコーナーの重要性については「?」だったが・・・)
まとめてみると、いやらしい話になるかもしれないが、これだけのものを観られてこの料金ならばコストパフォーマンスとしてはなかなかのものだ。ゆえに満足度は高く設定できた。
しつこいようだが、ドラマ部分、役者陣がもっと頑張れていたならば、もう一つ星をつけられたのに、と悔しく思う。
幸福オンザ道路
ミクニヤナイハラプロジェクト
STスポット(神奈川県)
2010/07/02 (金) ~ 2010/07/11 (日)公演終了
満足度★★★★
あいかわらずの運動量と台詞が面白いぞっ
やっぱりと言うか、「なんてヘンテコで、なんて面白いんだろう」と思う。
(ヘンテコとは「いい意味で」です(笑))
とてもつない運動量と高速台詞が、STスポットっという、小さな場所で、一気に溢れてくる。言葉が言葉が。
ミクニヤナイハラプロジェクトは、やっぱり面白い。
ネタバレBOX
朗読会をカフェで行おうとしている男が、道に倒れていた男を家に連れてくる。外科医の妻はそれが許せない。
また、そこへカフェの店長が、朗読会の練習のために訪れる。
一方、昔、7人が同時にビルから飛び降りる事件が起こった。
その検死を当時インターンだった医者たちが行い、自殺であると判断するも、7人の自殺者のうちの1人は殺人と警察は断定し、当時高校生だった男が逮捕される。
しかし、それは無実の罪であっことが15年後にわかり、犯人とされていた高校生は逮捕から15年たち、刑務所から釈放される。
そして、家に連れたきた男は、自分の名前を名乗り、12歳だと言い張る。しかも、彼は常に拳銃を手にしている。しかし、その拳銃は誰にも見えない。
男の名前を聞いた、外科医の妻の友人の女医たち(昔、インターンだった頃に、7人の自殺者たちを検死した医者)は、その男の言うことに異常に反応する。
そして・・・。
そんなストーリーである。
確かに「サスペンスドラマ」的だ。
ただし、それは、じっくりと見せていくのではない。
役者が登場したとたんに、スイッチが入ったように、見事に弾けて、テンションが一気に上がる。ゆっくりなんて待っていられない。
とにかく、走って、壁を押して、また走る。タンバリンだって叩くし、ギターだって弾く。
観客はいきなりジェットコースターに乗せられた気分。
ちょっと、にやっとしてしまうぐらいの面白い台詞もあったりして。
あれよあれよという間に、いくつかのピースがつながっていく。
どうやら、全員が走り回るのは「不安」から、そして、全員がタンバリンを激しく叩くのも「不安」からなのだろう。
引きつるように、一気にたたみ掛ける台詞も「不安」からなのだろう。
台詞が溢れすぎて、壁にまでポロポロと溢れていく演出が面白い。
台詞の中の本質が文字で示される。
科学の話ではなく、「自分が誰なのか」という「不安」に苛まれている人たちの物語のようだ。
なんとなく、この科学との感じは『青ノ鳥』を連想させる。
カフェのオーナーとそのウエイトレスも、それぞれの自分に対する不確かさが、様子をおかしくしているし、12歳と名乗る男が現れてからの、女医たちの混乱ぶりは、自らの存在を不安に陥れられてしまったようだ。
最初からしきりに、走っては「壁を押す」を繰り返す出演者たち。
その動きは、目を離すと、まるで壁が自分たちを押しつぶすのではないか、と神経質になっているようで、見ていて、息苦しくなってきた。狭い空間なのでなおのこと。
「壁」に押しつぶされないように、走り、叫ぶ。
約60分の上映時間は、あっという間だった。
一応、ピースは結びついたのだが、物語としては、その緒についたばかりの印象だ。もう1つ、深いところに連れて行ってくれて、「幸福オンザ道路」が完成するのではないかと思った。
女医を演じた3人の女性(すみません、黒岩さん以外、役者の顔と名前が一致しません)がとても印象に残った。
そう、この舞台、あひるなんちゃらの黒岩さんが出演するということをフライヤーで見て少し驚いた。だって、あひるでは、こんなに運動量がなく、やや冷めた感じで突っ込み、やや冷めた感じでノイローゼな人を演じているイメージだったから。しかし、アノ独特の冷めたような表情で、激しく動き、そして、台詞を言うのは、とてもこの舞台にフィットしていて、その「普段と違うところ」と「普段と同じところ」のバランスが少しツボだった。
これで、あひるのほうも少し変わったりしたら・・・んなことはないか(笑)。
ファウストの悲劇
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2010/07/04 (日) ~ 2010/07/25 (日)公演終了
満足度★★★
やっぱり、蜷川演出!
まぁ、蜷川さんは、なんであんなに面白い演出ができるのか、
本当に感心します。
このメンバーだから、面白くて当然と言う感覚で観てしまうので
多分凄く面白いんだろうけど、あんまり感動しなかった・・・。
ザ・キャラクター
NODA・MAP
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2010/06/20 (日) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★★
どう解釈すれば良いのか
ちょっと話が長すぎかな。
でも、宮沢りえちゃんは秀逸です!
Wannabe
柿喰う客
アトリエ春風舎(東京都)
2010/06/29 (火) ~ 2010/07/19 (月)公演終了
満足度★★★
うん
女優さんたちは、ホント可愛い。
でも、やっぱり、良く分からんかった・・・
女ともだち
劇団競泳水着
「劇」小劇場(東京都)
2010/06/30 (水) ~ 2010/07/06 (火)公演終了
満足度★★★★
何ともいえない感覚…
ただただ観てるだけで…
東京ノート
BeSeTo演劇祭
新国立劇場 特設会場(東京都)
2010/07/02 (金) ~ 2010/07/17 (土)公演終了
満足度★★★★★
静謐で壮麗な交響詩のような
日中韓三カ国版を見た。
劇場構内が美術館に見立てられる。
奥行きが深く、天井が高い、広大な劇場空間を実に効果的に使った演出だった。きっちりと構築されたセリフの重なりが美しいハーモニーを奏でる。
素晴らしい舞台だった。
平田オリザの代表作であり、彼が確立した現代口語演劇のスタイルで書かれた傑作戯曲が、理想的な空間のなかで再現され、その潜在的可能性が引き出されている。平田オリザ/青年団の芝居が好みでない人も一見の価値がある舞台だと私は思う。
リアルな言葉のやりとり、繊細な演出の総体が壮大で奥深い象徴的な世界を描き出している。
男女
MacGuffins
RAFT(東京都)
2010/07/03 (土) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★
男ってこんなもんさ。
男性からみた女性像の本音が話の主体になっていたために、男の子にこんな風に見られていたんだ、という驚きがあり、男の子って何を考えているの?女の子のこと、どう思っているんだろう?なんて素朴な謎がちょっぴり解けたような気がしたし、元気ハツラツにはっちゃけている役者さんたちはとても微笑ましかった。これであと、団体のカラーが出てきたら尚更良いですね。
ネタバレBOX
「18歳ロケット」
視聴覚室で告白をするとカップルになれるとの噂を聞きつけて、大好き中野さんに告白を決めた宮本は坪井に冷やかされる。そこへやってきた土田は坪井とケンカになるが、土田は坪井に告白しふたりは部屋を後にする。驚きを隠せない宮本。だが、噂はどうやら本当らしい。間を置かずに今度は真淵が、更にお目当ての中野さんも部屋に来て、宮本と真淵はどちらが先に中野さんに告白をするか揉める。じゃんけんで順番がきまったところで今度は島貫という男がやってきた。何喰わぬ顔をして井伏鱒二全集1を読みはじめる島貫に告白の邪魔になると島貫を追い払おうとする宮本と真淵。部活動で視聴覚室を使っていると応戦する島貫。そして今、井伏鱒二が好きだと島貫に告白した中野が、『たま虫を見る』が掲載されている井伏鱒二全集2を借りるため、島貫の後について部屋を出ていく…。
視聴覚室に入ってくる人々の認知度のズレ(勘ちがい)から生まれる予期せぬ笑いをテーマに『漁夫の利』を実例化したような話。
同時刻にふたりの男子から呼び出されてた中野さんが彼らを目の前にして、
「あら、おふたりさんお揃いで。」とかしらばっくれて弄んでもよかったような気はした。
「エレクトリカルパレード」
ディズニーランドに遊びに来たのに入場制限で入れなくて、泣く泣くお隣の葛西臨界公園にやってきた若いカップルが「前もってチケットを買っておけば、こんなことにはならなかった」とお互いを責め合っている。
どちらとも一歩も引かない構えが続くなか、黒いマントを翻し怪しげな男が現れる。彼はディズニーランドの地下室で冷凍保存されたウォルト・ディズニーだと名乗る。無論、ふたりははなから信じていないのだが、地下室に繋がる鍵を開ける門番を探しあてれば、特別にディズニーランドに入れると言われたので女の方は自称ウォルト・ディズニーな男の話を信じているフリをして、写真で見せれられた門番をさがしはじめる。すると、彼女の子どもを名乗る女が目の前に現れ、女と浮気をしたと名乗る男も現れる。男女の喧嘩が激しく火花を散らす中、門番の『ウォーリー』が鍵を持ってやってくる。しかしふたりにはウォーリーの姿は見えない。夢を見ることを忘れてしまったからだろうか。ふたりは彼女の浮気が原因で離別する。
既存のキャラクターをパロディー化して、『さがす』ことに副次的な意味合い噛ませているのは面白かったのだけど、ひとりづつ舞台にやってきて、何かをやらかすことが一話目からパターン化されてしまっているように思えたためか、女と浮気をしたらしい男が現れても意外性をあまり感じられなかった。また、その後で別れる話が出た時もお互いを責めることしか出来ないふたりなら、仕方がないかなぁ…と。
別離に至るまでの男女の気持ちの変化のようなものが描かれていれば異なる印象を抱いたかもしれない。
「love song 探して」
働いたら負けだ、とは思わないけど働くのが勝ちとも思えない、生きてる実感を持てない二十代半ばの澤木がある日、バイトでもはじめようかと情報誌でみつけた会社に電話をする。電話を切ると、部屋から出て、電車に乗って街へ出る澤木の動向と、その他のキャストの動向が舞台の後方部に設置されたプロジェクターに投射され、この映像が終わると澤木が先ほど電話をした会社の面接の場面に切り替わる。映像のなかでストーリーを動かし、その続きを舞台ではじめるというのは非常に斬新だった。
ドラクエに出てくる”くさったしたい”みたいだと自らを体言したことが買われた澤木はあっさり採用が決まる。この会社は実在しない女性になりすましたスタッフらが、女性と出会いたい男性ユーザーにメールを送信させることによって売上をつくっている悪質な出会い系サイトを運営しているが、ここで働く若者たちに人を騙しているという罪の意識は全くなく、彼らの創作したキャラクターとやりとりをしているユーザーをおちょくったりしている。そこへ、サイトの高額利用者ジャスティスが登場し事態は一変する。
借金を作ってまでサイトを利用していた彼は架空の住所を記載しているこの会社を調べあげ、これまで入金してきた分を取り返しに来たのだった。
「金を持ってこい」とまくし立てるジャスティスに「近くの金庫から取ってくる。」
と部屋からひとり出て行き、彼が部屋に戻ってこないことを悟った残りのスタッフらがあの手この手をつかって何とかこの部屋から脱出しようとするのはおもしろかった。
まぁ、二人目と三人目はビルの地下に金庫があるとバレバレの嘘をついてどさくさに紛れてノリで出て行った感はあるけど、四人目のメールレディが、「借金を作ってまでして架空の女性に惚れこむ一途なジャスティスさんはカッコイイ」といい、ジャスティスさんとなら寝れるとまで言い放つあのくだりは秀逸だった。ジャスティスを混乱させる狙いがあったのだろうか。これをきっかけに彼女は無事、外へ出られた。
残るは”くさったしたいくん”ただひとり。
社会人への一歩(就職)につまづいてしまった自分に比べて、普通に毎日働いて、普通に子どもがいて、普通にローンで家を買って・・・そんなことを普通にしているジャスティスをベタ褒めした上であなたにも家族がいるのだし、僕もせっかく決まった仕事を失うことになるからこのことは誰にも言わないからもう止めましょう。と諭す。ここでの駆け引きはなかなか見応えがあった。
最後にジャスティスが彼を刺殺してしまうだろうことは途中で何となく想像はついたがものの、いざそうなってみると非常に後味が悪かった。
「10 Years Later」
「18歳ロケット」から十年後、風俗嬢になっていた中野さんに”中身のないたまねぎ”を差し出す男子のしぐさが印象的だったけれど、残りの男子たちは一体何をしているの?という謎が残った。
全体的に、良くも悪くも舞台空間の使い方が平面的で、テレビをみている感覚に近かった。それが団体の特色だとしたら、テンポやリズム感に何かしら工夫は必要ではないか、と。
あと、まくしたてるような喋り方をしている登場人物ばかりだったのは気になってしまった。もう少し違ったタイプのキャラクターも見てみたかったかな。
元気で行こう絶望するな、では失敬。
パラドックス定数
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2010/06/25 (金) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
20100630
観ました。観た時よりも、帰り道に響いた作品。
組曲「空想」
空想組曲
OFF OFFシアター(東京都)
2010/06/16 (水) ~ 2010/06/22 (火)公演終了
20100621
観ました。心が心地よく揺れる。こんな舞台をデートで観てくれる方が多くなれば、演劇は素敵なものになる。日替わりを全部観たかった。
「嘘でもいいから恥じらって…紅」公演無事終了しました。たくさんのお客様のご来場ありがとうございました。次回は、王子小劇場で、11月の4週目にやります!!
サルとピストル
小劇場 楽園(東京都)
2010/06/02 (水) ~ 2010/06/06 (日)公演終了
20100605
観ました。いい感じで価値観かき回されました。もっと揺れても気持ちいかも。
女ともだち
劇団競泳水着
「劇」小劇場(東京都)
2010/06/30 (水) ~ 2010/07/06 (火)公演終了
水×ブリキの町で彼女は海を見つけられたか【ご来場ありがとうございました!!】
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2010/06/25 (金) ~ 2010/07/04 (日)公演終了