満足度★★★★★
静謐で壮麗な交響詩のような
日中韓三カ国版を見た。
劇場構内が美術館に見立てられる。
奥行きが深く、天井が高い、広大な劇場空間を実に効果的に使った演出だった。きっちりと構築されたセリフの重なりが美しいハーモニーを奏でる。
素晴らしい舞台だった。
平田オリザの代表作であり、彼が確立した現代口語演劇のスタイルで書かれた傑作戯曲が、理想的な空間のなかで再現され、その潜在的可能性が引き出されている。平田オリザ/青年団の芝居が好みでない人も一見の価値がある舞台だと私は思う。
リアルな言葉のやりとり、繊細な演出の総体が壮大で奥深い象徴的な世界を描き出している。