最新の観てきた!クチコミ一覧

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淑女冥利

淑女冥利

多少婦人

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/09/22 (水) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★

グロ不思議
オムニバス形式で繋がっていて、淑女冥利とは女性が主役ってことですか。

ネタバレBOX

体の一部や感情、言葉や家族、貯蓄などをゲームで削っていく怖さとグロテスクさ。

真っ先に要らないものは夫ですか。ただ、ゲームの前提である列がはっきりしていませんでした。勝負に関係なく削られてしまうのも恐ろしや。

ゼロサムゲームでもあるとのこと、あの奥さんの鼻がマーラーにくっついていたというオチにはちょっと笑いました。

他人の印象による自分と自分が考えている自分は当然違うもの、本音ばかり口にする人はいません。積極的だけど遠慮深いとか、上手く言えませんが、インチキ占い師の言い回しと同じですね。
ЖeHopмan【シャハマーチ】 下北盤

ЖeHopмan【シャハマーチ】 下北盤

電動夏子安置システム

Geki地下Liberty(東京都)

2010/09/21 (火) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

下北盤も両バージョン観劇
日程の都合で偶然、今回もMバージョンが先となり、24日M、25日Kバージョン観劇。池袋盤同様、両バージョン、ストーリーは同じでK、Mそれぞれのチームの視点で描かれる。
このシリーズ、自分は池袋盤が初体験だったので、池袋盤の段階ではゲームの特性を把握し、対戦過程に気をとられた。今度の下北盤では脚本的にもより一歩進めてあり、このゲームの本質や矛盾、人間の本性の問題にも踏み込んで描かれている。2公演、4バージョン全て観たことになるが、全部観たぶん、それなりに深く楽しめるようにできていて、この芝居、本当にいろんなことを考えさせられ、怖ろしくも興味深かった。
竹田哲士の作劇術には毎度やられてしまうが、観れば観るほど虜になっていく。
加えて、やはり澤村、なしおが復帰した電夏は一味違う。

ネタバレBOX

今回のほうが池袋盤より職業の特性が役に多少は反映されていたように思う。緻密な女性棋士・城戸(小舘絵梨)とプログラマー加納(じょん)が組んだMチームはやはり手ごわく、序盤で大きく水をあけられながらも猛追するKチーム。
城戸の棋士としての対戦成績が気になるところ。実生活で案外あまり強くない分、このゲームの勝利に賭けているのかな、などと考えてしまう(笑)。
根原の用松亮の人間くささと、人間離れした(?)魅力を持つ門倉の渡辺美弥子が2公演通じて印象に残った。「自分のチームのノルマを最後まで信じる」という門倉のひとことにハッとさせられた。
池袋盤を戦った経験により、室尾(岩田裕耳)の人間観察力、奥羽(小原雄平)のゲームへの疑問、城戸の勝利への執念などが浮き彫りになる。
劇中、伊豆井(なしお成)の体型をからかい過ぎなのが気になった。なしおは演技力もあるコメディエンヌだから、ほかのことで目立たせてほしい。
終盤近くの澤村一博の演技にリアリティーがあり、目を見張った。
比較的従順だったMチームのノルマ・江利(池田葵)の大胆な決断が生んだどんでん返し、皮肉な結末には唖然とした。
気になった点としては、ゲームのルールで、ポイントを獲得してノルマが移動できるマス目の数=歩数というのが台詞以外、演技上ではわかりにくいと思った。マス目が足りないと言いつつ、「回り道していきましょう」などと言っているので。もちろん、そんなこと関係なく楽しめるが。
また、池袋、下北両公演を通じて、今回コント部分の面白さがイマイチに思えた。

電夏の「Performen」も「家」シリーズも行動が自分の意志に関係なく制約されていく話なのだが、作者の竹田という人は「操られる人」がよほど好みらしい(笑)。
次のシャハマーチはゲームとして芝居としてどのような進化を遂げていくのか期待される。
ワイルドターキー

ワイルドターキー

ゲキバカ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

中山さんの演技が良いっ!
初めてこの劇団の芝居を拝見しましたっ。オトコの世界ですね。。ちょっと怖いながらも、役者の皆さんの演技力に入ってしまいました。
特に中山さんの (雨ニモマケズ)は泣いちゃいました。
終わった後で中山さんをみたのですが、劇場よりもちっさかった。180cぐらいあるのかなーと思ったんですが。。。 芝居しているときの威圧感?!存在感がすごかったです。またいきまーーす。 

ネタバレBOX

間違っていたらすいません。ワイルドターキーの意味って
ワイルドな失敗者って意味だったのでしょうか?だから
ラストの「雨ニモマケズ」、はあんな形だったのかなぁーー
手作り工房錫村第13弾公演「ムチムチ」

手作り工房錫村第13弾公演「ムチムチ」

手作り工房錫村

タイニイアリス(東京都)

2010/09/22 (水) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★

砂砂砂
良くも悪くも砂につきる芝居だった。量は偉大である。台詞回しも同様に量は偉大といいたいくらい執拗に人が何かを売り込むさまが繰り返される。その質は高いのだが、今回は砂の偉大さに少しだけ人の偉大さが負けていた気がする。しかしこのこだわりと執拗さは全ての演劇人が真似しなきゃいけないことだと思った。

美しい手

美しい手

スポンジ

サンモールスタジオ(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

演出その他の構成も素晴らしい!
初見の劇団ということもあり、また前情報(過去の評価)もないことから、期待してなかっただけに物凄い衝撃を受けました。とにかく素晴らしい。大絶賛なのです!現実と妄想の時間軸が交差する場面ではぐにゃりと歪んだずれが絶妙で、はたまた妄想から現実の世界に戻る展開はビデオテープが逆走しているような感覚の描写が巧みでした。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

物語はとあるジャズ喫茶での風景。セットがまさに現実味を帯びていて素晴らしい!

生き馬の目を抜くようなファッションデザインの業界「アンダーグラウンド」ではデザイナーのカリスマ的存在の高崎を筆頭に業績を伸ばしてきたが、その裏ではデザイナーとして力のない井上が試行錯誤を繰り返しながら苦しんでいた。

そんな折、ジャズ喫茶に訪れた同じファッション界の江尻にデザイン画を見てほしいと自分を売り込んだ井上は高崎のデザインをパクッた画を出してしまう。

後日、高崎に呼び出された井上は高崎に詰られ罵倒された腹いせに高崎が大麻を吸っている事を暴露してしまう。「大麻を吸いながらデザインをしてるお前の方がよっぽどクソだ!」と言いのける。それを聞いていた喫茶店の客が記者だと知った井上は他言しないように頼むも、マスコミの餌食にされ高崎は留置所送りとなってしまう。

罪悪感に苛まれながら苦しむ井上は、ついつい悪い方に悪い方にと妄想し捻じれ歪んでしまう。更に高崎が警察沙汰になってからというもの「アンダーグラウンド」の業績は落ち込む一方で遂に井上は解雇されてしまう羽目になるのだが、この時点でも井上は自分が高崎を陥れたという罪悪感からか、抵抗はしない。

ところが喫茶店に集まった「アンダーグラウンド」の面々から高崎を警察にタレこんだのは一ノ瀬だったことが解る。一ノ瀬に掴み掛る井上。もう一方では江尻と揉み合う高崎と井上。このジャズ喫茶では血の気の多い連中が毎回、何らかの騒ぎを起こしているのだが、いちいちその設定が面白い。沸点に達した江尻は包丁を持って殴り掛かろうとするも包丁はサックリと高崎のギプスに突き刺さる。笑

高崎を売ったのは自分ではないか。と罪悪感に苛まれた日々を振り返ると井上は自分が知らない現実はこの世に沢山あることに気付く。やがて井上はファッション業界から身を引き、まったく違う職種に就くのだが、井上がかつてデザインした蝉のTシャツを着た若者が井上をカリスマ的に扱う場面ではホッとさせる温度がある。

そして、物語の最後の終わり方があまりにも素敵でため息が出るほどだった。

今回の芝居で感じたことはキャストらの演技力が秀逸だったこと、須賀谷の照明が生かされていたこと、それに加味して演出が際立って素晴らしかったこと、更にこの物語を引き締めたのは店主・大熊役を演じた牧野はやとだと思う。彼の演技は出すぎず引きすぎずで、静かなパンチ力があった。
淑女冥利

淑女冥利

多少婦人

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/09/22 (水) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しかった
出だしがエグかったので、こういう物語なのかと唖然としたが、それは一話だけで、他は面白いお芝居だった。一つ一つが少しずつ繋がっており物語の持っていきかたが上手いと感じた。

生きる。【全日程 終了致しました。】

生きる。【全日程 終了致しました。】

神と仏

明治大学和泉キャンパス・第一校舎005教室(東京都)

2010/09/24 (金) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

演技派によるコントが面白い!
オムニバス・コント7本。場内は爆笑の渦。学生たちにも大ウケだった。
「アドリブクイズ」はエチュードや大喜利のようでもあるが、他の6本は多分に演劇的要素が濃い。
パンフの挨拶文によると7本中3本を「声を出すと気持ちいいの会」主宰の山本タカが作・演出したそうだが、どれがそうなのかは記名がないのでわからない。山本はシリアスで幻想的な作品で注目されている学生作家だが、コメディアンとしても魅せ、こんなに面白い俳優とは知らなかった。
草野峻平、中島綾香、宇高大介、米澤望と、明治大学の演劇で活躍している演技派の面々が汗だくでコントを演じてくれるのが嬉しい。宇高と米澤のリラックスした表情を初めて見たので新鮮だった。
次回公演の企画も決まっているようで楽しみだ。

ネタバレBOX

「幼稚園」

「グーチョキパーで何作ろう」で無邪気にお遊戯する園児と保育士。園長先生が帰ったのを見計らって保育士たち(草野峻平・宇高大介)が園児たちに「大人教育」の特訓を始める。
幼稚園バスの中での年長さん(山本タカ)が年少さん(米澤望)にレクチャーする大人顔負けの現実的な会話が可笑しい。
「年長になるとスイミングスクール行かされたりして自由時間が少なくなるからいまのうちいろんなことやっておけ」とか「初コーラ、刺激的だったぜ」、「いまの世の中どうなるかわからないし、先のこと考えとかないと老後のお金とか心配だろ。親の前では将来の夢はニンジャとか言ってあるけどさ」など。
停留所にお迎えに来たママ(中島綾香)の前でふだんのあどけない幼児に戻った年長さんはおもらしをし、泣きじゃくる。バスの中から呆気にとられて見守る年少さんへ送る年長さんの鋭い視線が印象的。

「死者への手向けⅠ」

電車に乗っている男女社員(中村優作・中島綾香)の会話。上司が急死したらしく「部長も本望だったでしょう。大好きな埼京線で轢かれたのだから・・・」。
変だな、と思っていると告別式が始まる。
受付で渡す香典は乗車券。「電車葬」なのだ。和尚さん(草野峻平)が会場の優先席に案内され、ケータイが鳴って通話し、大顰蹙。和尚の読経も鉄道に関すること。遺族の妻と息子が山手線の駅名を順に暗証し、ラブホ街の駅名で妻が反応するという解説が入る。後ろから和尚がまったく関係ない「ススキ野」なんて囁くと、妻(山本タカ)は激しく動揺する(笑)。
網棚の上の棺に向かって、読み終わりの新聞やマンガ雑誌を放り投げる参列者たち。
棺は列車ごと燃え盛るトンネルの中で荼毘にふされるため、参列者は列車を降り、ホームで黄色い線まで下がってお見送り。さらに白線の内側まで下がってそれぞれの人生を生きるのだそうだ(笑)。

「死者への手向けⅡ」

今度は母(山本タカ)も亡くなり、一人残された息子(宇高大介)を喪主とするミュージカル葬。いかにもミュージカルナンバー風に歌い上げたり、間で台詞をつぶやいたり、パロディーが笑える。

「打ち合わせ」

プライドの高い有名シナリオライター(草野峻平)とフジテレビの若手プロデューサー(山本タカ)の会話。プロデューサーが中座してケータイで部下に「そんな作家契約切っちまえ!」と怒鳴っているのを聞いて弱気になったシナリオライターはTV局の条件を呑むことにする。それはスポンサーの意向を汲んで商品名を台詞に入れたり、フジテレビの“反戦特集企画”に協力して台詞に反戦色を盛り込むことなのだが・・・。
シナリオライターが言う「私は自分の作品の中で“企業の犬”みたいなマネはできんよ」がキーワードとなる。


「企業の犬」

前のコントの打ち合わせの結果、放送されることになったTVドラマが演じられる。不自然なほど企業名が出てきて、広報資料のように商品の特徴が俳優の台詞によって説明されるのが可笑しい。
果ては男友達(宇高大介・米澤望)が喧嘩を始めると、ヒロインのみどり(中島綾香)が「喧嘩しないで!いまも世界のどこかで戦争が起こっている。戦争なんて大嫌い。戦争反対!」と叫び、全員でフジテレビの「戦争反対特集企画」の番宣をする(笑)。フジテレビという実名を使う必要はなかった気もするが。

「アドリブクイズ」

TV番組という設定。3人の俳優(中島綾香・草野峻平・宇高大介)がコントをする中、司会者(山本タカ)が途中で動きを止め、「ここから彼らはどういう行動をとるでしょう?」という問題を出し、ゲスト回答者2人(中村優作・米澤望)が答え、採用された答えをコントで演じる。
森進一と川内康範の作詞騒動や狂言の大笑い、EXILEのチューチュートレインなどが採用され、最後に全部通してコントを見せる。中島の変わり身の表情が秀逸。

「死刑」

囚人1743号こと三ケ日みかん(中村優作)の死刑が執り行われるまでを描く。死刑台というのは鏡餅で、みかんはそのてっぺんに「橙」として登るのがオチ。ナンセンスなのだが、途中がシリアスな展開。死刑台が運ばれてきて「この鏡に・・・」と囚人が言った段階でオチが予想でき、そのうしろで死刑執行人(山本タカ)が緑色のハチマキを用意するので早々とわかってしまうのが残念。死刑執行が決まったみかんの前に和尚(草野峻平)が現れ、みかん農家の母親(中島綾香)の切々たる手紙が読み上げられ、囚人が死刑台に登る残酷な場面に向かって客席の笑いは高潮していくという仕掛けが逆説的で面白い。

私の好みは「幼稚園」と「死者への手向けⅠ」だった。
窓

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2010/09/16 (木) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★

ZZZ
もろもろ惹きつけられて観劇を決めたはずでしたが、どうも私には合わないようでした。始まりから諦めムードで、睡魔に勝てず・・・。そんな中、高橋一生くんの「エネミイ」同様の演技に、良い意味で安心してました。

ЖeHopмan【シャハマーチ】 下北盤

ЖeHopмan【シャハマーチ】 下北盤

電動夏子安置システム

Geki地下Liberty(東京都)

2010/09/21 (火) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★

ゲームの中に潜むもの。
スタートしてしばらくは何をやっているのかわからなかった。しかし、次第にその世界に引き込まれていった。

新しいゲームを作るという行為は、新しい芝居を作るという行為に似ている。このシャハマーチという作品はまず、電動夏子安置システムが作った新しいゲーム(あるいは新しいスポーツ)を観戦するというところからスタートする。

まず、このゲームが奥が深い。この複雑なゲームを考えついただけで電動夏子すごいと思う。しかもそこから暗示されるものは相当奥が深い。

レストランじゃないっ!!!【終了いたしました。ご来場ありがとうございました!!!】

レストランじゃないっ!!!【終了いたしました。ご来場ありがとうございました!!!】

コメディユニット磯川家

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★

少しべた
かな?、笑いはとっていました。でも少し暑苦しい感じがしました

ストロベリー

ストロベリー

国分寺大人倶楽部

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/27 (月)公演終了

満足度★★

驚き!
縁あって拝見させていただきました。素人目の意見ですが脚本にもう少しひねりがあれば面白いのにと思ってしまいました。俳優さんたちはみな好演でした。

ネタバレBOX

恋愛話以外にも同性愛ならではの話題がほしかったです。
砂と兵隊/Sables & Soldats

砂と兵隊/Sables & Soldats

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/09/16 (木) ~ 2010/10/06 (水)公演終了

満足度★★★

砂との距離
青年団はとても大好きな劇団です。今にも客席までやってきそうな砂には驚きましたが、逆に俳優さんとは距離を感じてしまいました。リアルらしからぬところに青年団のよさを感じられなかったのも事実です。

今後も応援します!

ストロベリー

ストロベリー

国分寺大人倶楽部

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/27 (月)公演終了

満足度★★★

スイカ
タイトルのストロベリーは甘酸っぱい思い出をあらわしているのですね。スイカは夏の思い出かな。いろいろな愛の形があるわけですが、役者さんが皆生き生きと演じていました。

ストロベリー

ストロベリー

国分寺大人倶楽部

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/27 (月)公演終了

満足度★★★★

想いがまっすぐに・・・
どこかもどかしく、でもくっきりと
登場人物たちの想いが伝わってくる。

そのまっすぐさに、
ぐいぐいと押しこまれてしまいました。

ネタバレBOX

舞台は海辺の夏の民宿、
最初から、なにか空気に違和感があるのですが
その理由はすぐわかる。
彼らが同性愛者たちの集団であることは
ほぼ、冒頭から提示されていきます。

中盤あたりまでに
ベースになる登場人物たちの性格や関係が
しなやかに、明らかにされていきます。
それぞれの行動は
良い意味であからさまというか露骨なところがあって。
ロールがしっかりしているというか
表面的な構図がくっきり見えているし
同性間ということもあって
向き合ってのべたな愛情表現も
不思議と客観的に受け入れられてしまうのです。

どこかユーモラスなタイミングの組み上げ方や
性的な表現のしなやかさ。
ニュアンスを一杯にふくんだやり取りもあって、
一つずつのエピソードが
キャラクターの抱えるリアリティに結びついていく。

その世界に満ちる空気の中で
舞台上の想いの色が
次第にほどけていく。

そこにはいくつもの機微が重なり、
時間の流れとともに
表層的な愛情表現を超えて
内心のベクトルが浮かび上がってきます。

時間の経過をうまく挟むことで
キャラクター達が観る側にも馴染み
新たなキャラクターが組み込まれていくことで
様々な想いの行く先と
静かで強い高揚が舞台に満ちていく。

そして、想いが溢れるときのまっすぐさに、
観る側はただ息を呑むのです。

いくつものシチュエーションで
それぞれの想いが交わされていきます。
同質の真摯さがあって、
でも、
登場人物たちそれぞれに異なる想いの果てがあって、
一人ずつの心情の
息遣いががっつりと広がっていく。

伝えられる想い、
受け入れられる想い、受け入れられない想い。
そしてつたえられない想い。

それは、
きっと異性愛の中でも変わらないこと。
でも、同性への愛にその姿が置かれていると、
想いが観る側の情緒や記憶にくもることなく
その姿をさらけ出してくれて・・・。
重なっていく心情たちが
ノーガードでどんどんと押し込まれてくるのです。

役者たちの刹那を作りこむ力に瞠目。
ある種の生々しさやウィット、
さらにはシニカルなテイストを織り込んで、
舞台上にちりばめられた思いを形骸化させない
演出の技量にしっかりと取り込まれた感じ。

ラスト近くのいくつかのシーンたちにも
登場人物たちが抱える
しっかりとしたロールの必然が宿っていました。

そして男女間のどこか表層的な
心のすれ違いを現わす最後の場面にも
作り手の美学を感じて・・・。

どこかあからさまで下世話な物語の
ピュアで深い質感に
唖然とするほどに
心を動かされ浸潤されたことでした。

☆☆★★★○◎◎△△









ワイルドターキー

ワイルドターキー

ゲキバカ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★

3DのVシネマ、宮沢賢治風味。
本当なら、皮のボンテージで着飾るハズの♂系の方々。
貧乏なジーンズでの衣装が、場末の町を象徴していて納得でした。

それにつけても、ノワールな世界でした。

ただ全体的に雑みが多く感じられましたが、
その荒削りさも売りにしているようで、納得は出来る仕上がりでしたね。

ネタバレBOX

褌マンでるし、股間に蛇口つけたモーホーの方出てくるし。
割と下ネタが多くて、観客選ぶような気がします。

カリメロ・芝浦工大・遺影などのコントは笑えました

パントマイムやダンスなど、劇を見せようとする熱意は高く。
ラストの雪の降るなかの、宮沢賢治の詩の朗読は綺麗な場面でした。

練馬ナンバーの、カローラ運転芝居は結構受けました。

あと実際にバナナの皮ですべるギャグを使うとは、すごいです。
【公式ブログにて結果発表中!】何にも知らないわけではない

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パセリス

OFF OFFシアター(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/27 (月)公演終了

満足度★★★

深遠を覗くものは・・
深遠に覗かれている事を理解せねばならない。
という感じでしょうか?
割と上手にまとめた小品という印象を受けました。

ネタバレBOX

脱出ゲームの決定権が、実際の観客にゆだねられるという。
割と古典的とも、とれる手法ながら。
実際、当事者ともなると。なかなか新鮮な感覚になりました。

小劇場ならではの作り方でした。

玩具とわかっていても、不意打ちで腹めがけてナイフ刺したりしましたが。
「刺せ」というのだから、手や足に刺したり。
”とんち”で髪に”さす”という選択肢も考えられたのでは?

同じく拳銃に関しても、「向かって撃て」なのだから。
足の間とか、身体に当てない様に撃つ。
という選択肢も提示して欲しかったかな。

アンケート用紙の裏に、出演者の顔写真と役名が入っている時に、
すでにオチまで読めた人は,いたかもしれませんね。
(自分、よみきれませんでした。)

話の設定上で、舞台がすり鉢状になっていて。
今ひとつ、後ろの方の席だと舞台が見え難く。
ひとり一人の顔など見え辛くて、少々設定の不備感じました。
モルモット見る様に、台みたく作った舞台としたほうが良かった気がします。

28日にHP上で、脱出できた人の発表があるそうで。
見てしまいますね、たぶん・・・・。
ストロベリー

ストロベリー

国分寺大人倶楽部

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/27 (月)公演終了

満足度★★★★

正統派ではないけれど...
誰もが登場人物の誰かに若い頃の自分の姿を重ねてしまうのでは!?と思わせる話でした
ただ矢印の先は変化球みたいですが...
BGMにも統一感があってよかったです
ただ、中央の柱と、会話の時の役者さんの立ち位置で、せっかくの表情等が見えにくい場面がけっこうあったのが残念でした

ネタバレBOX

最後のバイトの二人の言葉の◯◯◯◯も、いろんな想像を巡らせて楽しませてもらいました

ランさんの電話の相手がちょっとひっかかってます
底抜けカンガルー

底抜けカンガルー

ぬいぐるみハンター

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/27 (月)公演終了

満足度★★★★

話は
以前観た作品たちと似てるテーストなのだけれど、
今回は動きと出演者が少なめだったためにおとなしめな印象でしたが
これはこれで「らしさ」がでてましたね
毎回思うのですが、次はなにをやってくれるのか....
またすぐに公演があるらしいので、楽しみです

底抜けカンガルー

底抜けカンガルー

ぬいぐるみハンター

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/27 (月)公演終了

満足度★★★

カンガルーより・・・
個人的にはモグラの方が楽しかったです・・・。

まだ公演中ですので、以下ネタバレBOXにて・・。

ネタバレBOX

濃密会話劇というキャッチフレーズで、確かにテンポの良い会話劇だったが、個人的には余り話に入って行けず、何となくよくわからないまま終わった感じ。


何と言ってもあのモグラ(初演)でのユルユル感、爆笑を誘うセンスが強烈な印象で、ゲリザンヌさん(スミマセン、でも神戸さんというより、自分にはこのネーミングの方が親しみが持てるんです)、カメ君追いかけてのりしろまで観に行ったけど、今回は少し自分としては期待はずれ。


そんな中、冒頭出て来る下着姿の少女の印象がやっぱ強烈。
イデタチがイデタチなんで、ついつい目はそちらを追いかけてしまうが、衣装の奇抜さを割り引いても、ハツラツとした好演が光った。


帰り、劇場を出た所で、談笑していたその役者さんを偶然見かけ、周りに人が少なかったこともあるが、思わず
  「可愛かったですよ!」
と声まで掛けてしまった。
今まで小劇場で沢山のお芝居を観ているが、内気な自分は、役者さんと話した事はおろか、目を合わせたこともなかったのに、自然と口をついて出た自分の言葉に、我ながら驚いた。


思わず素直に応援の言葉をかけてしまったのは、やはりそれだけ印象が良かったからだろう。
また、それに応えてくれた役者さんの、ニッコリ微笑んでペコリと丁寧にお辞儀してくれたリアクションにも、何とも言えない好感が持てた。


今回、作品自体は個人的にはイマイチ満足できなかったが、こういった思わぬ発見、ハプニングがあるのも、観劇、劇場に足を運ぶ良いところだろうとも思う。
作品には満足できていなかったはずなのに、何となくいい気分になって、劇場を後にすることができた。


一方、今回余り楽しめなかったが、ゲリザンヌさん、カメ君のぬいぐるみのポテンシャルはこんなものでは決してないハズ。
ちょっと気になるのは、作風が段々変わっていくような感じも・・。
色々試行錯誤してるのかな。


また機会があれば、別の風景を魅せてくれる彼らの作品を観てみたいと思う。



PS:
女性って下着2枚はくんですね。
当日アンケートにも書きましたけど、ヘーって感じ・・・。
ま、作品の本筋とはあんまし関係ない、重要なファクターでもないんですけど・・。
個人的には新鮮な発見・・。
テノヒラサイズの人生大車輪

テノヒラサイズの人生大車輪

テノヒラサイズ

池袋小劇場(東京都)

2010/09/22 (水) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

来年の東京公演も楽しみ
監禁パフォーマンスコメディって、それだけでワクワクしてきますよね。テノヒラサイズは大阪の劇団で、この作品が初の東京公演ということです。客演に柿食う客の村上さんが出演するというのも魅力でした。といっても、私は柿食う客の舞台はまだ一度も観たことはありませんが。

期待を裏切らない面白さでした。明るい笑いがたくさんあって、とてもいい作品でした。レビューでみんなが口々に「パイプ椅子の使い方が良かった」と言っていたので、どう使うのかなと思っていましたが、まさかあの椅子が各シーンであんなにバリエーション豊かに使われるとは驚きです。出演者は全員赤のつなぎで、舞台にあるのはパイプ椅子とロープだけなのに、見事に空間を作っていました。

客演さんも含めて魅力的な役者さんたちが集まっていました。柿食う客の村上さんはやっぱり素敵な味を出していました。…初めて観たのですが、柿食う客の芝居もいつか観たいと思います。
作品が面白くて役者さんも素敵なだけに、ミスが多かったのとセリフをとちった時の誤魔化しが上手く出来ていなかったのが残念でした

コメディ部分はちょっとついていけない箇所もありましたけど、でも面白かったです。登場人物それぞれの秘密と嘘、それぞれのキャラがしっかりとしていたし、1人10役という多さもきちんと見せてくれていました。ありえない占いからUFO話まで飛び出し、犯人の目的と登場人物たちのつながりが意外な形で明かされるラストまで飽きずに観ることができました。

楽しい時間を過ごすことができて満足です。テノヒラサイズは来年の3月にも東京公演があるそうなので、また観たいと思います。

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