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ICU劇団黄河砂

ICU内 ディッフェンドルファー記念館東棟1F オーディトリアム(東京都)

2023/09/22 (金) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

会場は素晴らしい設備でしたがー
本当に構内入口からは遠い・・・
長い直線道路がほんと長い
さすがに滑走路と呼ばれるのに納得でした

さて舞台セットにも期待はしたんだが
その実はシンプルな長方形の箱を中央に置いたシンプルなものでした
演者は4名で皆男性でした=頑張って長台詞覚えたりもしたんだなぁと
感心しきりでしたが場面状況の説明が無く
演じている場所はどこであるのかは
台詞からの推測の域を出ず
見せたいシーンを繋げているだけの感が強く出ていた
全2幕 10分休憩をはさんだ2時間超えの作品

ネタバレBOX

おじさん的には学生さんだし
星数もオマケはしたかったんだがー
後半のかけて場所説明や時間経過における
見せ方や説明不足が強く出ていて
唐突なシーンの繋ぎに感じられてしまい
感動も薄れさせられた思いが強くなった

話としては
ハワイの日本人コミューンからの徴兵組と
アメリカ本土で周囲の目を気にしながらの生活を強いられていた
本土徴兵組=各2名づづの4人で語られる
戦前の生活から日本人収容施設内でのエピソード
各戦場に出ての話と終戦後に生き残った二人の再会で終演となります

2幕目の冒頭でモノクロの戦意高揚動画を流したり
衣装とかも当時の雰囲気を醸していたりと頑張ってはいたけどー
突撃銃が現代もので違和感が半端無かった
ヘルメットとかも無いから
今一つ戦争時の銃撃シーンが何ともといった感じでした
台詞だけで説明してハンドガン程度で見せてればとか思えた
まぁコルトガバメントなら名銃だし入手も簡単なのではとか感じた
長身のアサルトライフル出すんなら
らしい形をパイプと木とかスチロールで作れば
色でらしく出来たのでは とかも思った

ラストに俳優になりたかった子が
顔の傷を見せて夢が潰えたというのに
顔はメイクだったが
より印象付けるのなら
耳まで隠すような大きな眼帯とかにした方が
遠くの客席からもインパクト強く見れたのにーとかも感じました

同じ日本人ながら
日系人だと日本系アメリカ人であるという
アイディンティテイーを強く押し出して
同じ先祖を持つ日本人と戦うという葛藤は
スパッと切り捨てての見せ方は潔く分かりやすかった

つくづくナレーションとか
モノローグで場所や日時とかの
状況説明が入って無かったのが残念
せっかく舞台後ろにスクリーンが展開できるのだから
シーン状況説明に背景写真などを投影してもよかったのではー
とも考えられますね
「HATTORI半蔵‐零‐」

「HATTORI半蔵‐零‐」

SPIRAL CHARIOTS

シアターサンモール(東京都)

2023/09/27 (水) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

Aキャストを観劇しました。
登場人物が多いので、最初は関係性を理解するのに必死でしたが、分かってくると、どんどん面白くなりました。
運命、忠誠、裏切り、愛等、色々な要素があり、切なさの残るストーリーで観応えがありました。
役者さん達は身体能力が高く、殺陣やアクション満載で、目が釘付けでした。
面白かったです!

「HATTORI半蔵‐零‐」

「HATTORI半蔵‐零‐」

SPIRAL CHARIOTS

シアターサンモール(東京都)

2023/09/27 (水) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

重量感のある時代劇に感じました。

ネタバレBOX

登場人物が多いので、織田、武田、上杉、足利、徳川、混沌としそうになりましたが、セリフの要所で名前を呼ぶので理解しやすかったです。殺陣が華麗に見事に感じました。鉄砲を発報しても敵がびくともしないのには違和感を感じましたが、「忍」が絶妙でした。
最悪の場合は

最悪の場合は

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2023/09/27 (水) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#最悪の場合は 初日公演観劇終わりました。始まりから終わりまでノンストップのテンポで、前作の #星の果てまで7人で のエッセンスが良い塩梅で効いた作品でした。(さりとて、前作をご存知無い方でも、劇中に引きずり込まれます🤭)
是非、劇場で観劇してみて下さい🙏
#トツゲキ倶楽部 #物販あります

AIRSWIMMING  -エアスイミング-

AIRSWIMMING -エアスイミング-

WItching Banquet

アトリエ第Q藝術(東京都)

2023/09/26 (火) ~ 2023/09/27 (水)公演終了

実演鑑賞

良い舞台だったと思います。

三人姉妹

三人姉妹

アイオーン

自由劇場(東京都)

2023/09/23 (土) ~ 2023/09/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/09/27 (水) 14:00

チェーホフが劇団のために初めて書き下ろしたという戯曲。三人姉妹なのだが実は男の兄弟も一人いて、本来は「四人きょうだい」。舞台はこの男性にもたっぷり時間を割いて物語ができていているので、事前のイメージとは少し異なる展開となった。
時代は19世紀末からに20世紀初頭のロシア。軍の高官だった父親の一周忌に知己が集まる場面からスタートする。劇中「自分たちはお金持ち」というせりふもあるくらい、恩給暮らしだろうが上流階級だ。だが、妹のイリーナが何度も「モスクワに帰りたい」と言うのは、何の不自由もない田舎暮らしに飽き足らず、職業を持つことで「人生への意味」を付与したいという強い思いに裏打ちされている。
当時は女性が一人でモスクワに出ることすら困難だったろう時代だ。「こんな人生意味ないわ」という捨てぜりふに共感できる。一方で、結婚して夫に尽くしていくという生き方をしている姉もいる。チェーホフは、どの姉妹(弟も)にもある胸の内の苦悩を丁寧に描いていく。
自由劇場という音響に優れた場所で、朗々と響くせりふによどみはなかった。幕開け前から流れる効果音もいい。幕の上げ下げによる切り替えもあるが(休憩は2回)、照明をうまく使った場面転換も自然だった。
有名な戯曲だから、上演する劇団によってかなり色合いに差があると思われる。これほどまでに「働く」ことに意味を認めあこがれの対象とする思いを、今の時代の男女はしっかり受け止めなければ、と感じた。

AIRSWIMMING  -エアスイミング-

AIRSWIMMING -エアスイミング-

WItching Banquet

アトリエ第Q藝術(東京都)

2023/09/26 (火) ~ 2023/09/27 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、少し観念的で理解、解釈が難しい面もあるが…。
1920年代から70年代迄の約50年間、精神病院に収容された女性2人の不撓不屈の物語。
説明では、上流階級育ちのペルセポネー・ベイカーは、妻帯者の男性と恋に落ち 妊娠して婚外子を産み、父親に精神病院に入れられてしまう。そして社会の性規範に囚われず、「女らしい」ふるまいをしないことを理由に2年前に収容されたドーラ・キットソンに出会う。この2人が 空想・想像力を交え、励まし合い、笑わせ合いながら 権力の象徴とも言える精神病院内で紡ぐ会話劇。

精神異常者として身体の管理と拘束をする、その理不尽な対象を女性に絞って描いている。それは外国(イギリス)の しかも過去のことではなく、現代日本に通じる問題・課題でもあろう。それが「100年後の今… 私たちは彼女たちの声が聞こえているのか?」という問いかけに繋がる。
当時における触法精神障碍者の実話を基に、現代を生きる女性の「痛み」「苦しみ」「患う」の声をすくい上げるアウトリーチの公演になっている。それゆえ 理不尽・不平等が生じている状況を打開、端的に言えば ジェンダー格差による不利益の克服といった意も込められている。しかし、無条件(表面)に受け止めることが出来ない難しさがある。

同年代、フーコーの「監獄の誕生─監視と処罰」といった 権力を主題にした学術的な書もある。しかし、本作は 実話を基に しかも女性に対象を絞っているため、一層 問題を具体的に捉えることが出来る。ただし、演劇的には ベイカーやキットソンが精神病院に収監された事情・理由は後から描かれるため、その背景を知らないと理解が追い付かないかも…。それでも 2人の女性が励まし助け合いながら<生きようとする>その姿に心魂が揺さぶられる。公演は 主にリーディング、そして 彼女たちの思いを 色々な工夫を凝らした演出…歌やピアノ演奏等で観(魅)せ印象付ける。

閉じられた世界の2人を キャスト5人が組み合わせや役柄を入れ替えて語る。そうすることで状況の変化や時間の経過を表す。その演劇的手法を すんなりと受け入れて楽しめるか否かによって評価が異なるかも知れない。
(上演時間1時間35分 途中休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台セットは、上手奥にピアノ、中央に外側を向くよう(背中合わせ)に五角形のように椅子を配置し、ピアノが置かれている隅以外に椅子が1つづ置かれている。物語の登場人物は2人だが、それを5人の女優が赤い台本を持ってのリーディング。中央に集まったり、隅に座ったりすることで人物の組み合わせや役柄を変える。そうすることで約50年間という時の流れと情況の変化を表す。

ベイカーとキットソンの2人の女性は、100年前のイギリスでは社会不適合者ー性規範や道徳を逸脱ーとして収容施設に収監された。社会から孤絶した彼女たちの空想の世界が中央のサークル状(五角形)で紡がれる。女優のドリス・デイを引き合いに出しながら、夢と希望を語り<生きよう>とする姿は、どんな状況においても諦めないことを訴える。これは女性だけではなく、男性や最近ではLGBTQにおいても生きづらい世を少しずつでも変える運動へ、を連想させる。

公演で興味を惹いたのは、社会的な観点と人間的な観点とでも言うのだろうか。ベイカーは妻帯者の男性と恋に落ち婚外子を産んだ。現代の日本においても、かつて<不倫は文化(言葉狩り)>と言った俳優がいたが、今でも不倫は世間から非難を浴びるし、興味本位で騒ぎ立てられる。社会的な観点からみれば精神病院へ収監するという問題、一方 不倫された妻の人としての感情(憤り)はどうか。端的な構図はベイカーの行為は同性への裏切りのようで…。この公演は、あくまで社会体制(規範)からの自由 解放という<声>のようだ。

もう1つ。女性が貞操であらねばならない時代。今でも女らしさ男らしさ、そして<あらねばならない>という曖昧な固定観念に囚われる。しかし現代においても その不自由な観念を払拭したと言い切れるだろうか。ラスト、中央の椅子に5人が上がり泳ぐように手を横に広げる。演劇的に見れば、奈落の底から抜け出すように泳ぐーまさに空を目指したエアスイミングだ。

舞台技術が見事。ピアノの生演奏や歌は勿論、照明効果によって状況が浮かび上がる。例えば 5人が場内には入ってくる時は格子状の照明だが、これは施設の格子であり台詞にある風呂(タイル)の磨きを、また水滴の音と水玉模様の照明によって孤絶やスイミングを夫々 連想させる。そして 地味(グレー系)な色彩の衣裳で統一し、照明の角度によって人影、それは2人だけではなく多くの女性の姿・声を表す。そして赤い台本を赤子を抱くような愛しさをもって…。
次回公演も楽しみにしております。
救いの猫ロリータはいま……

救いの猫ロリータはいま……

ぼっくすおふぃす

南青山MANDALA (東京都)

2023/09/25 (月) ~ 2023/09/26 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/09/26 (火) 19:00

清水邦夫が演劇集団円に書いた1985年の作品だが、演出や場所も含めて面白い作品になっている。(5分押し)75分。
 とある図書館に迷い込んだ旅行者のカップル(大谷優衣・柳生拓哉)に、図書館の女性(佐藤直子)と使用人の男(永野和宏)が声を掛ける。カップルが泊まるのをためらった民宿の女主人(松岡洋子)が追ってくるが…、の物語。リアルな物語が突然幻想的な展開になり、現実に戻りつつ幻想的に終わる。清水邦夫らしい、とは言えるのだろうか。飲食をしながら見るライブ・スタジオ(初めて行った)での公演で、それなりの制限がありそうだが、それを逆手に取った演出も巧い。効果音を使わずト書きを読む「黒子」(上野恵佳)に語らせるというのも味がある。以前観た『火のようにさみしい姉がいて』を思い出した。

そうなりたくて

そうなりたくて

劇団 狼煙組

アルネ543(東京都)

2023/09/21 (木) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

カップルと夫婦の微妙なところを、上手く観せてくれていたと思います。
ただ、年上の後輩は賑やかしなだけに見えてしまったのが気になりました。

柔らかく搖れる

柔らかく搖れる

ぱぷりか

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/09/20 (水) ~ 2023/10/04 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

広島出身女性作家の一昨年度の岸田戯曲賞受賞作品の再演である。昨年「どっか行け、くそたいぎいな我が人生」という母子共依存のドラマをここで見た。この岸田賞作品も父が事故急死してから一年の家族の微妙な変化を描いていて、大きくは生死の意味(ねこも含めて)を軸に広島の田舎の一族の動きを現代風俗の中に描いてユニークな家族ドラマになっている。
子供が出来ない長男夫婦の危機、レズビアンの関係がグズグズ続く長女、都会にいながら地方が捨てられない親子親族関係、家父長が亡くなったことでそれらの関係が微妙に動き出すところなど、新人らしからぬしたたかな旨ささである。
ほとんどノーセットの一幕モノで100分。照明の切り替えだけで、多くの場(シーン)を切り替えていく手法で、テンポは早いからシーンは80くらいはあるかんじだが、混乱はしない。疑問に思ったところも、次に出てきたときに、あぁそうかと納得することも多いが、やはり、人間関係は複雑すぎてこの手法ではわかりにくい。特に最初の三十分くらいまでは俳優になじみがないせいもあって、混乱する。
広島弁はほとんど演劇に登場しない方言でなじみがない。その情緒性を欠いたところがかえってこのドラマの冷え冷えとした家族関係の言葉としては良かったと思う。

MILAD1 THE DANCE OF LIFE

MILAD1 THE DANCE OF LIFE

DISK GARAGE

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2022/09/23 (金) ~ 2022/09/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

(2022年MILADに引き続き、2023年MILAD2公演を拝見しましたが、レビューとして、こちらにまとめて掲載希望します)
音楽ライブ・演劇・ダンスの三分野が、二層構造の舞台装置上で、いっぺんに生で展開される迫力や臨場感はある。あと、話の流れのテンポは良く、二部構成・三時間強を飽きさせない魅力はある。
今回の脚本にこめられた大筋や主張はひとまず後で考えることにして、感覚的に各場面・場景単位の演出センスに集中していくと、より楽しめるかもしれない。
音楽以外のものが組み合わせて演じられることについては、従来のファンにとっては賛否両論ある。が、角松敏生という人物らしい舞台作品ではあり、彼が表現したいことを表現している作品だとは感じた。今回の制作経験が、今後、彼の音楽作品に回帰していく場合、それはそれで重層的な膨らみをもった表現として活きたらよいと思う。

第11回西谷国登ヴァイオリンリサイタル

第11回西谷国登ヴァイオリンリサイタル

西谷国登リサイタル

浜離宮朝日ホール(東京都)

2023/09/23 (土) ~ 2023/09/23 (土)公演終了

実演鑑賞

普通のクラシックコンサートのようにかしこまらずに聴けて楽しかった。
アンコールのメンデルスゾーンの初期の協奏曲は詳しく知りたくなったし、全体を聞いてみたくなりました。とてもよかったです。

いちご

いちご

西瓜糖

小劇場B1(東京都)

2023/09/21 (木) ~ 2023/09/27 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/09/25 (月) 14:00

座席c列

価格5,200円

初めての西瓜糖の作品でした。
ゲスト出演者をお目当てで鑑賞予定でしたが、3週前くらいに出演者が降板(俳優引退)とのお知らせで、ショックではありましたが演者が繋いでくれた作品だったので久々に舞台鑑賞へ。

ネタバレBOX

ストーリーに引き込まれて、久々ここまで感情を揺さぶられる作品を観劇しました。 場面の切り替わりの見せ方や演者の迫真の演技、時には15歳、もっと言えば5歳児と…笑いあり時に切なく涙までも。
あっという間の2時間(座席空間が狭くちょっと窮屈でしたが)
観劇後清々しい気持ちで劇場を後にしました。
ゲスト出演者がどんな演技で出たのかなぁ〜と考えるとちょっと寂しくなりますが素敵な作品に出会えたのは間違いなかったです。
西瓜糖過去作品「刺繍」も出演者が出ていましたが、その時はチャンスが無く観劇できませんでしたが、西瓜糖さんと俳優さんとの繋がりを大切に。
「あなたに支えてられて今があります。僕も皆んなを支えてられる存在になります!」
「心の安心のプラスになれますように これからもずっと一緒に歩んで行こうネ」と演者グッズ片手に。いつかまた舞台に立ちたくなった時が来ることを願っています。
三人姉妹

三人姉妹

アイオーン

自由劇場(東京都)

2023/09/23 (土) ~ 2023/09/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ようやくチェーホフの4大戯曲をコンプリート。
この「三人姉妹」が一番ストーリーが豊かで現代のTV・映画のドラマに近く肩肘張らずに自然に観ていられる。

将軍であった父が亡くなり来訪者も減ったとはいえ、自前のお屋敷に住み、父の年金のお陰で働かずに暮らすことができ、使用人を雇ってパーティーを開く余裕さえある。チェーホフの登場人物はこんな人が多く自分の身をどこに置いて捉えれば良いのかとまどってしまう。まあ100年以上前の外国の話なので「へえ、そうなんだ」と傍観していればサーっと流れて行く。それにしても「モスクワに行きたい」という姉妹の気持ちは「東京に行きたい」と思っていた若き日の私とオーバーラップして懐かしい。念願かなって東京(埼玉だけど)に出て来ることができた私としては姉妹にもモスクワに行って貰いたいと祈るばかりだ。

1・2幕は姉妹のダイニングルームで展開される。その家具が気品があってきらびやかに輝いている。規模こそ小さいが「レオポルト・シュタット」を思い出してテンションが上がった。

「自由劇場」は1・2階合計500席のコンパクトな作りで舞台との距離が近く、今回5列目だったせいもあって実演の面白味を満喫することができた。観客には念のいった着物姿のご婦人もいらしたりして、ちょっと幅が広く作りの良い椅子と相まって非日常に入り込むことができた。

ひげよ、さらば

ひげよ、さらば

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2023/09/09 (土) ~ 2023/09/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

猫たちが、迫りくるタレミミ(犬)の脅威にどうたちむかうか。冒頭、一匹の猫が大きな生きものたちに食われるところから始まる。その死骸のあった場所に現れた猫がヨゴロウザ(中島裕翔)。彼を片目(柄本時生)が猫たちのくらすナナツカマツカの丘へ連れていく。
食われた猫はなみだといい、片目に「(犬に対して)猫たちはまとまらなければならない」と言っていた。片目はその遺志を継いで、ヨゴロウザを猫たちのリーダーにしようとするが、ふと「俺がなみだをタレミミに差し出した」とつぶやく…。

猫たちは自分勝手で互いに自分がリーダーといって譲らない。そんな猫の丘に、タレミミの側近ナキワスレ(石田佳央)が現れ、「誰がリーダーだ」と勝負をもうしこむ。一番威張っていた黒ひげ(一ノ瀬ワタル)は決闘を迫られると、腰が抜けて命乞い。そんななか、ヨゴロウザが「タレミミと話がしたい」と単身、犬の住むアカゲラフセゴへのりこむ。しかし…。

外から襲われる危険への対応という話は「七人の侍」の設定を思わせる。対応のなかには戦前の日本を戯画したようなところもある。ヨゴロウザが強権的なリーダーになって、みんなを軍隊にしてスパルタ的に特訓したり。いやがっていたねこたちも、しだいに「不思議な連帯感」が生まれるのは日本ぽい。しかし「不思議な団結」が生まれ、そして抵抗に立ち上がるのは、日本の過去からずれていく。
みんなが一致団結して犬を追い払うという単純な話にしないところがみそ。戦争をできればしたくないという思いや、「俺たちは服従(?)も支配も屈服もしない。猫としての覚悟をもって生きていく」というヨゴロウザのセリフに、蓬莱竜太のメッセージが感じられた(劇トモの意見)

全体としては大味だが、学者猫(音月桂)の、息子なみだを遠ざけ失った後悔と傷心には、蓬莱竜太らしい心理描写がある。片目の裏切りも、もう一つのカギなのだが、こちらは「命が惜しかった」「(なみだが)そこにいたから」という答えの、その裏が描かれず、物足りない。

原作では学者猫は犬に食われて死に、片目も焼死する。芝居で猫はなみだ以外は死なない。原作よりはソフトに、ハッピーエンドに作ってある。ただ、冒頭のなみだが食われるシーンは、象徴的にえがきつつ、イメージが目に浮かび、怖く、ぞっとする。この恐怖とおぞましさが底流にあることは、この芝居のポイントである。

ネタバレBOX

ラストの丘がすべて燃える炎(舞台一面の赤い布と照明、音響で表現)と、降りしきる雪が、蜷川幸雄のように派手なスペクタクルであった。

原作は780頁の大長編。10年前に、全4幕8時間、総勢26人の芝居にした猛者の劇団もあったようだ。今回は2時間40分(休憩20分)、主要キャスト8人+猫と犬のアンサンブル・コロス6人。芝居でラストの火事は、犬たちを焼き殺すため、ほかの猫は逃がして片目が火をつけ、ひとり命を投げ出す。しかし、原作は犬との戦いはすでに終わっており、猫の共同体づくりの夢破れた片目がヨゴロウザを道連れの心中を図って火をつけることになっている。そのとき、ヨゴロウザは失った火の記憶を取り戻すのは同じだが。

原作になみだの死=片目の裏切りのエピソードはないようだ。ここが、自分を責める心理的葛藤を描くのを得意とする蓬莱竜太脚色の一番のポイントになっている。
新宿羅生門

新宿羅生門

舞台新宿羅生門製作委員会

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2023/09/22 (金) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

幕末転生奇譚、先祖の記憶から覚醒した若者達の戦い というストーリーゆえ殺陣シーンがたっぷり用意された舞台
どの殺陣シーンにもドラマが存在するので、それぞれに趣が違って楽しめるのだけれど、とにかく終盤に向かっての演出が素晴らしい!
ここってファンの方には萌ポイントなんだろうなぁ、などという楽しみ方をしていたけれど、もう笑っちゃうくらいカッコいい
より妖しく変貌した新宿、緊張感をほぐす笑いを織り交ぜながらも美意識は徹底して高く、覚醒の物語が収束していくエンディングにはただもう圧倒されました

明治座9月純烈公演

明治座9月純烈公演

明治座

明治座(東京都)

2023/09/08 (金) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

当日引き換えチケットが割引になっていたのと、宮原奨伍さん(大人の麦茶)ご出演ということもあり、久しぶりに明治座へ。
楽しかったです!第一部のお芝居は何も考えずに笑っていればいい感じですが、タイトルだけはもっとなんとかならんのか?と思ってしまったのは私だけ?
熊本の大衆演劇の次期座長というカムイさんは、第一部では浪人を演じる役者さんとしてのご出演でしたが、第二部では女形として純烈の歌で着物姿で踊りました。その美しいこと、艶っぽいこと。同一人物とは思えない変わりようで、ぜひご自分の劇団でのお姿を見てみたいですが熊本は遠いです。
第二部ではいつものコンサートのように握手と撮影ができるラウンドタイムもあり、純烈のみなさんの歌と芝居とトークも楽しいひと時を過ごせて大満足です。

アメリカの時計

アメリカの時計

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2023/09/15 (金) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

この作品は1929年に起きた金融崩壊、即ち世界大恐慌を題材にし、その期間の人々の人生、生活を描き出したものだ。浅学な自分に芝居が突きつけて来たものは、混乱の時代の時間的な長さだった。大恐慌というとリーマンショックのような一時的な混乱と、一部の人間が破産に追い込まれた、といった程度の認識だったが、右肩上がりの経済のなか進歩を疑わなかった多くの中流そして農民たちが家や田畑を奪われ、都会に流れ、炊き出しに並び、取り立て屋のベルに怯え、精神を病んで行くといった風景が、「一時的」とは言い難い苦難の時間の中で進んで行く。

建国以来、米国人が経験した苦難は南北戦争と大恐慌この二つだ、と冒頭に語られるが、江戸の農民たちが二百数十年の間に何度と知れない飢饉に見舞われ重い年貢に耐え忍んだのに比べれば、僅かな期間である。しかし彼らは民主と独立の精神を国是とし豊かさとそれらへの信条が結びついていたため、信じていたものが奪われる経験は精神の危機でもあった訳であった。
この戯曲を今季のKAAT主催公演に選んだ長塚氏にまず敬服。この戯曲には米国の地名、大学名とローカルな単語が頻出するが、私には今の日本社会を隠喩的に描いている舞台と見えて仕方なかった。そしてその同じ状況に対する、心の叫びが様々な行動や言葉の表出となる光景は、それ自体悲劇的だが私たちの心の声の代弁でもある。わが日本を顧みると、この心の声を覆い隠し、何事もないかのように誤魔化し、やり過ごす先には何も起きそうにない。

ネタバレBOX

アフタートークでの興味深いエピソードは、稽古開始の際、各自テーマを与えられ皆の前で発表する、という事をやったそうである。戯曲のドラマの社会背景への理解が不可欠と長塚演出が判断したとの事だが、登壇した俳優の一人は、台本を自分で読んだ段階ではぶっちゃけチンプンカンプンだったが、これを機に知ろうと思った、経済のこと、歴史のこと、今の日本の状況にも繋がる米国との関係の歴史経緯には目を開かされた、との正直な発言もあった。
だがこれを優れた舞台にしているのは「状況」に翻弄され、反応し、行動する人物らの根底に流れる感情表出の的確さ。これに尽きる。
使用楽曲がエルトンジョン(作曲家を目指す青年が鍵盤を鳴らし「大ヒット曲」を作ろうとしてる..一瞬オヤ?と思った)の他、toto、シンディローパー等80年代洋楽が流れるのも風通しが良く効果的。
天井に大きなパネルがあって映像が映し出される。映像作家と思っていた上田大樹氏が美術も兼ね、こちらは時代を思わせる調度が奥(ホリゾントの際まで)に並び開幕前から目を喜ばせる(衣裳も年代に忠実であった模様)。
新宿羅生門

新宿羅生門

舞台新宿羅生門製作委員会

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2023/09/22 (金) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

発売前のゲームを原作とした荒唐無稽な設定のお話。イケメンの男性キャストのみの舞台ということもあり、正直なところ途中のシーンでは、この人は誰と誰なんだっけ?と迷ってしまうときも少なからずあったが、殺陣は見応えたっぷり。刀を抜くときのようなさりげないSEもズレがなく、途中からは無理にストーリーを追わずに、アクションを楽しもうと割り切って観ていた。

好日

好日

劇団文化座

シアターX(東京都)

2023/09/23 (土) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/09/25 (月) 14:00

座席1階

文化座とは浅からぬ縁の三好十郎。未発表の戯曲があるとは驚きだった。これを「時空を越えて」今の文化座の若手が演じた。三好十郎ご本人が主人公の興味深い舞台だった。

戯曲の舞台は、まもなく太平洋戦争に突入するかという戦前のこと。知人宅に居候している三好十郎をとりまく群像劇でもある。おもしろいのは三好を慕って訪ねてくる劇作家希望の若者たちだ。自分の作品を批評して物になるかどうかをいってくれと言う若者に「この国では戯曲では食っていけない。全く報われない仕事だ」と説教する場面がある。三好本人はこう考えていたのだろう。さらに、当時の世相、政治状況などを背景に、「劇作家が世相や政治におべっかを使うような作品ではなく、本音を書かねば駄目だ」という趣旨の独白もある。戦争にほんろうされながらも上演し続けた文化座のDNAを映し出すような一幕だ。

なぜこの作品が今まで世に出なかったのかと不思議なくらいだが、今が新たな戦前のような世相、政治状況であるからまったく違和感を感じることなく舞台に没入できる。よくぞ今、この作品が初演された、と拍手を送りたい。三好十郎を演じた白幡大介はせりふをかむ場面もあったが尻上がりによくなり、熱演が光った。

ネタバレBOX

文化座には罪はないが、いびきをかきつづける男性、途中で退席するご老人など、客席に残念な場面が目立ちすぎた。招待を受けたと思われる高齢の演劇記者も爆睡していた。とても残念だ。

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