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瞳の中の、夏を探しに

瞳の中の、夏を探しに

ZENROCK

池袋GEKIBA(東京都)

2011/08/10 (水) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

夏の思い出
コミカルな面もありつつ、最後はホロっと来ます。

チャイムが鳴り終わるとき

チャイムが鳴り終わるとき

オーストラ・マコンドー

吉祥寺シアター(東京都)

2011/08/10 (水) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

子供の狂気が駆け巡る舞台
140分。開演前は長いなーと思ってたけども、あっという間に時間が過ぎた。良い舞台だったと思う。ただ、長めの公演時間なら平日は19:00開演であると助かる(発売時に公演時間は未定なんだろうけど)。

重くて鬱屈な、見たい部類の話ではないけど、引き付けられる魅力があった。照明の使い方が上手く、小学校にあるイスと教卓という簡素な舞台道具が効果的に使われていた印象。脚本と演出が上手く合わさっていたと感じた。

以前の公演で奥田恵梨華がキャスティングされていて、今回は水崎綾女が出ていた(当日知った)。メディア露出のあるキャスティングは集客的な意味でも良い傾向と思う。活性化というか。
水崎綾女が女優やってたとは知らなかったけど、演技悪くなかったんじゃないかなと思う。

ネタバレBOX

とある同窓会。小学校に集まった面々には、共通の「罪」が2つあった‥。
一つは、担任(郭)を追い詰め失職させたこと。一つは、精神疾患を抱えた母(中村麻美)を支えるクラスメイトの倉間凪(藤本七海)を疎外し、それが母の自殺につながったこと。

同窓会に集まった面々にとって、もはや過去の軽い出来事(下手すれば良き思い出)くらいの認識で、他人の人生に大きな影をもたらしたなんて雰囲気でない恐ろしさ。客観的に観ている我々観客だからこそ「恐ろしい」なんて感じるんだろうけど。当事者であればあるほど、事実に対して無関心というか‥そんな不気味な作品だった。
実際笑えたのは、神戸アキコの「明日の放課後の場面」くらいかな(後藤のミックジャガーも良かったけど)。そのほかは終始重くてというか不安な感じでいやになった。
ちなみに、組体操場面で後藤が観客に拍手を促すようなフリをしてたけど、とても拍手するような作品じゃないだろと。

元?グラビアアイドルの水崎の胸元がオープンだったのは作品的に良かったのかどうか不明(大人びた感じを出すため?)
凪が病院の医師から性的な被害を受けていたという設定は必要だったのか不明(不幸を強調したのかもしれないが、正直必要ないと思った。)
ギター1本のMOGMOSの演奏・効果音、合う場面と合わない場面があったように感じた。
トロンプ・ルイユ

トロンプ・ルイユ

パラドックス定数

劇場HOPE(東京都)

2011/08/09 (火) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★

パラドックスファンとしては、やや物足りない
今までは、いつも手に汗握る感じで、舞台に集中させられ、心が予断を許さない状況に追い込まれるパラドックス定数の舞台ですが、今回は、大変緩やかな時の流れで、音楽も心地良く、まさかの睡魔に襲われることしばし。

舞台構成は鮮やかでしたが、やや単調で、いつもの緊迫感がなく、これが、パラドックス初見なら、星5だったと思うのですが、私の個人的な、この劇団への期待度からすると、星は3ぐらいの感覚でした。

役者さんでは、植村さんが圧倒的に素晴らしく、彼には何度も感情を揺さぶらせて頂きました。井内さんも、いつもながらの安定の名演。
でも、他の役者さんは、いつもの、冷徹非情な名演がまだ目に焼きついてしまっているせいか、どうも、今回のような、人情、馬情の豊かな役柄は、任に合わないような印象を受けました。
小野さんは、なかなかチャーミングでしたけれど…。

ネタバレBOX

一言で言えば、情緒的に過ぎる印象を受けました。野木さんにしては、台詞に語らせ過ぎている感じがします。

人物が自分で語ってしまうと、観客は、人物の思いに想像を巡らす余地がなくなります。そうすると、舞台上の進行に興味が削がれてしまうと思うのです。

パラドックスの真骨頂の緊迫感が希薄なのも残念でした。ストーリー展開も、台詞も、構成も、最初から最後まで、一定のリズムで進み、波長が一定で、退屈になる部分が多すぎました。

その中で、植村さん演じる厩務員には、登場の瞬間から、心が奪われました。彼のこの役の映画が観たいと瞬時に思う程に…。

皆さんが、馬や、人間に瞬時に入れ替わり、その手際の良さは見事ではありますが、先日観た、サスペンデッズの「g」の牛と比較すると、馬としてなり切れていない役者さんが数人いらしたと思います。

いつも冷徹な感じの役がお上手な生津さん、加藤さん、西原さんは、どうしても、その手の役の印象が脳裏に焼き付いているせいか、人情や馬の情愛を感じさせて頂けず、そのせいもあって、今ひとつ、この舞台に感情移入することが困難になりました。

でも、皆さん実力のある男優さんばかりで、基本的に、まだパラドックス定数は、今後も楽しみな劇団であることには変わりありません。

個人的好みとしては、ドキュメンタリータッチのいつもの作風の方が、この劇団向きだと思いますが…。

皆さんの、競馬実況は、プロのアナウンサー並で、大変聞いていて爽快でした。
青山君よ、家が明けたら夜に帰ろう

青山君よ、家が明けたら夜に帰ろう

コーヒーカップオーケストラ

シアター711(東京都)

2011/08/10 (水) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

非常に楽しい公演!!
私は非常に楽しめた!!
お馬鹿な内容であるが、それが徹底しており楽しいし、笑えた。
やりたい放題の内容だと思った。きっと出演者も楽しいのでは?

ちなみに、ヒロインの細井里佳さんが役柄に非常にあっていた印象!
あとはネタばれで。

ネタバレBOX

ストーリーは夢落ち(笑)。
青山君はヒロイン(細井里佳)に最後に振られる(笑)。
でもストーリーはそんなに重要ではない。

ヒロインの気持ちを表すときに流れる曲が楽しいものばかり。
(パフィーやジェンカ等)

全体的に楽しかったが、蓮舫ネタが特に良かった。
「何ですか、この踊りは!あなた必要ですか?」といった
観劇者の感想を代弁するようなツッコミ(笑)
【ご来場感謝!】『キスより素敵な手を繋ごう』/『追憶と記憶』『メロウ』

【ご来場感謝!】『キスより素敵な手を繋ごう』/『追憶と記憶』『メロウ』

ナイスコンプレックス

サンモールスタジオ(東京都)

2011/08/12 (金) ~ 2011/08/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

キスより素敵な手を繋ごう
切なさと温かさがある作品でした。
とっても心がほっこりして、大切な人たちと手を繋ぎたくなりました。

他の作品も観れたら良かったな、と思いました。

青山君よ、家が明けたら夜に帰ろう

青山君よ、家が明けたら夜に帰ろう

コーヒーカップオーケストラ

シアター711(東京都)

2011/08/10 (水) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題84
まだ体調が悪いけど、面白かった、とても面白かった。基本的に動物はダメなんだけど、他の作品の羊に続き、本作品の猫は大好き。

ネタバレBOX

なぜ面白かったのかよくわからない。役者さんだったり、たまたま知っていることだったり、きっかけはなんでもいい。役者さんっていうのは結構あると思う。ただのミーハーですね。なので3チームとかあるお芝居だと他のチームでもいいのかはわからない。

劇中「Heartbreaker」のリフが流れ、69年のアルバム、いまでもZeppelinは人気バンドなんだろうか(私はよく聴くけど)?

猫:「羊」と共通するのは、そのふてぶてしいところ。いかにも可愛い動物ですよ、というのは苦手。

サランラップのホログラム にはたまげた。どこからこんな発想がでるんだ。


【よしさんのコメントをみて】 チケプレ+当日券は開演5分前でないと入れないというメールの件。私の場合、当選メールに①当日チケット引換順に整理番号を配布②開演5分前に整理番号の順に案内と書かれていました。ところが、実際は普通に30分前に入場(間違えではないかと思い、18:30ですねと確認)。まあ、座ったのはいつものように一番前の椅子席でしたけど。それでも、横に3席追加してましたから混雑具合は同じくらいだったのではないかと。
3年B組地獄学級

3年B組地獄学級

ネコ脱出

Geki地下Liberty(東京都)

2011/08/13 (土) ~ 2011/08/18 (木)公演終了

満足度★★★★

コントとはいうものの
コントとはいうものの、ヒューマニズムにあふれたちょっと泣けるお話でした。
今回は番外編とのことですが、これだけ面白いとなると、本編も見たいです。

ネタバレBOX

死してなお超にぎやかなギャルと、この世に残された彼氏の話は、ふくらませば観客に笑うのと泣くのを同時にさせる名作に仕上げることが出来そう。
雨に紅花 (無事終演いたしました!)

雨に紅花 (無事終演いたしました!)

くロひげ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2011/08/09 (火) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★

そんな時代もあったかなぁ
オッサン、舌がバカになってるから、甘酸っぱいとか、よくわからないんですよ。

関ヶ原BOOGIE★WOOGIE

関ヶ原BOOGIE★WOOGIE

劇団BOOGIE★WOOGIE

シアターサンモール(東京都)

2011/08/11 (木) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

意外にもあたりでした
ほかの芝居を見に行ってそのときに配られたチラシでチョと気になったので見に行きました。

これが大当たりでした。

誰でも知っている関が原の戦いを毛利家の立場から見たものです。主人公は吉川広家。これがなかなか歴史の勉強をさせてくれました。

といっても、堅い話ではなく、歴史上の登場人物が、話を面白く語ってくれました。
それほど歴史に興味がなくても楽しめる作品だと思います。

雨に紅花 (無事終演いたしました!)

雨に紅花 (無事終演いたしました!)

くロひげ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2011/08/09 (火) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★

好感のもてる劇団だが
暑い中、劇場に辿り着くと、麦茶を出して頂けた。
こういったサービスは、とても嬉しい!
受付も誘導の方も丁寧な応対で好印象!

期待して観劇したが、個人的には、正直まだまだな印象だった。
あとはネタばれで。

ネタバレBOX

水を張った舞台での2人芝居であった。
2人芝居は何本も観劇しているが、役者に相当な技量がないと難しいと思う。
今公演は残念ながら、発表会のレベルに感じてしまった。

役者さんの技量が、低いとも思わない。
ただ小劇場界の中でも2人芝居で、観客に満足を与えることのできる役者は、多分そんなには多くないと思う。そういう意味だ。

私の前のユーザーさんが、辛口コメントされていたが、同感な箇所が多かった。

今度は、ぜひ出演者の多い芝居を観劇したい!
音楽が流れるシーンの演出や踊りは、とても良かったので、期待したい!
ちなみに、私は☆2つをつけたとしても、次回公演以降も観ることが多い。
何故なら、化ける劇団が結構多いので(笑)。
芝居はそういうことがあるから、面白い!
クレイジーハニー

クレイジーハニー

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2011/08/05 (金) ~ 2011/08/28 (日)公演終了

満足度★★

残念
本谷有希子さんの芝居を観るのはこれで4回目ですが、今回はつまらなかったです。
なんかがちゃがちゃしていて、それで終わったとの印象しか残りませんでした。

長澤さんも、なんか中途半端で今後が心配です。

バッド・アフタヌーン

バッド・アフタヌーン

アミューズ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2011/08/13 (土) ~ 2011/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★

爆笑のシチュエーションコメディ
赤坂レッドシアターにてアミューズ主催、「ヒロシです」のヒロシ主演のバッドアフタヌーンを観た。

小峯裕之の脚本が面白く、場内は爆笑に次ぐ爆笑。役者は皆魅力的だったが、特に土屋裕一と菅原永二が特に魅力的だった。

ヒロシは「ヒロシです」のヒロシとはイメージがひと味違い、役者としてもいい味を出していた。

マッチ・アップ・ポンプ

マッチ・アップ・ポンプ

キリンバズウカ

川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)

2011/08/06 (土) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

重と軽の間くらい
いいバランスの喜劇。十二分に面白いけど空席目立った。
場所の問題かなぁ。新百合ヶ丘は二の足踏むもの。
クロムに続き今年の渡邉とかげは女のフェロモン度が高い。
女優陣はみなベクトルの違うフェロモンが出ていた。

ネタバレBOX

へたくそなイケメンがひとりいた事を残念に思う。
いよいよ決戦です、その際の心構え。

いよいよ決戦です、その際の心構え。

タイガー

OFF OFFシアター(東京都)

2011/08/10 (水) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

脱力
開始から、出オチに近い、脱力感。ぐだぐだと進んでいく展開に、笑いっぱなしでした。一人ひとりのキャラが個性的で分かり易く、楽に観れる感じでした。

ただ、アドリブがいくつか入っていて、苦手な人はとても苦手な空気が流れてました。好みがだいぶ別れるかも・・

荒野に立つ

荒野に立つ

阿佐ヶ谷スパイダース

イムズホール(福岡県)

2011/08/11 (木) ~ 2011/08/12 (金)公演終了

満足度★★★★★

ゆえにその名をバベルと呼ぶ
 たった今、演劇でしか表現できないことは何か、そのことを常に念頭に置いて作劇している点で、長塚圭史は演劇界の最前線を走り続けている。
 “目玉をなくした女”朝緒(中村ゆり)と、その友人たち、教師、両親、目玉を探すべく依頼された3人の探偵、といった人々によって、何となく物語らしいものは紡がれていくが、彼らの「旅」は時間と空間が混濁した奇怪な迷宮に囚われ、出口はいっこうに見えない。
 肝心なことは、世界の中心にいる朝緒が“目玉をなくしたことを自覚していない”点にある。長塚圭史が観客に問いかけているのは、この世界を認識している我々の自我そのものが極めて不安定で、個々人の思い込みや妄想によってかろうじて崩壊を免れていて、しかしそのせいでコミュニケーションの基盤となる共同幻想を持ち得なくなっている現実をどうしたらよいのか、ということなのではないだろうか。
 他者との関係を認識できない我々は、自らを「孤独」と規定することすらできないのである。

ネタバレBOX

 舞台は緩やかな段差のある平舞台、上手やや奥に木が一本立っているのみ。ここがどこであるかは、どのようにも見立てられる。ある時は学校の教室に、ある時は朝緒の家の茶の間に、ある時は探偵事務所に、ある時は潮干狩りの浜辺に、ある時は……。
 それだけならば通常の演劇でも同様であるが、長塚圭史は、その「見立て」を“同時”に行った。過去と現在、全く別の場所が混在しズレていく、時折は“そこにいてはならない人物”を別の誰かが代行する。文章で書いても何だかよく分からないが、たとえば“現在の”父親(中村まこと)が逃げ出した朝緒を追いかけるのに同行しているのは“過去の”朝緒の友人である田端(黒木華)であり、その場所は父親には自分の家と認識されているが、田端には外とも浜辺とも認識されている、といった具合だ。朝緒が失踪している間は、彼女の役割を友人の玲音(中村ゆり)が代行したり、朝緒の夫の代行を探偵B(福田転球)が務めたりする。

 こういうデタラメを「そういうことになっているみたいです」と彼らは受け入れる。「名前」もまた然りで、朝緒は、大学の映画作りの仲間からは勝手に「メクライ(眼喰らい)」と名付けられる。朝緒は朝緒なのかメクライなのか目玉をなくしたメクラなのか。そんなことはどうでもいいとばかりに放置されるが、このようないい加減な設定が「現実に」存在しえるとなれば、それは「どこ」であろうか。
 「夢」の中だけである。

 大学時代の朝緒に映画の主演を依頼する監督が、映画『ふくろうの河』の話をするくだりがある。アンブローズ・ビアス『アウル・クリーク橋の一事件』を原作に、ロベール・アンリコが映画化したこの「悪夢」に関する物語は、数々のフォロワーを生んで、世界と実存の不安定を訴えた傑作と讃えられている。
 アイデンティティーが常に揺れ動き、世界と自分との間に違和感を覚え続け、自らの行動を「ト書き」として語っていなければ安定していられない朝緒は、まさしく、ふくろうの河に吊り下げられた兵士だ。ではこの『荒野に立つ』の物語は彼女の「走馬灯」の物語であるのか。そう解釈することも可能ではあるが、問題はそう単純に解決はしない。
 これが彼女の「悪夢」だとすれば、この夢の中に巻き込まれた人々の「自我」は誰のものなのか、彼女の「代行」を玲音が務めたのはなぜなのか、この世界を仕組んだ「演出家」は果たして本当に朝緒なのか、それとも他に“眼に見えない誰か”がいるのか、等々と、疑問は次々と生まれてくるのである。

 もちろんそれらの「混乱」も含めて、これは「バベルの塔」の物語である。
 「神」は人々の「傲慢」の罰として、我々の「言葉」を乱(=バベル)した。担任教師(横田栄司)が言う。「分かったと思った瞬間に分からなくなる」。言葉という「現実」は、発せられた瞬間に「虚構」となる。所詮、我々は自らの作り上げた物語、虚構の中でしか生きられないが、我々が不幸であるのは、それぞれの抱く虚構に同調し得る共通項を見出せなくなってしまっているということなのだ。
 共通する認識がなければ「客観性」は生まれない。我々は等しく自らの「主観」の中でしか生きられない。それは「実存」を確認できない「不可知論」の世界である。我々の存在そのものが「妄想」である可能性を、誰も否定はできないのだ。

 「我々は、夢と同じもので織りなされている」(シェークスピア『テンペスト』)

 朝緒ばかりでなく、登場人物全てが「我々」である。戯画化され、滑稽なやり取りを演じる彼らはしばしば観客の笑いを誘うが、我々は我々自身を嗤っているのである。その意味で、こんなに皮肉でブラックなスラップスティック・コメディもない。
 我々の観る世界は全て違っている。朝緒は、最後に失っていたことすら自覚できなかった目玉を取り戻すが、それから彼女が行く先は、いずこともしれない。バックに流れる音は、どこかの駅の喧噪か。そこは紛れもなく、混乱の街、「バベル」という名の「荒野」なのである。
 彼女は悪夢から覚めたのではない。別の悪夢を観るための、「もう一つの新しい眼」を手に入れただけなのだ。それが以前と同じ眼であると誰に証明することができるだろうか。
 そして我々もまた、今、ここでこうして観ている悪夢から抜け出す術を持ち得ないのである。

 世界は、恐怖だ。
いつか / タルチュフ

いつか / タルチュフ

こゆび侍

ギャラリーLE DECO(東京都)

2011/08/09 (火) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

福島の一人芝居「いつか」を観た
メルヘンです、メルヘン!この物語をこゆび侍の成島が書いたのだから、いつか観た「ふんころがし」の世界感とはエラク違う展開!そう少女マンガ「マーガレット」や「りぼん」の世界感なのだったら、なのなのだ。
演出も素敵だ。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

序盤、天使のイデタチで登場した福島。彼ほどトボケタキャラを前面に押し出し、「実は僕って癒し系なんです」みたいなはまり役もいなかろうて。(時代劇風)
そんなまったき違和感のない駄天使のような福島こそがアニメによく登場するキャラクターなのだ。

「ぼく」には好きな女子がいた。その大好きな彼女から一羽のインコの「いつか」を預かってくれと頼まれた「ぼく」は一生懸命に世話をする。しかし、鳥かごに収まることもなく自由に飛び回っていた「いつか」は寿命なのか死んでしまう。しかし「いつか」は「ぼく」の巣のようなもじゃ頭に3つの卵を残していたのだった。

「ぼく」は、この3つの卵を頭で育て、孵化させ、やがて雛となり、ペットショップに勤める小島さんとも仲良くなった。「ぼく」が大好きだった彼女との別れ、雛との生活、小島さんとの交流を軸にメルヘン的に描写したあにめちっくな恋物語だ。

ワタクシはこういったメルヘンが大好きなので勿論、大好物だ。物語と福島のキャラがぴったりと合っていて違和感が全くない。ちょっと優しくなれる大人の童話だ。


青山君よ、家が明けたら夜に帰ろう

青山君よ、家が明けたら夜に帰ろう

コーヒーカップオーケストラ

シアター711(東京都)

2011/08/10 (水) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

みた
ふざけた話に見えて、作者のロマンチシズムが選曲やせりふ回しにちりばめられていた。笑いを狙ったところよりむしろその辺りが好き。

表情や動きが豊かな役者が何人かいて、彼等彼女等に物語が助けられていたように思う。物語がなんだか惜しい。時間も少し長い。
ただ、自分なりのものを作ろうともがいているように見えて、次回以降がどうなっていくのか気になる。
期待を込めて☆多め。

ネタバレBOX

10年後の青山はもっと早いタイミングで出した方がいいように思った。感情移入の度合いがちがってくる。
アメノクサリ

アメノクサリ

ELEGY KING STORE

高田馬場ラビネスト(東京都)

2011/06/23 (木) ~ 2011/06/26 (日)公演終了

満足度★★★★

羨ましきは、真摯な取り組みと若さなり・・。
未観の『劇団東京都鈴木区』“鈴木さん”の演出作という事で、伺いました。「劇団鴉霞」からの派生ユニットで、再活動第一弾作との事、初観会場のラビネストが学生街にあった事を含め、真摯に芝居に打ち込む若人と、その芝居に観入る若人との緊迫した空気に触れ、自然と気持ちが若返り、次の世代を担う芝居人の存在に安堵しました・・が、最後に思わぬ見せ場がやって来ました・・カーテンコールと共に主催主演探偵役の“伊智さん”が体全体を床に貼り付けての最上級の土下座、理由はオープニングの第一声でセリフを噛んでしまった事に対するお詫びで、再チャレンジを懇願、客席も異常に盛り上がりで容認・・他の役者さんは唖然としながらスタンバイで一端舞台から掃け、何の打ち合せも無く再スタート、冒頭の台詞が・・そして右手奥に探偵に相談に来られる方[衣装を着替え+鬘装着(記憶では?)]が、登場しようとした矢先に・・“伊智さん”当人が御納得されたのか突然の打ち切り・・で、ジ・エンド(登場者さん、微妙に“つんのめった”さんとなりにけり) 若さの特権か、異例な事が起こるから芝居(ライブ)は面白い。。後は、照明と音が良かったです。“鈴木さん”万難を排して「がざびぃ」伺います。

ダブルレンティング

ダブルレンティング

劇団ぼるぼっくす

RAFT(東京都)

2011/08/12 (金) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

無題83
今週はハズれが多いです。安定したお芝居よりは異質なものを、演技力よりは個性を感じたいと思いつつ、暑いなか開場まで待ちます。会場の左側が舞台、右側が客席(座布団1列、椅子2列)。壁の中央に扉、床はフローリング。この部屋を巡って、2組の入居者(手違いで二重契約、1週間だけ同居)、管理人、引越屋、隣人たちが騒動をおこす…。で、ダメでした。全然、面白くないです。話が軽いのであれば、役者がお客を引きつけなければならないと思うんだけど。似たようなものでは、先日みた毛皮族の「軽演劇」、しょうもない話だけど笑える、自然と役者に目がいく。だいたいマンションらしく見えないし、ギャグにひねりがない、それぞれのエピソードにつながりはない。多分、満席だったと思うので、ウケル人にはわかるんだと思います。

副題の「六畳間」、マンションなんだしどうかな…。

ネタバレBOX

ありえないものをそれらしく見せてしまう、これはいいけど、ニコチンで3分しかもたないとか、入居者である外国人(らしい)とか…もしかしたら、と思うまでのものが感じられなかった。てんやわんやの大騒動がほしかった。

天使は瞳を閉じて

天使は瞳を閉じて

虚構の劇団

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2011/08/02 (火) ~ 2011/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★

名作
らしいのですが、予備知識無しで観劇。
とても悲しく、考えさせられるお話。
なのにテンポが良くて、笑いありダンスありで、それほど重たさがなかった。

仲の良かった人達がいつの間にか関係が壊れてきて、もう楽しかったあの頃に戻れない切なさとか、信頼している人が見えないところで何かしていて疑心暗鬼になったり、自分にも思い当たる節があって心がザワザワした。


後から知ったが初演時の設定は核戦争後の近未来の物語らしい。
今の日本はその状態と言うことか・・・。

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