
そして誰もいなくなった
劇団東京乾電池
駅前劇場(東京都)
2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
タイトルとサブタイトルにあるようなストーリー展開
下手の観客席の壁にも、この芝居の内容がいろいろ書いてあったりしたし、推理劇でもストーリーを追うというのでもないのだろう。
東京乾電池は不条理劇の印象が強い。
そして、今回も別役実作の不条理劇。
劇団の初期の頃に上演した作品だということらしい。
そして、今回は東京乾電池35周年記念公演ということである。

Caesiumberry Jam
DULL-COLORED POP
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/08/20 (土) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★
泥くさい
その事実をひた隠すように、まるで何事もなかったように生きる人々。
しかし時が経つにつれ否応なしにも悲惨な現実を受け入れなければならない。
なぜもっと早く向き合わなかったのか、現実から目をそらしてはいけない、
しかし生きることはとても泥くさいことなのだと、まざまざと見せつけられました。
テーマが重いだけに、序盤、中盤の登場人物はかなり明るい!
特に子供役の中村梨那さん、元気な児童で見ているだけでホントに微笑ましかった。

だるまさんがころんだ
燐光群
江東区文化センター(東京都)
2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
あえて今。
意欲的な作品。
内容は2004年の初演からあえて手を加えなかったということで、当時の世論や情勢を感じさせる。
自衛隊派遣、地雷問題、戦争と人間のあり方等々。
今年は災害の年にあって様々な問題があちこちで噴出し、余裕のない中であえてこの作品を観ることに意味はあるかもしれない。
総じると、一度は観て損はない芝居ですし、同時に二度は辛いかな、というのが素直な感想でした。
この先も地方を廻るということですので、これから観る方は是非しっかりと睡眠をとってから劇場に足を運ぶのをお勧めします。
以下、ネタバレBOXにて。

GHOST IN THE BOX!!
PEACE
上野ストアハウス(東京都)
2011/08/18 (木) ~ 2011/08/22 (月)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしい
前回の「LAST SMILE」が人間賛歌を全面に出した作品だったのに対し、今回は人間賛歌のメッセージを残しつつ、恐怖、笑いの要素をうまく入れてきた。詳しくはネタバレBOXにて。

Nazca -ナスカ-
劇団銀石
吉祥寺シアター(東京都)
2011/08/18 (木) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★
銀石、初見です。
高い空間まであますことなく使いあげた演出や、ピアノの生演奏の音色とそのビジュアル(黒い服を着た吉田さんが舞台を見つめる姿が美しかった、、)はとても素敵でした。しかし、様々なファクターが、個々は分かりやすいにも関わらず結局繋がらないまま時が過ぎてしまい、結果、「難解だなぁ」と思いながら見終えてしまったのが残念でした。こういった難解なお芝居の場合、どこかに落としどころがあってそれがカタルシスへと繋がり、「よく分からなかったけどいい舞台だった」ともなり得るのですが。役者さん達のセリフの聞き取りづらさも気になりました。そんな中、安藤理樹さん・加藤諒さんの存在が救いでした。いい意味で毒気がなく、ファンタジックな演技。素敵です。

これは僕が神様になりたかったけれどなれなかった話で、僕の彼女が実は地球だったってオチが待っている話なわけで、
劇団エリザベス
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了

Caesiumberry Jam
DULL-COLORED POP
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/08/20 (土) ~ 2011/08/28 (日)公演終了

奥様お尻をどうぞ
キューブ
本多劇場(東京都)
2011/07/30 (土) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★
摩訶不思議な話
いつの間にか始まり、どこで終ってもいいような印象。
いい役者達の無邪気で見事なデタラメっぷり。
夢(舞台)で笑って現実で起きている現行の憤怒にも似た空しさも覚え。
面白かったけど上演時間がちょっと長かったかな、いい意味でグッタリ来ましたw。

そして誰もいなくなった
劇団東京乾電池
駅前劇場(東京都)
2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★
ベケット+アガサ=別役
劇団35周年記念公演。
笑わせる箇所がちょっと古典的のような感じだったけど、小難しく考えず楽しめた。江口さんがいい女優さんと再認識、綾田さんはかわいいおじさんでした。

幕末純情伝
SEVENSENS
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
国とは女のことぜよ
お約束の台詞ですが、後半になるにつれて、切なさがこみ上げてくる。つかこうへいの原作にかなり忠実に作り上げられていたが、あの恐ろしいまでのスピード感のある台詞は、かなりゆったりとしており、また龍馬役の役者さんが時々噛んでしまうのは少々気にはなった。が、そのゆったり感は、素晴らしい音楽と上手く調和しており、こんな演出もなかなか面白いものと、許容できた。二時間半もの素敵な時間を共有させて戴き、全ての出演者の皆様に感謝です。受付で確認したところ、やはり著作権の関係かDVD化は予定していないとのことであった。誠に残念な限りである。

雨に紅花 (無事終演いたしました!)
くロひげ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/08/09 (火) ~ 2011/08/14 (日)公演終了
満足度★★
私には良さが分からなくて・・・
こちらもすでに公演の様子は書かれておりますが・・・
びっくりしたのは、初めは水を張ったプール(?)足を浸していただけ
だったのが、次第に、水の中で寝転がったり、横になったりし始めたこと。
となると、ずぶ濡れのはずなのだが、その割には起き上がっているときには、
さほどずぶ濡れ感はなかった。
ただ、私も、なぜこの演劇を、プール中で、
ずぶ濡れになってやる必要があるのか、正直理解できなかった。

「熊」 「附子」
森崎事務所M&Oplays
国立能楽堂(東京都)
2011/08/11 (木) ~ 2011/08/12 (金)公演終了
満足度★★★★
伝統の持つ底力
すでに書かれているとおりで、チェーホフを狂言に翻案した「熊」と、
伝統狂言演目「附子」の2本立て。
それで、チェーホフもそこそこ面白かったのだが、
やはりちょっと語調が違うなとか、多少違和感を持ったのも確か。
それを明確に感じたのは、後半の「附子」が始まってすぐのこと。
やはりピタッと台詞が納まっている感じ。
何が「納まっている」かというと、台詞回し自体ももちろんのこと、
声の能楽堂内での響き、所作、筋の運びのテンポ・・・
まあ「全て」なのですよね。
もちろん、私自身、狂言はそれほど観てはいないわけで
(それでも多少は観ていますが)、
こんなことを言う資格はないのかもしれませんが。
もちろん、「新作」にチャレンジされることもとても結構ですし、
そのことを否定するつもりもありませんが、
ある意味、素晴らしい「伝統」を背負ったものほど、
「新作」作りは大変だなあ、と思った次第でした。
それから、「附子」に似た話では「棒縛り」があって、
こちらの方が視覚的にも面白いかな、と私は思いますし、
また、外国人にも人気のある演目と聞いています。

これは僕が神様になりたかったけれどなれなかった話で、僕の彼女が実は地球だったってオチが待っている話なわけで、
劇団エリザベス
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
楽しめました
なんとなく壮大な話と学園ラブコメがごった煮になっているのがいいですね。パロディネタがちょこちょこ顔を出すのも嬉しい。今回はタイトルからネタバレでしたが、次回はあっと驚くようなシュールな展開を期待します。

ペロン
AnK
インディペンデントシアターOji(東京都)
2011/08/17 (水) ~ 2011/08/21 (日)公演終了

そして誰もいなくなった
劇団東京乾電池
駅前劇場(東京都)
2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
秀作!
初東京乾電池。
たまたま連日で別役実作の作品を観劇したが、やはりセリフのキレがすばらしかった。演技も申し分なし。面白かった。
舞台とは別に、受付と客席案内のテキパキとした動き(進行管理)に非常に関心した。劇団の方が行っているのだろうけど、すばらしかった。

Caesiumberry Jam
DULL-COLORED POP
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/08/20 (土) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★
引き込まれました。
カエラマンのように俯瞰で見ているようで、いつのまにか引き込まれました。セット、役者さん、物語、そして終演後に配られたパンフ。最後の一言だけはまだ引っかかっていますが、凄く決まった作品だと思います。

GHOST IN THE BOX!!
PEACE
上野ストアハウス(東京都)
2011/08/18 (木) ~ 2011/08/22 (月)公演終了
満足度★★★★
そーきましたか
なるほど、そーきましたか。夢オチならぬ落とし方。前半はホラーっぽく、後半は実に親切な解説付きコメディと、1粒で2度おいしいお話。楽しませてもらいました。

増殖にんげん
ぬいぐるみハンター
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/08/16 (火) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
おかけとネットという
好物なく見合わせを「増殖おんな」で。やや客としては引いて観ていてもったいなかったも。女優の組み合わせは最強だ

吾妻橋ダンスクロッシング2011
吾妻橋ダンスクロッシング実行委員会
アサヒ・アートスクエア(東京都)
2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★
玉石混交ながらも刺激的
「ダンス」と銘打ちながらも一般的な意味でのダンス作品は1組だけで、癖のある先鋭的パフォーマンスのショーケース的イベントでした。完成度の差が激しく、全てが良かったとは言い難いのですが、様々なタイプの表現を一度に観ることが出来る良い機会でした。
康本雅子『絶交』
男女の関係をコミカルかつちょっとエロティックに描いたデュオ作品。日常的な動作を反復しながら増幅する振付が主体で、康本さんの立ち姿の美しさと動きのキレの良さが印象に残りました。途中でダンサーが停止して、スタッフが衣装替えや掃除をする時間があったり、パフォーマンスが続く中で撤収作業が始まるのが面白かったです。
Line京急『トゥシャイシャイボーイ』
チェルフィッチュの山懸さんとミュージシャンの大谷さん、台詞を話さない水着の女性によるパフォーマンスで、主体の不一致やドキュメンタリー的映像、リルタイム映像による表情のアップ、韻を踏んだラップ的な台詞など現代的なイディオムを用いながらもユルユルな雰囲気でした。
ボクデス&家族『パンダンス』
小浜さんの実際の家族がパンダに扮して繰り広げられる脱力パフォーマンスでした。4月に品川の楽間で上演したものとほぼ同じでしたが、今回は小浜さんのご両親も出演していて、ほのぼのとしたシュールさが漂っていました。キュートなお子さんが美味しいところを全て持って行っていました。
三浦康嗣『合唱曲 スカイツリー』
ピアノと2台のギターの伴奏による混声合唱曲で、道路の環状線&放射線の「放射線」と放射能の「放射線」や、スカイツリーと子供の成長を重ね合わせた歌詞が良かったです。途中に単語を羅列するラップや日常会話的な芝居の部分もあり、三浦さんが音楽を担当した、ままごとの『わが星』を思わせる雰囲気がありました。
悪魔のしるし『ポ食』
オーストラリア人アーティストによる捕鯨反対のスピーチに続き、朱鷺の保護を訴えるスピーチ、そして同様の論理展開で芸術の保護を訴えるスピーチが続くシニカルな作品でした。鯨を食べる代わりにポテトチップスを食べれば良いとのことで、ポテトチップスの空き袋を繋ぎ合わせた巨大なオブジェが人を飲み込むのがユーモラスでした。
core of bells『プレシャスハイム3丁目』
ハードコアチューン『ゲス番長のテーマ』の演奏を前後のMCも含めて何度も繰り返し、繰り返す度にヴォーカルが倒れ、楽器の音が出なくなり、照明も暗くなって行き、他の作品の出演者たちが「聞こえない」「帰れ」、「つまんねー」等と野次を飛ばす展開がハチャメチャで面白かったです。舞台芸術における再現性について、笑いながら考えさせられる刺激的なパフォーマンスでした。
大谷能生×吉田アミ『Duo Improvisation』
通常の奏法をほとんど使わない大谷さんのサックスと、超音波やノイズのような吉田さんのヴォイスによる微細な音響の即興演奏でした。物音一つ立てられないような緊張感が気持ち良かったです。一部では何かのテキストを読んでいるようでしたが、音の響きに解体されていて内容は待ったく分かりませんでした。
地点『his master's voice』
大日本帝国憲法や玉音放送など、天皇にまつわるテキストを5人の俳優がステージ後方でほとんど動かずに地点ならではの独特の台詞回しで語る作品で、音楽的にも聞こえる声の存在感が強烈でした。唯一の小道具であるスイカに関連して台詞の合間にスイカの種を飛ばす音が断続的に挿入され、不思議な効果を出していました。「his master's voice」という言葉を極端なビブラートをかけながら『君が代』のメロディーで歌うシーンが印象的でした。
遠藤一郎『三日月』
ダンボール箱を積み上げたオブジェの前でお面を付け藁を身に纏って舞うパフォーマンスでした。終盤に割られるくす玉から出て来る垂れ幕に書かれた「本気で行けば最強」という文や、小さく畳まれた布(紙?)に書かれた「REVOLUTION」という単語からポジティブさを感じました。ASKAの曲や、観客を巻き込むパフォーマンスが本気なのか笑いを狙っているのか曖昧で、空回り感がありました。

朗読劇"木を植えた男"~人形劇俳優 平常(たいら・じょう)による
平常
東京都現代美術館 B2階講堂 (東京都)
2011/08/10 (水) ~ 2011/08/12 (金)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしい人形遣いと朗読劇
説明にもあるとおり、東京都現代美術館の展覧会の特別イベントとして開催。
私は平常(たいらじょう)さんのことは知らなかったのですが、
子供向けのような人形を持って颯爽と登場。
この方は、朗読もやられるし、この日はそれがメインなのだが、
やはり「本業」ということで、初めに人形芝居を披露。
ところが、一人で操っているにもかかわらず、その動きは素晴らしい。
ちなみに、外国では人形劇は子供向け、なんて言うイメージを持たれていると、
何かで聞いたことがありますが、日本では「文楽」があって、
これは大人向けの立派な芸術・・・
でもこちらは基本的に1つの人形を3人で操るのですよね。
(3人で息を合わすのは別の意味で大変かもしれませんが)
ところが、平さんは、1人で操っているのですよね。
足は無いのだけど、両手に顔・頭部は動かせる。
人形の両手を人形遣いの右手1本で操作し、
人形遣いの左手で、頭部を支え、
かつ頭のてっぺんが開くようになっているので、
その操作もするという具合。
人形による寸劇もやられたのだが、
「お客さんの誰かにもやってもらいましょう」と言われ、
なぜか私が捕まってしまい、ステージ上へ…。
まあ「上手い上手い」なんて言ってもらえたけど、
右手1本で人形の両手をきれいに操るのはとても無理。
まあこれはご愛嬌ということで、笑いものになりました・・・。
さて、後半というかメインは、映像を見ながらの朗読劇。
この話も中々感動的で、自分の利害などお構いなしで、
山に木を植えて行った人の話。
お話自体と、平さんの朗読は良かったのだが、
ただ、映像については、特に初めはモノトーンに近いもので、
私的にはイメージが湧きにくかった。
それと、平さんはやっぱり人形を遣っているときの方が面白いかな?
なお、1時間ほどあったので無理すれば展覧会(チケットも頂けました)も、
観られたのですが、平さんのお話で「2~3時間かけてみる人が多い」と聞いたことと、
実はこの後、「チャイムが鳴り終わるとき」に行ったもので、
この日は展覧会は観ておりません。
先に観ていればまた印象が違ったかもしれません。