最新の観てきた!クチコミ一覧

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父と暮せば

父と暮せば

こまつ座

電力ホール(宮城県)

2011/08/26 (金) ~ 2011/08/26 (金)公演終了

満足度★★★★★

良い芝居は何度観ても新鮮
 良い芝居は、何度観ても新鮮に感動しちゃうなぁー、と思った。
 ウィットに富んだ会話は、笑いも誘っていたけれど、
 私は何だか最初から最後まで泣きっ放しだった。

PRIDE2011

PRIDE2011

48BLUES

d-倉庫(東京都)

2011/08/26 (金) ~ 2011/08/28 (日)公演終了

満足度★★★★

AKR48
殺陣大好きの劇団で、そんな演目。男優だけの出演は正にKABUKI。

ネタバレBOX

堀部安兵衛と清水一学を中心に描いた赤穂浪士の討ち入り話。

殺陣はさすが、汗びっしょり。小ネタも面白い。

いちいち説明しなくてもいいかなと思いながら、まいいか。
INDEPENDENT:2ndSeasonSelection / JAPAN TOUR in 福岡

INDEPENDENT:2ndSeasonSelection / JAPAN TOUR in 福岡

インディペンデントシアタープロデュース

ぽんプラザホール(福岡県)

2011/08/27 (土) ~ 2011/08/28 (日)公演終了

満足度★★★★

堪能した。
全6作品が本当に方向性も表現手法を異なる作品で、一人芝居の奥の深さも堪能できた。6作品中2作品にホロリとさせられた(> <)。
一人芝居ということで、役者の身体的な表現力がもちろん大きく影響しているのだけど、脚本の芯の太さとか演出の技術も非常に大きく影響していたと思う。30分とは思えない濃密な時間だった。

CRUSH THE TYMKS単独公演「星の降らない夜明け前」

CRUSH THE TYMKS単独公演「星の降らない夜明け前」

CRUSH THE TYMKS

こまばアゴラ劇場(東京都)

2011/08/23 (火) ~ 2011/08/24 (水)公演終了

満足度★★★★★

元気になった
観終わったあと、ちょっと元気が出ました。舞台を観てそういう気持ちになることが少ないので、観てよかったです。あと、若さがうらやましかった。それと、女子って楽しそうだなって思った。他の作品も観てみたいです。

Hear There Here【ご来場ありがとうございました!】

Hear There Here【ご来場ありがとうございました!】

Depend On Others

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2011/08/25 (木) ~ 2011/08/28 (日)公演終了

満足度★★★★

今、ファンタジー
3.141592653

ネタバレBOX

ゴミの山を漁ったり、捨てに来る人々の話。ゴミは単なるゴミではありません。津波に流された思い出の品の集まりです。

亡くなった息子の思い出の品を探す父、弟の死を悲しむ父母のために男になりたがる娘、亡くなったことに気付かずうろうろしている青年、青年の思い出の品を捨てるために来た女性、死に気付かない半身が欠けたまま生まれ変わったため中性的に生まれてしまった少年…、みんなが結びついていく切ないファンタジーでした。

青年と女性の追いかけても会えない距離感と円の形を表すため舞台は琵琶湖、琵琶湖の周辺がゴミの山という設定、琵琶湖で津波が起きるかははなはだ疑問ですが。

瓦礫は撤去すればいいと割り切れないところが現実問題としても切ないですね。ただ、現実を受け入れて、新たに生きていこうとするメッセージも伝わってきました!
よつあしダディ 2011 【ご来場ありがとうございました】

よつあしダディ 2011 【ご来場ありがとうございました】

らちゃかん

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2011/08/26 (金) ~ 2011/08/28 (日)公演終了

満足度★★★★

温かい!
息子の就職問題や娘の結婚問題など普通の家庭の事情をこなしながら家族としてお父さんの病気を受け入れていく心温まるコメディ。

お母さんの優しさが素敵でした。

ネタバレBOX

お父さんがエンリケ・マルチネス症候群に罹ってから兆候が出始めた頃までの話。10ヶ月ぐらい後には犬になっていましたが、姿は見せませんでした。

例えば癌や若年性アルツハイマー病に罹ったという設定にしても成立したと思いますが、あえて変てこな病気に設定したところが斬新でした。それに一つ一つのギャグが面白いのが何より。ソフトバンクのCMより先に思いついていたらもっと良かったですが。

息子に子育ての切迫感がなくなることや、ラストのスケッチ画を見せてもらえなかったこともあったりで、劇団の事情があるのは分かりますが、息子の奥さんは余計でした。それに、題名は考え直した方がより普遍的になる気がします。

ペットとして家族に、特にお母さんに受け入れてもらえるなら若年性アルツハイマー病になるよりこちらの方がいいですね。
クレイジーハニー

クレイジーハニー

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2011/08/05 (金) ~ 2011/08/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

ヘンキョウで大嫌いと叫ぶ
魂を削るような快作。まるで狂ったような感情の激しいうねり。怒っていたかと思うと、次の瞬間笑い、泣き、ふさぎ込み、叫ぶ。2時間強の間、一体どこに着地するんだと思うくらい、主人公ひろみの感情はグルグルと回り続ける。今作も期待以上、やっぱり早くからチケット取って見に行った甲斐があるなぁって思う公演でした。

本谷有希子の描く人間は、人間らしすぎる人間が魅力だと思う。独特で生きた言葉。肥大しすぎる自意識からくる妄暴走。普通を疑う姿勢からくる自由すぎる自由。人生にそんなに簡単に答えなんか出ないんだというスタンス。エンタメとしての公演の構成。簡単に答えが欲しいと思ってしまうと、本谷作品はどこか冗長に感じてしまうが、こんなに生き方を楽にしてくれて、どうしようもない人間の愛おしさを感じてくれる作家は、僕はまだ知らない。

ネタバレBOX

 携帯小説家としてデビューし、今は若くして落ち目の女流作家ひろみ結城。トークショーに、親友でゲイの甘田と出演するも観客は少ない。トークショーの企画を立てた編集者は、この場から新たな企画を考えていた。それは、集まったひとみのファンに自由に質問させて、その赤裸々なトークを本にしようとするものだったが…。

本谷さんの小説「ぜつぼう」にどこか類似を感じつつも、そこから飛躍して深化したなぁという印象の本作品。小説家としてファンが作り出す勝手な理想像と、実像とのギャップ。流行の一過性で、もてはやされたかと思うと突き放される。その構造は、物語としてとても面白い。「私の小説読んで生きる希望をもらったのなら返してよ」とか捨て台詞も秀逸。

何より、魅力的に感じたのはひろみ(長澤まさみ)と甘田(リリーフフランキー)の葛藤。人とつながりたい、でもつながれない。期待して裏切られてまた期待して。〈人は簡単につながれる〉、ってどうして言えるのだろうか?〈人間はいくらでもやりなおしが出来る〉、ってどうして言えるのだろうか?世の中がみんなそうやって生きてるんだから普通出来るでしょうと迫ることに対して疑ってかかる。「人とつながることは暴力です。(つながろうとする)あなた達はモンスターです。」でも思いつめながらも、途中何度かありのままの自分を受け入れようとする。「人とつながることは大事です。つながることを否定することは悲しい人間です。」が、しかし。またすぐに落ち込んでしまう。勿論、現実でも物語でも1夜にして劇的に悩みが解消する訳がなく、答えも出ないのだけれど。その七転八倒する葛藤が魅力的だった。過去、何作品か見ているが、いつも暴走するのは主人公一人だった。でも今回は味方がいる。それはとても新鮮だと思った。普通の人の言葉は、主人公の人達には届かない。自意識にしろ、客観的にしろ、〈ぜつぼう〉を共有した仲間とだから分かり合える喜び。そして、その仲間とすら分かり合えない悲しみ。喜怒哀楽なんて区分けでは出せない感情を呼び起こされて、とても共感する。

「3・11」と関連させる意図は感じなかったけれど。でも、「つながろう日本」に息苦しさを感じてしまう人は少なからずいるはずだ。「つながりたい、でもつながれない」。考えれば考えるほど、真面目であるが故に答えの出ない実像探しにグルグルと迷いこんでしまうのだ。それでも生きていくしかない。でも、考えずに考えずにただ逃げ出すことを許さない〈普通の世間〉の息苦しさと戦って生きていくことはどうしてこんなにしんどいんだろうか。

な~んて。好き勝手書いてる僕も、当然浮ついた1本谷ファンに過ぎないんです。勝手に作品に惚れ込んですみません。…って謝ってもダメならどうしたらいいんだ~。とりあえず、今後の活動にも期待っっ!!
明けない夜 完全版

明けない夜 完全版

JACROW

シアタートラム(東京都)

2011/08/25 (木) ~ 2011/08/28 (日)公演終了

昭和の香りがちゃんとしました
素敵なセットに圧倒されました。昭和のちょっと田舎のお金持ちの家って確かにこうだった!というリアルさ。女優さんのぺらっとして野暮ったいツーピースも昭和で素敵でした。でも、靴下とか、靴とか、細かいところが平成だったのが残念。一部の役者さんの発音、発声、身体が平成だったのもちょっと残念。

とにかく華があって、シアタートラムの空間に負けてないどころか、役者の華でいえばもっと大きいところでも行けるのでは?と思いました。

ネタバレBOX

台詞では「テレビ見せてやれなくてごめんな」の一行に唸りました。
昆虫系[改訂版]

昆虫系[改訂版]

鵺的(ぬえてき)

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2011/07/27 (水) ~ 2011/08/01 (月)公演終了

満足度★★★★★

濃かった
ひたすら濃かった。逃げ出したいような70分間でした。あと、鵺的はいつも音楽がとても良いのです。

5分だけあげる(終幕御礼・御感想お待ちしています。次回公演は2012年2月下北沢駅前劇場・下北沢演劇祭参加決定)

5分だけあげる(終幕御礼・御感想お待ちしています。次回公演は2012年2月下北沢駅前劇場・下北沢演劇祭参加決定)

MU

インディペンデントシアターOji(東京都)

2011/06/28 (火) ~ 2011/07/04 (月)公演終了

満足度★★★★

大人が子どもを演じる意味
子どもの役は子役が演じることが増えてきたけど、大人が子どもを演じる意味がきちんとあるお芝居でした。みんなちょっとずつおかしくて、一番おかしい人がまともに見えてくる不思議。初日だったのでバンド感はいまひとつでした、もう一回観たかった。

よつあしダディ 2011 【ご来場ありがとうございました】

よつあしダディ 2011 【ご来場ありがとうございました】

らちゃかん

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2011/08/26 (金) ~ 2011/08/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

家族っていいな・・・
って思いました。単純に。

個人的に結婚とか考えてる時期なので、こういう家族を作れたらなと思いました。あり得ない病気とか娘の結婚とかいろんな事件が起こってくるんだけど、それを乗り越えていくのが家族なのかなと。でもあの病気はいやだけど(笑)

それにしてもお父さん役の役者さんは年齢不詳。何歳なんだろう・・・。みんないい味出してました。

「くすり・ゆび・きり

「くすり・ゆび・きり

エビス駅前バープロデュース

エビス駅前バー(東京都)

2011/08/21 (日) ~ 2011/08/30 (火)公演終了

満足度★★★

とても混んでいました
会社帰りに軽くいっぱい飲みながらの観劇。今回は離婚式がテーマ。
ソフトな演出で気楽にみられた。

少し話しを詰めすぎのような気がした。

(59)6189990111

(59)6189990111

mimimal

新宿眼科画廊(東京都)

2011/08/26 (金) ~ 2011/08/31 (水)公演終了

満足度★★★★

セカイと少女をめぐるメタポップな口語演劇
まず、このチラシの宣伝文やタイトルからは想像できない内容。
しかし個人的には、口語演劇史の教科書に1例として記載されて
良いと言えるくらい、史的価値のある現代戯曲という印象。

てっきり「電波系アイドルの苦悩をポップに描いてみました☆」
的な痛い小劇場演劇を想定していたら、実際は濃密な現代演劇。

いまの時代を生きている人だからこそ経験的に理解できる、
「あーいるいるこういうやつ」というキャラクターを用いて、
少々ありがちな悲劇設定を、これでもかというぐらいに
ポップかつシュールでブラックにぶっとばしたような構成。

くわしくはネタバレになるため言えないが、
役者の容姿とキャラの要旨がシンクロしすぎていて切なくなった…。

また、現代演劇のいろんな方法論を援用しつつ、
mimimalなりに再構成している努力がそこかしこに見て取れる。

それゆえに破綻やご都合主義的なとこもあるにはあれど、
それは今後の伸びに期待、というところで回収可能なレベルかと。

今のところはmimimalは演劇史の1例に留まるだろうけれど、
新しい方法論を打ち出せる素地はあるように思う。

ネタバレBOX

[内容について]
有り体に言えば、
「宿命的に不幸な非モテ女が、人生を肯定するまでの話」。
むずかしく言えば、
「スクールカーストや恋愛カーストにおいて構成された幸福と不幸の
 格差を、原子論的・生殖的な宇宙観を用いて救おうとする物語」。

この宇宙観を支えるためにか、物語がほぼ百年間という長いスパンを
軸に構成されているが、個々のエピソードはどうということもない所作
から繋がったり離れたりして、比較的うまくサンプリングしえている。

主に物語は、モテ階層の「冨士子、茂手木」が、
非モテ階層の「こさめ」を搾取し続ける展開となる。
この背後にスクールカーストや恋愛カースト、
それを形作る容姿やオタク性、宗教などの日本的マイナー文化、
それらを拡大再生産するメディアに対する視線があることが興味深い。

彼らのパーソナリティを筆者なりに述べれば、以下のように言える。
「自分が相手を認めてあげる」が出発点の茂手木と、
「自分を相手に認めてもらう」が出発点のこさめ。

「器用にうわべを取り繕うことによって、
 相手に難を押しつける(傷つける)方法を知っている」富士子と、
「不器用さを誠実さと取り違えていることによって、
 自分を傷つけかつ無様に振る舞う他ない」こさめ。

そして、この対立項の間をゆらゆら揺れ動くその他の人物たち。
特に名前も謎な「男」「女」はこの物語の語り部でありつつ、
女はこさめを崇める信者であり、男はこさめの孫であるという点でも、
重要な役回りをしている。

こさめの嘘の物語をまつりあげた宗教を享受し幸福に暮らす女と、
こさめのその後家族を得て子孫を得る幸福の証となる男。
彼らがゆきずりの愛を行う。
それは以下で語られる宇宙論と比較するとき、(ご都合主義とも捉え
られるものではあるが)興味深いエピソードに映る。

その宇宙論は、原子論的宇宙観(すべては原子で出来ているのだから、
すべての存在は等価値)と、それに基づいた生殖的幸福観(宇宙が
出来たときから続く生殖関係のなかにいることが幸福)というもの。
これは死生観から倫理を導いている点で逆説的だが「宗教」的である。

その意味では、現実の影に隠れている格差の是非や消費の価値を、
コスモロジーで救うといったあたりはキリスト教的ともいえよう。
現実的な解決を求められなかった人を救うという関心のもとでは
比較的妥当な解答だと、個人的には思う。

ただ物語の前半はポップに時間と空間が行き来して楽しめたが、
後半になるとご都合主義的な展開が増えていたように思う。
前半部に後半いきなり出てきた情報の伏線をいれておくなどすると
良かったのかもしれない。

[形式について]
構成要素を自分なりに解析してみると、
【口語演劇類における、ロスジェネ世代の混合種】、という印象。
青年団やチェルフィッチュ、五反田団やままごとなどの方法論を
再構成しており、多時空間、多次元の舞台空間を構築している。
さらにそこに近しい世代としてのポツドールやヨーロッパ企画などが
用いているメディアと対峙する日常性やゲーム性といったモチーフ
との類似性が見られる。時間と空間を飛び越えつつ、未来の設定を
どうということもない台詞から立ち上らせている点で、オリザの
時空限定の口語演劇の方法論を今的に昇華していて好印象。

本公演の本質的な様式、史的価値として
述べることが出来そうなものは、その「超時空間口語演劇」と、
おそらく「セカイ的少女」の文脈を取りいれたことだと考えられる。

より厳密に言えば、浅野いにおや西島大介、
相対性理論や東京事変、椎名林檎などに見られるような、
自分の感情と世界(時空間)とがシンクロしている世界観の中、
汚くともニヒリスティックでも少女的な主人公であろうとする、
処女性とは別の虚ろな潔癖さを巡る葛藤を表現に取り入れつつ、
それをポップに(底の無さに自覚的に)展開している形式。

おそらくそれをコアとして、多様な方法論を構築しているような
気がする。公演終了後に流れていた相対性理論や東京事変の曲は、
それを証左しているのではないかと言ったら、言い過ぎだろうが。
現代能楽集Ⅵ 『奇ッ怪 其ノ弐』

現代能楽集Ⅵ 『奇ッ怪 其ノ弐』

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2011/08/19 (金) ~ 2011/09/01 (木)公演終了

満足度★★★★

死者の幻影に彩られた舞台が秀逸
やはり、如何にも前川作品。

いつもは、笑いを取る役の多い山内さんのスタンスが新鮮でした。

小松さん、以前も何度か拝見していて、それほどに感じなかったのに、この舞台、彼の発声がほとんど聞き取れず、閉口しました。脳内で、クロスワードパズルを解くように、小松さんの台詞を予想する作業を強いられ、前川作品に素直に没頭できなかったのが、かなり残念でなりません。

でも、それでも尚、前川さんの作品には、過剰な台詞を排したが故の、目に訴える印象が鮮やかで、舞台を観る内に、個人的に親しかった逝ってしまった人々や、震災で亡くなった方々への想いが交錯し、不意に涙ぐみそうになる瞬間が多々ありました。

静に心に染み入る舞台作品でした。

ネタバレBOX

舞台が、奥に長く続く道のような構造で、ちょうど、京都駅の外側の通路のよう。これは、能舞台もイメージしたものなのでしょう。
たくさんの穴があり、人物がそこから現れたり、落ちたりするのは、歌舞伎では、死者や霊などがスッポンからせり上がる決まりだから、それをヒントにしたのかなと感じました。(よしさんが、能では別の霊登場の決まりがあると教えて下さったので、昨日の、私の能に関しての誤解コメントを訂正しました。)

いろいろな死者のエピソードが、語り芝居のように、役者の演じ分けにより、披露されて行く手法で、その積み重ねの中で、山内さん演じるところの、神社の息子の心象風景が焙り出されて行く構成がとても印象的で、素晴らしいと感じました。

最後の、キャスト総出の場面は、明るく語る様子を長く見せることで、その後の顛末を衝撃的に表出したかったのだろうと思うのですが、私の個人的な体感で言うと、数分長過ぎたように思いました。
原稿用紙で3枚ほどの刈り込みがあった方が、最後の山内さんの盆踊りのような仕草がより生きたように感じます。

イキウメと奇怪チームの合同公演風な味付けで、私は、其ノ壱より、自分好みでした。
最後の場面が、福島の現状とダブり、心が張り裂けそうな感覚を覚えました。

震災後の劇作家の作品は、私に、その人が本物か偽者かの判断基準を提示してくれていると感じますが、この作品を拝見し、前川さんは、やはり本物の劇作家だと確信できました。
Caesiumberry Jam

Caesiumberry Jam

DULL-COLORED POP

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2011/08/20 (土) ~ 2011/08/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

哀しく、美しい。
この類の原発や戦争モノはどこかメッセージが強すぎたり、暑苦しかったり、胡散臭かったりしてしまうのだが、この作品にはそれがない。安心して眺めていられたし、安心して哀しめ、感動できた。

ネタバレBOX

最後舞台上に机とイスだけ残される所が、ものすごく哀しく、感動した。


カーテンコールがないのが寂しいが、「誰もいなくなった」ということを表現する上ではあの演出は必要だし、死んだ役を演じた役者が最後出てこないところにも谷さんの意図があるのだろうと終演後自分で納得した。
弁護士バイロン

弁護士バイロン

劇団東京都鈴木区

遊空間がざびぃ(東京都)

2011/07/28 (木) ~ 2011/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★

原作知らずとも
舞台を横長(縦長?)にしてるので、舞台と客席が近い分、それぞれ逆サイドが若干見辛いかなと思う部分がありましたが、物語は笑いも多々あり、真剣な場面もあり、また、つか作品の「熱海殺人事件」および「弁護士バイロン」を知らずとも
楽しめました。なかなかに面白かったです。

「野ばら」 「バーン・ナ・バーン」

「野ばら」 「バーン・ナ・バーン」

ワワフラミンゴ

café viet arco(東京都)

2011/07/20 (水) ~ 2011/07/30 (土)公演終了

満足度★★★

両作品観た
両作品とも何とか観る事が出来ました。

ネタバレBOX

「バーン・ナ・バーン」
かみ合わない台詞に、あるようなないような物語(そもそも物語という物語は無いのかもしれません。
世界観に入れるか、ついて行けるかが、分かれ目かな。(ついていけないと全く持って面白くないと思われる)
まあ、よくわかりませんでしたが、なんか面白かったです。

「野ばら」
こちらの作品もなかなかにかみ合わない台詞に、あるようなないような物語。
こちらも世界観に入れるかが分かれ目だな。

わからないながらも、世界観にはは入れたかな。
超コンデンス

超コンデンス

少年王者舘

ザ・スズナリ(東京都)

2011/08/25 (木) ~ 2011/08/30 (火)公演終了

満足度★★★★★

無題103
...これは凄い、波長がピッタリ。スズナリはお客さんすし詰め。整理番号が比較的若かったので早めに入場、みなさんやや後方のポジション。そこをいつものように迷わず最前列に陣取るのでした。開演直前、後ろを振り返ると...人、人。説明にある「へヴィーメタフィクション」というのは、ヘヴィ・メタルを意識しているんだと思うけど、Metallicaの初来日公演をみた私、この公演もそのくらいの衝撃。リズム/メロディ/ハーモニー/映像、こんなに整っていながら、超重量級のパワーで押しまくる・・・信じがたい。今日は少年(中村さん)をみました。かつて通い詰めた劇団にいた少年(高橋響子さん)の再来かと思いました。

前にも別のところで書きましたが、場内の女性案内スタッフ(メガネの)、ヤッパリ他のお芝居でもおみかけしているハズ。代行のようなお仕事なのでしょうか?声がよく通り、対応はピカいち、帰るときの挨拶もキチンと。どうなのか聞いてみようとしたのですが、お仕事中なので遠慮してしまいました。

ネタバレBOX

さて、肝心のお話は…よく覚えていません。ロックのライヴに行って歌詞なんか気にしないのと同じ(←私に限定、英語わからないし)。ずっと、ヴォーカルだって楽器の一つだと思ってきました。だいたいがハイトーン、PAシステムによって増幅された音群は会場の隅々まで入り込み、地響きをたてます。それがヘヴィ・メタル。

全員揃うと何人になるのでしょう、それでもセリフをあわせてくる、繰り返し、繰り返し。寄せては返す波のように。時間を飲込み、吐き出す、これは自分の目でみなくちゃダメだ。

よく、何人かが同じセリフを言ったり、順番に話したりするお芝居があります。また同じシーンを繰り返すのもあります。これが苦手で、いつもそこで挫折します。ちゃんとみればいいのに、意識は残り時間に向いてしまいます。今回、今までのことはすっかり忘れてしまい、全部いいじゃないか…と開き直るのでした。声質が似ているからなのかステレオ再生のように立体的に聴こえてきます。スクラッチノイズなしの純な響きです。

暗転をうまく使い、役者は現れ、消えてゆきます。最初はどこから出てきたのかとビックリしました。とにかく動き回り、いたるところから声が聞こえ、役者陣は疲れを知らないようです。

1回の観劇で終わってしまいました。次回もきっと。
寂寥 【緊急告知!】25日(木)アフタートーク開催決定! ゲスト:土田英生氏(MONO)

寂寥 【緊急告知!】25日(木)アフタートーク開催決定! ゲスト:土田英生氏(MONO)

セロリの会 

「劇」小劇場(東京都)

2011/08/25 (木) ~ 2011/08/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題102
小さな庭のような...洗濯物が干してあるし、チリトリがあって、木製の椅子やテーブル。でも上手はどう見てもカウンター。屋外でカウンターとは...などと開演前は考えていました。改めて粗筋を読んで、そうだったのかと納得。今日は最前列ではなく2列目に座りました。目をやると最前列は座布団三枚重ね。これはいいですね。ちょっと近めだったのでひとつ後ろにしました。

ネタバレBOX

お話が始まり、掃除をする女性。聞こえるのは、鳥の鳴き声、犬が吠える声。掃除をしていますが、ちゃんと床にゴミがあるのに感心。お客さんにかからないよう掃きとっています。

なんと、ここは建物の屋上でお店の開店直前だったんですね。「Bar 四季」。アイドルだった姉妹+一人、その母の夢だったお店、借金漬けになっていたかつてのアイドル、愛人をつくって去って行った父、亡くなった母、近所からは「姥捨て山」と揶揄される、田んぼに囲まれた場所でお店を、8/3は母の命日、この日のオープンを目指して。

4人姉妹、2人姉妹、アイドルのファン(唯一の男性)。仲がよさそうで、でもそれぞれの人生があって、行き違いをこえてお店はオープン。当日は花火大会、絶好のロケーションであるお店のオープン、浴衣姿。

役者さんにハマリました。矢尾家の春夏秋冬。
よつあしダディ 2011 【ご来場ありがとうございました】

よつあしダディ 2011 【ご来場ありがとうございました】

らちゃかん

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2011/08/26 (金) ~ 2011/08/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

いい話ですね、とても。
家族っていいなぁ、とたぶん誰もがそう思うだろういい作品でした。けれど、きっとあんな幸せ家族なんて幻想なんだと疑って揺るぎのない自分もいまして、そういった意味ではとてもよいフィクションだったと思いました。

とはいえ、友人がこの作品を観たことで結婚することにしたようですので・・・あ、いや、違いました。結婚することを決めた後にこの作品を観たんでした。けれど、たぶん、先にこちらの作品を観ていたらそれこそ終わった瞬間に彼女に電話して『結婚しよう!』と、『で、すぐ子供作ろう!』と、そう告げることになったんだろうなと、そうやって次に会った時には早速子作りに精を出すんだろうなと、あ、いや下ネタでなく、まぁなにしろそんな影響力を持った作品なわけですから、とても良い作品であることに間違いはないなとあらためて思ったのでした。

ネタバレBOX

それにしてももうどうやってもソフトバンクな感じで、白いあの犬が頭の中でずっと走り回ってました。

お母さん役の人がそれはそれはもうとにかく可愛らしくて包容力があって素敵過ぎでした。理想の奥さん像でした。もうほんと僕と結婚してください!

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