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SUN ON THE CEILING@ありがとうございました!

SUN ON THE CEILING@ありがとうございました!

劇団マリーシア兄弟

シアター711(東京都)

2023/07/29 (土) ~ 2023/08/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い。お薦め。
創立80年の総合病院における院長後継問題、そこで働く医者等の諸々の事情を絡めて面白可笑しく描く。しかも個々人が抱える事情に医師という職業ならではの深みと味わいを持たせている。病院の一室、次期院長を選ぶ会議迄の数時間という限られた場所と時間のワンシチュエーション、その設定が妙。話している内容は医療に関わる専門的なことから家庭事情まで幅広く、そして含みを持たせた会話に興味を惹かせる巧さ。勿論 その散りばめられた話題は丁寧に回収していくが、そこに医師という職業の厳しさと家庭人としての優しい顔が見える。

物語は夫々の人間性を巧みに描きつつ、説明にある院長の死、大物官僚の手術失敗、救急搬送された死刑囚の脱獄といった特別な出来事を絡める。これらの出来事は本筋とは別に、物語を紡ぐ上での人間模様ー親子の情を思わせる。本筋は病院=医療現場で命と向き合う医師の姿を登場する人数や考え方の違いを通して多角的に観せる。劇中で医師だけが患者のことを思っている訳ではない。医療に携わる全ての人が…そんな熱い思いを語らせる。

救急医療担当の医師は、かつて紛争地域での医療に携わっていた。人(医師や看護師等)も物資も足りない中で目の前の患者を助けたい、その強い思いで医療にあたっていたが…。紛争地域の野外テントの中であろうが、設備の整った大病院であろうが、命に向きあっていることに変わりはない。病院の後継者争いの滑稽さ、それを命の重さをもって皮肉る。さらに、点描してきた医師の家庭事情が大物官僚と研修医の関係に結びつく。この公演の魅力は、説明にある出来事が全体を包む伏線になっており、その懐の深い優しさ温かみが観客の心を揺さぶる。観応え十分。
因みに、この公演(物語)の続きを観てみたいが…。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし) 【晴天】

ネタバレBOX

舞台美術は、総合病院のある一室。横長のテーブルが会議用に並ぶ。そのテーブルと椅子だけの空間だが、仮眠用のベットにしたり 野外テントをイメージさせる。

長く糖尿病を患っていた院長が転落死した。それは事故か他殺か、司法解剖の結果待ちである。そんな状況下で、次期院長になるために各科の医師ー救急科、外科、心療内科、内科、麻酔科、そして研修医まで集めて自分を支持するよう裏工作をする息子。院長/父のことを知っているようで何も知らない息子、大物官僚と研修医が実は親子関係にあること。そして実の母が認知症になり、息子のことをパパと呼ぶようになる。色々な意味での親子関係が紡がれる。

どの患者にも「(人生)この景色が最期ではない」といった声掛けをする医師、その背景には戦場で多くの患者と向き合い、一人でも多くの命を救いたいとの思いが、その言葉<希望>になっている。戦場での習慣であろうか、長テーブルをベット代わりに寝ている時に現れた同僚ーそのカメオ出演が劇中夢に陰影を刻み込む。物語は大学 医学部の後輩で元医者だったジャーナリストが、客観的な立場で物事を見る。同時に尊敬していた先輩医師の死…その真相が一層<命>の尊さを強調する。脚本の面白さと 軽妙さと重厚さが入り混じった演出の妙、この調和が 劇団マリーシア兄弟の特長だろう。

院長は糖尿病にも関わらず 酒も煙草も嗜んでおり、その事実を息子は知らなかった。転落後の院長が漏らした言葉は、息子に跡目は継がせない。院長の机にも同様のことが書かれた「遺書」があるという。後継者争いの相手と思っている叔父に その気はなく、息子の一人相撲である。
それを知って、息子の態度が変わるのか否か、その後の展開…夕方から始まる院長指名会議が気になる。この公演の続きが観たいのだが…。
次回公演も楽しみにしております。
モモ

モモ

かわさき演劇まつり実行委員会

川崎市多摩市民館(神奈川県)

2023/07/29 (土) ~ 2023/07/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 市民が演じるのが基本の演劇祭でここまで凄い仕上がりになるとは! お見事、今後も川崎演劇まつりには注目したい。

ネタバレBOX

 いわずと知れたミヒャエル・エンデの作品。大人も子供も楽しめる作品なので観客も親子連れも多く908名収容の大ホールもほぼ満席。キャストは市民からの応募も多くWキャストとなっているキャラもある。楽日の15時半開演・トケイ組を拝見。第1場と第2場の間に15分の休憩を挟み18時10分終演の2時間40分の大作。シンメトリックな舞台美術は中央に天地逆U字型の穴が開き上手、下手に階段の付いた円形劇場、ローマは支配する各地にこのような競技場兼劇場や水道橋を創り2000年以上を経た現在も尚多くの建造物がローマの支配したヨーロッパ、中東、アフリカ各地に残る。今作に登場する建造物もその1つ。物語は主人公モモの暮らすこの場所と、人々の奪われた時間を取り戻す為、亀のカシオペイアに導かれたモモが出掛けてゆくマイスター・ホラの支配する時空、そして人々の暮らす街で展開するが、ホラの支配する時空内では大きな時計が下手階段辺りに設えられて臨場感を増すし、街の様子はレストランを経営するニノの店を中心に展開する場面が多い。敵役となる灰色の男たちは、時間泥棒とも称され人間がその本性の一部から生み出してしまったかともとれるほど本質的な人間の弱さか生んだ虚体ではあるものの、一旦生み出されてしまった虚体は却って人間を支配する強力な力となり人間から自由な時間を奪い収奪することで、本来人間の持っていた人間らしさや永続的可能性を収奪する機構として機能する。ハイデガーが「存在と時間」で人間の本質を解き明かそうとしたように人間存在の根底に横たわる大問題に対するシュタイナー学院出身のエンデの挑戦である。
 セットの使い方や照明の用い方が実に的確でうまい。出演者60名以上という大所帯をヒロイン・モモや主要脇を中心に演出家が実に手際良く上手く差配し、何より4か月の稽古中本番を意識した見稽古で出演者各々が、自分が出ていないシーンでも気を抜かず一体感を醸し出すことに成功した点でも素晴らしい。(この指示を稽古初日に出している脚本演出家・(東京ハンバーグの)大西 弘記氏の慧眼を称賛したい。ファーストシーン、ベッポが掃除したシーンの直後に街の人々がモモを発見するシーンでは、ベッポ直後のシーンに対照的な照明を用いてオープニングで観客を驚かし、演劇に引き込む見事な手法を見せてくれる。オープニング直後で、素人らしい若干間(ま)の乱れるシーンがあったものの、その後はグングン調子が上がって群集劇としての素晴らしさも多く見られた。また、原作でエンデが最も訴えたかった内容をキチンと掴んだうえでベッポ、ジジ、マイスター・ホラ、亀のカシオペイアら主要キャラやニノ、ニコラ、フージー、リリアーノ、ビビボーイら脇、街の人々や子供ら群像をきめ細かい配慮で統合制御し分かり易く大人も子供も楽しくみることのできる極めて哲学的本質的でありながら一見何気ないファンタジーに仕上げた手腕が素晴らしい。出演した皆さんの集中力、一体感も素晴らしかった。無論、裏方を担った方々の対応もグー。是非、また川崎演劇まつりを拝見したい。
みんなのえほん

みんなのえほん

9-States

小劇場B1(東京都)

2023/07/26 (水) ~ 2023/07/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/07/29 (土) 19:00

価格4,300円

小劇場B1です。いつも舞台側からどっちへ座ろうか考えます笑
なるべく手前側に座っても、見たいときに役者の表情が反対側へ行ってしまったりして。
この劇場の面白いところでもあるのですが。

今回の「みんなの絵本」
絵本作家としての幸せが「グリム賞を取る」という表向きの動機に振り回され、
余命宣告中なのに、彼女は絵本を描く。絵本を描かなければ、存在価値がない。
担当者は自らの私欲の為、共に世界一の優しい絵本を目指そうと続ける。

これはもう洗脳だよね。そもそも世界で一番優しい絵本って何でしょう?
ピエロの猿が出てきて本当に感動するのでしょうか。カオスな作品。

ネタバレBOX

チケットがステッカーになっているところ。作品の挿絵が素敵です。掴みはバッチリ!

ヒューマンドラマとしての内容ですが、もう少しリアリティが欲しい。
いろはの病名は過労?ツッキーと同じく白血病なのか、どうして余命半年なのか。
絵本をダメ出しする黒崎の意図も、イチ観客としてはもっと共感したかったかな。
結局は絵の雰囲気なのか。何をもって優しいのか・良作なのか。なんか切り口が浅いんです。
いろはの素晴らしさを台詞として伝えるだけでは、受け取る側からすると優しくはない…弱いです。
ダンスを後半に組み込むなら、絵本の魅せ方と共にキャスト全員で途中にパフォーマンスしても良かったかなと。

最後のシーンでは、新しい患者さんとして新人作家になった正岡さんが登場するのですが、
こんなブラック企業で良いのかよってくらい、絵本業界やばいってなりました笑
畑は違えど同じくコンクールを受けたりする身としては、ちょっと無理くり感の否めない作品に私は感じます。
『A LITTLE FALL OF RAIN』

『A LITTLE FALL OF RAIN』

音楽集団「フェルマータ」

広島市東区民文化センター・ホール(広島県)

2022/10/10 (月) ~ 2022/10/10 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

レミゼラブル大好き

痙攣!瘡蓋定食

痙攣!瘡蓋定食

ゴキブリコンビナート

川口市某所(詳細はお問い合わせください)(埼玉県)

2023/07/28 (金) ~ 2023/07/31 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

ゴキコンさん、これで6回目の参戦。
こちらの会場は初めてなので緊張しました。。。
ストーリーは毎度のこと置いておいて
今回も足場のパイプが芸術的な組まれ方をされていて関心しました。

ただ会場が炎天下のムシムシでして、もう少し何とか出来るのではないかと思った。
誘導スタッフが、レインコート着てた客が暑さで昨日倒れたと
なるべく着ない方がいいのと水分補給を促してましたが
近くのレインコートの男性倒れましたよ。。。
コンプラを無視とかいう話しじゃなくて、2階から1階に落下した場合どうなんだろう?と恐ろしくなりました。
一切の責任取らないのを承諾と言っても
万が一の場合は、そんなこと言ってられなくなると思う。
汚れる程度と思って参加出来ないなと感じた。
お客の反応も開始30分程度で、みんな暑すぎて無反応になってましたが気付いてるかな?

貧民窟サバイバル

貧民窟サバイバル

ゴキブリコンビナート

北千住BUoY(東京都)

2022/04/21 (木) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

これで5回目のゴキコンさん鑑賞だと思います。
ストーリーというより、いつもセットと小道具大道具すごいなと感心してます。
今まで見た中では、これが1番好みでした。
めちゃくちゃ風ですが、お客さんの誘導やら関心します。

みんなのえほん

みんなのえほん

9-States

小劇場B1(東京都)

2023/07/26 (水) ~ 2023/07/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

生死について、色々考えさられました。

ネタバレBOX

生きる事とは?死ぬ事とは?
余命宣告された時、如何に限られた時間を使うか?医師や周囲の人々は、どう接するのか?
自分ならどうするのか?…色々考えながら、観劇できました。
これが戦争だ

これが戦争だ

劇団俳小

ザ・ポケット(東京都)

2023/07/22 (土) ~ 2023/07/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

出演者4人の演技が、素晴らしかったです。
改めて、戦争について考えさせられました。

ネタバレBOX

アフガニスタン戦争からの帰還兵…カナダの兵士たちがインタビューに応える、合同作戦中の出来事の再現。
焦点がぼやけた感は否めませんが、戦争中の精神状態はよく描かれていたと思います。
まほろば異聞

まほろば異聞

演劇集団☆邂逅

天満天六・音太小屋(大阪府)

2023/07/08 (土) ~ 2023/07/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

楽日観劇。
歴史上、悪名高い蘇我氏三代·馬子、蝦夷、入鹿の異聞…
歴史は常に勝者の物(確かに蘇我氏の悪者捏造疑惑がアチコチに)。
乙巳の変の真実とは…
丁寧に作り込まれ、歌も踊りも美麗で見入った。
とても7人で演じられたと思えない!
引き込まれた。

夜、ナク、鳥

夜、ナク、鳥

カラ/フル

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2023/07/07 (金) ~ 2023/07/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

楽日観劇。
閉鎖的なナースの世界。
悪女ヨシダの闇を影法師ツツミが更に深め、万年少女イケガミとイシイが落ちて…?
何度か拝見した演目だが、盲信に支配されてく末恐ろしさと日常の対比が絶妙。
ヨシダとツツミの因縁関係をもっと知りたいと言う衝動が…

メデューサ

メデューサ

橋田ゆういちろうのカンパニー

ACT cafe(大阪府)

2023/06/29 (木) ~ 2023/07/06 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

これで最後?の松井の前説、そして「チョけたコント」堪能した。

コントなのに超豪華すぎる役者陣、
コントなのにキレキレのダンス、
コントなのにオドロオドロしいメデューサ、

そしてお子様が多数観劇…
なのに「チンポ〇」連発!
愉しかった。

ちゃうかって200色あんねん

ちゃうかって200色あんねん

劇団ちゃうかちゃわん

大阪大学(豊中キャンパス)(大阪府)

2023/07/01 (土) ~ 2023/07/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

楽日観劇。
4本のオムニバス。

■オレンジ
家族+αのヌル~い笑い、好き😆

■香夜
新人作家家族…祖母の愛は絶対!
泣いた😭

■怪盗とその考え方
こちらもヌルいが、遺失キャラが👌

■怖い話でもしよう
どこまでもオフザケなのに怖い!
流石👍

新人さん20名との事、今後も楽しみ!

デア・グロスマンと三人の魔女

デア・グロスマンと三人の魔女

劇団ショウダウン

難波サザンシアター(大阪府)

2023/07/01 (土) ~ 2023/07/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初日観劇。
3年ぶりのショウダウンさん、語り口調がナツメさんだと勝手に感激!

今作は3人(ムッチャ)多役で、まるで3人分の1人芝居を一つの芝居にした様な、盛り沢山の内容。

女性3人の波乱万丈人生が一つに交差するナツメ展開は見物。
良かった!

SHINOBI SASUKE

SHINOBI SASUKE

劇団そとばこまち

ABCホール (大阪府)

2023/07/01 (土) ~ 2023/07/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初回観劇。
前々回"幕末"に続き、女流殺陣を堪能。
今回は勢いのある和楽器生演奏とのコラボで更に華やかに!

物語的には格好良い幸村·秀頼vs極悪家康に、佐助·才蔵vs半蔵·八雲が絡む分かり易い構図で、兎に角、艶やか!

45周年記念第二段・女流佐助、楽しかった。

バナナの花は食べられる

バナナの花は食べられる

範宙遊泳

KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)

2023/07/28 (金) ~ 2023/08/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

さすがの受賞作。3時間程の長尺であるが、セリフは実に決まっているし、演出もユニークで、全然飽きずに入り込んでしまいました。

Sign of the times

Sign of the times

オフィスプロジェクトM

Paperback Studio(東京都)

2023/07/27 (木) ~ 2023/07/31 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

3作品とも深く言葉選びが良かったが、それが私にはわかりにくく入っていけなかった。
3人の演者さん皆さん熱演で素敵だったので理解力の低い私が駄目なんだろうな。

燦燦SUN讃讃讃讃【1月7日~9日公演中止】

燦燦SUN讃讃讃讃【1月7日~9日公演中止】

かまどキッチン

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/01/07 (土) ~ 2023/01/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

超大量・超高速消費、高速廃棄。ドンドンガラガラドンガラガラ。
激しい都市再開発。喪われて二度と戻らない風景。
駆け足過ぎる正しさ、便利の進歩。正しさについていけない生き難さ。

それでも四の五の言わずに這いつくばって生きるものたち。
転生したら○○でした。

と言うと重たそうだけど
実におもしろかった
凄くおもしろかった
楽しかった、笑った
身体能力に驚いた

こんなにも《気持ちが良い!》と感じた劇は初めてかも。
大好きです。

舞台美術、セット、劇場の造りの活かし方が凄く良かった。
かっこいい、言えばオシャレ。そこに散っていく紙紙紙紙
(333-3333 紙=し 444-4444🤔❓)

効果的に使われる電子機器。ふと思えばこの舞台上とて
と言うような事も思ったり。

藤家矢麻刀さんが好きで、彼をキッカケに今回訪れた感じですが
存じ上げなかった皆々様方もとてもとても魅力的で
中でもフランネルスタンドカラーシャツさん(⁉️)は
瞬間的な視覚の楽しさもモリモリで、身体と十分な能力がある動きは
こんなにも良いアクセントになるのかと感じたりもして。

それで、光がめっちゃ良かった。照明!めっちゃ良かった。
こういう照明大好きです。

バクは夢以外も喰う

バクは夢以外も喰う

劇団天文座

天文座アトリエ(大阪府)

2023/07/29 (土) ~ 2023/07/30 (日)公演終了

満足度★★★★

内容はあるあるだけど、クオリティはそれなり まだ不満足なところもあるが、カンパ制にしても良いと思う 維持費が負担できず、解散されても…
今後も追いかけて行きたい劇団だし、今回のように夢を追いかけて欲しいです

SUN ON THE CEILING@ありがとうございました!

SUN ON THE CEILING@ありがとうございました!

劇団マリーシア兄弟

シアター711(東京都)

2023/07/29 (土) ~ 2023/08/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/07/30 (日) 13:00

ダブルキャストの「快晴」チームを拝見。
従来の「ナチュラルな演技と会話劇」路線は維持しつつ
客演を多数入れて出演人数も倍増、結果格段にパワーアップしている。
バラエティに富んだキャラの配置とラストで鮮やかに伏線を回収するところはさすが。
若干”チカラ技”的なところもあるが、ハッピーエンドの幸福感で楽しかった。
客演の面々がまた巧いので良い化学反応が起こった感じ。

ネタバレBOX

創立80年の総合病院の会議室(休憩室?)が舞台。
病院は今、創立以来最大の危機に直面している。
救急搬送されて来た死刑囚の脱走!?
大物政治家の手術は医療ミスか?
院長の死は自殺か他殺か?
そして次期院長にはあのバカ息子がなるのか?

院長の遺志を尊重するべく奔走する律儀な事務長や
院長になるつもり満載のバカ息子、
6人の医師と研修医ひとり、
そして医療ジャーナリストが、この部屋に集う。

彼ら一人ひとりが抱える背景に、現代の医療問題が上手く織り込まれている。
紛争地域での医療活動の限界や、救命救急の現場の厳しさ、
認知症のこと、子育てのこと、ひとり親のこと、ねじれた恋愛問題・・・。
病院の中でも外でも、みんなシビアな現実を生きている。

それら個々の事情をどうやって語らせるか、がいつもマリーシアの腕の見せ所だが
今回は「空気の読めない天然研修医」を持ってきたところが成功している。
普通なかなか聞けないことでもストレートに質問してしまう。
また嫌味のないキャラなんだな、これで話はスピーディーに展開する。

そしてもうひとり、医師を辞めて医療ジャーナリストになった男。
この一見クールな男が、実はこのストーリーを回していく重要人物で、
彼の「真実を知りたい」という情熱がトラブルを解決に向かって転がしていく。
6人の医師たちが個性豊かで人間味があるところがとても良い。
過酷な現場で働く彼らは皆、どこか弱くてやさしいところを持っている。
あのバカ息子でさえ、最後には改心するのだから人は変わるものだ。

ただこの”改心”の動機が弱いのが残念。
もう少しバカ息子の心情に時間をかけても良かった気がする。
一番のトラブルメーカーがラストであっけなく大変身を遂げるのが少し物足りない。
登場人物の心情に変化が生じる場面は、作品のハイライトのひとつだから。

客演の方が皆さん巧いので強烈にメリハリがついた。
いつものマリーシアとはまた違った演出がとても新鮮。
時には大声でやり合う場面もスッキリしていいなあと思った。
事務長役の三上潤さん、バカ息子を演じた日下諭さん、振れ幅大きくて素晴らしい。
ジャーナリスト役の佐々木祐磨さん、膨大な台詞と終盤の涙が強く印象に残る。
天然研修医役の三原大和さん、あれは素でしょうか(笑)

この人数にこれだけの豊かなキャラを創り
問題解決に向けて走らせる脚本の力が素晴らしい。
演出にスピード感とメリハリがあって舞台がドラマチックになった。
最後にちらりと大浦さんが登場して嬉しかった。

劇団は「こどもといっしょ」企画など、やさしい試みも始めている。
劇場の階段を上がると、赤ちゃんをだっこした女性スタッフさんが
にこやかに立ってた。
劇団もメンバーも、作家も作品も、変化し進化していくんだなあ。
次もその次も、また楽しみにしています!





女装、男装、冬支度

女装、男装、冬支度

FUKAIPRODUCE羽衣

吉祥寺シアター(東京都)

2023/07/21 (金) ~ 2023/07/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

いつ観たのか忘れてしまったが、珠玉のナンバーを再び堪能することができて幸せ。
大谷よりも三苫よりも観る者を熱くさせるのは、やっぱり“羽衣”!!

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