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熱の華

熱の華

セカイアジ

OFF OFFシアター(東京都)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/22 (水)公演終了

満足度★★★

確かに昼ドラ&火サス。
シュールな昼ドラ、不条理な火サス。

確かにその通りでした。
久しぶりにこの手のものを観ました。

初めて「セカイアジ」を観ましたが、なかなかよくできていて楽しめました。
今後に期待です。

堀川役の方がいい意味?で気持ち悪かったです。
あれは素なのか演技なのか一緒に観た友人と盛り上がりました(笑)

雪やこんこん

雪やこんこん

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2012/02/19 (日) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

ちょっと拍子抜け
駆け引きも何となく中途半端、残念でした。

ネタバレBOX

役者たちと元役者の女将との騙し合いの面白さが売りなのでしょうが、そんなに面白くもなく、女将が一座に加わるという結果も見えていてちょっと拍子抜けでした。
狂おしき怠惰

狂おしき怠惰

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/29 (水)公演終了

満足度★★★★

硬派ながらも楽しめる作品
前作で様々な賞を獲得し、現在岸田國士戯曲賞にもノミネート中とのことで興味を持ち、今回初めて観ました。
病院と製薬会社の関係を描いた物語から、医療のあるべき姿を考えさせられる作品で、休憩なしで3時間を超える上演時間を長く感じさせない静かな迫力がありました。

末期の癌で新薬の投与を受けている男が入院する病院を舞台に、男の家族や医師たちの様々な思いが描かれる前半と、その数年後、製薬会社の応接にて政治や経済との関係の中で医療はどうあるべきかが議論される後半との二部構成で、変に笑いを取ったりしようとせずに重いテーマを物語と演技の力だけで進めて行きながらも、社会派ドラマとしてただ問題点を掲げるだけの堅いものにはなっておらず、観客の心を引き込むエンターテインメント性も感じられるバランス感覚が素晴らしかったです。

丁寧に造り込まれたセット、分かりやすいストーリー展開、芝居掛っていない演技等によってすんなり物語の世界に入り込めましたが、リアリズムに傾き過ぎていて、見立てや省略といった舞台芸術ならではの表現があまり用いられておらず、演劇でなくむしろ映画やテレビドラマ向きな作品に感じられのが勿体なく思いました。

日常の会話と変わらないような抑えた声のトーンでありながら、はっきり聞き取れる台詞回しが耳に心地良く、絶叫するときとのコントラストも際立っていました。パンフレットを見ると役者たちの年齢はあまり離れていないのに、親子に見えたりとビジュアル面の作り込みも良かったです。

ナレーションと字幕が流れる数分の間に完全に別のセットに転換していたのが圧巻でした。どのような仕組みになっているのかとても気になりました。過度に劇的な効果を用いず、滑らかに明るさや照射位置が移行する照明も良かったです。
当日パンフレットも有料でも良いくらいのとても立派な作りと内容でした。

昆虫美学

昆虫美学

角角ストロガのフ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/02/15 (水) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

あゝ面白かった!
徹底した悪、醜悪の極み、こういうのも大好きです。

ネタバレBOX

徹底した暴力、通電って何のことかと思ったら電気を身体に流すこと、痛いんだろうな。徹底した言葉の暴力で連帯責任みたいにして逃げられなくしてしまう、追い詰められるとそうなってしまうのかな。

遺体を切り刻んだり、煮込んでジューサーで粉砕して捨てたり、遺体から油分を取り出してクリームを作ったり、醜悪!

張本人は爽やかさを売りにしているのっぺりした佐々木蔵之介が陰湿になったような感じでした。

こういうお芝居をする劇団がいくつかあるので、観比べていきたいと思います。
vision

vision

温泉ドラゴン

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2012/02/12 (日) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

満足度★★★★

印象が沁み入り刺さりこんでいく
観終わって、頭では飲み込めた物語があって
このように感じたというのはあったのですが、
それとは別の色の強さのようなものが
あとからどんどん沸いてきて・・・。

記憶におかれたものが
薄れていくのではなく
広がっていくような舞台でありました。

ネタバレBOX

真冬の公演なのに
冒頭の日差しが印象に残る。
男とそこに現れる女性、
それぞれに場の熱をすっと立ち上げる技量に溢れていて。

そこからの展開たとえば汗臭さのようなもの、
あるいは男たちの無骨さや純情さが
観る側を違和感なくその世界に引き込んでいく。
それぞれに「訳あり」であることは
容易に想像できるのですが・・・、
そのほどけ方がなかなかにしたたかで・・・。
でも、そのトーンにゆだねて舞台を見ているうちに
気がつけば
ある種の歪みというか狂気のようなものも
したたかに場に織り込まれていく。

鉄パイプの無骨な仕切りのニュアンスが
男の内心の切り分けとして浮かび上がって
物語の輪郭が観る側を閉じ込める。
それぞれの役者たちの描き出すものに
行き場を見失い
現実と妄想の端境を漂う感覚に
観る側が流されていく・・・。

うまく言えないのですが、
記憶のなかに現実と妄想が重ねられる中、
舞台からあふれ出すさまざまな質感があって・・、
その中に
抜き身のまま刀を包んだような危うさと
息が詰まるような重さと、
寄る辺を失ったような軽質さと
流浪感、
さらにはどうしようもない閉塞感などが
とても繊細かつ傍若無人に
乗せられていて・・・。
そして、それらは、
この座組みだからこそ表しえる感覚にも思えて・・・。

観る側を縛りつける力も強いのですよ。
女性の存在からあぶりだされるもの、
場を引き寄せるだけ引き寄せての
ぞくっとくるような啖呵の切れに
息を呑む。
男が幻覚のように観る同僚との空気に
釘付けになる。

狂気の果てを通り過ぎての
ラストシーン、
冒頭に戻っての強い光、そして役者達がかもし出す熱、
ループしていると思った刹那に、
さまようような
行き場のなさに取り込まれる。

観終わった直後よりも
時間がたってからのほうが
その感触の記憶は強くなって・・。

多少、間のとり方や、
会話のかかり方にラフな部分もありはしたのですが、
それらを一笑に付すほどに
強く、でもしなやかに
観る側に焼きつくような何かを持った
作品でありました。。








狂おしき怠惰

狂おしき怠惰

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

感動しました
3時間5分と言う時間が、長く感じないほどドラマに引き込まれました。
脚本も無駄なく分かりやすく様々な問題(ものすごくたくさんありました)をさらけ出していて、それを演じる役者たちもみな真剣勝負で、ハイレベルのお芝居だと感じました。

知らず知らず息を詰めていましたが、見終わった後は大きな深呼吸とともに温かい気持ちになれました。
いえ、けっしてそういう温かい(だけの)話じゃないと思うのですが、がんばって生きなきゃという気持ちになりました。

司役の役者さんの熱演素晴らしかったです。
お兄さん役や、他の役者さんたちもみんな素敵でした。
良いお芝居をありがとうございました。

ネタバレBOX

舞台セットも素晴らしかったです。病室のリアルさにも驚きましたが、暗転後にがらりと変わったのには目を瞠りました。

あれだけ長いお芝居で、場面転換の為の暗転がほとんどないというのも、すごいですね。

個人的にTPP参加後の保険医療について危惧していたので、あれだけはっきり言いきってくれるとスッキリしました。
友達にも勧めたいです。

お芝居と関係ないのですが、Tシャツ購入させていただきました。安いのにすごく立派で(生地が厚くてしっかりしている)、いい買い物しました(笑)
熱の華

熱の華

セカイアジ

OFF OFFシアター(東京都)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/22 (水)公演終了

満足度★★★

私の・・・
私のほうに原因があるのですが、時間軸について行けず、頭の中で整理しているうちに置いて行かれた感。すみません。
舞台も素敵ですし、役者さんも良かったです。
70年代の雰囲気は出ていました。学生闘争とかヒッピーとかフラワーチルドレンとか。

(以下ネタバレ)

ネタバレBOX

あの花の種(絶望)をばらまくことが、何故全世界の核排除につながるのかなと、堀川のやろうとしていたことの意味が良くわかりませんでした。
助手の女の子の「身体が笑っている」のも、副作用だと思っていたらそうじゃなかった。また、「時計をなくした」という会話の場面と時計を捨てた場面は、当然捨てた時間の方が先だと思うけど、そう考えると・・・・・・などなど混乱してしまい、かってに謎が謎呼ぶ状態を脳内で拵えていたために、ラストはかえってあっけなく「え、これで?」とか思ったのが自分的敗因です。

2回見たら、もっと楽しめると思います。

刑事さん、ケンドーコバヤシっぽかったです。
堀川さん、ものすごく細くて異様な感じと、毎回同じように振りまわす握りこぶしが良かったです。
狂おしき怠惰

狂おしき怠惰

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/29 (水)公演終了

満足度★★★★

休憩はほしいかも
とはいえ、緊張感の続く芝居。途切れることなく最後まで堪能した。こういう系統だったのか。。話題の劇団だったので見れてよかった。次の作品も期待したい。

ワンダース・インベーダー

ワンダース・インベーダー

ジャイアント・キリング

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2012/02/17 (金) ~ 2012/02/21 (火)公演終了

満足度★★★★

気楽に見たら楽しい芝居
でも、真面目にみたら憤るかもしれません。

台詞で説明する部分が多かったので、そこがちょっとダレました。
役者の皆さんにはとても好感をもてました。
開演が5分遅れたことを終演のあいさつで謝られましたが、5分遅れはデフォだと最近は思っていたので、ちょっと感激しました。
で、☆一つプラス。

ネタバレBOX

真剣に考えたら人間がペット化されるという嫌な話なんですが、全体的にリアリティがないので、楽しく見ました。
サンソンくんが石原さんに連れて行かれたというオチに笑いました。

正直、ストーリーは昔からある話で、ちょっと古いかなと思いました。

三婆のひとり(メガネをかけていた人)がとても良かったです。
ああいうおばあちゃん、います。
熱の華

熱の華

セカイアジ

OFF OFFシアター(東京都)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/22 (水)公演終了

無題303(12-056)
19:30の回。18:30受付(整理番号付前売券)、19:00開場で10番ごとに入場。1列目座布団、2列目以降背もたれあり、お客さんいっぱい。「All You Need Is Love」は67(昭和42)年、学生運動だと68年頃、「ノルウェイの森」も同時期、そんな雰囲気と演技。川沿いの建物、2階があって、窓を開けると車や列車の音が聞こえてくる、ラジオ、謄写版、黒電話、ヒッピー風の出で立ち、振る舞い。らしさ、がよく出ていたと思います。特に星さんが演じた「堀川」、いい味出してます、ちょうどこんなイメージです。革命、オルグ、フラワーチルドレン、いかれぽんち、インド、アジ調のセリフ。
下手、(見えませんが)2階へ通ずる階段、キッチン、テーブルとソファに丸椅子、ガラス戸の向こうはベランダ、すぐ下に川。ラジオ、椅子。上手、玄関へのドア、コート掛け、壁一面妖しい模様が。19:36開演〜21:13終演。

ネタバレBOX

放射能の扱い方、この時期いかがかと思うのですが…当時はこの程度の理解が一般的だったという前提の表現ならなんとなく分かる気もする。検索してみると、日本初の商業用原子力発電所は「東海発電所」で66年に営業運転開始とありました。で、これは「マッドサイエンティスト」路線かと思ったらそうでもなく、「葉」がニョキニョキ成長するのをみて(年代的に)「ウルトラQ」かと思うものの違いましたね。当時の風俗を丁寧に描くことによってお芝居は十分成り立つでしょうし…なので「葉」は何だったのか…CO2と植物、温暖化でもない。

なぜこの家の2階なのかとか、紅茶?とか、これだけ繁ったら目立つでしょとか…、葉ッパはドラッグでもいい、川に飛び込んじゃうし、捜査ではなくただの密会だったのかとか、時計は何?とか、あれだけ大騒ぎしたあげく(そんなシーンはないけど流れ的に)爽やかに去って行くし…

芦屋が帰ってくる、刑事がくる、葛葉とのやりとり、堀川はインドへ、行方不明者の捜索(ここがわからない…身寄りがなければ捜索願いは出されないだろうし、誰もしゃべらないはずだし、阿部の個人的な感情からなのか?)、川へ…など、時間が行き来するので、少しわかりにくい、
(勘違いあるかも)

壁の模様…最後、とても良いですね、幻想的、意表をつかれました、完全に。
ワンダース・インベーダー

ワンダース・インベーダー

ジャイアント・キリング

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2012/02/17 (金) ~ 2012/02/21 (火)公演終了

とにかくもったいない
「誰からも必要とされてないんじゃないか?」という現代の都会に生きる人の苦悩というのは出ていたと思うけど…。
設定がとてもいいだけにもっと面白くなれると思う。とにかくもったいない。
次回作に期待。

ネタバレBOX

地下で光っていたのはなんなのか、教職希望のノブは夢を諦めたのか、皆が現実とむかえあえたのか、登場人物が多過ぎるし、とにかく「?」が多過ぎ。観終わって大いにストレスがたまる。
ま、コメディじゃないよね。
ミュージカル「テニスの王子様」 青学vs六角

ミュージカル「テニスの王子様」 青学vs六角

テニミュ製作委員会

TOKYO DOME CITY HALL(東京都)

2012/02/09 (木) ~ 2012/02/12 (日)公演終了

満足度★★★★

大千秋楽
 面白い。
 しかし、この面白さをどう伝えたらいいものか、言葉の選び方次第では、ただのギャグのように聞こえてしまいはしないかと危惧するのである。
 CoRichには小劇場ファンは多くても、演劇全般のファンは少ない。許斐剛原作の『テニスの王子様』を未読の人も多いだろうし、これまでのあらすじを説明するだけでも手間がかかる。ましてや、そのファン層の中核を成す「腐女子」の説明までし始めたら、とんでもない長文になってしまう。
 ここはもう、「この手の世界」をよく知らない人は、とりあえず、この『ミュージカル・テニスの王子様(愛称:テニミュ)』が、2003年より連続公演を繰り返し、日本では例を見ないヒットシリーズになっていること、その魅力は決して原作ファンのみが楽しめる狭い世界に留まるものではないということを理解してもらいたいと思うのだ。
 俳優たちはみな新人である。演技は決して巧くはない。しかし、このミュージカルを成功に導いているのは演技の巧拙ではない。青春の情熱を、彼ら若手俳優たちが自ら体現してくれているからだ。心の赴くままにジャンプしダンスする、その汗と涙が観客の心を打つからなのだ。本気で踊っているから、息は切れる、音程は外れる。でもそれは口パクじゃない、彼らが「本気(マジ)」だという何よりの証明ではないか。
 原作マンガで、故障してもなお試合に出場、勝利した選手がいたように、実際の舞台でも、足をケガしながら公演中、痛みに耐えつつ連日踊り続けた俳優がいた。
 作り物ではない、本物の「青春」を、我々は『テニミュ』の舞台に見ることができる。日本の三大ミュージカルは、劇団四季、東宝ミュージカル、宝塚歌劇団だとよく言われるが、前二者が海外の「借り物」ばかりであるのに対して、『テニミュ』は純然たる和製ミュージカルである。その事実はもっと声を大にして指摘してよいことではないだろうか。

ネタバレBOX

 1st..シーズンの放送をテレビで観たのはもう十年近く前になるのか。
 何の気無しに観てみただけだったから、その斬新な演出には度肝を抜かれた。既にテニミュファンが散々指摘していることだが、テニスのラリーをピンスポットの照明で表現、これが本当にボールが飛んでいるように見えるから、まるで魔法だ。
 もちろんミュージカルだから、歌とダンスは欠かせないが、これが試合で窮地に陥った時に一曲歌うと、そいつは格段に強くなるのである。ミュージカル嫌いはよく「いきなりの歌い出し」が不自然だと文句をつけるが、歌って強くなれるのなら、そりゃ歌うだろう。いや、別にそんな設定があるわけではないが、「そのように見える」ことが重要なのだ。
 なぜ、『テニスの王子様』を、通常の映画や演劇ではなく、ミュージカルにしようと発想したのか、もちろんそこには新人売り出しのための商売上の原理が働いてはいるのだが、それが結果的にはこのシリーズに、他の舞台とは一線を画した斬新さを与えることになった。
 「商売上の原理」と書きはしたが、ただ新人を売り出すためなら、まずは俳優ありきのキャスティングになっていただろう。しかし、オーディションで選ばれた歴代のキャストは、いずれもまるで原作から抜け出てきたようなそっくりのイメージの俳優ばかりで、制作者たちが、この舞台を成功させるために何が肝要であるかを知悉していることが見て取れる。
 小越勇輝くんの立ち姿を見れば、ここに越前リョーマがいる、と誰もが感じるはずなのだ。

 今回の「青学VS六角」編は、いきなり部長の手塚国光(和田琢磨)のリタイヤから物語が始まる。
 手塚は、先の氷帝戦で肩を痛めて治療に専念することになっていた。
 俳優が新人ばかりだから、全体的に演技は拙いと書きはしたが、試合に出られぬ苦悩を手塚役の和田くんは、抑制の利いた静かな演技で好演していた。ライバルである氷帝の跡部景吾(青木玄徳)が、イケメンだがナルシストのお笑い担当なので(何しろそのカリスマ性ゆえに森の動物たちまで後を追いかけてくるのである)、手塚の苦悩は反作用的に深刻に見える。

 次の対戦相手、実力高である六角中を、手塚不在のままいかにして倒すか。青学メンバーは、みな敵の意表を突く攻撃に翻弄されることになる。
 マンガが原作であることの「強み」は、ここで一段と発揮されてくる。ライバルの六角選手たちが、みなキャラクターとしてエキセントリックで、決して一筋縄ではいかないことをその大仰なまでのデザインや、台詞や演技で体現してくれているからだ。まあ、天根(木村敦)のダジャレはことごとく滑っていたけれど(「爺さんなのにババロア」だよ)。
 六角選手中、誰が最強かって、そりゃ部長の葵剣太郎(吉田大輝)だ。テニスをやってる動機が「女の子にモテたい」だもの。ストレートにもほどがある。対する海堂(池岡亮介)は「やつには何か信念を感じる」なんて言うんだが、それ、煩悩ですから(苦笑)。
 こういう下品なキャラは、女の子からは絶対に人気が出ないので、演じる吉田くん、ちょっと割に合わない役をやっている。ところが彼がカーテンコールでその天然ぶりを発揮して、場を攫っちゃったから面白い。和田くんを役名じゃなくて「和田部長役の」と言っちゃうし、今回が初参加で「付いていけるか(不安だ)な」と言うべきところを「追いついてこれるかな」と言っちゃうし。
 腐女子諸君も、イケメンばかりをフィーチャーしないで、吉田くんにもエールを送ってほしいものだ。

 物語は、敗退した氷帝が推薦枠で再び参戦することと、リョーマの次戦への決意を示して終わる。
 今回、リョーマの見せ場がほとんど無かったのは残念だが、『テニミュ』はもちろんこれで終わりではない。リメイクという形で2nd.シーズンに入っているが、原作はさらに続編も描かれている。3rd.シーズンばかりでなく、新シリーズもまたきっと立ち上がってくるはずだ。
 彼らの熱い青春は、決して終わらない。

 福岡では、キャナルシティでの生公演もあったのに、ライブビューイングで大千秋楽を観ることにしたのは、カーテンコールでの彼らの「絆」を観てみたかったこともある。
 青学も、氷帝も六角も、彼らは素でもチームだった。言葉は拙い。みんな「ありがとう」としか言えない。でもそれで充分ではないか。次回公演は全キャスト大集合の「大運動会」。さてこれはライブビューイングがあるのだろうか。
楽園!

楽園!

工藤俊作プロデュース プロジェクトKUTO-10

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/02/15 (水) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

満足度★★

フツウ以外の全部
「解放」と「楽園」をキーワードに、平凡や普通を突き抜けたものばかりがごちゃまぜになって、その雑然とした感じの中で、色々な答えが一気に提示されて、訳分からなくも楽しかった。

昆虫美学

昆虫美学

角角ストロガのフ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/02/15 (水) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

しかし
怖かったです。

ノートルダム・ド・パリ

ノートルダム・ド・パリ

牧阿佐美バレヱ団

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

満足度★★★

エキサイティングなビジュアル表現
ヴィクトル・ユーゴーの長編小説の一部を昨年亡くなったローラン・プティがバレエ化した作品で、クラシックバレエでは用いられない動きも多く、モダンな感じでした。悲しい物語ですが、視覚的には賑やかで楽しかったです。

主要登場人物4人の内、女性は1人だけで、男性だけの群舞も多く、女性的で優雅という一般的なバレエに対してのイメージとは毛色が異なっていました。

エスメラルダを演じたボリショイバレエのプリンシパルであるマリーヤ・アレクサンドロワさんは立ち姿だけ圧倒的な存在感があり、難しい動きでも軸がぶれずに完璧なバランスを保っていて素晴らしかったです。カーテンコールでの余裕と可愛らしさを感じさせる振る舞いも魅力的でした。
カジモドを踊った菊地研さんは常に右肩を吊り上げた状態ながら軽やかに踊り、感情が伝わってくる演技でした。
打楽器協奏曲と言っても良い程に活躍する打楽器群の変拍子のリズムに乗って群舞があるときはゾンビの群れのように、あるときはキビキビと踊るのが気持良かったです。

舞台奥が階段上になっていて所々に開いた穴から床下で行き来できるようになっていたり、階段の手前に可動式のステージが暗転しないで両サイドから出てきたりと、バレエにしては大掛りなセットが目を引きました。
イヴ・サン=ローランによる衣装は有名なモンドリアン・ルックや、とても背の高い帽子、鮮やかな色彩など、当時のパリのモードの雰囲気を感じさせ、楽しかったです。

それぞれの要素はレベルが高いのにも関わらず、それらがドラマとしての表現に結び付かない感じがして、あまり心動かされれなかったのが残念でした。

空飛ぶ本屋さん

空飛ぶ本屋さん

激団しろっとそん

MOVE FACTORY(大阪府)

2012/02/17 (金) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★★

イキイキと演じているのが気持ち良かった♪
なかなか見応えるのあるちょっと不思議な話しでどんどんと惹きつけられます♪

同じ空間を共有して楽しむ雰囲気ができていたので自然と笑いが(^^)
(前回公演はブログでも書いてますが少し距離感がある様に感じるました)

一人ひとりのキャラも個性的でなんと言っても魅力的(^^)
ちょっと噛んだり、気になる部分もありましたが熱さでカバーして突き進む!

その中でも主役のぼんてんべすさん!
子供のあどけなさや話し方をすごく魅力的に表現されていてドンピシャのハマり役!
だから凄く可愛く見えてしまうんです♪
失礼ながら前公演での印象があまりなかったのでビックリ\(^o^)/
この公演で辞められるとの事ですが私みたいなロリコンではないのですが
役が?可愛いと思った人もいた事を心に刻んで頂ければ幸いです♪
ぼるんさんのミニスカートも気になったただのオヤジですが…(^_^;)
(お父さんごめんなさい…)

あの小さな空間を不思議な雰囲気で包み込む心温まるお芝居でした♪

ラストは話しが見えていた分、見せ場である本をバラまくシーンは
光輝いてもっと派手にしても良かったたかも…
(掃除は大変ですが…)

何より役者さんがイキイキと演じているのが気持ち良かった♪

次回もますます期待が膨らんで愉しみ(^^)

昆虫美学

昆虫美学

角角ストロガのフ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/02/15 (水) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★★

今年最初の衝撃作
「北九州監禁事件」。
この演劇の元ネタの事件を俺は、わずかながらに知ってはいた。
しかし、この事件に報道規制が敷かれていることは知らなかった。

芝居を見ていくにつれて、昔の記憶が、ニュースの記憶が思い出していく。
だか、それ以上にこの事件の細部は恐ろしい。
ポツドールの三浦ですら、ここまでは出来ない。

正直、芝居そのものの脚色もある。
そこは脚本家の描きたい意志だ。それは止められないし、大事なものだ。

だけど、もし、この演劇に衝撃を受けたなら。

是非、この事件を調べてほしい。
そして、一緒に、スタンレー・ミルグラム「服従の心理」を読んでほしい。
そして、もし、あなたが幸運にもwiiを持っているのなら、
2009年に発売された「ディシプリン*帝国の誕生」をプレイしてみてほしい。

事件は、ニュースで報道されて終わりにしてもいい。
でも、そこには闇がある。間違いなくある。

その入り口が間違いなくこの芝居にはあった。
そしてその闇の底から、俺はこのレビューを書いている。
いまだ俺は脱出ができない。

イデ版 裏蒲田行進曲』 ありがとうございました!無事全公演終えることができました。怪我人多数ですが生きて終えることが出来たことを感謝いたします。

イデ版 裏蒲田行進曲』 ありがとうございました!無事全公演終えることができました。怪我人多数ですが生きて終えることが出来たことを感謝いたします。

獏天

Geki地下Liberty(東京都)

2012/02/17 (金) ~ 2012/02/26 (日)公演終了

満足度★★★★

は~、面白かったけど
疲れました・・・・・。始終テンションMAXで、その中にもうるっとするシーンや殺陣も満載。映画のハイテンションをそのまま舞台に持ち込んだような感じでしたね。映画ではよく分からなかった小夏の感情がすんなり理解できてすっきりです。これは何というか・・・・男と女、スターと大部屋俳優、加虐と被虐などの感情が二重三重になった入れ子劇で、一瞬人間の感情の深遠を覗いたような気がしました。

不機嫌な子猫ちゃん

不機嫌な子猫ちゃん

水素74%

アトリエ春風舎(東京都)

2012/02/15 (水) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★

Xに比べて
戯曲のリアリティが落ちた。
演技のレベルもかなり落ちた。

エレンディラ

エレンディラ

ホリプロ

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2007/08/09 (木) ~ 2007/09/02 (日)公演終了

満足度★★★★

極彩の神秘
マルケスの作品は不可思議な出来事に満ちている。
圧倒的な色彩に紡がれる情景はしかし奇妙なリアルさも伴う。
西洋から見た東洋同様に、そこには南米の神秘が潜む。

己の過失から祖母の家を燃やしてしまったエレンディラは、
娼婦となり砂漠のテントで日夜客を取りその負債を返すことを余儀なくされる。
そんな中、西洋人との混血の青年ウリセスと出会い自由への逃走をはかるのだが・・・。
ウリセスはダイヤの種子を持つオレンジでエレンディラを
誘惑する。
聖書にある禁断の果実はオレンジだという説がある。
またウリセスは蛇を使い薬を売り、自身も地にはいつくばる。
彼を蛇になぞらえると、おもしろい解釈ができると思う。
南米の神話を思い出してみる。南米神話で有名な神に
ケツアルクァトルがいる。彼の別名は「翼ある蛇」だ。
そして白い肌をしている。
そうなるとウリセスとイメ-ジが被らないだろうか。

西洋と南米の狭間、人と天使の狭間、青年と少年の狭間、
現実と空想の狭間。狭間に産まれたウリセスは現実で苦しむ
エレンディラを救う唯一の縁なのだ。
しかし、二人は愛し合い互いを必要としながらも結ばれない。
どんなにウリセスがエレンディラに添おうとしても、
彼女は一人でいってしまう。
彼女の真の願いは依存からの脱却、
一人は嫌な自分から一人で生きていける自分になりたいのだ。
エレンディラにとってのウリセスの愛の成就はそれを成し遂げてくれることだったのである。


マルケスの不可思議な世界をダリなどのシュルレアリスムに例えるのをよく聞くが、それよりも血の通った
暖かい泥臭い躍動感を私は感じる。
シュルレアリスムは人間の生み出した超現実であるが、
南米のそれは自然が生み出した超現実なのだ。


蜷川が付け加えた最後の場面は蛇足と感じる人もいるだろう。
しかし「タンゴ・冬の終わりに」を見た後だと、
蜷川にとっての孔雀の解釈、象徴についてさらに
考えさせられてしまう。
Aかと思えばB。
Bかと思えばA。
理想か屑か。
あえてウリセスを孔雀にしたのは何故かを考えると、
蜷川先生のエレンディラの解釈が見えてくる気がする。


演出的な部分では、薄いカ-テン越しの舞台は一枚の絵画を見ているようで良かった。
舞台の奥行きをいかし、乗り物や移動を多く使ったのも
劇場ならではなかっただろうか。
音楽も哀愁に満ちていて耳に残った。

役者にしても、ウリセスの少年然としたいたいけさ、
エレンディラの清烈な色気、
祖母の愛嬌ある化け物っぷりが良かった。

特に祖母のインパクトは絶大で、やることなすこと
無茶苦茶であるにも関わらず愛おしくなってきてしまう。

エレンディラは原題は
「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」というのだが、見ているうちに
無垢は祖母で無情はエレンディラではないかという
気にさえなってくる。
祖母は夢見る子供の如く気ままな振る舞いをし、
エレンディラは冷徹な眼差しで己を世界を見つめる。


4時間を越える長丁場で終電が危ういことを除けば
面白い舞台だったと思う。


エレンディラはア-ティスト「やなぎみわ」さんの作品を
見て以来気になって仕方がない話だったので、
舞台で見ることができて感慨深かった。

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