最新の観てきた!クチコミ一覧

132061-132080件 / 189934件中
狼たちの午後 2012ver

狼たちの午後 2012ver

コンドルズ

世田谷パブリックシアター(東京都)

2012/03/23 (金) ~ 2012/03/27 (火)公演終了

満足度★★★

できれば…
2年前にみた内容とほぼ同じだったので再演とか言う紹介が欲しかった。
笑いのツボが同じなら楽しいと思いますが、ツボが違うとしたら正直きつい時間になると思います。
コンドルズのメンバーまたはゲストが好きって方にはお勧めですが…。
普通に見てみようかなっと思う人はお勧めできないと思います。
友達数人と行ったのですが賛否両論でした

『ココニオイデ』

『ココニオイデ』

La Compagnie An + 小峰公子

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2012/03/24 (土) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

心のダイエットできたかも
理論的に演劇を鑑賞するより感覚で観てしまうのですが、鑑賞している間は心/ハート/感情と言ったらいいのか、澱の様なものが流れて行ってしまう、綺麗にピュアなものだけ残して洗浄されていく感覚でした。 音楽もダンスも言葉も・・・です。よかった~

Vector(ご来場ありがとうございました!)

Vector(ご来場ありがとうございました!)

613

劇場HOPE(東京都)

2012/03/24 (土) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

キャラクターが
好きでした。
一人ひとりが個性豊かで楽しんで見れました。

ネタバレBOX

すごく人間くさいドラマで、専門用語が飛び交うのが素敵でした。
研究内容をもっと理解したいな、と思いました。
そこがわかるともっと面白いのかも。。
照明がほんとに綺麗でそれだけで胸にきました。
立ち上げ、研究、成果、裏切り、再生、また挫折、それでも前に進んでいくという流れががすごく好きでした。

ちょっと怒鳴る役者さんが気になる部分もありましたが、概ね満足。
ガラスの動物園

ガラスの動物園

シス・カンパニー

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2012/03/10 (土) ~ 2012/04/03 (火)公演終了

満足度★★★★★

「追」「憶」の話
長塚圭史さんの演出するテネシー・ウィリアムズの自伝的作品「ガラスの動物園」を見てきた。もちろん、ミーハーな僕であるから深津絵里、瑛太という出演者に惹かれての観劇だが、長塚圭史さん演出というのも重要。

ネタバレBOX

8人のダンサーによる不気味さの表現が秀逸。花沢健吾「アイアムアヒーロー」的な不気味さを演劇でやったと言う感じ。立石涼子のお母さんが「おかん」だった。この芝居はおかんに支えられている。

そして何よりも、特筆すべきは、深津絵里と鈴木浩介の息を飲むやりとり。なんだろう、これだけで見る価値がある。

決して表現形態としてリアル(現実のありのままの模写)というわけじゃない。深津絵里の演じ方はいろんな意味で過剰で、見ててちょっと嫌になる一歩手前だが、その腐りかけのギリギリで最高の風味を醸し出す肉のような芝居は「最適」であるという科学的な言葉を使いたくなるほどに、そこにしかないであろう真実を表現するにふさわしく、また一部もずれることを許さない微妙なラインを攻めている。内実のリアルを担保するために許される演劇的な過剰の狭い狭い許容範囲ギリギリを攻めている。そして、その狭いマトを的確に射抜く深津絵里の芝居の過剰さのおかげで、万人がいれば、ほぼ万人がローラの出会う感情の波を一緒に体感することになる。喜びの鋼がぼろぼろと崩れて行く様を手に取るように見ることになる。

最近、僕は演劇にはストーリーではなくて、その「波の顕れ」に出会いたくて行っているので、まさに出会ってしまったと言う感じ。

テネシー・ウィリアムズは、「ガラスの動物園」を「追憶の芝居」と言っている。主人公であり、テネシー・ウィリアムズ自身でもあるトムが、実姉と実母への追憶を後悔と共に語る。

しかし、その作者の意図を越えて、コクーンの舞台の上にある深津絵里と鈴木浩介の芝居は、生々しかった。演劇的な虚実の向こうに浮かび上がる本当のリアルが、追憶という形式をぶち壊すほどに観客の胸に迫る。

あるいは「追憶こそリアル」。という演出の意図があるのかもしれない。

というのも、「追憶」は追憶者(=経験者)による経験の都合の良い情報整理と考えられ、それは大概、「紗幕」の向こうのドラマチックな思い出となるが、今回の芝居はこれが逆転している。つまり「紗幕」の向こうにあり美しく整えられているのは「過去の経験」ではなく、「追憶者本人」の「現実」なのである。すなわち「現実」こそが彼岸にあり、追憶者であるトムは気持ちよく過去を追憶するやもしれないが、「紗幕」のこちら側にいる観客は、過去を忘却するどころか、忘れ去られたはずの「過去の痛み」とともにこちら側に置き去られる。そのように演出されている(ちなみに台本通りなのかもしれないが、現在手元になく確認できない)。

「追憶」されるべき「過去」が追憶しようもないほどにリアルにそこにある。

そうだとすると、あのダンサーたちも「そうなのではないか」と思えてくる。

過去を忘却し美化しようと言う働きを許さぬ妖怪たち。忘れようとしているそばから、彼女たちは「過去」を引っ張り出してくるのである。なぜならば彼女たちはトム自身の「目玉」であるからだ。見た物は見た。忘却を許さないトム自身の無意識=目玉こそがあの8名のダンサーのような気がする。だから彼女たちはやたら大きな目をしていた。「見ているぞ」というわけである。

というわけで、この長塚圭史版「ガラスの動物園」は忘却しようにも忘却しえないで追いかけてくる記憶たちの話と言っても良い。しかし追憶。ノスタルジーという優しい訳語があるが、字面通り、逃げても逃げても「追」いかけてくる記「憶」ということの略とすれば、長塚圭史版「ガラスの動物園」は、まさに「追」「憶」の話なのである。そのように僕は見た。

ちなみに、鈴木浩介演じるジム・オコーナーだが、彼も病んでいる。「J・エドガー」に描かれるアメリカの中心にある病・・・「健全であれかしという病」に犯されている。話し方教室に行き快活な話し方を学ぶと言うことがいかに病んでいるか。と言う意味で、このような4人芝居を作り出したテネシー・ウィリアムズ恐るべしと思うのである。

S席9000円払っても惜しくは無い。4月3日まで渋谷シアター・コクーンにて。
「ホテルニューパンプシャー206」(3月)

「ホテルニューパンプシャー206」(3月)

劇団6番シード

Geki地下Liberty(東京都)

2012/03/22 (木) ~ 2012/03/27 (火)公演終了

満足度★★★★★

個性的な面々揃い
特に三人の女性は個性的でした。

ネタバレBOX

再演を重ね、台詞の見直し、無駄の削ぎ落としなどを行った結果、90分になったとか。確かに面白かったです!!!

唯一、宝石店強盗犯の動機については見直すのを忘れちゃったのでしょうか。高校生がゲーセン代欲しさからということでしたがイタダケません。今時は高校生でなくお年寄りがゲーセンに集っているそうです。

ホテルニューパンプシャーとホテルニューハンプシャー、上手くオチに持って行きましたね。

イタイ女のイタイ顔、赤江珠緒さん似で良かったですが、赤江さんといえば来週からのTBSラジオ「たまむすび」頑張ってほしいです。
往復書簡

往復書簡

BASEプロデュース

BAR BASE(東京都)

2012/03/12 (月) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

原作未読ながら満喫。
生演奏のオルガンとウクレレ、そして灯される蝋燭の灯り(キャンドルと書くよりもあえて蝋燭と書きたくなる)
原作未読故の結末のわからないハラハラ感とどんでん返しを存分に堪能しました。
朗読、いいものですね。

五月の第三回公演も楽しみです。

魚のいない水槽

魚のいない水槽

スポンジ

サンモールスタジオ(東京都)

2012/03/23 (金) ~ 2012/03/27 (火)公演終了

満足度★★★★

「軸」を感じました
すでに5回ほど、ここサンモールスタジオを訪れているのですが、ストレートにたどり着いたことがありません。新宿駅から、伊勢丹の前を通って、さて右前方か、左前か、いつも迷ってしまうのです。それでも今回は、なんとか1回のミスで到着することができました。ラッキーです。

さて、劇評です。
①題名は、むしろ「水のない水槽」のほうが、内容的からしてよかったのではないかと・・・
 次第に息苦しくなる、重苦しい展開。息がつまるような進行なのですから。と、最初に思ったことです。(どうでもいいのかもしれませんが)

②最後まで観た後で、「ああ、この劇団は、しっかりとした軸を持っているな」と感じました。1回しか劇を観ていませんが、みなさん「真摯」なのです。もちろん脚本からしてそうなのでしょう。現実を、リアルに、しかも冷静に捉えて、淡々と演技をしているように思えました。ここ何回か「絶叫」的台詞の発露の劇を観てきたせいか、なおさらそう感じたのかもしれません。無意味に昂ぶらず・・・の姿勢は、この劇では効果的だったと思いました。

③しかし、それが逆に作用される面も否定できません。役者全体を見ていて、強烈な個性を感じる方がいなかったのは残念です。「抑えた」演技ゆえのことかもしれません。これは何回か足を運んで見定めていく必要がありそうです。今回は、役者のみなさんに及第点、しかしMVPなしといったところでした。

④主宰者の方の姿勢に好感が持てます。それは②に書いた通りですが、劇団として、大きな可能性を秘めていると確信。内容や演技の幅を、どんどん広げていってほしいものです。

⑤若い(新しい)劇団共通の課題ですが、やはり「年長者」は必要です。今回も、みなさん若くて、それはそれで魅力なのですが、重いテーマながら、さほど重みを感じなかったのは、そこから来るのではないでしょうか。「看板」としてではなくてかまいませんが、いるだけでも「重さ」を導き出してくれる存在は、ぜひともほしいなと思いました。

⑥とは言え、私には、大変「面白い」そして「考えさせられた」劇でした。

ありがとうございました。

一丁目ぞめき

一丁目ぞめき

THE SHAMPOO HAT

ザ・スズナリ(東京都)

2012/03/21 (水) ~ 2012/03/31 (土)公演終了

満足度★★★★★

よかった。今年も見れてよかった。
面白かった!
ワンシチュエーション。
終始ワクワクニヤニヤ。
いつ膿が出るのかハラハラしてたが血は出ず、だけど傷口が開いた。
赤堀さんにしか書けない世界。

魚のいない水槽

魚のいない水槽

スポンジ

サンモールスタジオ(東京都)

2012/03/23 (金) ~ 2012/03/27 (火)公演終了

満足度★★★

ジワジワと来る怖さ
すっきりとしない、気分が重くなる物語を会話主体のオーソドックスな演出でリアルに描き、社会の目に捕われて転落して行く怖さがジワジワと伝わってくる苦々しい作品でした。

美容室で働いている男がメディアに出ることによって過去に関わった犯罪のことが周囲に知られ、疑心暗鬼になって身を滅ぼす物語が時間を掛けて丁寧に描かれていました。
終盤、男が妄想に駆り立てられて狂っていく描写に切迫感があって良かったです。途中で女性が下着姿になるシーンがあり、ただの男性向けサービスシーンかと思いきや、滑稽かつ切実な展開になり、感情が強く伝わって来て良かったです。

日常会話と変わらない大きさの声で、耳を傍立てないと聞こえないときもあって、逆に引き込まれました。どのキャラクターも実在してそうな雰囲気がありました。
時間の経過を示すために度々効果音付きで暗転することによって流れが滞るのが気になりました。必要最低限のところだけで用いた方がインパクトがあって効果的だと思いました。

手前が美容室の控室で奥がカットスペースになっていて、場面によって奥が透けて見える舞台美術が良かったです。
映像のクオリティ(内容・解像度とも)が低かったのが残念でした。

脚本と役者の演技は良かったのですが、演出とスタッフワークがあまり洗練されていなくて、この劇団ならではのカラーが見えて来ないのが勿体なく感じました。

コル・ココル

コル・ココル

劇団わたあめ工場

シアターシャイン(東京都)

2012/03/23 (金) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★

面白い!
役者さん、ストーリー、良かったです。2時間が、短く感じました。
今まで、一番のできでは!

次回が、楽しみです。

夏への扉

夏への扉

雀組ホエールズ

OFF OFFシアター(東京都)

2012/03/21 (水) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★

極めて日本的なタイムスリップもの
タイムスリップ系ながら、ある不正が正されたりしないあたりはいかにも日本的?
一部クドいほどアクの強いキャラもいて、どちらかと言えば商業演劇系の演出ではないかと推察したりもする。
なお、先述の1人を除いて各キャラの造形が良く、中でもアリスの忙しウサギ的な人物は秀逸。

終末は、星の煌めく車窓から

終末は、星の煌めく車窓から

United Artists 1八や

劇場MOMO(東京都)

2012/03/22 (木) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

期待どおり
初の長編ものでもAimuワールドはやはり健在でした。
しかも以前のシリーズのキーワードを盛り込んだ内容。
毎回楽しみにしているファンのこころをくすぐるかの如く。

次回も新しいファンが増えて拡大していくことまちがいなし。

岡田あがさ リーディング公演「INTIMACY」【閉幕しました】

岡田あがさ リーディング公演「INTIMACY」【閉幕しました】

オーストラ・マコンドー

CCAAアートプラザ ランプ坂ギャラリー ランプ3(四ツ谷)(東京都)

2012/03/24 (土) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

リーディングというか一人芝居
いい芝居だったと思う。

ネタバレBOX

時間にして30分程度。いい感じに雰囲気をつくってた。郵便局の青年との場面が見ごたえあった。小道具に外国な感じがほしかった。あたりまえだけど、男性演技より女性演技がしっくりくる。

ショートカットからのぞく眼の表情が良い。



アフターイベントという名の佐藤みゆき一人芝居にも満足した。公演観たくなったし。小道具をいろいろ駆使して、役も演じ分け、涼しい顔して芸達者な方だなと。


この二本を観れて1500円はとても安い。
ジョギリ婦人

ジョギリ婦人

芝居流通センターデス電所

「劇」小劇場(東京都)

2012/03/21 (水) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

当日券
で観てきました。

前回に比べるとだいぶ慣れたせいか、とても楽しめました。

生音の迫力、演出、物語、悪役も含めた役者の演技と、
すべてが素晴らしかったです。

音響のDJブースが近いせいもあってか、迫力ある音を間近で楽しめ、
歌もなかなか聞きごたえがありました。

開演直前に滑り込んだのですが、
短い時間で頑張って歌詞に目を通したお蔭で、
歌もすんなりと頭に入り、とても楽しめました。

歌詞が以前から聞き取りにくいという話はあったのですが、
自分の回は結構聞き取れました。
ただ、やはり、歌詞カードは開演前に観た方が絶対良い、とは思います。
歌詞カードを見て、ある程度の内容は事前に分かるのですが、
その方が面白いと思います。

開演前に、歌詞を読みながら、こんなふうなんじゃないかと想像するのとは
実際に目の前で歌っているシーンが全然違ったものになっているので、
それが意外だったり、面白かったり。

物語の結末については、
最後の最後は予想できる部分はあるのですが、
それはあくまで見せてる感じもあります。

途中の展開の結びつき方を予想するのは難しいと思います。

この舞台、自分の感じとしては、あくまで慣れもあると思います。

そして、通常の舞台というよりかは、
どちらかというと
アメコミとプロレスをremixしたスプラッタ・ホラー・ミュージカルのライブ
(ミュージカルと言うと聞き取れないという声が出そうですが・・)
なので、
腕を組んで「どうやって俺を楽しませてくれるんだ・・」※
みたくやってると楽しめないのかも・・と言う気も・・(と言いつつ自分もおとなしく観てましたが

※・・そういう人を見ると、いつも自分の頭の中では
   Blurの「Entertain Me」が鳴りだしてしまう(苦笑
   ところで全然関係ないけど、TopManの由来って、
   Blurの同じアルバムの曲名から来てると良いなぁ・・って、ホント
   全然関係なくてスミマセン・・(思ったことをそのまま書いてしまうので・・
   でも、観客も「楽しもう」って雰囲気が溢れてたら、
   舞台もずっと楽しめるし、そのうちいろんな良いところが見えてくるものなので・・。
   日によって観客席の雰囲気も違うからなぁ・・(苦笑

   一応、別に知り合いがいるからのヨイショとかでもなく
   (劇団員の誰とも知り合いではない)、
   当日券実費払い、おまけに開演ぎりぎりだったので空いた端の席(といってもDJブースの前)に座って、自分はとても楽しめましたよ、と言う感想でした・・。

ネタバレBOX

単に残酷なだけでなく、
物語は色々な要素が絡み合いながら、
きちんとした一本の糸で結びあっているようでした。

トルストイの「幼年時代」のような幸せな時を過ごした男女3人。
その彼らがどのようにして愛し、殺し合いながら絶望の底に沈んでいくのかを、
ずさんな拉致監禁計画の破たんと共に
情感たっぷりに描写していく様はなかなかに見応えがありました。

物語の最後の電話の使い方もとても良かった。

最後に電話が鳴るシーンは、一見ありがちとも思われそうだけれど、
自分には、以前観たタカハ劇団の、
死のうとしていた人が、自殺志願者の電話のベルに逆に救われるシーンを思い出したりしてました。

その後の展開としては、2つの物語は、きっとまったく逆となることを予想させるのだけれど、ただそれは暗さと明るさの違いくらいであって、
根っことなる感情は同じなのかもしれない。

子供と夫を失い、絶望した婦人は、
きっと同じように絶望のなかにいる子供の、助けを求める電話で、
おそらくは生きる気力を得て、怪人に生まれ変わります。

その喪服姿の婦人は、まるでバットマンのようなダークヒーロー・・というかヒロイン?にも見えます。

同じ電話の鳴る音で締めくくる結末をはさんで、
タカハ劇団が、
おそらくは自殺しようとするものを思いとどまらせようとすることで
逆に自分の魂も救われることを観客に期待させる
(少なくとも自分はそう思いました)のに対して、
デス電所においては、
ジョギリ夫人の魂は、ひょっとしたら電話が鳴る前にもう死んでしまっているのかもしれない
(夫と自分の子どもが死に、夫も死んでしまった以上、もう永久に救われることは無いのかもしれない)
けれど、自分の死んだ子どもと同じように絶望の淵にいる子どもを救うことでのみ、
かろうじて、魂は死につつも、体を機械のように駆動するエネルギーを得ることができる。
ただしその闇の先に、救いの光があるかは、誰にも全く分からない・・。

期せずして、2つの物語の共通点と相違点とに思いを巡らせることで、
2人の登場人物の物語をより深く掘り下げる機会を得られたようにも感じられます。

個人的には、ジョギリ夫人をアメコミのようにシリーズ化したらブレイクするんじゃないカナ、とか思ったり。
・・いや、陰惨な事件は多いけれど、
そうした絶望を、黒い炎で焼き尽くすみたいな、
そういう悲しいダークヒーローをみんな実は求めてるんじゃないか、
とか思ったりもしたもので。

家政婦の三田さんよりかはこっちの方がいいんじゃないかと・・いや、趣味ですけど(苦笑
黄色い月

黄色い月

オフィスコットーネ

ザ・スズナリ(東京都)

2012/03/14 (水) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

物語の力、演劇の力
スコットランドの劇作家が市民劇団へ書き下ろした作品。舞台装置は簡素、俳優が戯曲の「地の文」もしゃべります。シンプルなストーリーに若手二人の衒いのない素直な演技。印象に残る舞台でした。詳細はトラックバック先のブログ記事にて。

あたりまえのできごと

あたりまえのできごと

パセリス

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/03/15 (木) ~ 2012/03/20 (火)公演終了

満足度★★★★

ついつい
前作同様、短編のひとつひとつは面白かったのですが、前作が短編の集合でもひとつのモノに出来ていたように思ったのですが、今回はそれがもうひとつ弱かったかな!?と、感じたのと、シンプルなセットが、ステージの大きさにマッチしていなかったように思いました。前作が良かったので、今回も悪くはないのですが、ついつい比較してしまうと.....という感じです。次回作も楽しみです。あと、長編というか、中編も観てみたいところです。

Vector(ご来場ありがとうございました!)

Vector(ご来場ありがとうございました!)

613

劇場HOPE(東京都)

2012/03/24 (土) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

誰に共感するか
面白かったです。
登場人物それぞれのキャラクターがはっきりしていてわかりやすく、とっても人間くさいドラマでした。
一人で観たのですが、友達と一緒に観て「誰に共感するか」を語り合いたい話だと思いました。

心理学のテストで、あるシチュエーション(物語)で登場人物の誰に共感するか順番をつけて、その個人の性質やpriority指向を知るというのがありますが、このドラマでも誰に共感するか・好感をもつか、の順番は意見が分れそうな気がします。

ひとりひとり、自分が正しいと信じていることに忠実。
そこには、さまざまな正義があります。
間違っていたとしても、共感できるところもありました。

ネタバレBOX

登場人物で誰が一番好きかと聞かれたら、最後まで凛々しく素敵だった君塚さんですが、この間までバリバリの営業部隊にいた私は、一見嫌な感じの役どころの岸谷さんにもかなり共感しました(笑)

主人公の友野はすべてを抱え込むところとか、変にいい人加減が好きになれないのですが、男性陣の中では一番上。
総じて、女性の方が魅力的でした。金子治美ちゃん可愛い。

共感できないというか好きになれないワーストワンが新聞記者の清水です。
声高に正義を振りかざして説教しておいて(あのどなり声もイラッとした)、自分のことになると、電話口ですら上司のいいなり。ダメダメです。
俺も同じだなとか人のこと言えないなとか言ってましたが、アンタと友野は全然違うよ。
産業スパイの原田よりも、セクハラチックでおサボり気味の三宅先生(きっと実はいい人)よりも、ワタシランク下ですね。

……と、これは全部ドラマの中の話で、実際の役者さんとは関係ありません。すみません。
ドラマが面白かったので、登場人物でかってに楽しんでしまいました。

これを最後に613を退団するという大竹さん、お疲れさまでした。
すてきなお芝居をありがとうございました。
サヨナラ雪

サヨナラ雪

ザ☆夕方カレー

シアター風姿花伝(東京都)

2012/03/23 (金) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

ミステリー仕立て
面白かったです。落ち目雑誌の編集者たちと、癖のある作家とお弟子さん、編集者のひとりの浮気を調査する探偵ふたり。
”サヨナラ雪”と言う言葉の起源になる逸話がよかったです。

ALL UNDER THE WORLD

ALL UNDER THE WORLD

燐光群

笹塚ファクトリー(東京都)

2012/03/19 (月) ~ 2012/03/26 (月)公演終了

満足度★★★★

実験
 賛否両論のある舞台だろう。意味の解体を乱数を使うような方法も用いつつやっているので、演劇に意味を求めるタイプの観客には、評判は悪かろう。然し、今迄、燐光群の上演して来た作品の系列にずっと通底する方法のマンネリ化を避ける為、或いは、そこから、一歩踏み出す為に、坂手は、このような形で箍を外したのではないか。何れにせよ、少し長い目で見た時、この作品は、彼の作品系列のターニングポイントとして記憶されるようになるかも知れない。
 少なくとも、このような抽象思考に誘い、或いは、素にチャレンジしつつ、観客と相対する剃刀のような鋭さに迄、これらの断片を断片のまま、昇華できれば、更なる展開が見えてこよう。観客の自由な思考が試された作品でもあった。

Vector(ご来場ありがとうございました!)

Vector(ご来場ありがとうございました!)

613

劇場HOPE(東京都)

2012/03/24 (土) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

理科系でも分かりやすい
 題材の取り方が、先ず良い。命と研究者倫理という極めて本質的な問題をテーゼとして貫き乍ら、現代的視点で普遍性を語り得た。無論、シナリオ、演技、演出、キャスティング、舞台美術、照明、道具方らもこれに応えて良い舞台作りをしている。理科系以外の観客にも、良く理解できるように仕掛けを施している所も、とても自然で、レベルが高い。更に、方法的にひねくりまわし過ぎておらず、直球に近い所で勝負しているのが、爽やかである。適度なユーモアも鏤め、現実的な要素も取り込んで飽きさせない。これからが、楽しみな劇団である。

このページのQRコードです。

拡大