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Diamond Ray【ご来場ありがとうございました!】

Diamond Ray【ご来場ありがとうございました!】

東京ROSE company

SPACE107(東京都)

2012/06/27 (水) ~ 2012/07/01 (日)公演終了

満足度★★★

荒削り
 シナリオには光る科白が見受けられるが、自分の観た回の序盤は、演技が荒く、間の取り方も、身体の動きも、必然性を欠き、集約点を見失っているように見えた。中盤から後半に掛けては盛り返して来、展開の面白さも加わって、劇的表現と言えるレベルに回復したが、舞台に立ったら真剣勝負で臨んで欲しい。

隅田川の線香花火

隅田川の線香花火

遊戯空間

浅草木馬亭(東京都)

2012/06/26 (火) ~ 2012/06/29 (金)公演終了

満足度★★★★★

本質を見る目
 緻密でバランスの良いシナリオ、キャスティングの妙、演技の質、それら総てを自然に見せる照明、効果、古典の定法を用いた音入れが、抑制を効かせ効果的に山、谷を盛り込んだ演出と響き合い、重層性を持った物語として、観客に沁み込んでくる。表層的でオーバーな表現を避け、タメを活かした登場人物たちの発するエネルギーの糸、網、帯が舞台上でぶつかり合い、演技を引き締まったものにしている。
 無論、筋の運びも見事だ。定石通り、しょっぱなで、最も本質的なことが、総て表現されているが、わざとらしさや衒い、臭みなどは微塵もない。逆に本質を捉えて創っているだけに劇を支配する力学の拮抗感さえ生まれている。
 ネタばれは避けたいので詳細は記さないが、タイトルにもなった「隅田川の線香花火」のシーンは、完全な象徴である。而も、物語から象徴への移行が実に自然で、シンボルの意味するものもそれぞれ明快である。
 作・演出者の本質を射抜く目が、ここにも生きているといえよう。

記憶、或いは辺境

記憶、或いは辺境

風琴工房

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2012/06/27 (水) ~ 2012/07/08 (日)公演終了

満足度★★★★

真っ直ぐな気持ちや生き方
太平洋戦争末期から戦後の樺太(サハリン)で暮らしている親の代から続いている理髪店を舞台にした、約8年間に渡る真摯で愛情ある舞台。

この時代の市井の人々の日常生活を描いているだけなのに、戦争が重くのしかかり、過ぎていく。
その当時の思想、民族、本土、樺太、日本人、男と女。
感情に流されず、だけど冷徹になる訳でなく、真っ直ぐな気持ちや生き方がだた素直に胸を打つ。

ネタバレBOX

理髪店の兄妹が小樽?に引き上げる事になり、理髪店は朴が引き継ぐ。
朴は戦争前に結婚しているが、その生活も半年位で愛情も芽生える前に日本に来た。生まれてきた国のシステム上、妹と結婚する事は出来ない。言葉では表してないが、互いに惹かれ合っているのは周囲の目からも薄々わかっていた妹と朴。
店を出た妹が「10分だけ」と戻ってきて髪を切ってほしい、と言う。
妹はサハリンに残る決心をし、朝鮮人の女友達から教わった朝鮮語で、鏡ごしに「サランヘヨ/愛しています」と告白するが、彼の決意は変わらず引き継いだ「津田理髪店」の看板と共に一人で生きる事に。
朴の愛しい人の事を思いながら漂う静かな幕切れが印象的。
ラブストーリーと言ってしまえば簡単だが、この手の作品は見る方の人生観も反映しているような気がする。

システム カスタフィオール 『Stand Alone Zone ~スタンド・アローン・ゾーン』

システム カスタフィオール 『Stand Alone Zone ~スタンド・アローン・ゾーン』

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2012/06/23 (土) ~ 2012/06/23 (土)公演終了

満足度★★★★

システム カスタフィオール
やっと、観れました。
前から3列目の一番下手よりでみていたので、正面から見れなかったということがただただ残念でした。
非常に素晴らしい身体だったと思う。
作品も理解できたし、非常に見やすいものだった。

水無月の云々

水無月の云々

中津留章仁Lovers

タイニイアリス(東京都)

2012/06/21 (木) ~ 2012/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★

ユニット名はかわいいけど、中身は凄い展開になってた。
ある事件から、負い目と対峙しながら暮らしている一家。
この作品の為に選ばれたらしい若手の役者、全員良かったー。
5分休憩あるがほぼ通しの3時間近く、見ながら水分補給が必要な舞台。

ネタバレBOX

商店街で健康食品を取り扱う商売をしている一家。
過去に殺人事件が起こるが、引っ越さずそのままそこで暮らしている。
複雑な人間関係を時間をかけ、じっくりと深層まで見せる。
前半一幕と一年後の展開の二幕では、物語が全く別の様相を展開しているがちゃんと地続きになっているが凄く面白かった。

雫の彼女の行動がいちいち癪にさわるが、その手の彼女の若気の至りで言いそうな発言ばかりで余計に憎たらしいわー。
スナックのママは42歳だったのか‥、実際居そうだな・・。
パンザマスト【ご来場ありがとうございました】

パンザマスト【ご来場ありがとうございました】

青春事情

駅前劇場(東京都)

2012/06/27 (水) ~ 2012/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★

15年ぶりの同窓会、
ちょっと高めのテンションで昔話をしているところなんか、本当の同窓会っぽくて楽しい。 結末も典型的な青春ドラマのようにじれったさを経て清々しくまとまった。 

ネタバレBOX

けれど、アッキーと幸ちゃん双方が相手ではなく自分が悪かったと思っていることを知った影やんの行動は、私の感覚からするとちょっと不自然に思えた。普通なら2人が和解するのを見守るのではなく、すぐに2人の誤解を解いてあげるんじゃないかな? 劇でそうしちゃったらクライマックスの盛り上がりシーンは成立しなくなっちゃうけれど・・・。 まあ、堅いこと言わず青春時代に想いを馳せたと言うことでヨシとしよう。
サモン

サモン

ブルーノプロデュース

サブテレニアン(東京都)

2012/06/20 (水) ~ 2012/06/25 (月)公演終了

満足度★★★★

他人の感覚を浴びる
舞台に立つ4人の役者の「病気」の記憶を演劇で表したものだそうだが、なかなかにとらえにくいものであった。

登場人物それぞれが「自身の中にある敏感な感覚を刺激された出来事」を表現したもののように感じた。

記憶、或いは辺境

記憶、或いは辺境

風琴工房

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2012/06/27 (水) ~ 2012/07/08 (日)公演終了

満足度★★★

戦争と人
役の交代は残念でした。

ネタバレBOX

終戦前後の樺太(サハリン)にある津田理髪店が舞台。樺太で生まれ育った兄弟、理髪師の徳雄(伊原農)、お節介焼きの長女・美都子(津留崎夏子)、交換の仕事が決まった活発な次女・春子(浅野千鶴)の店。学校の先生で化学が専門の島崎(ワダタワー)や朝鮮人へ厳しく当たる警官・平原(岡本篤)が出入りしている。朴(金成均)や売春婦に身をやつす仙女(石村みか)、仙女を探しに来た沈(金丸慎太郎)、春子の友人・一香(香西佳那)ら朝鮮人たちとの間で生まれる人間模様。

時代や価値観、状況を理解しきれなくて、正直戸惑った。ちょっと想像つかないというか。
舞台も、あくまで理髪店の中を描き、外の状況は伝聞に限って(それも噂だったり)いて、「戦争」という物事より「人」に重点を置いてるような気がした。いかにもな、直接的で悲惨な状況をみせると「それ」だけになってしまう可能性があるし。それはそれで良かった。
ただ、感情移入とか、共感とかそんな芝居じゃない気がする。

美都子と朴の愛情や沈と仙女の愛情、日本人と朝鮮人との憎しみ。戦争という器の中で静かに、たまに激しく放たれる気持ちが見所か。沈の「憎しみの連鎖を絶つ」ってセリフがグっときた。

津留崎のひたむきというか、純朴というか、そんな眼差しは好き。金成均の落ち着いた存在感は良かった。浅野千鶴はハマってた。石村みかの韓国語の発音が良い。
リンダリンダ

リンダリンダ

サードステージ

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2012/06/20 (水) ~ 2012/07/22 (日)公演終了

満足度★★★★

時事作品に
引き抜きや恋愛沙汰、解散の危機といったバンドの物語の定番に時事問題をからめていましたが、後者の部分に関しては、最近よく見る他劇団のもっと核心に踏み込んだ作品と比較すると物足りませんでした。全体としてエンタテインメント性は申し分ない。

Goodnight

Goodnight

劇団競泳水着

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/06/22 (金) ~ 2012/07/02 (月)公演終了

満足度★★★★★

劇的じゃない演劇。
面白い。個人的には賞賛を送りたいです。絶賛したい。ある意味、衝撃的でさえありました。これでひとつの作品になるのか、と。意欲作、挑戦作だと思います。理由はネタバレで。

ネタバレBOX

いつもと違うメンバーが集まって、トラブルが発生して、送別会が開けなくなって…。
普通に考えたらこの後に何か一悶着あって、落としどころを見つけて「めでたしめでたし」で物語が終わる、そう考えるでしょう。しかし、この物語に劇的なことは起こらない。
 
登場人物はちょっと変わっているけど平凡な人ばかり。今まで自分一人で決めて実行して結果を出したことがどれだけあっただろう。「あの時ひとこと言ってくれたら」「あの時止めてくれたら」人生の局面で結論を誰かに委ねたり、先延ばしにしたり、何かきっかけを欲しがったり、誰かの後押しを期待したり、理解されない事を頑なにこだわったりしながら日々の生活を送る。そんな彼ら彼女らに、一夜で人生が変わるような劇的なことなど起こらないのです。
 
何の変哲もない日常に起きたささやかな非日常。それは、かつて時間を共にした誰かを思いながらエプロン(前掛け?ごめん。名前が分からない)をしめ直す時間かもしれなし、久しぶりに会う仲の悪い兄弟へ向かって電話越しに「大丈夫なのか?」と訊くことかもしれない。彼ら彼女らには、それだけで充分「いつもと違うこと」なのでしょう。
  
そんな「ちょっとだけ、いつもと違う日」を通して、成り行きといえば成り行きだけど何処か必然性を感じる「今の自分」を感じてみたり、いつでも戻れそうだけど決して戻ることができない「時の流れ」を噛みしめたりする。
 
その日を境に何かが大きく変わることもないのです。男は女に「飲みに行かないの?君が行くなら行くよ」と言う。明日、目が覚めたら何も変わっていないかもしれないし、ちょっとだけ何かが変わっているかもしれない。憎めなくて切なくてどこか親近感のある、男と女の物語です。
 
冒頭で衝撃的と書いたのは、派手なクライマックスや劇的展開をあえて削ぎ落としているように見えたから。意欲作と書いたのは、ボタンをひとつ掛け違えたら絶望的に退屈になるであろうこのシナリオで、勝負を挑んでいるように見えたからです。
たとえば「俺の人生、波乱万丈。昨日も修羅場があったばかり!」みたいな人が観たら退屈かもしれませんね。でも私はこの作品がとても好きです。
コクーン歌舞伎第十三弾 『天日坊』

コクーン歌舞伎第十三弾 『天日坊』

松竹/Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2012/06/15 (金) ~ 2012/07/07 (土)公演終了

満足度★★★★

斬新且つ伝統的
大掛りな仕掛けや奇抜な設定に頼らずに、物語や台詞の魅力と役者の演技をしっかりと楽しめる作品で、所々に現代的な意匠を凝らしつつも、伝統を受け継いだ芯の太さを感じました。

孤児の男が重なる偶然から自分のアイデンティティについて悩み、最後には身を滅ぼす物語で、単純に楽しく、あるいは悲しく終わるのではなく、複雑で後味の良くない感情を残す終わり方が作品の豊かさに繋がっていたと思います。

一幕、二幕ともコミカルに始まって次第にシリアスになっていくペース配分が絶妙で引き込まれました。宮藤官九郎さんの脚本に因る部分が多いのだと思いますが、串田さんのいつもの笑いのセンスとは異なる感じがあって、とても楽しかったです。
時々現れる現代的な言葉使いはただ笑いを取るだけではなく、シリアスな場面では古風な言い回しでは伝えにくい感情がストレートに表現されていたと思います。

可動式のセットが場面毎に充てられていて、役者を乗せたまま黒衣が入れ換えて行くので、転換がスムーズで良かったです。そのようなセットの特色を活かして、2つの場面を並行させて進める時もあって新鮮でした。ジャズやロックを中心とした音楽も意外と合っていて、トランペットの生演奏が天日坊の心情を表しているようで効果的でした。ラストの何もない真っ黒な空間で行われるスピード感溢れる大立ち回りは、天日坊の心の闇を描写するような演出で、とても印象に残りました。

無垢な青年から邪念を持ち荒んでいく天日坊を演じた勘九郎さんが素晴らしかったです。七之助さんはあまり砕けたことをしないイメージだったので、コミカルな演技に破壊力がありました。獅童さんと亀蔵さんのヤケクソ的演技も楽しかったです。

温室

温室

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2012/06/26 (火) ~ 2012/07/16 (月)公演終了

満足度★★★★

気持ち良いくらい
居心地の悪い芝居だった。
予想していたほど難解ではないけど、一様な解釈には収まらない芝居ですわな。
役者は高橋一生が素晴らしいんじゃないかな。

ネタバレBOX

ほぼ全編回転している舞台は初めてかな。
シーン毎に変わる回転速度にも意味があるんだろうけど読み取れなかったなぁ。
進め!あしぶみマーチ

進め!あしぶみマーチ

みきかせworks

BAR COREDO(東京都)

2012/06/17 (日) ~ 2012/06/18 (月)公演終了

満足度★★★★

対照的な2編のカップリング
片や「通常版」での上演を前提とした(とはいえどう見せるかは想像しにくい)作品、片やリーディングならではのブッ跳んだ作品と好対照の2編で、後半の譜面台に付けたクリップライトのオン・オフで場にいる・いないを示す演出にも感嘆。

Goodnight

Goodnight

劇団競泳水着

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/06/22 (金) ~ 2012/07/02 (月)公演終了

満足度★★★★

おしゃれで意外性を追求
 イタリアンレストランで繰り広げられる送別会と称して集まる人たちのエピソードが折りなす、若者たちの挫折と、今後の展望をコメディタッチで描く。

ネタバレBOX

 レストランで水道が出ない、ガスが付かない。
 そんなあり得ない設定がおもしろい。
 けんか別れした兄弟、元カレ・元カノ、酔うと遠慮知らずに何でも言ってしまう女友だち、場違いで気弱な女子銀行員、落語家志望の元予備校講師、コンビニ好きのシェフ、バンドをあきらめきれない送別される元店員、片思いのアルバイト店員、有名店に引き抜かれてゆく女子シェフ。
 役者それぞれが良い味出している。
 街の水道破裂によって、料理がつくれない送別会が流れ解散となる。
 レストランから一人去り、二人去ってゆく。
 その余韻がなんともいえない。
 それぞれのエピソードがていねいに描いたため、平板になったきらいある。
鈴木の行方

鈴木の行方

タテヨコ企画

駅前劇場(東京都)

2012/06/06 (水) ~ 2012/06/12 (火)公演終了

満足度★★★★

随所で懐かしさ炸裂
人の名前と顔が一致しにくくなってきた身(爆)としてドキリとする出だしだったが、状況の極端さに何やらフシギなナニカだと思い直す。
そうして展開するのは懐かしき「少年時代あるある」的な。随所で懐かしさ炸裂。
また、街なかや集合住宅戸口など様々な場に対応できる装置も◎。

ミュージカル『サンセット大通り』

ミュージカル『サンセット大通り』

ホリプロ

赤坂ACTシアター(東京都)

2012/06/16 (土) ~ 2012/07/01 (日)公演終了

満足度★★

一縷の望みを掛けたけれど
やはり、期待しなかった以上の、良い意味での期待はずれはありませんでした。

まず、冒頭10分は、観に来るんじゃなかったと本気で後悔しました。

信頼している劇評家が、「正確な歌唱に豊かな表情が加わり、演技面でも成長。」と書かれた田代さんの演技ですが、初体験の私には、それでもまだ演技面に表現不足を感じ、慣れるまで時間を要したことと、字幕が必要だと思う程、歌詞の内容が全く聞き取れず、このままなら、1幕で帰ろうかと思った程でした。

でも、だんだんと、芝居が進行するに連れ、台詞劇部分が多くなると、聞き分けられるようになり、安堵しました。

長い間、待ち望まれた日本初演舞台だったのに、演奏も、お手軽で、音が薄く感じられ、ガッカリしました。

できることなら、ノーマは、麻実れいさん、ジョーは、井上芳雄さん、山本耕史さん、伊礼彼方さんあたりで観たかったと切に思います。

ネタバレBOX

映画は、何度もチャレンジしましたが、冒頭シーンが怖くて、敬遠していました。

でも、かつて、この作品の曲を自分の企画CDに入れたことがあるので、特に、訳詞部分に関しては、かなり興味を抱いて観に行きました。

客サイドからすると、不本意な訳詞でした。ジョーが、2幕冒頭で歌う、表題曲は、原詞は、かなり抽象的です。それをたぶん、説明台詞のように、わかりやすくと心がけての訳詞だったのかもしれませんが、字余りだったりして、音符以上の単語を早口で歌うために、逆に、それが裏目に出て、歌詞が耳に届かないのです。

50歳の往年の大女優ノーマは、たぶん、ミュージカル女優さんは皆さん演じたかった役でしょう。安蘭さんは、大健闘されてはいたと思うのですが、何にしろ、この役を演じるには、まだ若すぎると感じました。

べティ役の彩吹さんも、可愛い声で好演されていますが、22歳には見えません。ノーマとべティの、残酷なまでの年齢の差が出てこそ、この作品の本質が見えると思うので、そういう観点からも、このキャスティングには、難があったと思います。

一番の要は、鈴木綜馬さんの存在でした。ずっと、ノーマを愛し、陰で支えて来た執事の想いが、しっかりと体現されて、終盤の感動を少しだけ頂くことができました。

鈴木裕美さんの演出は、やはり見せ方がお上手で、螺旋階段のセットをうまく動かしながらの、人物の配置が巧みでした。

たとえば、ジョーとべティが、心を通わせるデュエットシーンは、ウエストサイド~のマリアとトニーのようだし、最後のノーマが警察に連行されて行く場面は、「欲望とういう名の電車」のラストシーンを想起させます。

だけど、その粋な演出が生きなかったのは、ラストの演奏の盛り上がりがなく、まるで、周辺住民に配慮した音量のような、音の薄い、拍子抜けな幕切れになって、何とも残念でした。

演技には、目を瞑るとしても、楽曲を聴くことを楽しみにしていたファンは、相当数いた筈ですから。
富士幻談

富士幻談

声を出すと気持ちいいの会

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2012/06/16 (土) ~ 2012/06/19 (火)公演終了

満足度★★★

「見立て」の趣向
俳優の声と肉体を駆使し、独特の世界観で複層的な物語を構成するのがこの劇団の特徴。

今回の公演でも「見立て」の趣向でさまざまな情景を描き出していた。

山本タカの作品は密度の濃さが特徴でもあるが、1時間40分、決して長くはないはずの時間が今回は体感的にとても長く感じられた。

この劇団の特色でもある俳優の発声の妙を感じ取るべく、目を閉じて聴いてみたりもしたが

少々退屈し『百年時計』のとき同様、集中力がとぎれてしまう箇所があった。

今回は一つ一つの点景としては面白いのだが、全体的に『覗絡線』『被告人ハムレット』『黒猫』(再演)のような圧倒的に引きずっていく物語としての魅力が弱かったようにも思える。

山本タカ氏は若手演出家としては非凡な才能を持っている人だと早くから注目してきたので、次回作に期待したい。

ネタバレBOX

富士を扇で表現するというアイディアは面白いと思った。

扇を持つ形というのは簡単そうでなかなか難しいもので、様になっていないと美しく見えない。

日本の扇を洋風な手つきで持つと形が崩れて見えてしまう。

この点、日本の「直線文化」というのは侮れないものがあるのだ。

扇だけで舞う能の仕舞を何回も見て動きを勉強してほしい。

最後に扇を閉じた俳優が体の前中心に差し体が突っ張ったのには一番違和感があり、吹き出しそうになった。

扇は左脇に寄せて帯に差すのがどんな場合も和装の作法になっており、それは一番美しくおさまりもよく、好みの問題ではなく肉体的にも意味のあることなのだ。


和服を着ての演技が現代の若者には慣れていないこともあり、動きながら台詞を言うと変な「間」があいて、ぎくしゃくしてしまう箇所が気になった。

この作品も脚本を整理して、伝統芸能を身に着けた俳優が演じれば、一段と良くなるかもしれないと思った。
Nightfall

Nightfall

劇工舎プリズム

駒場小空間(東京大学多目的ホール)(東京都)

2011/11/04 (金) ~ 2011/11/06 (日)公演終了

うちゅうだった
宇宙でした…大胆な場転に引きつけられ、飽きずに最後まで楽しめた。

GO HOME

GO HOME

サスペンデッズ

吉祥寺シアター(東京都)

2012/06/15 (金) ~ 2012/06/24 (日)公演終了

満足度★★★★

洗練された舞台
吉祥寺シアターの階層を上手に利用し、シンプルだが美しい舞台面。水面が映ったような照明も美しかった。

ネタバレBOX

「Go Home」という題名がまず気になる。あちら側(冥界)にいる人が「帰りなさい。」と言っているような感じだが、内容はそうでもないような・・・開幕から30分ぐらいは「何をやってるんだろ?」と、思ってしまう場面が続いたので、もう少し観客の心をここで掴んでおきたいところ。その後の展開がとてもおもしろくなったので、その辺りちょっと残念。非現実的な死者と会える森や火の鳥も必要だったか?あまり効果的には見えなかった。和博には親を食べて生きるたくましさがほしかったな。せつなくて泣けました。
Weekly1【レッドカードファミリー リターンズ】

Weekly1【レッドカードファミリー リターンズ】

アヴァンセ プロデュース

「劇」小劇場(東京都)

2012/06/26 (火) ~ 2012/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★


反則技一家とあり、倫理観を求めるのは野暮というものであろうことは分かっていますが、それだけにスカッとした感じは残りませんでした。

ネタバレBOX

大人の役者はクセのある個性派、姉キャンモデルの熊澤枝里子さんは颯爽としてスタイル抜群、加美乃素みたいな名前の今村美乃さんも可愛くて出演陣は素晴らしかったです。

実際にニラレバ炒めを作ってみんなで競争して食べたりして、身寄りのない子供を引き取ったからには決して遠慮させないというリアリティ溢れる生活感を表現していました。

その一方、新聞とか封筒とか、手紙とか花とか、真っ黒な小道具を使う表現法はリアリティから離れているとともに、見慣れない光景のため逆にそこに注目してしまうことで、黒子的効果はあまり期待できないと思いました。

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