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みんな豚になる-あるいは「蠅の王」-

みんな豚になる-あるいは「蠅の王」-

ワンツーワークス

吉祥寺シアター(東京都)

2012/07/20 (金) ~ 2012/07/26 (木)公演終了

満足度★★★

時として痛いぐらい
現実にあり得そうな会社組織の中での「パワハラ」「いじめ」が題材。結局飲み込まれていく感有りの象徴的なお面と動きで終わる最後は、どう感じて処理するのかを観客に委ねてるという事だろうけれど、日常を普通に過ごしていても、やはり3.11以降感じているある感情の上では、突きつけられる事は痛みを感じる事でもあったりする。だけど、役者の演技のメリハリさや、象徴的なお面や動きなどが意外にも嫌み無く、スッと入ってくる感じは、良質な演出力が感じられた。そういう意味では、とても面白かったと思う。

ウィンドミル・ベイビー

ウィンドミル・ベイビー

演劇企画集団・楽天団

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2012/07/04 (水) ~ 2012/07/06 (金)公演終了

満足度★★★★★

ベテランの実力
書こう書こうと思い、途中で消してしまったり遅くなってしまいました。
千秋楽に行かせてもらいましたが、作品にも、大方斐紗子さんが何役も演じ分けると力にも感動しました。観客の方が比較的ご高齢だったのも印象的でした。バロンさんの音楽も組み合わさり、大袈裟かもしれませんがオーストラリアの大地が見えたようだった。先住民アボリジニ、黒人差別、障害、災害。色々なメッセージが含まれており、空間に惹き込まれるとでもいうんでしょうか。凄く面白かったです。オススメでまた観たいと思います。

ネタバレBOX

台詞や口調もありますが、大方さんの意識されている役によって空気が変わるのを感じれると思います。携帯は事態背景的にいつ頃なのか少しわかりにくかったかも。風車が動くちょっと怖い雰囲気や、また下ネタがオブラートなのも良かったです。途中でお客さんが板上に上がって普通に出てるのが面白かったです。テーマの多さに色々考えを巡らせもしました。大方さんは体力的には決して楽ではないと思いますが、これからもご活躍して欲しいです。
目頭を押さえた

目頭を押さえた

ABCホールプロデュース公演

ABCホール (大阪府)

2012/07/20 (金) ~ 2012/07/23 (月)公演終了

満足度★★★★

心に響く、モヤモヤした余韻も残る
当日のパンフレットにも脚本家の横山拓也さんのコメントがありましたが
「最後までこの複雑な人間模様にお付き合いいただけましたら幸いです。」
正にそんなお芝居でした♪

音響もなく、蝉の鳴き声の中、淡々とした何気ない会話に惹きつけられる
個性ある役者さんの自然な演技がよりその世界観を創り上げていきます

伝統を守りながら生きていく人たち
今の私たちにはあまり実感はありませんが一人ひとりの言葉じんわりと心に響く♪

思春期の友達、母親が居ない親子、環境が違う家族など様々な関係を
熱を伝えると言うより、さりげなく自然に演じる事でよりリアルに伝わる…

その中でも印象に残ったのはお母さん役の魔瑠さん(遊気舎)は
天然で明るいお茶目なお母さんの演技が和ませてくれます♪
重たい雰囲気の中でこの人の存在が絶妙な緊張と緩和を創り出していました♪
もう一人は小役の野村脩貴くん(ルート)は
現代っ子の様にゲームばかりして愛想のない役で時には笑いを誘い、
ラストの目頭を押さえる事を強要されて
怖がって嫌がる演技に思わす私も怖くなりました…(>_<)
このお二人は全体の流れでいいスパイスを効かしてました♪

生きていくと言う事は色々な現実にぶつかり、それを受け止める…

未来の希望が見えたり⁈
何だかモヤモヤした余韻も残る…

昨年観た「エダニク」もそうですが明確な答えを出さない…ヨーロッパ映画の様な⁈
北野たけし監督映画が日本では大ヒットしないがヨーロッパでの評価か高い様な
演劇関係者や通の人にかなり評価が高そうなお芝居♪

そこには脚本:横山拓也さんと演出:上田一軒さん(演出)の世界が拡がっていました♪

義経千本桜

義経千本桜

木ノ下歌舞伎

京都芸術劇場(京都芸術大学) 春秋座(京都府)

2012/07/07 (土) ~ 2012/07/08 (日)公演終了

満足度★★★★

木ノ下歌舞伎「義経千本桜」3「吉野山」「河連法眼館[通称|四の切]」観ました
悲壮さただよう原本が、劇団四季をも彷彿とさせる、楽し過ぎるエンターテイメントに(笑)おそろいの衣装の役者が総出演で世界を形作り、全ての物語が鼓に宿る。そして、親子・主従・恋人、様々な絆も、織り成す飾り紐のように収束…大団円へ。狐の動きと、静様の制御された身体と、後で出る癒し系の声のギャップが妙に印象的(笑)。

義経千本桜

義経千本桜

木ノ下歌舞伎

京都芸術劇場(京都芸術大学) 春秋座(京都府)

2012/07/07 (土) ~ 2012/07/08 (日)公演終了

満足度★★★★

木ノ下歌舞伎「義経千本桜」2「椎の木」「小金吾討ち死」「鮨屋」観ました
悪漢が一転して忠義者になる、原本に忠実な凄まじい強引さ(汗)事の次第をあざ笑う、あまりに現代的な維盛さえも、うむを言わさず存在する、古典パワーのにじみ出る権太の前についに自壊…また涙しそうに。美術、感覚、所作等の入り混じる違和感も不思議。あいま合間の遊びもまた感覚の張り方を変える。3演目の中ではもっとも分かりやすかったのでは?

義経千本桜

義経千本桜

木ノ下歌舞伎

京都芸術劇場(京都芸術大学) 春秋座(京都府)

2012/07/07 (土) ~ 2012/07/08 (日)公演終了

満足度★★★★

木ノ下歌舞伎「義経千本桜」1「渡海屋」「大物浦」観ました
義経や安徳の非人間的クールさと、知盛や典待局のみっともない人間くささの対比に涙しそうに。赤と白、平家と源氏、生と死…衣服は生者の思念を含む影…それを道連れに消える男の悲壮さ。照明も空間や人間を浮き立たせてステキ。美し過ぎるビジュアルも悲しい…練り返す物語、身体が同じ演出家の舞台「再/生」を連想させる。3演目の中では一番分かりにくい部分も多いけど、観客が自由に観られる面も大きい。

千に砕け散る空の星

千に砕け散る空の星

ゴーチ・ブラザーズ

シアタートラム(東京都)

2012/07/19 (木) ~ 2012/07/30 (月)公演終了

満足度★★★★

開演前に人物相関図の確認推奨
深刻そうな設定の内にとどまらない、面白い戯曲でした。

ポンポン お前の自意識に小刻みに振りたくなるんだ ポンポン

ポンポン お前の自意識に小刻みに振りたくなるんだ ポンポン

ハイバイ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/07/18 (水) ~ 2012/08/01 (水)公演終了

満足度★★★★

ポンポン
小学生ではない大の大人の俳優が小学生を演じる、その無理を無理だと思わせない幕開けが、まず凄いと思いました。やっぱり岩井秀人さん(の演技)は怖い~。

ネタバレBOX

劇団の稽古場面は刷新されてました。記者のお母さんが怒ってるのがいいですね。
みんな豚になる-あるいは「蠅の王」-

みんな豚になる-あるいは「蠅の王」-

ワンツーワークス

吉祥寺シアター(東京都)

2012/07/20 (金) ~ 2012/07/26 (木)公演終了

満足度★★★★

計らずしてタイムリーに
身体表現を採り入れて、ストーリー・テリングだけに終わらない演出が良かったです。

東京アメリカ

東京アメリカ

範宙遊泳

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/07/08 (日) ~ 2012/07/15 (日)公演終了

満足度★★★★

範宙遊泳「東京アメリカ」観ました
「20年安泰。」以来1年ぶりの範宙遊泳。(開演前には平台や衣装ハンガーが所狭しと並んでいた)劇場という非日常の空間に、(生身の役者が入って)稽古場という仮初めの世界が立ち上がり、(東京→アメリカの間に本物の休憩が入った後)さらにそこを虚構の劇世界が侵食…SFからの野暮ったい道具立てが、余計にP・K・ディックの小説を連想させる。現実を誠実に観察、事細かに描写すればこそのメタ構造。欲を言えば、人を不安にさせるあのメタな展開をもっと観たかった。しかしまさか、名古屋に範宙遊泳が来るとは…名古屋の協力・右角81さんに感謝!

リンダリンダ

リンダリンダ

サードステージ

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2012/06/20 (水) ~ 2012/07/22 (日)公演終了

満足度★★

想定外のストーリー展開。
紀伊国屋サザンシアターにて初見。
再演とのことでしたが、山本耕史さん出演の際の舞台も見てみたかった。

ストーリーは震災以降に焦点が当てられており、
色々と考えさせられることの多い舞台でした。

やり場のない衝動、突き動かされる想い、体。
なんとなくわかる気がした。でも全く理解できない気もした。
ひやりとさせられることが多い舞台。
考えるだけで行動しない人間と、
後先考えずに行動してしまう人間、どちらがタチが悪いのだろう?

初演の時のストーリーはなんだったのだろうと気になってしまったのでした。
松岡充さんの歌唱力、素晴らしい。
そして高橋由美子さんの存在感は圧巻でした。

ミュージカル ドリームハイ

ミュージカル ドリームハイ

TBS

新国立劇場 中劇場(東京都)

2012/07/03 (火) ~ 2012/07/20 (金)公演終了

満足度

着眼点によって評価の分かれる作品。
炎天下の中、新国立劇場初参戦。
ノイタミナ枠オープニング曲担当の松下優也さん主演とのことで
彼の声を楽しみに鑑賞させて頂きました。

原作を見ている方には楽しめるものなのかもしれませんが、
想像を超えるストーリー展開は、初見客には辛すぎる舞台。
音響もセリフと歌で切り替えが不十分に思えたし、
キツい照明は時々頭が痛くなるほど。

松下優也さんのソロは見ごたえ十分。
聴きに行った価値がありました。

ネタバレBOX

■ストーリーについて■
一重に脚本が悪すぎる。
これは韓流だから?それとも元がドラマなのを舞台にしたから?
ストーリーの荒に目が行ってしまい、全く集中できない。

なぜ田舎のエントリーすらしていない人間が入学許可を得られる?
最後の見せ場、突発性難聴なのであれば、ダンスは致命傷でしょう。
歌えるとか、聞こえなくなったら指示を…ではなく、そもそも論。

最初から最後まで、突っ込みどころが多すぎて正直げんなりしました。
韓流ドラマのノリが好きな方以外にはお勧め出来ない舞台。

キリン芸能高校を何の前触れもなく「キリン芸高」と略されても、
耳だけで聞いている観客には「キリンゲイコウ???」と理解できない。
既に原作を見ている方には十分なのかもしれませんが、
初見の観客に優しくない舞台でした。

■全体■
やっぱり日本語とミュージカルの親和性は低い。
みんな豚になる-あるいは「蠅の王」-

みんな豚になる-あるいは「蠅の王」-

ワンツーワークス

吉祥寺シアター(東京都)

2012/07/20 (金) ~ 2012/07/26 (木)公演終了

満足度★★★★★

鳥肌が立つ舞台。
寒気がしました。

あまりの緊張感に目が離せず、息すらできず、
舞台が暗転して初めて、大きく息が出来た舞台。

「素晴らしい」の一言に尽きます。

ネタバレBOX

■私的勘違い■
あらすじに「プロジェクトチームが二分される」とあったので、
いつチームが二分して各業務にうつるのかな?と思っていたのですが、
そういうことではなかったんですね。

「いつ二分されるんだろう、この人はどちらのチームにつくんだろう」とか
ストーリーの進行を追いながら悶々としてしまい、
「もしかして各員が厳密に2分割される訳ではないのかも」と
最後の最後で気がつきました…。

この思い込みさえなければ、もっとしっかり舞台を見られた気がする。
舞台が終わってから、私的勘違いにがっくりきました。
MY SWEET BOOTLEG(ご来場ありがとうございました!御感想お待ちしています!次回は10月上旬、同劇場にて)

MY SWEET BOOTLEG(ご来場ありがとうございました!御感想お待ちしています!次回は10月上旬、同劇場にて)

MU

BAR COREDO(東京都)

2012/07/23 (月) ~ 2012/07/31 (火)公演終了

満足度★★★★

わかりやすくしっかり
場ごとに意図やニュアンスがしっかり切り分けられていて、
すっと物語がはいってくるし、
しっかりとした踏み込みや質量もあって。
開演前にとなりのバーで呑んだカクテルもおいしく、
心地よく深く、舞台を楽しむことができました。

ネタバレBOX

対面の客席なのですが、
開演すると舞台にしっかりとした空気が作られて、
向こう側をまったく意識せず物語を追って行ける。

場所の設定をほとんど動かすことをせず、
人を動かして、さらに空間の色を役者たちがすっと塗り替えて
物語を紡いでいきます。

シーンの内側に役者たちが織り上げる
ニュアンスがとてもはっきりしているのが良い。
それが観る側に足跡を刻み、
物語の成行きをクッキリとした質感と共に追わせる。
一つ間違えばあざとく感じるような役者たちの演技も、
その場には実にしっかりと馴染み、
だからこそコミックの本家側ととそれを剽窃し展開する側の関係、
さらには、それぞれに関わるものの強さや危うさが、
場に重すぎず軽すぎない、
貫きと変化の感触を織り上げいく。

舞台の上手側と下手側の空気の密度が
場ごとに異なることも、
一つずつの刹那に変化やエッジを与えていて、
気が付けば、しっかりと舞台の肌触りの変化に取り込まれていて。
極端に重厚だったり軽質だったりはしないのですが、
刹那の可笑しさと、滲みだしてくるものが
個々のキャラクターたちの色にさらなる深みを与えて。

公演がさらに重なれば、
舞台の内にある空気が
もっと研がれ、
一つの刹那にもう一段の切っ先が生まれるような感じもあって。
会社帰りなどに
好適なエンターティメントだと思います。

MY SWEET BOOTLEG(ご来場ありがとうございました!御感想お待ちしています!次回は10月上旬、同劇場にて)

MY SWEET BOOTLEG(ご来場ありがとうございました!御感想お待ちしています!次回は10月上旬、同劇場にて)

MU

BAR COREDO(東京都)

2012/07/23 (月) ~ 2012/07/31 (火)公演終了

満足度★★★★

MUらしいと言えばらしい、ネジくれた感覚
タイトル、テーマ、会場、フライヤー、そして公演そのものまで見事にMU。
このトータルコーディネートのセンスがいい。
個人的にはタイトルがツボ。
後半ちょっと加速する感じがうまい。笑いもある。
しかし、もっと「毒」は欲しい。

ネタバレBOX

ブートレグと言えば、大昔、ブート専門店で買ったヤードバーズのレコードが私の最初の出会い。ヤードバーズのレコードはもちろん全部廃盤だったので、ブート以外に手に入れることはできなかった。そのブートレコードでは、J・ペイジとJ・ベックのツインリードで有名な、『Train Kept A-Rollin』の歌詞違い、幻の曲『Stroll On』に痺れ、何回も何回も聴いたものだ。

で、この公演のフライヤーである。どうやらミケランジェロ・アントニオーニの『Blow Up(邦題:欲望)』のポスターからインスパイアされた構図の写真が表面に使われている。ミケランジェロ・アントニオーニと言えば「愛の不毛」なので、MUにはなんかぴったりくる。
しかしここで言いたいのはそうではなく、『Blow Up』と言えば、ヤードバーズが劇中で『Stroll On』を演奏していることがロックファン的には有名な映画なのだ。
ということで、ブートにまつわる個人的な記憶とMUが、あれあれと言う間に結びつく。フライヤー見てちょっとだけ驚いた。

と、まあ、どうでもいい個人的、感傷的な導入からの、この公演のこと。
ストーリーはフライヤー等にも書いてあるとおり、あるマンガ家とそのマンガをもとにした同人誌を書く女子たちのあれこれである。

ブートというのは、多くはライブを勝手に録音して、アーチストの承諾を得ず売ってしまうものであり、中身はホンモノがやってるけど、作品としてはニセモノであるというものである。

ブートとオフィシャルリリースは、ホンモノとニセモノの境界ははっきりしている。しかし、買う側からすれば、ブートはニセモノと知っているけれど、ホンモノでもあるから買うのであるという、実に曖昧な世界にある。
しかも、当たり前だが、ニセモノは売ることができないはずなのに、ヨーロッパで作っているCDです、というインチキな建前で、堂々と売られている。こんなことは日本だけらしい。胡散臭く、ホントは真っ黒なのに、灰色ですよ、と言い張る。

舞台の内容も、ホンモノとニセモノの境界ははっきりしているのに、「商品」として存在するところにおいては、曖昧になっていく、オリジナルと同人マンガの微妙なラインが描かれていく。同人誌の「二次創作物」は、「黙認」という形で、堂々と作られ販売されていく。いわゆるブートとは違うのだが、その曖昧さにおいては同等だ。
劇中での「コスプレ」なんていうのもそうだ。また、マンガ家の男の恋愛対象さえも、境界線ははっきりしているはずなのに、曖昧。自分でもよくわからない。
デモに行ってるのも、どこまでホンモノなのか、なんていうところまで見せたりする。
「萌え」が「過去の記憶のすり替え」みたいなこととして描かれており、それもホンモノとニセモノははっきりしているのに、脳内では曖昧になっている。

ここで、冒頭の映画『Blow Up』に戻るわけなのだが、この映画は、「本当にそれは起こったのか?」と、虚・実が曖昧になるストーリー。ラストには、それが実に印象的なシーンで表される。なので、見終わって、フライヤー見て、またニヤリとしてしまうのだ。

同人マンガでありながら、「創作」という点においては「オリジナル」であることを、同人マンガ家の女は意識している。彼女たちに犯されてしまった「オリジナルマンガ」を描いているはずのマンガ家が、逆に彼女たちの「オリジナル」を犯していくというあたりからMUっぽくなっていき、ストーリーに加速度が増していく。

いろんなことが曖昧になりながらも、微妙なコミュニティーが成り立ち、一見、バラパラだった人たちが結びついていく。
しかし、その蜜月はあまりにも短く、1人の恋愛感情によって破壊されていく。ちょっとした出会いが、マンガ家と同人マンガ家たちとの関係だけでなく、その前にあった、マンガ家と店長、同人マンガ家の2人の女性たちの関係も「個」にしていくのだ。
もともと、いろんなことに不器用そうで、いかにもグラグラした不安定な足場の上に立っている、この4人だから、軽い一押しで簡単に壊れてしまう。
そういうものとは無縁の同人マンガを描いている女の妹・ミカには、関係ない出来事である、という視点が入るところがいいのだ。

かつてのMUの作品には、誰にも埋めることができない「虚無」を強く感じていた。今回もそういう片鱗はあるのだが、少し角度が変わってきたように思える。
もちろんそれはそれでいいのだが、個人的な好みとしては、もっと「痛く」てもいいような気がする。それが強すぎると、観客の中に生まれるリアリティの範疇を超えてしまい、作り物っぽくなっていまうのはわかるのだが、それでももっと攻めてほしいと思う。

こういう言い方は失礼なのかもしれないが、MUは「うまくまとめてきすぎ」ではないかと思う。特に今回の、この作品ではそれを感じた。
「うまくまとめる」ことは、大切なことなのかもしれないが、丁度、当パンにハセガワさんが書いているように「映画と演劇の違い」という点からも、「映画では重視している構成」はぶっ壊して、「演劇は台詞」にすべてを託して、ナマのありようを見せていいんじゃないかと思うのだ。MUの舞台は台詞が濃厚だから。

だから、今回のエンディングで言えば、犯人は店長以外に考えられないと観客の誰もが思っているはずだから(そう思えない観客は捨ててもいい・笑)、あえて店長の姿をラストに見せる必要はなかったのではないかと思うのだ。行方を眩ましたまま。
そこでは、バラバラになった登場人物たちのバラバラさを感じさせるラストか、または、唯一彼らのコミュニティに(本当は)いなかったリア充ギャルの姿でもよかったのではないだろうか。
あるいは、冒頭のシーンとのつながりで、店長が(斬られる)ポーズを取り、彼が死んだのではないか、と思わせるようなものでもよかったのではないかと思う。
まあ、素人が今思いついたことだけど…。

ついでに書くと、「中野ブロードウェイ」よりは「池袋・乙女ロード」界隈のほうがBL同人誌っぽいのでは?
あと、同人誌を描く2人の女性の台詞回しは、まるで自分自身だけに向けて話しているふうな感じのほうが「一人感」が出たように思える。
店長の、オネェ言葉じゃないのに、語尾のちょっとしたニュアンスで、ソレと感じさせる台詞回しは良かった。

MUから底なしの虚無感が(ストレートに)感じられなくなったのは、劇団化という、「リア充」のせいではないか、と勝手に思っている(笑)。
いや、冗談はさておき、劇団化することで、新しく変化していくのはとても楽しみだ。

MUはこの作品以降、こうしたバーやカフェでの公演を定期的に行うということなので、「劇団」としての「練りの時間」がいい感じに取れていくのではないだろうか。だから期待できる。

また、上演時間70分ぐらいなので、観ることが負担にならず、飲食OK、しかも笑いがあって、アイロニーもありの、気が利いている演劇は、平日アフター5に丁度いい。
バーやカフェでの公演は、今までも多くあったが、単なる「演劇の会場」としての、パーやカフェということではなく、きちんと方向性とポリシーをもって公演を打つことで、うまくすれば文化として定着するのではないかと、やっぱり期待している。
面白い試みだ。

あと、客入れの音楽は、せっかくだからスマパンのブートとかがいいのでは。それってベタすぎ?(笑)


参考(笑) → The Yardbirds『Stroll On』@『Blow Up』
http://youtu.be/p8ff13foV5E
露出狂【8/27@名古屋/8/29@大阪!!!】

露出狂【8/27@名古屋/8/29@大阪!!!】

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2012/07/26 (木) ~ 2012/08/04 (土)公演終了

満足度★★★★★

露出狂 ゲネプロ
リメイク作品がブームの昨今、初代の方が良く、リメイクするとダメという作品が多い中、本作はリメイクした男版の方が断然良かった!美術がすごい!
男版はテーマ曲?が作られ、みんなで歌い、めちゃくちゃカッコいい!
エロゲーみたいな設定って何?という笑えるセリフは健在で会場笑いの渦。
各キャストの演技が熱く、男、男しており、勢いがあり、熱気ムンムン。
くだらない、何じゃこの設定とゲラゲラ笑いながら、最後はポロリ考えさせられジーンと感動。

【公演終了】薄倖の女はスクリーンに夢を見る。【ありがとうございました】

【公演終了】薄倖の女はスクリーンに夢を見る。【ありがとうございました】

映像・舞台企画集団ハルベリー

シアター711(東京都)

2012/07/25 (水) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★

フィナーレが…
後半からどんどん面白くなりました。

ネタバレBOX

いきなりお姉さんの声が半音高く、しかも口調が姉御風で何これと思い、胃拡張にでもなったのかと思うくらい胃の辺りが下腹部よりも突き出ていましたが、お姉さんは妊娠しているのでした。

もう少し位置を考えないといけませんし、最後まで観てもそもそも妊娠している設定が必要だったのか疑問でした。

それにしても主人公である妹は腹立たしいくらいのドジでした。そして、それなら配達から帰ったら伝票を店長に渡すくらいのルールを作れよと、責任者の管理能力にも腹が立ちました。

前半はイライラしながら観ていましたが、映画「野良太」のイケメン俳優が飛び出してきてから面白くなりました。妹は同一人物の二人から求婚されるなどモテ期を迎えましたが、最後はまた薄幸に戻ったのか、そうじゃないのか…。

そこで、ラストの「Fin」ですが、なぜ「野良太」の「終」を使わなかったのでしょうか。舞台に誰もいない状態での「Fin」では、お芝居の終了としか解釈できませんが、もし「終」だと、彼女が「野良太」の世界、イケメン俳優の許に行ったのかもしれないという余韻が残り、物語全体がより深くなったのではないかと思いました。
みんな豚になる-あるいは「蠅の王」-

みんな豚になる-あるいは「蠅の王」-

ワンツーワークス

吉祥寺シアター(東京都)

2012/07/20 (金) ~ 2012/07/26 (木)公演終了

満足度★★★★★

「二度観」しました!
私としては珍しいのですが、二度観しました。
重い芝居を、猛暑の中、横浜からは遠い吉祥寺に行き。
そしてアフタートークまでいると、帰りもかなり遅くなって、翌日疲れますが、
やはり観終わると、「観に行って良かった」と思いました。
(以下ネタバレ)

ネタバレBOX

二度観ですと、「それからどうなるか」が分かっているので
(台本に変更があれば別ですが)、
前半部は結構楽しい雰囲気にも包まれているものの、
これが悲劇的結末に向かうのだと思うと、
何とも言えない気分に・・・。

そして、この前半部に「伏線」がかなりちりばめられていることに
気が付きました。
1回目は、「やや違和感があるシーンが出てきたな」で
やり過ぎしていましたね・・・まあそれで良いのだとは思いますが。

さて、この日のアフタートークは役者3人によるもので、
これまた興味深いものでした。
この日の3人、地と配役と逆の方ばかりだったようで、
それまでのアンケートでは、「いじめ役」の方、
結構お客からも嫌われてしまったみたい(好演の証拠ですが)。

それで、「いじめ役」の方のお話で、最初はいじめるシーンの動作や台詞に、
違和感を抱いたそうですが、繰り返すうちに、それが無くなってきたとのこと。

実は、書くいう私も、2回目は「いや、結構いじめた側にも一理あるじゃない。
たしかに仕事ができない人っていうのも困るんだよね」なんて、
正直思ってしまいました。

もちろん、これは1度目にも多少は感じたことですし、
また今回の2度目も、やっぱりいじめられる側の切実な訴えが、
観る者の心に響いてきたのもたしかでした。
要はこの相反する感情のうち、
どちらの比重がより高かったか、ということでしょうか?

つまり(これもアフタートークで言われていましたが)
人間みな両方の要素を持っていて、
ただ、慣れてくると、いじめに対して咎める感情が希薄化してくる、
というのは確かのように思えます。

会社に限らず、連日報道されている学校でのいじめや、
卑近なところではネットでのいじめなどというのも起きるわけです。
精神科医キュブラー・ロス女史が、「人間誰しも、マザー・テレサの要素と、
ヒットラーの要素を心の中に持っている」と言っていて、
ただ、どちらの要素がより支配的なのか、ということなのでしょうね。
あの大鴉、さえも

あの大鴉、さえも

思出横丁

池袋GEKIBA(東京都)

2012/07/18 (水) ~ 2012/07/22 (日)公演終了

満足度★★★

時間が経つにつれて…
思出横丁さんの公演を観たのは、これが初めてでした。
作品自体はとても面白いのですが、役者さんたちの台詞や表情が棒読み、そして強張っているように思いました。でもそれは、本番が始まってからだんだんと良くなり、途中から舞台の流れがスムーズに流れていった気がします。なので、それを最初から出していただけたら嬉しかったです。
千秋楽だからでしょうか。最後は舞台上が大変なことになってましたねwww水が使える小屋で良かったですねwwあの思いっきりでハチャメチャなテンション、好きです♪

三谷版 『桜の園』

三谷版 『桜の園』

パルコ・プロデュース

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2012/07/25 (水) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

とても素晴らしい舞台!
まず三谷の「桜の園」の解釈が完ぺきであることに驚く。
青木さやかの前説に始まり楽しく見れる工夫がそこかしこに。
浅丘ルリ子が「桜の園」の大切な部分を適切に表現していく。伝わるものがある。
市川しんぺーはこんなに演技ができる役者だったのか。知らなかった。
大和田美帆もとても良い。藤井隆も良い。

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