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乙女ごころ三人姉妹【閉幕いたしました】

乙女ごころ三人姉妹【閉幕いたしました】

直子あんりタイタイ

CCAAアートプラザ ランプ坂ギャラリー ランプ3【四ツ谷】(東京都)

2012/06/02 (土) ~ 2012/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題402(12-145)
11:00の回(晴、暑)。四谷三丁目で降り少し歩いてみました。マンション、アパート、お風呂屋さん、坂道、(いつもそうなのか)そこかしこに「制服」の方が警備中、立って、歩いて、自転者で、もちろん車両も。ぐるっとひと回りして10:05会場着、準備中だそうで少し待ちます(ここは涼しい)。地下1階でスリッパに履き替え、もうひとつ下へ(地下2階ー)。白い壁、外光が入るので明るい、右手の窓の外はグラウンド、太い円柱が2本、正面に受付(スタッフの方、夏らしく浴衣姿)。10:20受付、10:30開場。11:03前説、11:05開演〜12:11終演。アフタートーク12:17〜12:28。青い空、新宿まで歩きます。

会場は、昨年11月「世田谷ものづくり学校」でみたThe bambiestの公演とよく似た雰囲気。お天気がよく、窓を開けていて気持ちがよい。学校の教室、壁を白くした会場、最前列は桟敷き、後はミニ椅子。舞台には畳シートが敷かれ、窓際には学習道具を入れておくようなBOX、手洗い場(ちゃんと水が出る)。

深谷さんがでていらっしゃるので観劇、「ハムレット」以来。村上さん、渡邊さんも他のお芝居で。

声がいい具合に響くので深谷さんの超高音&大音量はきっと外でも聞こえていたことでしょう。それがこの公演では3人分。外(廊下側、校庭)、窓、水道…室内外なんでも使っています。室(戸)外は、The bambiestのときも使っていて、ポかリン記憶舎のカフェ公演でも役者さんは「客」として入口から普通に入ってきます。窓から入ってきたり、2階の部屋になったり、廊下からはスタッフの方でしょうか、肘から先だけ出演。

今日はよく人が行き来してました。

窓の外には蚊取り線香、たしかにいました。


芝居+役者さん+会場+陽気で5。
 

深海のカンパネルラ

深海のカンパネルラ

空想組曲

赤坂RED/THEATER(東京都)

2012/04/15 (日) ~ 2012/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

生きていくために。
だいぶ時間が経ってしまいましたが、忘れ難いほど心を掴まれた芝居だったので今さら感想。ここは本当に戯曲が神かと思う。目を逸むけがちな絶望を真正面からとらえてて、見ている最中は「こんなの解決しようがないじゃん」って思えるのに、最後にはきちんと光を用意していてくれる。それも都合良かったり、押し付けがましい光じゃなくて、こっちが目を凝らせばうっすら見える程度の現実世界にちゃんとある光(分かりづらくてごめんなさい)
親、兄弟、友人、大事な人達との別れを受入れて生きていくにはどうしたらいいのか……という誰でもいつかは向き合わないといけない問題に対して、誤摩化したり、観客に投げっぱなしにするのではなく、作家さんなりに(おそらく)苦しみ抜いたであろう答えをきちんと提示してくれていました。
当分は見過ごせない団体さん(?)です。
7月の短編集も楽しみ!

15 Minutes Made Volume11(ご来場ありがとうございました!!)

15 Minutes Made Volume11(ご来場ありがとうございました!!)

Mrs.fictions

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2012/06/07 (木) ~ 2012/06/11 (月)公演終了

満足度★★★★

梅棒が最高。
ものすごく凝縮されたエンターテイメントってかんじでほんとすばらしかったです。堀越さんの一人芝居も短い中でいろいろな表情を見せてくれて素敵でした。参加団体の全部が全部じゃないけど、おおむね満足。

乙女ごころ三人姉妹【閉幕いたしました】

乙女ごころ三人姉妹【閉幕いたしました】

直子あんりタイタイ

CCAAアートプラザ ランプ坂ギャラリー ランプ3【四ツ谷】(東京都)

2012/06/02 (土) ~ 2012/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

新旧の融合
恐らく原作映画(未見)に起因するであろういかにもモノクロ映画っぽい雰囲気や歌舞伎的な演出(一部)の「旧」と、オーストラ・マコンドーの JORDI TOKYO での公演でも見せた会場の外及び「会場との境界」を使う演出を筆頭とした「新」との融合具合が面白い。
そして文字通り「かしましい」(笑)。
今後、第2・3回公演へと続くとイイな。
ちなみに原作としている同名映画のそのまた原作である川端康成の「浅草の姉妹」も2008年に映画化(短編4編のうち1編)されていたそうで、波瑠、韓英恵というキャストも含めて気になる。

【全日程終了!】鬼畜ビューティー【ありがとうございました!】

【全日程終了!】鬼畜ビューティー【ありがとうございました!】

ロ字ック

サンモールスタジオ(東京都)

2012/06/06 (水) ~ 2012/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

「他人の不幸は蜜の味」的?(笑)
今回も「おんな」丸出し、オトコの身として「そんなトコまで見ちゃってイイの?」ではあるが、コワいというより「他人の不幸は蜜の味」的な(笑)。
また、終盤でのある人物の「逆襲」に溜飲を下げる。
さらに壁の落書きや掲示された習字、劇中のテレビ番組などもアソビがあって楽しい。

True revive

True revive

劇団GHK

明石スタジオ(東京都)

2012/06/08 (金) ~ 2012/06/10 (日)公演終了

満足度★★★

これから期待できる
正直言って、若い劇団で、役者さんの力量にはまだまだ違いがあるけれど、公演を重ねることで特徴を活かした劇団に成長できそうに思いました。殺陣やリズム感のあるお芝居は見応えありました。これからも期待しています。

【全日程終了!】鬼畜ビューティー【ありがとうございました!】

【全日程終了!】鬼畜ビューティー【ありがとうございました!】

ロ字ック

サンモールスタジオ(東京都)

2012/06/06 (水) ~ 2012/06/10 (日)公演終了

満足度★★

好感がもてるお芝居
一言でいうと、好感がもてる演劇でした。

皆さんとても一生懸命で、その様な一生懸命さをみせられると
いつもなら、うんざりするのですが、
観ていて応援できるそんな人達でした。

ネタバレBOX

さて、内容についてですが、完全に個人的な好み
の問題として、【消化不良】です。

ロ字ックさんの次回作がみたいか?
と聞かれれば、NOです。

せっかく、【性】を基軸として話を展開するのだから、
徹底的に【性】を聴覚•視覚的にも堪能させてほしかった。

【想像させる】という手法もあるが、そこにあえて挑戦しているようにも感じられませんでした。

表現に対する作り手の【悪意】というか、トンがった部分を観たかったと思いますが、全体的にバランスをとった結果なのかもしれませんね。

最後によかった点を、、、
作家さんが、現在かかえている、悩みや夢を素直に
作品としている点がとても切なくせまってきて、
とてもグッとくるところもありました。

そういう真摯な姿勢はとても評価できると思います。
幸せはいつも小さくて東京はそれよりも大きい

幸せはいつも小さくて東京はそれよりも大きい

アマヤドリ

扇谷記念スタジオ・シアターZOO(北海道)

2012/06/07 (木) ~ 2012/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

6月10日14:00と19:00からZOOにて公演
やっと新生アマヤドリでひょっとこ乱舞公演の改訂版を観れた!会話とダンスのバランスが絶妙でしたー小田さんは弁護士を目指していただけあって屁理屈に納得させられそう(笑)

カサ・ノワール

カサ・ノワール

ZIPANGU Stage

萬劇場(東京都)

2012/06/07 (木) ~ 2012/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

コメディ
特におどろおどろした場面はなく、どちらかというとミステリーだったが、登場人物のキャラクターがインパクトがあって楽しい。奇妙で底抜けにバカバカしいけれど、血のつながりのない家族愛も覘かれ素敵な物語でした。

ハンドダウンキッチン

ハンドダウンキッチン

パルコ・プロデュース

福岡市民会館(福岡県)

2012/06/05 (火) ~ 2012/06/05 (火)公演終了

満足度★★★

我々は夢と同じものでできている
 あるレストランの厨房を舞台にしているが、これはいわゆる「バックステージもの」の変形である。
 華やかな舞台、スターやアイドルが煌めき、絢爛たるロマンやサスペンスが繰り広げられるその裏で、スタッフたちの地味な姿、現実の愛憎が描かれる様は、演劇が生み出す虚実皮膜の境を冷徹に表出する。「バックステージもの」が表現しようとするものは言わば「演劇とは何か」という本質論である。なぜ我々は、演劇という「虚構」を生み出さなければならなかったのか、という問題提起だとも言える。
 もちろん、舞台上で展開されるストーリーは純粋なエンタテインメントであるが、この舞台の面白さを支えている本質が「我々は自らの作り出した虚構の中にしか生きられない」という認識論に基づいていることを指摘しておきたいのだ。
 レストランのホールという表の世界は、実は裏のスタッフたちが創り出したウソの世界である。しかし物語はそれだけに留まらない。彼らが裏の世界で語る言葉もまた、その裏にまた別の「真実」を孕んでいる。即ちこれは、表と裏の二重構造の物語ではなく、表と裏とそのまた裏の、ウソを吐く人間の本質もまたウソに塗れているという、三重構造のドラマになっているのだ。
 我々が虚構を求めるのは、あるいは虚構に救われようとするのは、真実があまりにも我々の「夢」を裏切っているという、現実の不条理に根ざしている。現実を認識することくらい、辛いことはないのだ。これは「人はなぜ騙されるのか」という心の問題とも密接に関わっているが、我々は悲惨な現実に打ちひしがれて、それでもなお生きていこうとするなら、虚構にすがらざるを得なくなるということなのだ。一見、現実のように見えるそれが、実は見え透いたウソだと見当が付いても、それを認めるのが辛い時、人は自己暗示を掛けてウソをホントウだと信じようとしてしまう。
 我々の虚構への射幸性を「夢だっていいじゃない」という言葉で表すことがある。しかし作・演出の蓬莱竜太は、そんな「甘え」を許さない。演出としては極めてリアルで、幻想的なシーンが数カ所挟まれるくらいである。数日間の出来事を描いているので、場面転換も少ない。外連味には乏しいが、演劇の基本に忠実な極めて実直な演出だと言える。
 だからこそ、ホールの「真実」が次々に暴かれていく展開には容赦がない。そこで観客もまた、冷徹な現実を突きつけられるのである。「あなたもまた、誰かの夢の中にいる虚構の存在ではないのか」と。夢から醒めた方がいいのか、醒めない方がいいのか。登場人物たちの行く末に答えがないように、我々にも具体的な答えは与えられない。虚構と現実のせめぎ合いの物語は、こうして我々に投げ渡されたのであった。

ネタバレBOX

 蓬莱竜太の舞台は、所属する劇団モダンスイマーズのものは多分、観たことがない。記憶に残っているのは『世界の中心で、愛をさけぶ』や『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』など、映画も『ピアノの森』『ガチ☆ボーイ』と全て原作付きのものであった。脚色、演出だけでも、その作家の資質を図ることは不可能ではないが、恐らくは本人の意向ではなく「依頼」によって行った仕事で、しかもこうも「人情もの」ばかりでは、そういう方面の仕事しかしない人なのかと錯覚してしまいそうになる。完全オリジナルの本作で、蓬莱竜太が現代というキャンバスに何を描こうとしているのか、それが見えるのではないかという興味が一つ。
 また、前川知大の舞台に連続して主演し、成長著しい仲村トオルへの関心、大病の後復帰した江守徹への応援の気持ちなど、それらが鑑賞の動機になった。
 実際に鑑賞したあと、一番に感じたことは、作者が演劇に対して、そして現代社会に対していかに真摯に向き合っているかということであった。当たり前のことではあるのだが。

 蓬莱竜太は、このドラマの発想をテレビショッピングのスタッフたちの会話から思い付いたという。商品を売るための口八丁、手練手管、どうでもいいものを高く売るそのやり口は、一歩間違えればそれは「詐欺」にもなりかねない。しかし、それはどの業界についても言えることなのではないかと。そう考えると世の中はどれだけのウソに溢れているのか、想像も付かないほどだと。そして作者の想像は更に発展する。なぜ人はこれほどまでに虚構を求めるのだろうかと。

 舞台となるレストラン「山猫」にはモデルがある。
 恐らくその一つは昨年(2011年)までスペイン・カタルーニャの片田舎にあった三つ星レストラン「エル・ブリ(エル・ブジ)」である。映画『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』でも紹介された実在のこのレストランは、フェラン・アザリアというカリスマ料理長の名前とともに有名になったこと、全ての料理が創作料理で、一度出したメニューは二度と出さないこと、その料理はデザインが奇抜で、ものによっては「料理に見えない」ほどであること、予約で客が入りきれないほどの人気絶頂(年間200万人!)のさなかに突然閉店したこと(舞台の方は閉店するかも、で終わるが)など、共通項が多い。
 もう一つのモデルは、劇中でも触れられていた通り、宮澤賢治『注文の多い料理店』に登場する「山猫軒」である。料理する側が客に「注文」を付け、最後にはその客を食ってしまう化け猫の罠。劇中の「山猫」も、客を騙してとんでもない料理を食わせるところは“人を食っている”。

 その通り、レストラン「山猫」は客を詐欺に掛けているのである。カリスマシェフと言われている七島誠(仲村トオル)は、学生の頃交通事故にあって右手が使えなくなり、料理人の道を諦めた。従って、彼が父・勇次郎(江守徹)の跡を継いで「山猫」のオーナーシェフになってやったのは、路上画家の海江田恵介(宮崎敏行)に前衛画のような料理の絵を描かせ、その絵に合わせた料理をでっち上げることだった。味付けなどデタラメだが、「ここでしか食べられない料理」が売りになって、「山猫」は店舗を広げるほどに繁盛することになった。
 そこにやってきたのが、東京のレストランから都落ちしてきた関谷直也(柄本佑)である。修行のつもりが、誠の姉・梢(YOU)から「あなたがこの店のオーナーシェフになって」と依頼され、困惑するが、やがて店の秘密に気付くことになる。憤慨する直也だが、誠から「ここの客は美味い料理なんか望んでない。客はここでしか食べられない料理を食べ、この店で食べられたことに満足する。それのどこが悪い」。直也は反論できない。

 「人は虚構の中でしか生きられない」という事実が、この台詞に凝縮されている。人がベストセラーを読みヒット映画に群がるのは、本や映画が面白そうだからではない。それがベストセラーでありヒットしているからである。有名大学を目指し、大企業に勤めたがるのは、学を修めるためでも社会貢献のためでもない。その大学や企業が有名だからである。一度、その「流れ」が出来てしまえば後はスタンピード現象を起こすだけだ。
 誠は、直也に、床に落ちた野菜までもそのまま材料にして客に出させる。「隠し味が利いてたよ。美味そうに食ってたぞ」と誠は嘲笑し、直也の反発を抑える。悪辣だが、観客はなかなか誠に反感が抱けない。物語が進むにつれて、誠の主張に真実を見出さずにはいられなくなるからだ。仲村トオルが実に楽しげに誠を演じていることも、理は誠の方にあると観客に感じさせる要因になっている。

 しかし、現実をウソで塗り固めようとする誠の行為は、「山猫」の取材にやってきたライターの前橋真紀(佐藤めぐみ)が、店の秘密を知ってしまったために瓦解し始める。諍いの中で、海江田はショックのためか、絵が描けなくなる。海江田の絵がなければ料理を作ることは出来ない。父・勇二郎は優しく「店をやめたっていいんだぞ」と言うのだが……。
 誠は梢に指弾される。「あなたは寂しかっただけだ」と。そういう梢も、誠の暴走を止められなかったのは、誠の右腕の故障の原因を作った車の事故、誠を乗せた車を運転しいたのが、他ならぬ梢だったからだった。
 「もう一度、初めから話しましょう」。梢の誠への問いかけで物語は終わる。印象的なのは、このラストシーンが、このリアルな舞台でほぼ唯一、幻想的な味わいを持っていることだ。見つめ合う二人を、直也を初めとして、その場にはいないはずのコックたちがいつのまにか現れて、彼らを見守る。さながら幽霊のように沈黙したまま。
 最後に明かされた「真実」もまた、幻想の中の一シーンとなるこの幕切れが意味するものは何だろうか。果たして「山猫」は存続して行けるのか否か。解釈は多様だろうが、描かれざるこれからの物語がもしあるとすれば、それはやはり「虚構」と「現実」のせめぎ合う物語になるだろうということだ。我々は結局は虚構の上に更に虚構を重ねていくしかないという、「自分探し」とは全く無縁の「真実」を受け入れざるを得なくなるのである。
Hysteric・D・Band「神様の観覧車」

Hysteric・D・Band「神様の観覧車」

LDH JAPAN

青山円形劇場(東京都)

2012/06/06 (水) ~ 2012/06/17 (日)公演終了

満足度★★★

ベタベタベトベト
こういうのを何とか小説と言うのでしょうか。

ネタバレBOX

観覧車から父母とともに転落した少女、父母は亡くなり、少女は失明。兄たちに育てられていますが、余命一ヶ月くらいの病気が判明し、兄たちが思い出の遊園地の雰囲気を楽しませようとする話。

あの日、帰り際に三番目の兄がジェットコースターに乗りたいと言ったことが観覧車事故につながったとして、三番目の兄は責任を感じて引き籠もりになっています。

一方、長兄が隠していた父母の遺書が見つかり、事故は無理心中だと言うことが分かりましたが、三番目の兄にも、事故が原因で廃業した遊園地の経営者および経営者の息子にとってもとんでもないことです。時間を返せです。

内側から鍵が外せたことは問題ですが、保険金詐欺の問題は残ります。遺書を書くこと自体いやはやです。

これでもか、これでもかというのは、全く好みではありませんでした。

メリーゴーランドはいいとして、転落した観覧車を前にしてそもそもハッピーな気分になれるのでしょうか?!
ことほぐ

ことほぐ

intro

生活支援型文化施設コンカリーニョ(北海道)

2012/05/31 (木) ~ 2012/06/04 (月)公演終了

満足度★★★★★

「ここにいる」ということ
ブラックボックスの中に楚々と立つ電信柱を見た瞬間、「あぁ、北海道まで来てよかった」と思いました。円形にとられた演技スペースの周囲にはバス停や自転車が置かれ、その上を電線が走っています。

物語の主人公は3人の祝福されない妊婦たち。頼れる男もいなければ、水道代さえない彼女らは、悪態をつきながらも、なんとか身を寄せ合って生きています。

ネタバレBOX

一見閉じた設定のようですが、舞台装置と同じく、彼女たちもまた、外部との繫がりを完全に絶つことはできないし、またそうした隣人や兄弟とのかかわり(それはけっこうハチャメチャなものだったりもするのですが)を通じて、自ら「ことほぐ」ことに近づいていくわけです。水道も止まった、ある夏の1日の終わり。三人に小さな転機が訪れようとしたその時、遠くに聞こえていた「北海盆踊り」の節が、子供バージョンから大人バージョンに変わり、やがて太鼓の音が劇場中に鳴り響きます。それはこの作品が、作り手たちの生きる場所、現実のコミュニティへと接続される、感動的な瞬間でした。

誰に向けて何を届けたいのか——。この作品とカンパニーは、普遍的なテーマを扱いながら、自らの拠って立つ場所をしっかり見据えていると感じました。でも、考えてみれば、個人の創造的営みを、集団で共有し、さらに社会の中におく演劇は、はじめからそうした普遍性と固有性のあいだにあるものなのでしょう。輪になって一緒に踊っていたはずの登場人物たちが次々といなくなり、家主の妊婦一人が踊る、そのシルエットで、芝居は幕を閉じました。

15 Minutes Made Volume11(ご来場ありがとうございました!!)

15 Minutes Made Volume11(ご来場ありがとうございました!!)

Mrs.fictions

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2012/06/07 (木) ~ 2012/06/11 (月)公演終了

満足度★★★★

なるほど2012
いつも、企画全体、個々の演目、素晴らしい品質を保っている。今回公演はいつもより「なるほど」。2012年ってそういう時代なのか。地図なき時代の地図を手に入れた。

ネタバレBOX

6演目個別内容については他の人が言っていることが本当にそのとおりなのだが、簡単に。

○月刊「根本宗子」

手堅い作劇。職人としてかなり能力が高いとみた。

○宗教劇団ピャー!!

ぜんぜん好きじゃないが、いろいろと考えさせられた。

○Mrs.fictions

やっぱり中嶋さんてすごい作家だな。

○MCR

面白い。役者。

○あやめ十八番

品と色気。

○梅棒

非常にクオリティの高いショーパブ。
演出家は将来超一級の振り付け師になるかも。

○前説・後説

かみかみの今村さんが可愛すぎて萌える。
断脈

断脈

熱帯

サンモールスタジオ(東京都)

2012/05/30 (水) ~ 2012/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

人間関係の芝居
人間関係が緻密に構築されていて、
見る方は常に頭の中で誰かと誰かが結びついており
今起こった出来事で、そこにいない人間関係のズレを想像する。
興味が尽きない舞台でした。
俳優さんがみんな達者で、演出に無駄がなく、
テンポも気持ちも途切れずに最後まで見ることが出来ました。
ハイレベルで面白かった。

うれしい悲鳴

うれしい悲鳴

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2012/03/03 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

空間を揺るがす演劇
言葉が世界を、構造を立ち上げる。その世界の中で俳優たちの身体が震え、客席と共振する。言葉(戯曲)と身体が織りなす、演劇のダイナミズムを体現するような芝居だったと思います。

理不尽で不条理な暴力が横行する近未来にあって、痛みを感じない男となんでも過敏症の女の結びつきを描く物語は、政治や社会状況への疑問を抱えながら、現状を甘受し続ける私たちの現在の写し絵なのでしょう。一つの役を複数の人物の証言や演技で表現するスタイルは、個と集団のさまざまな関係への思索を促す、とても刺激的なものでしたし、時おり差し挟まれる鮮やかな群舞(乱舞)もまた現代の群衆や大衆のあり方を思わせ、物語にさらなる奥行きを与えるものとなっていました。



ネタバレBOX

男性の役を複数の俳優が演じる(証言する)のに対し、女性の役は二人。そこになにか含意があるのか、とても気になったのですが……それについては最後までうまく読み取ることができませんでした。

詩的な言葉とストレートなメッセージの絡め方にも、演劇らしいジャンプ力があり、スケールを感じます。もちろん、そのダイナミズムを感じ取り、ついていくのは、観客としても体力のいることでしたし、長いモノローグになると、どうしても客席ごと「気分で流されている」ような気もしてしまいました。とはいえ、この言葉と想像力と現実とをつなぐ感性、そこから生み出される空間の、今どき珍しいほどの「ザ・演劇」感には、格別なものがありました。
カサ・ノワール

カサ・ノワール

ZIPANGU Stage

萬劇場(東京都)

2012/06/07 (木) ~ 2012/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

ミステリーコメディ
席についてまず雰囲気抜群の舞台美術に圧倒されました。
次々に登場する楽しいキャラクターを持った役者が登場し、ストーリーも凝っていて、楽しい時間でした。

鈴木の行方

鈴木の行方

タテヨコ企画

駅前劇場(東京都)

2012/06/06 (水) ~ 2012/06/12 (火)公演終了

満足度★★★★

しみじみしてみて
どこかの段階で心の洗濯をすることが大事ですね。

ネタバレBOX

作家として都会で何とか暮らしているものの、男40歳、将来に不安を覚えた主人公が帰省して立ち止まってみた話、ですかね。

主人公は盆と正月に実家に帰っていても級友には会っていなかったのですが、今回帰省して会ってみました。

白日夢の中で病気で死にかけていると聞いた級友が元気だったり、どろどろした恋愛が幸せな恋愛だったり、鈴木と名乗っていた級友がきちんと苗字を名乗り出したり、主人公のマイナス思考がリフレッシュされ、前向きになれたということなんでしょうね。

それにしても、白日夢で少しぼんやりした記憶の象徴なのか、なぜみんなが鈴木姓を名乗ったのかはよく分かりませんでした。

色々なお芝居で犬を見掛けますが、それぞれ表現の仕方は異なっても犬らしいのが不思議で、かつ納得してしまいます。
【全日程終了!】鬼畜ビューティー【ありがとうございました!】

【全日程終了!】鬼畜ビューティー【ありがとうございました!】

ロ字ック

サンモールスタジオ(東京都)

2012/06/06 (水) ~ 2012/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

姉妹の
物語、女の物語、怖くて、かっこいい

Crime and Punishment

Crime and Punishment

M.M.S.T

FUCA(福岡県)

2012/06/09 (土) ~ 2012/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

演出家の力量
演出家の仕事を堪能した。
役者も誠実に思えてよかった。
濃密な90分を過ごした。

ネタバレBOX

前半の手数をうってくるところから、後半の役者で勝負の展開。
個人的な好き嫌いで言うと、後半にもなにか入れてほしい。が、そういう演出家の意図なのだろうと思う。
Hysteric・D・Band「神様の観覧車」

Hysteric・D・Band「神様の観覧車」

LDH JAPAN

青山円形劇場(東京都)

2012/06/06 (水) ~ 2012/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★

切ないストーリー
初めて来た劇場ですが、どの席も舞台に近くよく見える。
少し当初想像していた結末とは違ったが、家族愛を感じる良質なストーリーであった。大道具や小道具等いろいろ工夫がこらしてあり、たっぷり楽しめた二時間であった。

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