最新の観てきた!クチコミ一覧

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「我が上なる星空」

「我が上なる星空」

★☆北区AKT STAGE

北とぴあ つつじホール(東京都)

2012/07/14 (土) ~ 2012/07/16 (月)公演終了

満足度★★

逸見、高野の演技力
広島に原爆を落とす日に続き、観劇。広島に出ていなかった逸見と高野を観るためであった。
ストーリーは正直広島と比較するのは可哀想だが、今ひとつとしか言えなかった。殺陣やダンスは流石のAKT、観ていて気持ちが良い。
逸見と高野、時津、伊澤らの演技力は高いので、次回はつか作品でお目にかかりたいものだ。

「宇宙みそ汁」 「無秩序な小さな水のコメディー」

「宇宙みそ汁」 「無秩序な小さな水のコメディー」

燐光群

梅ヶ丘BOX(東京都)

2012/07/02 (月) ~ 2012/07/20 (金)公演終了

満足度★★★

宇宙と主婦
初燐光群。面白い。ただ、場内が暑いのがつらい。

ネタバレBOX

「宇宙みそ汁」
主婦・愛子(円城寺あや)と4人の愛子を中心にして、アパート住人や息子(宗像祥子)との関係を描く。変わるのはみそ汁の具だけってセリフがあったが、主婦の活動する世界のこまやかな動きと主婦の心情を掬いあげ、面白い舞台作品に仕上がっていた。
複数人がセリフをつなぐ演出(もしくは声を合わせてしゃべるの)は好きな方でないのだが、声の感触やリズムがよいのかかなり心地よい出来だった。
変にタイトルに引っ張られない内容だったのも好印象。主婦のカラフルな衣装も素敵。

「利き水」
ミユキ(田中結佳)は、単身赴任の夫?の家の水道水の利き水をマスター(猪熊恒和)に依頼する…。ストレートは話を挟んでくれて助かった。原発事故による水の変化を静かに印象づける作品。

「じらいくじら」
浜辺に上がった長生きの巨大くじらに、兵士が地雷(鴨川てんし)を埋める。村の少年(宗像祥子)が犠牲になり、くじらは海へ戻り、深海(海溝?)で、地雷とともにひっそりと待ち続ける…。大人な童話って感じ。地雷の存在は待つことってことを鴨川が冷静に話すところがミソか。一度生まれた存在を忌み嫌うでもなく、内包するくじらはなにを思ったのだろうか。いい作品。
未来の担い手たちに告ぐ

未来の担い手たちに告ぐ

ThreeQuarter

池袋GEKIBA(東京都)

2012/07/15 (日) ~ 2012/07/16 (月)公演終了

満足度★★★

楽しめました。
研修生の方々が演じているという事で、演技力に関しては「う~ん・・」という所が多かったのですが、全体的なストーリーや流れは良かったと思います。どんな闇が隠されているのか?主人公の過去は何なのか?どんどん惹き付けられました。ただ先程も書きましたが、台詞をかんでしまう場面も多く、また主人公の恋人役の方が棒読みなので興醒めな感がありました。今後に期待したいと思います。

「広島に原爆を落とす日」

「広島に原爆を落とす日」

★☆北区AKT STAGE

北とぴあ つつじホール(東京都)

2012/07/13 (金) ~ 2012/07/16 (月)公演終了

満足度★★★★

ディープ山崎ですか
小説版をベースとした話とばかりおもっていたのだが、良い意味で裏切られてしまった。犬子ではなく、ディープ山崎とは。こちらの方が、つかさんの原作に近いのだろう。先日早稲田大学で戦争で死ねなかったお父さんのためにのビデオを観てきたところだが、土人の娘のシーンや四国を菱形の馬鹿げた島なんていうシーン、納豆部隊の話は、まさにそこに原点があり、戦争で死ねなかったから、その後の広島に原爆をに繋がって行ったのがよくわかった。AKTの旗揚げに相応しい演目としか言いようがない。
これからの本劇団の発展を期待している。
今週は、昨日のGFORCEのリングリングリング、週末の新幕末純情伝と、つか作品三連発。もう三回忌なんだなと改めて想う。

雨女

雨女

劇団・風紀委員会

盛岡劇場 タウンホール(岩手県)

2012/07/14 (土) ~ 2012/07/16 (月)公演終了

満足度★★★★

雨女
楽しく観れました。

ネタバレBOX

展開は「青木さん家の奥さん」まんまだったけど、被災地の描写もそこまで重くなかったし、女の人がワイワイする芝居は観ていて楽しかったです。
阿部菜摘さんが、ホームのTCTではあまりふられない破天荒なキャラクターを演じていて、とてもよかった。笑いの部分は、アドリブとか身内ウケが苦手な人は少しキツいのかも(自分は面白かったですが)。
「20世紀少年少女唱歌集」

「20世紀少年少女唱歌集」

椿組

花園神社(東京都)

2012/07/13 (金) ~ 2012/07/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

役者の力と演出の力
客席のあちこちから知り合いを呼びとめる弾んだ声、
団扇パタパタ、ビール飲みながら開演を待つ。
見下ろすセットは土埃巻き上がる廃線路引き込み線の奥、野原、立ち並ぶバラック。
歌謡曲がたっぷり流れて昭和の匂いが立ち上る。
野外劇の喧騒と解放感が今年もやって来た。

ネタバレBOX

紙芝居屋(外波山文明)が自転車をひいて出て来る。
紙芝居仕立てで客に注意事項を伝え、これも恒例となった
「花園神社は新宿区の避難場所に指定されております!
 皆さまはもうすでに避難しているのです!」
という言葉に今年も客席は爆笑、こうして夏の椿組が始まる。

舞台は関西の地方都市。
戦争で傷ついた身体を寄せ合うように4姉妹とその家族が暮らすのは
廃線路の引き込み線の奥にある小さな一角。
バラックの汚れとしみったれ具合、トタン屋根などがリアルに再現されたセット。
戸口にかかる布が花園神社を吹き抜ける風でハタハタとひるがえり
吹きっつぁらしの野原の風が客席まで通る。
野外劇の土と空間を生かした素晴らしい舞台美術(島次郎)だ。

国から立ち退きを迫られている場所であり、「むこう」側へ出て行く住民もいる。
「むこう」は楽園だと信じる若者、どこへ行っても同じとあきらめる者、
ここに残ってもがいている者、小さなコミュニティは毎日嵐のようだ。

物語は、4姉妹の長女冬江の娘ミドリの子ども時代を中心に
長じてミシンの訪問販売の仕事で再びこの町を訪れた彼女の心情を挟みつつ展開する。

この子ども時代のミドリを演じる青木恵さんが素晴らしい。
ミドリは「俺は男になって船乗りになるんや!」と叫ぶ“男になりたい少女”である。
男性が演じているのだと思って当日パンフを何度も見たが
可愛らしい女性の写真にびっくりした。
少年役の中で最も男の子らしい男の子だった。
話す口調、仕草、黙って立っている時から、潔癖な子どもらしさまで
21歳だという若さだけではない、なりきりぶりと作り込みが素晴らしかった。

長女冬江役の水野あやさん、美しい人なのに
徹底的に水商売のケバくてくたびれたおばちゃんになっていてとてもよかった。
子どもミドリの為に水商売に入ったであろうに、その職業ゆえ
ミドリから「お母ちゃんみたいになりたくない」と言われてしまう。
その哀しみが伝わって来て最後じーんとしてしまった。

次女秋江役の福島まり子さん、“大助花子”の花子みたいなおばちゃんが
あまりにもハマっていて、大いに笑った。

三女春江役の井上カオリさん、足の悪い(こちらが痛くなりそうな歩き方が上手い)
全てをあきらめて笑っている菩薩のような女かと思いきや
実は自分に正直な業の深いところを合わせ持つ複雑な女を熱演。

この春江をめぐって男二人が争う場面がものすごい迫力でハラハラした。
春江の夫役池下重大さんと、夏江の夫役亀田佳明さんが取っ組み合いのけんかをするのだが
井戸端に置いてある桶の水に顔をつっこんでいるうち、
亀田さんの口の辺りから超リアルな血が流れて
客席が一瞬ひやりとしたのを感じた。
だって血糊をつける暇なんて無かったはずだし、
でも口からシャツが真っ赤だし、血糊より薄い色だし、あれ本物じゃない・・・?
大丈夫だったんでしょうか、亀田さん?

秋江の夫役恒松敦巳さん、片腕を失って尚一家の大黒柱であり、情に篤い男の
誠実な人柄がにじみ出ていてとても良かったと思う。
この人が出て来ると場が安定して落ち着く。

ミドリを含む少年たちの遊びのシーンに、定型でない勢いがあって
それがテントの中の空気を一気に“あの時代”に変える。
ストーリー全体に骨太な演出の力強さを感じる舞台だ。
ラスト、大人になったミドリが、大嫌いだったあの町のあの時代を
ずっと大事に抱えながら生きてきたことがしみじみと伝わってくるが
それを丁寧に説明するあまり若干引っ張り過ぎた感がある。
向日葵のシーンが出色なだけに
そこへ辿り着くまでが少し冗長な印象を受けた。

これも恒例の“毎日打ち上げ”と称する公演後の飲み会も楽しかった。
このセットを組み、芝居をし、バラして、役者たちはまた次の仕事に備えるのだろう。
21世紀になって、あのころよりずっと暑い夏が過ぎて行く──。
未来の担い手たちに告ぐ

未来の担い手たちに告ぐ

ThreeQuarter

池袋GEKIBA(東京都)

2012/07/15 (日) ~ 2012/07/16 (月)公演終了

無題420(12-163)
12:00の回(晴、猛暑)。11:25会場着、1階に数人並んでいらっしゃいます。11:29照明のトラブルで開場が5分遅れますとのこと、エレベータ前は風が通らないのでかなり蒸し暑く、それでも20人ほどの列。12:36受付、開場。外から入ると空調が効いていて快適、劇中、特に寒くなったりはしませんでした。1-2列目、木製ベンチに座布団2枚、3列目から椅子席、なお、1-3列は平地、満席のようです。舞台は中央に緑色の長細い(石の)ベンチ?左右に白壁、木柵に絡まる葉…墓地?開演時間直前、遅れているお客さんをもう少し待つとの案内。後ろをみると通路側の席が何席か空けてありました。12:05開演しますとの案内、12:08開演〜13:54終演。こちらは初めてで、終演後、社会人劇団とおっしゃっていました。

ネタバレBOX

以下、気になったことを書きますね。

■物語:世界的な労働力の流動化は実現しなかったし、あい次ぐ海外進出による国内産業の空洞化でもない。どんな社会になっているんだろう。「記憶刑」導入の経緯が不明なのは気になっていて、日本独自の技術のようだけど、政治や法曹界、医学界(これってロボトミーに似てないか?)での議論、世論、マスコミなどはどんな反応を示したんだろう、法改正するんですよね、国際的にも人権面で批判が出ると思うけど。それと官房長官拉致とは次元が違いすぎないかなぁ、なぜなら、国民は納得しているはず…だから制度となって受け入れられている。そうなると、これはただのテロ活動に過ぎなくなってしまう。でも、攻めるほうも守るほうも、装備や計画がちゃっちい。むき出しのビルじぁ空からやられたらおしまいだし。そこらが曖昧なので、私怨ですか…で終わっちゃう。物語の設定や構造に疑問を持ってしまうと楽しめないのでした。

■芝居:TVドラマをみているようでした。ここです、と入ってくるBGM、シリアス、ボケと突っ込み、刑事の殉職、組織外の行動、偶然すぎる父の登場等々、もう少し絞り込んでもよかったのでは。大声の場面が多く、これは好き嫌いがあるかもですが、そこまで必要はないと感じました(その間、棒立ちになりがち)。

■舞台:やっぱり墓地のようですが、最初と終わり、合わせて数分しか出てこないのに、ずっとそのまま。正面がスクリーンになっていて何回か奥を見せていたけど、メインは手前。もうひと工夫あったら。

「108の記憶」は除夜の鐘で祓うべきもの、バベルの塔は崩壊か…。
記憶:「トータルリコール」「アイランド」「ロボコップ」あたりも記憶がからんだ作品。
ゾンビ×幽霊×宇宙人「オール恐怖大行進!!」【ご来場・応援ありがとうございました! 次回は11月! からくりサーカス~サーカス編~を上演いたします。 乞うご期待!!!】

ゾンビ×幽霊×宇宙人「オール恐怖大行進!!」【ご来場・応援ありがとうございました! 次回は11月! からくりサーカス~サーカス編~を上演いたします。 乞うご期待!!!】

カプセル兵団

ワーサルシアター(東京都)

2012/07/12 (木) ~ 2012/07/22 (日)公演終了

満足度★★★

音が。
舞台のタイトルが変わっていて、見るのが楽しみでした。まず音にびっくりしました。席が端の方なのもあって、少しボリュームが大きかったです。キャストさんたちは、皆さん大きな声でしたが、それが逆に聞きづらく思いました。
ゾンビ役の方々は動きが本物っぽくてうまかったです。(本物を見たことはありませんが…)所々ツッコミどころがあって飽きませんでした。小さなステージでも、走り方とか工夫や登場の仕方を工夫していて、立体感があり、そこが一番すごいと思いました。

『ダンパチ10』&『ロボット三姉妹』

『ダンパチ10』&『ロボット三姉妹』

ショーGEKI

「劇」小劇場(東京都)

2012/07/10 (火) ~ 2012/07/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

予想以上!
ダンパチ10
始めて見ましたが、予想をはるかに上回る面白さでした。テンポも良く、私自身ずっと笑っぱなしでした。会場の皆さんのテンションも高く、キャストさん達もやりやすそうでした。楽しかったので、あっという間でした。

ネタバレBOX

キャストさんが8人いらっしゃいますが、それぞれ個性が出ていて色んなキャラで良かったです。語源なども楽しみながら勉強出来ましたし、Mr.リカバーを見たら、どんなことでもプラスに考えられそうな気がしてきます。急なアドリブもなんなくとこなし、すごいと思いました。次回も是非見たいです。
エンカウントLOVE!

エンカウントLOVE!

ともにょ企画

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2012/07/11 (水) ~ 2012/07/15 (日)公演終了

満足度★★

腹が立つ!
この男は、とかく自分のことしか考えてない。
レイナを愛しているといいながら、この男が愛しているのは自分だけだ。
甘えるな!逃げるな!生身の人間と繋がれ!
「ジブン」ではない人間、「ジブン」とは違う別の人間と関わり。
人を知り、人のことを考え、想い、それにより「ジブン」を知るのだ。
こうやって、とかく「ジブン」のことしか考えず、ツライツライと逃げて闘おうとしない変わろうとしない向上していこうとしないで、うずくまっている人間は、ダイキライだ。

というわけで、とかく怒りをかきたてられる芝居でした(笑)

ネタバレBOX

オタク=コミュニケーション能力不足な人間だという図式は、思い違いはなはだしい。
それは、アニメや漫画や小説やゲームを創作しているクリエイティブな仕事をされている人々にたいへん失礼なことなのだ。
そして、そのクリエイティブな仕事を愛するファンの方々にもたいへん失礼なのだ。
わたしは他人と関わろうとせず、自分の世界だけに閉じこもり理解しようとも、理解しあおうともしない人間は好きではない。
だがしかし、オタクと言われるような人に特になにも思わない。
ぶっちゃけ、わたしも演劇オタクだ(笑)

そこを同一視してしまう人種は、いささか思慮が足りない残念なひと、とあえて言ってしまう。
東京アメリカ

東京アメリカ

範宙遊泳

G/Pit(愛知県)

2012/07/20 (金) ~ 2012/07/23 (月)公演終了

満足度★★

自信に溢れた居心地の悪さ
再演ということもあってか、中身はこなれた感じ。
劇中劇というか、芝居と稽古と観客の境界線を如何に曖昧にするかということに注力されていて、それが独特の居心地の悪さは醸し出しているような、いや正確に言うと、良さと悪さを交互に感じるような、そんな舞台でした。
ただ、私は初演を見てないのですが、再演を見た限り、特に目新しいな、という感じはあまりせず、何となく「よくあるよね、こういうの…」とか思ってしまいました。

ネタバレBOX

あと熊川さんの出番が少なかったのが個人的には残念。
アフタートークは面白かった。
『(諸事情により)よろず相談始めました。人間科学隙間研究所』~お陰さまで全日程終了致しました。次回作も御期待下さい。

『(諸事情により)よろず相談始めました。人間科学隙間研究所』~お陰さまで全日程終了致しました。次回作も御期待下さい。

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2012/06/29 (金) ~ 2012/07/16 (月)公演終了

満足度★★★★

二度観チケット
二度観チケットとは、チケット1枚で1度観てもよし、2度観てもよしという
観客へのサービス精神と己に鞭打つサディスティックな試練に満ちた取り組みだ。
この日、私は2度目だが他のお客さんの多くは1度目だろう。
そのどちらも満足させる舞台をどう作るのか、楽しみに出かけた。

ネタバレBOX

「2度目のお客様に差し上げております」と
受付で素朴なオリジナルプリントのエコバッグをいただいて中へ入る。
このエコバッグ、“夏休みの提出物”っぽい柄なんだけど
夢現舎らしさ満載で何だかかわいい。

さて、舞台は中盤まで前回と同じだったが、
相談者が来た辺りからちょっとずつ削ったりしてテンポ良く進む。
そして「魔方陣」(エロイムエッサイムの魔法陣ではない)が出て来たあと、
前回とは全く違った展開を見せた。
何と大天教授(益田嘉晴)が客席へやって来たのだ、電卓を持って…。
おっとそう来たかという展開に笑ってしまった。

研究所の職員は皆大天教授を尊敬していたのに
次第に教授の過去が明らかになり、彼の“逃げ”の人生も明らかになる。
でも「あの時のあんたのひとことで俺の人生は狂ってしまった」
「私を救ってくれるのはあなたしかいないんです」
な~んて言われてもねぇ教授、困りますわな。
他人の人生にそこまで責任を求められる、生きにくい世の中であり、
“思いこみ”と“他力”に頼って生きる人が多くなったということか。
その結果ストーカーや通り魔事件、宗教がらみの事件などが増えたのかもしれない。

しかし大天教授は「知らねーよ、そんなもん!」とは言わず、彼らの前から姿を消した。
テレビで引っ張りだこの有名人だったのに
どこかで責任を感じ、自分を責めて、社会の隙間に逃げ込んだのだ。
いい加減な人のようで、実は一番誠実な小市民は彼ではなかったか。
その彼を救ったのはただ一つ「まあ、いいか」という言葉だったのだ。
誰も言ってくれないから、自分で言うしかなかったのだ。

役者陣は皆熱演だが、振れ幅の大きさ、自在さと言う点では
大天教授(益田嘉晴)が群を抜いている。
どんどん顔色が悪くなっている研究員溝口(高橋正樹)の
糸電話による告白シーンはとても面白かった。
夢現舎はこの二人によって色が決まる感じ。
その意味で以前の「ああ、自殺生活」の濃密な空間に最もそれが色濃く出ていたと思う。

「人間科学隙間研究所」…それは大天教授が唯一逃げ込める小さな空間だった。
あの変な狭いところから“貞子”のように這い出て来る、その奥の空間が
教授の平穏を保つただひとつの場所だったのである。

研究所を閉鎖し所員もバラバラになって、彼らはこのあとどうなるのか。
次なる隙間を求め「諸事情」を抱えて、それぞれの人生を探しに別れ別れになっていった。
きっとまた新たな隙間を見つけて、自分の居場所を確保するものと私は信じている。
ああ大天教授よ、どこへ行く・・・。


追伸
これまで3回のロンドン公演、エディンバラ演劇祭全期間出場を自力で敢行した夢現舎が
次はフランス公演を目指して参加者(俳優・制作・スタッフ等)を募っている。
すごい!自力で海外公演?!
この”無謀なる”企てに参加したい人、どうぞ応募してください!
私は何もお役に立てないが、あとでDVDなど観たいと思います。
(人間が小さくてすいません…)


東京ノート

東京ノート

青年団

東京都美術館 講堂ロビー(東京都)

2012/07/15 (日) ~ 2012/07/25 (水)公演終了

満足度★★★★★

リアルさが目立った2時間
東京都美術館の講堂のロビーは、ひとつの舞台美術と一体となって、内容も会話もピッタリでした。本当に、リアルさで目立った2時間でした。

㐂(よろこび)

㐂(よろこび)

ろりえ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2012/05/30 (水) ~ 2012/06/03 (日)公演終了

満足度★★

女性の壮大な人生を書ききる
一言で言えば、女性の壮大な人生をよく書ききりました、ご苦労様でした、といった感じ。
終わるまではちょっと長いなと思いましたが、終わってみると、まあ女性の一生を書ききるにはこれくらいの尺が必要なのかな、とも。
ただ、前半と後半のギャップが、ちょっとう〜んって思ってしまいました。あと、ちょっと役者の未熟さが目立ったかな…。

でも「ろりえ」の他の劇も見たいな、とは思いました。

宇宙船<スペースシップ>

宇宙船<スペースシップ>

U-1グランプリ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2012/04/25 (水) ~ 2012/05/06 (日)公演終了

満足度★★★★

前回より常にパワーアップ
U-1はCASE02から見ているけど、年々バージョンアップしてて、何回見ても飽きません!
きちんと作り込むマギーさんと、いい加減な福田さんがものすごくマッチしていて、とてもいい化学反応が起きているのかな、っと。
毎回違う人を相方とて連れて行きますが、みんな最初は「シチュエーションコント?」みたいな反応をしますが、見た後は全員「面白かった!」って満足して帰ります。
さて、次回は誰を連れて行こうかな…。

オーシャンズ・カジノ

オーシャンズ・カジノ

北京蝶々

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/04/18 (水) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

満足度★★

言いたいことは分かるのだけれど
(今更のレビューですいません)
テーマや取り上げていること、言いたいことはよく分かるし、そのとき楽しめなかったか、と言われれば楽しめたのだけれど、全体的に見るとちょっと荒さが残ったかな、と思いました。
特に役者の数が多すぎて、描ききれてないというか、まとまりがないというか、こんなに必要?って思いました。
もうちょっと魅せ方を変えれば、もっと面白くなるテーマだと思うので、ぜひ同じテーマで別の話を!

ネタバレBOX

…個人的には長崎はよく行くので、長崎弁とかだいぶ共感しましたけどw
エンカウントLOVE!

エンカウントLOVE!

ともにょ企画

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2012/07/11 (水) ~ 2012/07/15 (日)公演終了

満足度★★★

これからの進化が愉しみ♪
オープニングは暗転明けにいきなりゴリラが!!!
ゴリラ動きが迫力あってリアル過ぎて怖い!
期待感が高まる始まり♪

オトコの妄想モード全開!
途中で色々なコミュニケーションの場面に変わる♪
アイドルと!小説の中で!アニメーションのなかで!
おたく系のコミュニケーションを表現!
それにしても出ている女優さんが綺麗な人ばかりだなぁ♪
これは脚本家 鈴木さんのバックボーンにあるのかな?

話しの流れがオープニングとあまり繋がっている様に見えず
中盤は同じ展開が繰り返されるので少し単調に感じたかなぁ~(^_^;)

ラストの終わり方の表現が少し分かりにくかったので
お客さんはキョトンとして拍手のタイミングが分からなかった…(^_^;)

最後の〆は自然と拍手が出る終わり方の方が観ている方も気持ちいいと思います♪
始まりが凄く刺激的だったので少し残念…
(初日だったので部分修正したかも知れませんが…)

この劇団はいつも刺激のある独特な表現をするのでこれからの進化が愉しみ♪

絶頂マクベス

絶頂マクベス

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2012/04/14 (土) ~ 2012/04/23 (月)公演終了

満足度★★★★

役者さんは相変わらず魅力的
(今更のレビューですいません)
前回のハムレットとも役者がだいぶ入れ替わっていて、その新しい役者もどこから見つけてくるんだろうなーと思うくらい魅力的な方ばかり。
この劇は内容よりも「どのように魅せるか」というのに重きがおいてあると思うのだけど、その部分に関しては前作と比べてそれほど目新しさは無かったかな?
でも深谷サンの最後の去り方は格好良かった。男なら一度はあんな退場の仕方をしたいw

泡

劇団 東京フェスティバル

OFF OFFシアター(東京都)

2012/07/11 (水) ~ 2012/07/16 (月)公演終了

満足度★★★★

素晴しい!
3.11の震災関連の芝居をいくつか観劇したが、現地の人でなければ分からない視点で描かれていた。
私の中で「政治、選挙報道」の東京フェスティバルというイメージが払拭した!
上演時間約2時間。

ネタバレBOX

福島県小名浜のソープランド街を舞台にした人間模様。
綿密な取材活動をされたのだろう、ということが舞台から伝わってきた。

物語では、50歳過ぎの元ソープ嬢のオバチャン、若くて美人の元歌舞伎町のソープ嬢、人気NO1の子持ちソープ嬢が登場。
それそれの立場が分かり易く描かれていた。

「ソープランドで人気No.1の泡姫(ソープ嬢)は美人とは限らないんだよ」と
いうのが、分かった気がした。

政治ものを取り扱った出演陣が、今回の舞台では、全く違う役どころを
演じ、それがとても合っていたのは、さすがである。

それにしても、「からし牛乳」は笑えたなあ。
よく思いつくなあ、これも実話なのかな(笑)。
東京ノート

東京ノート

青年団

東京都美術館 講堂ロビー(東京都)

2012/07/15 (日) ~ 2012/07/25 (水)公演終了

満足度★★★★

初日
昔より笑いの多い東京ノートになっていた。
松田弘子の演技が素晴らしかった、と思う。
井上三奈子、大竹直も良い。
他にも何人が良い人が。
私は昔から繰り返し見て、東京ノートという作品を好きになっている。
階段の1~2段目に置いた椅子の色は、手前のソファの木製部分の色に合わせた方がいいのでは。
今回の会場は使いにくそう。

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