最新の観てきた!クチコミ一覧

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新しい旅

新しい旅

ロックンロール・クラシック

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/12/12 (水) ~ 2012/12/16 (日)公演終了

満足度★★★★

中小企業を巡るナイーブな問題
突っ込んだようで突っ込み切れなかった感じです。

ネタバレBOX

役者さんの一々大袈裟な反応や、如何にも目で演技しています的な動きにちょっと嫌気が差したり、セクハラ的な、あるいはストーカー的な工員の行動を許容している会社の管理面にイラッとしたりもしましたが、先代社長の息子が転がり込んで来たことによる現社長の不安が浮き彫りになるに連れ、次第にお芝居に入り込んで行きました。

現社長は中卒を強調していましたが、雇われ社長なのか、株式を譲られているのか曖昧なままなので、彼がどう対応すべきかは正確には判断できませんでした。ただ、先代社長の奥さんの言葉からは、どちらかとと言うと雇われ社長のように思われました。とすれば常にクビになるリスクがあるわけで、頭を下げれば済む問題ではありません。

前社長の息子にしても、子供の頃の思い出だけから倉庫に泊めてほしいと言えるような単純な話ではありません。資本関係など当然知っているはずで、知った上での行動をしないといけませんが、全くそこら辺の事情を知らないようでした。30過ぎのいい大人が、そりゃリストラされるわなと思いました。
キャロリング

キャロリング

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2012/12/03 (月) ~ 2012/12/25 (火)公演終了

満足度★★★★

すばらしい
ライティング、役者の動き、簡素で合理的な舞台美術などよくできた芝居だ。もちろん内容もよく練ってあり、楽しい2時間だった。すべてがスマートな演出であった。

東の龍と西の太陽

東の龍と西の太陽

劇団熱血天使

川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)

2012/12/12 (水) ~ 2012/12/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

神代の世界へのいざない
この日本の国は、2700年の間、他国の侵略を受けたことがない。米国との戦争に、敗れたが、国体は維持され、天皇は、人間宣言をされたが、皇室は続いている。皇室の意義は、天照の子孫であることにある。
戦後、この国から、神仏に対する信仰が、失われかけているが、物事には、始まりがあり、終わりがある。宇宙にも、地球にも、その歴史の始まりがあり、この日本の国にも、始まりがある。
その始まりの物語が、古事記の物語であろう。
よく知られた、古事記の題材から、光と闇、祈りと言霊、神人の世界を、演劇と、音楽、舞踏で表現された優れた作品だと思う。

人狼 ザ・ライブプレイングシアター

人狼 ザ・ライブプレイングシアター

タンバリンステージ

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2012/12/11 (火) ~ 2012/12/16 (日)公演終了

推理
始めに『狩人』が名乗るとは思わなかった。。。
だって、本当だったらさっさと人狼にヤラレちゃうから。。。

キャストのOPのシナリオから、ガチの行き当たりばったりのお芝居がうまく繋がっていて、みていておもs

ひげ太夫第34回公演「トラジャ百香拳(ひゃっかけん)

ひげ太夫第34回公演「トラジャ百香拳(ひゃっかけん)

ひげ太夫

Geki地下Liberty(東京都)

2012/12/05 (水) ~ 2012/12/10 (月)公演終了

満足度★★★★

歌舞伎テイスト組体操
こちらでは初見でしたが、34回と15年という今までのキャリアが活きてか、とても面白かったです。肉体で表現する役者の、しかも女性たちだけというパワーは凄いなぁと感心ばかりでした。以下

ネタバレBOX

名物である組体操は、外部のお仕事でもやられているようで、また15年の劇団の歴史もあるのか、風格漂い、まさに見る価値ありでした。天井ぶつかりそうで心配でした。女性のみで試みているのも凄いし、高さのある劇場でならどこまで挑戦が出来るのか。
物理的に無理なのかも知れませんが、その頃〜の転換セリフの時間の遅さが勢いを削いでしまうこと。次々に話が進むのも楽しい分、明る過ぎる感が強いので上下の揺さぶりが欲しいというか。個人的に改善を望む気持ちもあり、この辺りを更に加えたら面白さ倍増に思えます。飛んできた大量の金の棒は最後どうなったのでしょうか。照明の使い方も鮮やかでした。ガチャピンの特に前歯は印象的。カピバラは好きなのでとても良かった。
喜劇でも悲劇でも、観客のインスピレーションをどう刺激するのかなんだと良く学べたと思います。オススメな劇団さんですね。
Cafe Monopoly

Cafe Monopoly

GOENPRO

宇宙舘(東京都)

2012/12/06 (木) ~ 2012/12/09 (日)公演終了

20121209
(^・ェ・^)はいけんしました

僕と母さんとブランカとシートン、ロボというオオカミの話

僕と母さんとブランカとシートン、ロボというオオカミの話

永遠カオス

ウイングフィールド(大阪府)

2012/12/11 (火) ~ 2012/12/12 (水)公演終了

あらためて
ストーリーを読んでみると、まさにその通りの「お話」でした
でも、お芝居というより、お能の舞い・日本語であそぼ。のような言葉をベースとした「表現」のように感じました

難しかったけど美しかった

マイサンシャイン

マイサンシャイン

Utervision Company Japan

世田谷ものづくり学校(東京都)

2012/12/12 (水) ~ 2012/12/16 (日)公演終了

満足度★★★

両バージョン鑑賞
ノゾエ征爾さんが書き下ろした不条理で寓話性のある脚本を色々な演出家が演出するという興味深い企画の第3弾で、パパ・タラフマラを主宰していた小池博史さんのバージョンと、サルとピストルの三浦佑介さんのバージョンを続けて観ました。

小池博史版
台詞の大半がカットされ、身体表現に重点を置いた演出で、物語性は薄まっていましたが、不思議な感情を喚起するユニークな雰囲気とスケールの大きさがあり、魅力的でした。
かなり原作を削ぎ落としていて抽象的な内容になっていましたが、台詞を歌ったり、工夫を凝らした美術や衣装を用いたりしていて、変に難解な感じになっていなくて楽しめました。
敢えて見せないことによって想像力を刺激させる手法が効果的でした。

三浦佑介版
オーソドックスな会話劇として作られていて、台詞の面白さがストレートに伝わって来る演出でした。客席を対面配置にし、セットを回転させることによって、様々なアングルを見せる趣向が楽しかったです。
会場の大きさに対して役者の声が大き過ぎてうるさく感じられ、またオーバーな演技に見えてしまって残念でした。

小池版→三浦版の順で観たのですが、両バージョンを観るのであれば、逆の順番で観た方が「基礎編→応用編」のような流れになって両演出家の持ち味が楽しめると思います。

評価

評価

大ナカゴー

座・高円寺2(東京都)

2012/12/12 (水) ~ 2012/12/14 (金)公演終了

満足度★★★★

個性豊か
ピアノが置かれた公園に「評価さん」という女性がきたことから始まるお話です。脚本の終盤、流れがよく分からない部分がありましたが、全体としては面白いお芝居だと思います。俳優さんたちも個性豊かで魅力的な方々ばかり。
満足しました。おすすめします。

祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~【KERAバージョン】

祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~【KERAバージョン】

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2012/12/09 (日) ~ 2012/12/30 (日)公演終了

満足度★★★★

これは!
凄い手法らしい。4時間10分確かに舞台に釘付けされてた。でも長く感じなかったのは事実。あと2時間くらい先も観てみたいと感じる。なんなのだろう。不思議な感覚。パスカルズの演奏が、舞台映像が、これまた良かった。

月とスイートスポット

月とスイートスポット

ヨーロッパ企画

本多劇場(東京都)

2012/12/05 (水) ~ 2012/12/16 (日)公演終了

八連鎖からのまどろみ、まどろみ〜ん
ヤンキーやヤクザが機敏に動き回ってるだけでファイヤーアイスストームな心地よさ、懇切丁寧に導いてくれる異論理ワールドの煙を吸って、いざ跳びたて漢のプライドと欲望の道へ!
ヨーロッパ企画は見終わった後思い切り拍手したくなる劇団ランキング上位濃厚であろう、複雑さをわかりやすくカタルシスに運んでくれる、ゼルダ的ハテナと発見楽しさオンパレード。
この劇構造どうすんだ?てのとこのボスどうやって倒すんだ?が似ている感じ。
ボスの造形が楽しいのも同じ。
いっぱい笑えて楽しかった!
みなしご最高!

ネタバレBOX

コメディとしてすごい面白かったので、それだけで満足なのですが、感じた事。



体を刺されたり撃たれたりで倒れているヤクザ三人。
無事な舎弟に向かって命令をする。
「いますぐ救急車を呼べ」「いや、救急車では身元がバレるから呼ぶな」
「音小さめで呼べばいいだろ」「車体の白さで見つかるだろ」

結局ドラッグストアに行かせることになるが
「マツキヨに行け」「いや杉薬局のほうがいい」
「杉薬局は24時間営業じゃないかもしれないだろ」「いやそれでも絶対杉薬局だ」

スイートスポットという、使うと過去が見えるらしいドラッグ。
実際に使い見事過去が現れる。しかし幻のはずが使用者以外のみんなにも見えたり、触れ合えたり、使用者がその場からいなくなってもまだ存在してたり、そんな未来いやだ!変えてやる!などと、時空間が様々入り交じりすっちゃかめっちゃかに。

そんな中でも人々は、時には人生に関わる大切なことで、時にはどうでもいい細かいことで、口喧嘩をすぐにおっ始める。


次々と執拗に繰り返される口喧嘩のやり取り。
端から見るとどうでもいい喧嘩でも、そこには一人一人の欲望やプライドや想いや信念が詰まっている、のであろう、大した意味がなくとも。
は?なにそれ?と無茶苦茶な現象を目の当たりにし、なおかつ追われてていつ死ぬかわからない、未来の自分は既に死んでいる、好きな人と人生を添い遂げることができない、それぞれにとってわりと絶望的な状況でも、そこで行われるのは口喧嘩を介する特定の誰かとの積極的なコミュニケーション。

そして色々あって記憶忘却剤をまかれ、過去が見える前の序盤のシーンに戻る。

そのシーンで、二人は壁に寄り添い、ピノと雪見大福をお互いに分け合う量で喧嘩をする。
いつ死ぬかわからない状況で、子供のような、中学生のあの頃のような喧嘩をする。
それが、すごく悲しく、微笑ましく、羨ましく見えて来る。
決して死にそうでやばくて苛々して喧嘩している訳ではなく、
二人の思い出と共に積み重なって来た関係性があって、それがいつまでも続く喧嘩と同じようにどこまでも続いていくような、死に際ですら崩れない些細すぎるやり取りが、余りにも完成されているように、世界が完結しているように、それ自体が幻かのように心をかすめてくる。
議論的には終わりの無い立ち止まったぶつかり合いなのだけど、関係性的にはどんどん歩んで進んでいくぶつかり合い。
そんな素敵な無駄なやり取りのまどろみの時間に、羨望と癒しを貰いながら、温かく家に帰れました。
チェルフィッチュ新作『女優の魂』

チェルフィッチュ新作『女優の魂』

チェルフィッチュ

STスポット(神奈川県)

2012/08/17 (金) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

女優とは
女優とは?後半がよかった。
溶けていくアイスの事などを入れる部分に遊びを感じました。
ティッシュの出し方などいつもよりも動きも見えやすかったです。
凄くおもしろかった。
勉強になりました。ありがとうございます。

見渡すかぎりの卑怯者

見渡すかぎりの卑怯者

ジェットラグ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2012/12/08 (土) ~ 2012/12/16 (日)公演終了

満足度★★★★

大人がじっくり満喫することができる作品
プロデュース公演なので、作・演出の古川氏の劇団「箱庭円舞曲」での公演とは、当然ながら役者の質感や演出に違いがあり、最初のうちはその違いを楽しむつもりで臨んだ。だが、作品中盤あたりからはもうそういった余分な邪心なく素直に引き込まれていった。むしろ終幕にむかうにつれて、公演形態が変わってもけして揺るがない作家性の根幹がひしひしと感じられて、新鮮な感覚に。精神病棟というのは一見、映画や小説など物語の舞台になることが多い印象もあるが、今回の作品に既視感は無かった。描かれているのはその精神病棟の特異性を越えた、もっと普遍的なもので、人間の人生に対するあがきのようなものだったように個人的には思う。
大人がじっくり満喫することができる作品。

ネタバレBOX

役者さんはみな真摯な熱演だったが、内縁の妻を演じた佐藤真弓さんの演技のさじ加減っぷりが作品によい膨らみを与えていたように思う。
『 パレパーレ星の新しい生き物 』

『 パレパーレ星の新しい生き物 』

札幌ハムプロジェクト

ナンジャーレ(愛知県)

2012/12/10 (月) ~ 2012/12/10 (月)公演終了

満足度★★★★

札幌ハムプロジェクト「パレパーレ星の新しい生き物」観ました
 「サンタどん」に続いての観劇。なんと、舞台端に座布団席までできる満員御礼(初めて見たw)。

 ともに精神的な弱みを持った子供と老人の友情が、ゆるく笑えて切ない舞台。最初から、悲しい別れを予感させつつも、バカバカしい笑いも交えて楽しく観れる。そして最後はハートフルに…。
 仕掛けとして、「役者の交換可能性」が興味深い。所属でない東京の役者をおおぜい旅公演に同行、場所によって人数や役柄も変わるフレキシブルさ(戯曲もそれを前提として作られる)。

 独特の衣装が異界からの来訪者らしい、参加型の現代の旅公演一座。今度は、全国各地の演劇人を旅に巻き込んでほしい!

 ※「サンタどん」の時は、交流会も終わった深夜1時頃、バラシを手伝いました。ホントに全部、一台のバンに納まった!笑)

心の病ちゃん

心の病ちゃん

スマッシュルームズ

シアター711(東京都)

2012/12/12 (水) ~ 2012/12/16 (日)公演終了

満足度★★★★

今までの
スマッシュルームズとはひと味違った印象でした。
いろいろと考えさせられたお芝居で好き嫌いは分かれそうですが良かったと思います。

三島ル。

三島ル。

長久手市文化の家

三重県文化会館(三重県)

2012/12/08 (土) ~ 2012/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

長久手市文化の家×三重県文化会館プロデュース(第七劇場×shelf)「三島ル。」三重・津公演観ました
 前週の愛知・長久手公演に引き続き観劇。

 shelf「班女」は、物語を求める人間のあがきを、文字通り舞台上に広げる。思わず、ふだんの観劇よりも高い位置の席に(笑)。
 第七劇場「邯鄲」は、錯綜する意識下の空間を、実験映画のように展開。多発する暗転が、記憶の断線を思わせる。
 今回も美術が、どちらも観客の中でイメージが膨らんで素敵。

 アフタートークでは、「班女」 作中人物-作家(+読者)の多層性や、「邯鄲」 主体(次郎、菊)や世界(夢、死後の世界、実験室?←これ私が言ったw)の変動性等のワードが。演出家と一緒に考えを深める貴重な体験。

 公共劇場の共同事業として、実り多い公演でした。団体を変えるなど、更なる継続を希望します。

Hokuto No Ken

Hokuto No Ken

散歩道楽

OFF OFFシアター(東京都)

2012/12/12 (水) ~ 2012/12/16 (日)公演終了

満足度★★★

マドンナ観たさの観劇、
目標達成。 お芝居は、というと、面白いのだけれど劇団初見のシラフのオジサンは心からは笑えなかった。 何故か・・・、学生的なノリというか、宴会芸のような匂いを感じたからかな。 内輪受けしそうだし、アルコールが入っていたら大爆笑間違いなしなんだけれどね・・・。

「アマアマ 〜金平糖綺譚〜」 【ご来場ありがとうございました!】

「アマアマ 〜金平糖綺譚〜」 【ご来場ありがとうございました!】

劇団与太組

小劇場 楽園(東京都)

2012/12/11 (火) ~ 2012/12/16 (日)公演終了

満足度★★★★

 金平糖は命の源♫
この芝居を観終わったら、早速明日にでも金平糖を買いに走りたくなった。

踊りと唄が秀逸(*゚▽゚*)

LOVEMAIL from Santa

LOVEMAIL from Santa

劇団EOE

都内某所(東京都)

2012/12/12 (水) ~ 2012/12/12 (水)公演終了

満足度★★★★

関矢瞳さんに乾杯!
劇団ツートップの一人である関矢瞳の卒業式、たった一度っきりの公演、出演者全員揃っての稽古は3日限り。
その3日で彼女達がどれだけの血と汗と涙を流したことか、どれだけ多くの互いを思い遣る気持ちが交差したことか。
今夜、彼女らは全てを出し尽くし、明日からまた次のステージに向けて歩み始める。
関矢には、思ってもいなかった茨の道かも知れないが、今日ステージで得た何物にも変え難い皆の気持ちが明日からの彼女を支えてくれることだろう。
これまで本当にお疲れ様。そして今宵は関矢瞳に乾杯!

Knight of the Peach

Knight of the Peach

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

サンモールスタジオ(東京都)

2012/12/05 (水) ~ 2012/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★

童話と真
“正と邪”の2バージョンがあって、パラレルワールドになっているとのことだが、自分が観たのは“正”バージョンであった。
痛い生き方をしてきた者の面目躍如。一見残虐そうに見えて欺瞞を排し、却って温かい人間性を表現し得ている。社会の捉え方も資本が総てを支配するという資本主義の根本を捉えて小気味よい。
 暴力の象徴としてのやくざも資本の奴隷ではある。が、現代やくざは暴力よりは金の湧く泉を見付けるプロであり、悪知恵と暴力を効果的に用いる技術も持ち合わせているようである。この辺りの描写も興味深い。

ネタバレBOX

 更に深読みをするならば、二男による父、兄殺しがあってエディプスコンプレックスはやや複雑な様相を呈し、ヒトから見ると邪そのものであるはずの鬼は、奴隷同様鎖で繋がれて行動の自由すら無い。ヒトを食うより食わされているのである。ただ、そのカニバリスムによってヒトから恐れられると同時に蔑視もされているのは明らかだ。では、人肉を喰らう鬼達を支配しているのは何者か? と問えば御多分にもれぬ資本、政治、メディアである。童話の体裁で中々のアイロニーではないか。
 このアイロニーに満ちた世界構造を見切ったのが、疎外された鬼と不良少年・少女であったことは偶然ではない。痛みを負った者は敏感である。その鋭敏性が、虚飾を剥ぎ、最早人間的で素朴な悪ではなく、システム化された関係の悪の本質を嗅ぎ取ったのである。このような世界に働く力学は個人の持つ肉体的延長の域を否応なく超越している。その悪辣をこそ描いているのがこの作品だ、との解釈もできるほどだ。
 作家は余り深い意味も考えずにこの作品を書いた、と言う。それが、本当であれば、作家の鋭敏な感性は、以上のような現代の異常をこそ嗅ぎ取っていると言わねばなるまい。
 役者陣の体当たりな演技にも好感を持った。 

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