最新の観てきた!クチコミ一覧

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レッド★スター

レッド★スター

BuzzFestTheater

Geki地下Liberty(東京都)

2013/01/22 (火) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

笑いだけじゃない。
あったかい気持ちになれました。

ネタバレBOX


笑って笑って笑って笑って、泣いて、ちょっと感動して、更にスカッとして。

前説からお笑いライブっぽい雰囲気。
気楽に楽しめる雰囲気。

はじめは下ネタ凄い!!って思いましたが、最後に向けての展開が面白くて、初めは笑えなかった下ネタも笑えるように。

推理しながら見るのも楽しかったです。

家族愛、夫婦愛、男女の愛もそうですが、お笑いコンビのコンビ愛も織り込まれていて。

お笑い好きな自分はそこでやられてしまいました。
泣きました。

思い入れのある芸人さんがいる人が見たら、グッとくると思います。

感動の後はスカッとタイム。

そして笑って。

気持ちよくお話が終わりました。

キャラ、役者さんもいい味出しまくりです!

思わずリピーターになってしまいましたー♪♪
【公演終了!】望遠ノート【ご来場誠に有難うございました!!】

【公演終了!】望遠ノート【ご来場誠に有難うございました!!】

演劇ユニット「クロ・クロ」

劇場MOMO(東京都)

2013/01/23 (水) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★

僕は好きでした
好き嫌いはあるかもしれないです

追記 時間がたってもまだ余韻が残っておりこの劇のことを考えています。こういった劇は久しぶり。途中ちょうどいい暗さとBGMと堅い言葉のやり取りに眠気を誘われ(隣の方は寝ていた)その点で☆をひとつマイナスとしたが内容としては☆5つあげたい傑作だと思います

ネタバレBOX

物語の中でどこへでもいける切符を持っていて最後の2Sになったのは宙美とジョバンニでした。他の乗客はそれぞれの執着駅ともいえる終着駅があった。ジョバンニは楽観的で前向きで本当にどこへもカムパネルラと幸いを見つけにいけると考えています。性格の真逆なカムパネルラは別れを予見しててジョバンニがずっと一緒にいてくれるということは信じられない。相手の気持ちの真意も宇宙の起源も本当のことはわからない。でも○○説には主観が入るし、そうであってほしいという自分の期待感があってこそ人の友情愛情は成り立つ。根拠や理論からではく仮定や期待発信でいい。
モラトリアムな宙美には無限大の可能性があり自由が面前に広がっています。どこへでもいける、しかしそれゆえ母親からのやりたいようにやれというプレッシャーや不安で前に進めない。でもなにも考えないのは思考停止と同じ。どこにでもいけるはずがそこで停車駅となるのです。

最後に宙美が倒した台を天文学者やジョバンニたちが再び積み上げそこを自分の足で登っていく場面、あの星はひとつに見えてもふたつの星だとジョバンニとカムパネルラを隠喩するラストはきれいでした。
演劇集団 砂地 『Disk』

演劇集団 砂地 『Disk』

演劇集団 砂地

シアタートラム(東京都)

2013/01/24 (木) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

魅力的な空間
客入れ時から舞台空間を演出。セットの配置、キャラクターの際立ち、展開の妙。タイトルもなるほど。簡単には消すことの出来ない記憶。じんわりする切なさを感じた。

サンタクロースが歌ってくれた

サンタクロースが歌ってくれた

演劇ユニット パラレロニズム

しもきた空間リバティ(東京都)

2013/01/25 (金) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★

もっと絞れる
 約2時間15分の舞台だ。説明過多が原因である。結果、冗漫になってしまった。2回目の公演としては、結構、役者陣が頑張ったが、シナリオに内容的繰り返しが多いとそれだけで、ミステリーとして質が落ちる。また、演劇は、役者の身体を通して観客に肝心なことだけ示唆すれば、それで足りる世界だ。シナリオをもう少し練り、本質を提示すべく頑張って欲しい。

新・新ハムレット2013

新・新ハムレット2013

劇団キンダースペース

シアターX(東京都)

2013/01/23 (水) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

必見
  舞台美術がいい。入場するといきなり身が引き締まる。そういう作りである。質感が、城の石造りの重々しさを表現しているばかりではない。ここで、これから繰り広げられる作品の内容を暗示するよいうな緊張を孕んでいるのである。
 シナリオもシェイクスピアには、無い部分が付け加えられている。大岡 昇平「ハムレット日記」、太宰治「新ハムレット」、志賀直哉「クローディアスの日記」から付け加えられている。
 この劇団が、シェイクスピアを現代日本に蘇らせようと格闘し、その切実さそのものを俎上に載せたかったからである。その企ては、成功している。
 シェイクスピア自身が恐らく西欧的な自意識の問題について悩み、世界と世界を認識すべく位置づけられた自意識のギャップに引き裂かれる主人公としてハムレットを描いた、その切実を現代日本の政治、文化、メディア情況の中に埋め込み、我ら自身の問題として捉えようと図ったのである。この企てについても成功している。
 これら壮大は企画を成立せしめた高度な演出、演出に応えた役者陣、音響、照明も勘所を掴み、無駄の無い効果的なものであった。科白回し一つとってみても、劇場の大きさや舞台の使い方に見合った発声であった。観ておかなければ悔やむことになる舞台だろう。

「ワーニャおじさん」「かもめ」「三人姉妹」「櫻の園」

「ワーニャおじさん」「かもめ」「三人姉妹」「櫻の園」

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2012/12/24 (月) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

大人だ。(かもめB)
ぼくはいまとっても幸せなんだ。
幸福という衣をまとって、いまこれを書いているところ。
なんちゃって。

いや、でもほんとに幸福。
こんなにいい芝居を観ることができて。
その芝居ってのが、劇団だるま座の『かもめ』だよ。

ぼくの演技の教科書『俳優のためのハンドブック』には、こんなことが書いてある。
(この本は、ほんとにいい本だよね。必要なことだけが、簡潔に書かれている)

「私たちの社会のほとんど全ての領域で、真実と美徳は希少なものとなっています。だからこそ世界は劇場を必要としているのです。(中略)劇場はいま、人間の社会において、真実を知ることができる唯一の場所かもしれないのです、、、」

なんて大袈裟なんだろう。そんなことあるわけないじゃん。
最初に読んだとき、そう思ったものです。いまもそう思ってます。
でも、少なくとも、劇場が、『真実を知ることができる場所』のひとつではあるのは確かだと思われます。
劇場というよりも、劇場で上演される芝居で、ということですが。
その芝居のひとつが、今夜ぼくが目撃した劇団だるま座の『かもめ』かと。


え? なに? どういう真実?

そう問われるとね。困っちゃうんですが。うまく説明できないんですがね。
なんというか、劇団だるま座の『かもめ』には、『本当の時間』が流れていたのです。
登場人物である俳優のみなさんが、生き生きとその場に立っていたのです。
(もちろん、ぼくにそう見えただけですが)
するとなぜか観ているぼくは、その場面に眼が釘づけになり、観終わった後、幸福感に包まれることになるのです。

それは当たり前のことですよね。こうやってわざわざ言うことでもないかもしれない。でも、そういうことを改めて考え(感じ)させてくれる舞台だったということなのかと。

すいません。
興奮状態のまま長く書いてしまいました。ごめんなさい。
ではでは~

ネタバレBOX

最初に登場人物が全員舞台に出ている演出がよかった。
トレープレフが、母親や小説家について説明する長い台詞。
こんなふうに言葉だけで説明されてもと、戯曲を読んでいて思ったものですが、
その説明されている当の本人が舞台上にいると、すごくわかりやすい。

トレープレフは自殺未遂をしたあと、包帯を頭に巻いて、舞台の後ろのほうにずっとたたずんでいたのが、印象的でした。
今日、昼間秋葉原に行ったんですが、ああいう感じの人たちがいっぱいいたなあと思って。

自殺したあと登場して、湖の風景画の入った額を遺影のように胸に持つ、という演出も面白いと思いました。

ドールンはかっこよかったです。
「ああ、大人だ」
ちょい悪親父の感じが参考になりました。ぼくもああいうふうになりたい。

アルカージナもトリゴーリンも素晴らしかったです。
いや、みなさん素晴らしかったのです。
ギャグで笑わせるんじゃなくて、演劇的に笑わせる技術が。
いや、そうじゃなくて。
技術ということじゃなくて、人間的な魅力ということなのかと。


あえて不満をいうと。

ニーナは、第四幕では、もっと別人になっていてくれたらなあと。
あれでも別人だったかもしれないけど。でも、もっと。
違う人が演じてもいいかもしれないぐらい。無茶ですかね。
ニーナは、第一幕で演じた役(劇中劇?)をもう一度やりますが、第一幕と同じようにやってるように見えました。
二度目にやるときは、同じようでいながら、「でも違う、もう過去には戻れないのよ」的な雰囲気が出ればよかったのになあと。
無茶振りですかね? ごめんなさい。

それからトレープレフが自殺する気持ちがやっぱりわからなかった。
とはいえ、現実に自殺する人の気持ちも、ぼくには(いまのところ)わからない。
だから、どんなにうまく演出されても、ぼくにはトレープレフの気持ちはわからないのかもしれません。

それからそれから。もうひとつ。
かもめ(大判の白ノート)が出てきたり、それが話題になる度に、右の蛍光灯がちかちかしました。
どういう意図なんだろう。
かもめ=ちかちか?
意味を感じ取ることができませんでした。
『かめも』が出てこないときも、一度ちかちかしていたけど、それと関係あるのだろうか。
飛龍伝

飛龍伝

ゴーチ・ブラザーズ

本多劇場(東京都)

2013/01/23 (水) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

役者ってすごい。
女性客多め。立見のお客さんもちらほら。2時間20分はまったく長いと感じませんでした。とにかく台詞の量がすごい。役者が熱い!全身全霊をかけて演じているという感じです。
玉置玲央さんが素晴らしい。動きはしなやかだし、あれだけしゃべって聞き取れない台詞がほとんどないとは驚きです。黒木華さんもよかった。惚れてしまいそうです。大塚宣幸さんがいい味だしてました。
ストーリーに没頭することより、舞台役者の生き様を観ることに重きを置いて観劇しました。話としてグッとくる場面も沢山ありましたが、結果的にはそうなりました。

ZIPANG PUNK ~五右衛門ロックⅢ

ZIPANG PUNK ~五右衛門ロックⅢ

劇団☆新感線

東急シアターオーブ(東京都)

2012/12/19 (水) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★

定番・安定の泥棒モノ
エンターテインメントとしてよく出来ていると思います。終盤にかけてボルテージが上がりました。カテコで周りの人がやってるからとかそういうのじゃなくて、気がついたら頭の高さで拍手してました。
三浦春馬君、すごいです。気持ちよさそうに声を張り上げる姿がかっこよかったです。
飽きはしませんでしたが、ちょっと長いと感じましたね。

飲み会死ね(ご来場下さいまして、誠にありがとうございました!!!!!!!!!)

飲み会死ね(ご来場下さいまして、誠にありがとうございました!!!!!!!!!)

宗教劇団ピャー! !

BankART Studio NYK(神奈川県)

2013/01/21 (月) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

ピャーを世界遺産に。



これは、一体なんなんだ??

目の前で繰り広げられるものは、現実なのか?、それともバーチャルなのか?


宗教劇団ピャー!!よ、今宵  お前らを日本の世界遺産候補として任ずる!

叫び声が、柳瀬のアニオタ系美声が、港町を万里の長城に変える!

二つのベッドと卓球台を舞台セットに、ハチャメチャだけど、“社会性’のある演劇。


しかし、宗教劇団ピャーに挑む愚かどもよ、覚悟せよ。
これは、単なる演劇ではなく、誰しもの頭をも一新させる絶大極まりないステージである!




ネタバレBOX

開場中の居酒屋トークが良すぎるぞ!

いざ、CD化すべし!
夢幻泡影江戸川乱歩【アンケート即日公開!】

夢幻泡影江戸川乱歩【アンケート即日公開!】

劇団バッコスの祭

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2013/01/23 (水) ~ 2013/01/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

心温まる物語
劇団バッコスの祭が作風をがらっと変えて上質なエンターテインメントを作り上げた。いつもは感動巨編を得意とする劇団が肩の力を抜いて誰でも楽しめる作品を作った。
それが逆に新鮮で良かった。
よく練り上げられた上質な作品に仕上った。久しぶりにこの劇団の看板役者丹羽隆博と辻明佳がコンビを組み、さすがの演技を見せた。

ネタバレBOX

どんでん返しの繰り返しが楽しかった。
一見、作家とその作家の作品を劇中劇というありがちの構造に見せて、劇中劇と現実が絡んでいくところは見事。

そして、そういったことを含めて作家と作品の物語と見せかけて、最終的には夫婦の物語だったんだという構成が秀逸。

ラストシーンも、カーテンコールの後の一芝居も全てが良くできていた。
アメフラシザンザカ+坐ってはみたけれど

アメフラシザンザカ+坐ってはみたけれど

タテヨコ企画

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2013/01/24 (木) ~ 2013/02/03 (日)公演終了

満足度★★★★

『坐ってはみたけれど』鑑賞
とてもテンポがよく役者の熱気が伝わりました。

等身大の俗っぽい修行僧もご愛嬌で、時折シュールな笑いが入っていて楽しかった(*゚▽゚*)

途中で多少演出のキレが落ちたかも、・・・。

演劇集団 砂地 『Disk』

演劇集団 砂地 『Disk』

演劇集団 砂地

シアタートラム(東京都)

2013/01/24 (木) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

この世代感
6人の俳優でどえらい世界を創ってしまったんじゃないか。自分が受けた衝撃があまりに大きくて観劇後の帰り道にボーっとしてしまった。でも頭からこの公演についての情報がひとかけらもこぼれないようにと必死で思い返して味わいました。ヒリヒリして息苦しい空間が刺激的で、哲学的に感情的に悶え悩む登場人物達に胸をうたれ、ラストまで興奮が持続し続けました。繰り広げられる普遍的な問いのレパートリーは幅広く、それに対する答えの片鱗は交錯して、「現代のわれわれの世代とは」について突き詰めて考えられてるなと感じました。でもその言葉1つ1つが新鮮さを引き立たせる演出、劇空間が美しくて、楽しくて、洗練されてるなぁと思いました。

ネタバレBOX

未消化で全然理解できてないけれど、とにかく強い衝撃を受けました。本当にこの世の中は発展しているのか。登場人物は皆、自己肯定感が歪んでいる。ありのままの自分を認めてもらえる体験が欠如しているようにみえます。それは、社会と個人が断絶している、国家とか政治システムにはもう希望や失望もしない、関心すらないという状態なのかと思います。実際、劇中には個人と個人の葛藤しかないように見えました。そして、その感覚はとてもリアルだなと思いました。自分で無くてもいいという交換可能性すら想起しました。

個人ごとの過去・現在・未来。もし人間(の記憶)がDisk(記録媒体)なんだとすると、過去を断絶して、未来に希望を持てないこの世代には今しかないんだと思いました。人生の1回性、楽しいことだけ繰り返す。今ある現実を引き伸ばして、自分の内側にこもって、未来のことは考えないようにすること(海外への放浪を続けることや、家に閉じこもって他者との関係を排すること)。劇中に「全てのことが他人事に感じる」男が自分の子供が生まれた事だけは自分の事に感じられること。叫びだしたい衝動。自分は何者にもなれないという全能感の喪失。一生懸命人とつながろうとするも人間関係に依存する妹と、関係を遮断して内にこもって死んだ女に依存する兄。その兄妹、両方の見せる孤独。肉体はオーストラリアでも、ニュージーランドでも、もしかしたら月にも行けるかもしれないのに、気持ちはどこへも行けないこと。
リバーサル

リバーサル

公益社団法人日本劇団協議会

Space早稲田(東京都)

2013/01/17 (木) ~ 2013/01/29 (火)公演終了

満足度★★★★★

どんでん返し
凄く面白かったです。ただの誘拐事件ではなく、犯人だった4人が被害者に詐欺られる展開は観ていて愉快でしたが、終盤での幕引きはお見事!好みの舞台でした。

少女仮面

少女仮面

新宿梁山泊

芝居砦・満天星(東京都)

2013/01/18 (金) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★

包まれる
劇場に飲み込まれるようにして見たアングラ劇。芝居砦満天星の雰囲気すごい。アパートの地下に劇場を作って、壁一面のチラシ・劇場は作りこまれた舞台美術・満員の観客。ただただ圧倒される。唐十郎の作品も初めてだし、ビクビクしながら観劇。でも、開演すると想像以上にわかりやすいし、周りのお客さんが結構笑ってるの感じて、そ~か~、この不条理さは笑っていいんだ、繰り広げられる世界に身を委ねて物語に包まれたらいいんだとわかると楽しい。独特の世界観、でも一瞬たりとも飽きさせることのない物語、驚きの場面転換や演出も多かった。1度見ると忘れられない観劇体験だなと思いました。

演劇集団 砂地 『Disk』

演劇集団 砂地 『Disk』

演劇集団 砂地

シアタートラム(東京都)

2013/01/24 (木) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★

私たちはDisk
舞台が「肉厚」な感じがするのは、役者陣が魅力的だから。
膨大な記憶を保存しながら生きる、私たちはDiskだ。
その記憶はなかなか消去されず、しかも時折無意識のうちに上書きされたりする。
保存した記憶が薄れないということは、かくも人を苛むものか。
ついには崩壊してしまうまでに・・・。

ネタバレBOX

舞台中央に描かれた大きな黒い円、これが男の部屋だ。
奥にベッド、手前にバスタブ、上手にパソコン、下手にはソファ。
ソファとバスタブの間にイーゼルが置かれ、白いキャンバスがかかっている。
客入れの時点からもう、男がひとりこの円の外側を走っている。
ほとんど30分近く、正確に同じペースで黙々と走る。
女が一人中央でそれを見守っている。
男の部屋のずっと奥にの方には自動販売機がある。

男(田中壮太郎)はイラストレーターでひとり暮らしをしているのだが
彼には死んだ恋人が視えていて常に会話している。
ランニングを見守っていた女(藤井咲有里)は、その自殺した恋人だ。
絵が描けなくなった彼に「そのままで大丈夫」と声をかける。

男には妹がいて、恋人と別れた彼女が兄の部屋に転がりこんで来る。
この妹(小瀧万梨子)は男運が悪く、時々死んだ父親と会話する。
二人の母親は施設にいるらしい。

この部屋に男の友人(岸田研二)、妹の友人(中村梨那)、
それに妹の別れた女房持ちの恋人(野々山貴之)らがやって来て
兄妹二人の感情に波風を立たせるから、二人は互いの人生に強烈なダメ出しをして
「出て行け!」「家族でしょ!」とつかみ合いの喧嘩をすることになる。

──兄も妹も、左肩に赤い大きな痣があるのはなぜか。
  痣は父親の暴力の痕なのか。
  この兄妹は父親の違う異父兄妹なのではないか。

そんな疑問が湧いて来るのは、何か危機感を感じさせる演出のせいだろうか。
切羽詰まった、追いつめられた感じが伝わってくる。

例えば“演技”と言うにはあまりにマジなランニングもそのひとつ。
開演前から走っていた男の疲労感が観ている私にずっと残る。
男は「絵を描いている時はいろんなことを忘れられる」と言うが
一向に描けないものだから“忘れる”ことができない。
だから走って忘れようとしている。(ように見える)
何かを念じるように、走ることに集中している。(ように見える)

また、新たな人物が登場するたびに大きな音と共に
天井辺りからその人のトランクなど大荷物がどっと降ってくる時の不穏な予感。
びくっとして緊張が走るのは、観ている私の方かもしれない。
予告なし、無遠慮な訪問の仕方を絵に描いたような演出だ。

人前でもすぐ衣服を脱いでバスタブに入る、妹のほとんど攻撃的とも言える無防備ぶり。
そうすれば誰かが一緒にいてくれると、本能的に知っているかのようだ。
その結果一緒にいてくれるようになった男とはいつもダメになるが。

「自分は絵も描けない、何も生み出せない」と絶望する妹に
「何かを生み出さなくちゃいけないのか?もっとささやかなものでいいんだよ」と言った兄。
その兄の選択が自分の血で絵を描くことなのか──。

ラスト、妹がオーストラリアの自動販売機の前で煙草を吸いながら語る。
時間と共に変化する空の色の美しさ、トラムの高さのある舞台が空を大きく見せて
繊細な照明に泣きそうになる。

田中壮太郎さん、結局恋人を放っておいた自分が彼女を死に追いやったのだと
責め続ける男の繊細さと最期の狂気の行為、二つの振れ幅が素晴らしい。
恋人の存在に依存しているかのような、ストイックな暮らしぶりの男が良く似合う。
彼は“忘れられない”のではなく“忘れたくない”のだということが次第に分かって来る。
それにしても良い走りっぷりだった。

小瀧万梨子さん、細くしなやかな身体を晒して肉体の雄弁さをいかんなく発揮。
この人のちょっとハスキーな声には不思議な魅力があって
台詞の生々しさに紗がかかる感じ。

藤井咲有里さん、死んだ恋人として男を見守る動きの少ない役はとても難しいと思う。
終盤大きく動いたのは、「わ・た・し!!」としぼり出すようにくり返した時。
見て欲しい人に見てもらえないまま孤独のうちに死んだ人の叫びが強烈に響いた。

「Disk」の4文字が裸の背中に照射される場面が二度あった。
最初は客席に背を向けた妹の背中に、もう一回は終盤兄の背中に。
その文字は肩甲骨に沿って幽かにゆらめき、生身の人間が背負った記憶に
押しつぶされて行く不安を暗示しているようだった。
彼女が生まれた5日間

彼女が生まれた5日間

ザレ×ゴト

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2013/01/24 (木) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★

すごく面白い
あっという間に時間が過ぎました。お尻や腰が痛くならなかったら、もっと早く感じたと思います。

ネタバレBOX

ちょっと有り得ない展開もありましたが、独特の世界観で、小劇場らしいお芝居だったように思いました。余命半年の妹が、悲壮感なく前向きに寿命を全うしようとする姿が潔くて、好感が持てました。

出演者が多くて複雑に見えましたが、個々の思いを持って砂漠に集う流れが自然で、個性豊かなキャラクターばかりだったので、分かりやすかったです。
ダンスも良かったのに、一曲だけで残念でした。楽しいラストだったし、もう一曲踊って欲しかったです。

主演の姉妹がそれぞれに魅力的で、お芝居の核となっていたと思います。特に、桜子役は舌足らずな話し方や子供っぽい仕草に甘えん坊な末っ子の感じが良く出ていました。ダンスも上手でした。雪子は、しっかりしたお姉さん役によく合っていたと思います。話し方が柔らかくて桜子への愛情や他者への思いやりが伝わってきました。

マチコ先生や三蔵、砂漠の王族と臣下など、印象深いキャラクターばかりでした。砂漠の民の挨拶が面白かったです。ワガママ王女とバカ王子が、いざとなるとシャキッとするのがカッコ良かったです。ラクダが人になる伏線も驚きましたし、ラクダが桜子の最後に送るセリフは泣かされました。おすし君も良かったです。売れっ子俳優の一団も、ボケとツッコミが息が合っていて面白かったです。

アキバ王子パルコとは一味違った掛け合いが楽しめました。キャサリンさんも実は良い人な気がします。最後はビックリしましたが、奇想天外な世界観を象徴している感じが良かったです。
めくるめくセックス 発酵版

めくるめくセックス 発酵版

シンクロ少女

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/01/17 (木) ~ 2013/01/21 (月)公演終了

満足度★★★★

恋愛版SAW?(笑)
面白かった!公演時間2時間10分と聞いて最初は長いなーと思ったけど、お芝居が始まると引き込まれて長さを感じなかった。内容は殺人の代わりに恋愛や痴話喧嘩やセックスが起こるSAW(1作目)のようだなーと思ったり。

マミ役の墨井さんがよかった。乞局ではあまり見られないようなマドンナ役で愛らしかった。あと墨井さんの生足が妙にエロかった。

・・・好きだからセックスするのか、性欲があるから誰かを好きにならずにはいられないのか。セックスがなくても好きでい続けることは美しいことなのか、あるいはただのやせ我慢に過ぎないのか。なぜ体温を感じると安心するのか。相性ってなんなんだろう。なーんてことを思いながら観ていた。

夫婦役の二人、終盤にはプロレスの技を掛け合ったり頬を殴りあったりディープキスをしたりで凄かった。あのお芝居を続けると公演最終日にはボロボロになってそうでちょっと心配になった。

あ、ストレンジャー

あ、ストレンジャー

マームとジプシー

吉祥寺シアター(東京都)

2013/01/18 (金) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★

マーム版「ゾウガメのソニックライフ」?
2011年4月にSNACで初演を行った作品の再演。初演は「過剰な肉体の酷使」を導入する前夜で、小さな会場で紡がれた愛らしい作品だった。当時は確か1時間足らずの作品だったんじゃなかったっけ?それを1時間40分に拡大し、また会場も30人も入れば満席のSNACからそこそこキャパのある吉祥寺シアターに場所を移しての上演。

客入れBGMにRIDEのTasteがエンドレスループで流れていた。このBGMは後に劇中でRIDEのファーストアルバムNowhereを紹介する場面に繋がる。Nowhereの中ならVapour Trailのほうが好きだなーとか思いながら開演を待つ。

ネタバレBOX

「演者がハンディカメラを用いて他の役者を写し、それを舞台上のスクリーンに大きく映し出す」という演出手法は、まんまチェルフィッチュ「ゾウガメのソニックライフ」で見受けられたものであり、舞台上にレイヤーを導入することで新たな世界観の提示があるのかと期待していたが、ガジェットとしての面白みはあったものの、作品に深みを与えるには到っていなかったように思う。

「ゾウガメ~」では影像を通じて映されている役者さんを他の役者が客観視して語るという役割があったけど、マームは今回あの影像で何がやりたかったのだろう?舞台上に道路に見立てて引かれた線や、オモチャの車を影像で写すことでミニチュアの世界を虚構の世界として立ち上げるというう機能は僅かにあったけど、それ以外効果的な使われ方がされていたとは思えなかった。

前日寝不足で集中力がなかったというのもあるけど、僕にはピンとこなかったなー。

とはいえ青柳さんの演技はさすがだったし、見所もたくさんあったのだけど。
マームに対しては期待値のハードルが高くなってるから「もっとすごいの、プリーズ!」って思ってしまう。
【舞台版】絶体絶命都市  ー世界の終わりとボーイミーツガールー

【舞台版】絶体絶命都市 ー世界の終わりとボーイミーツガールー

劇団エリザベス

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2013/01/19 (土) ~ 2013/01/21 (月)公演終了

満足度★★★

予備知識があればもっと愉しめたかなぁ♪
内容は舞台版とあるのは原作はゲームなのでしょうか⁈
ゲームはあまりしないので何の知識のないままに観劇

地震によって崩壊した⁈都市から脱出するために少年と出会った少女と彷徨う…

最後まで掴みどころが分からないまま終った感じ…
原作を知っていればその世界観に入っていけたかもしれませんが
どんな話なのか見えなかったので最後まで乗り切れませんでした

主役の男の子は声といい雰囲気は役どころにピッタリの様がしました
その他にも色々な役者さんもキャラを生かした演技で断片的に面白かった♪

インディペンデント1stで客席の中央を通路にした舞台は初めてで新鮮!

劇中で三回ぐらい流れた歌はゲームの主題歌名のでしょうか⁉
予備知識があればもっと愉しめたかなぁ~♪
また違った作品も観てみたい♪

世界を終えるための、会議

世界を終えるための、会議

タカハ劇団

駅前劇場(東京都)

2013/01/23 (水) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★

進化し続ける事がいいことなのか
考えさせられる作品でした。また開演時間の約15分前から、キャストがステージで演技を始めるので、それまでに着席すると、より楽しめると思います。

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