宝島
第0楽章
SPACE EDGE(東京都)
2013/05/06 (月) ~ 2013/05/12 (日)公演終了
満足度★★★★
吹き溜まり
宝って何だろう。雑然としているけど綺麗なゴミの部屋。様々な人たちが集ってくる不思議さ。空間も魅力的でした。山は良い。以下
ネタバレBOX
前説でゴミは洗浄してあるというのが面白かったです。綺麗だけど、ゴミ。人間見た目から把握してしまうものだなと。海洋実験場は原子力に絡めたものですかね。孤立した場所から解放を切に願う人々。それは田舎から抜け出せず都会を夢見る若者に似たものを感じました。やり取りの軽快さや回想の織り交ぜで話が進んでいくのは楽しく見れました。失踪、不妊、不倫、売春、痴呆、色んな社会の問題が登場人物たちによって集約されているのかなと感じたり。妄想がどこまで妄想で、最後はどういうことだったのかが分かりませんでした。謎であったけど嫌な感じはせず。ひとつの行為は理解しがたく許されないものだとしても、人や場合によっては救いであり、宝として目に映るものだと考えました。
臨場感では、セットを共有して雪山を進むワンゲル部の出す空気感、生々しさが何とも言えない凄みを受けました。装備は勿論、メガネ、ヒゲ、ありそう。ステッキのライトが逆向きになってる時があったのは、単純にミスなのか酸欠で意識朦朧としてる状態まで表してしるどちらでしょうか。廃墟のようなSPACE EDGEを活用されていると思いました。ありがとうございました。
緋色の町
★☆北区AKT STAGE
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2013/04/26 (金) ~ 2013/04/29 (月)公演終了
満足度★★★★★
しあわせの
劇団員バージョンを拝見。演劇教室バージョンは未見でしたが千円企画という事もあり、コストパフォーマンスが良く楽しかったです。色々な方が気軽に観劇に関われる環境は有難いです。以下
ネタバレBOX
千秋楽に拝見。この日は仕事が延びて全身疲労感が蓄積してたのですが、熱く、おバカあり、ダンスあり、つかさんが居らした頃よりもエンターテイメント要素は強くなったのかもしれないと感じました。小屋の空気が柔らかかった。北区の人はあったかいなぁと感じました。福の国、何かを得る為に犠牲を強いて苦しむ人たちがいる。バカ殿様のようなコミカルな中に、国への風刺的意味合いがあるのではないでしょうか。
舞台としてもですが、企画にしても様々な劇団さんの試みを見ます。こちらのものも、演劇の向き合い方というようなものも見させて頂いたように思えました。バージョンの違いによって評価や捉え方も差が出ると思いますが、そういった試みやコストパフォーマンスとして満足できるものでした。栗林さんやダンスは煌びやかでしたね。ありがとうございました。
かぐやのふるさと
なかのエンジョイ♪えんた〜て〜めんと
テアトルBONBON(東京都)
2013/03/27 (水) ~ 2013/04/02 (火)公演終了
満足度★★★
かぐや姫の話(そらそうだ)
うさぴょん、たぬぽん、きつこんがかわいかった。あと個人的にですが加藤さん筋肉すごいです。中野区民優待券が有るのがありがたいです。
獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)
イキウメ
シアタートラム(東京都)
2013/05/10 (金) ~ 2013/06/02 (日)公演終了
満足度★★★★
ネタばれ
ネタばれ
ネタバレBOX
イキウメの【獣の柱~図書館的人生(下)】を観劇。
作・演出の前川知大の作風は、SF的な世界観というべきか、現代の僅かな隙間から異次元へと誘ってくれるのが上手い作家だ。ある時はコンビニから異空間へ、ある時は廃墟から大昔へと。そして今作も現代から何十年後の未来へと、妙に現実味のある世界へと観客を連れて行ってくれる。
ある時、天文家の二階堂が小さな隕石を拾う。それを見ると誰もが幸福感を感じ、思考能力を失ってしまう恐ろしい物体である。一年後、世界の人々が密集している様々な街で、突然巨大な柱が現れる。その柱も隕石と同じような効用をもたらすのである。そして人々はその柱に魅了されてしまい、世界崩壊の序曲が鳴り響いて行くのである。
今作は映画【2001年宇宙の旅】のモノリスは何の象徴なんだ?
という疑問符を投げかけるような展開ではなく、巨大な柱に魅了されて、逃れる事の出来ない人達の物語である。柱の存在で崩壊してしまった街、ひたすら柱に熱中する人達、柱を神の存在と崇める人達、柱と共存しようとする人達などである。そして柱の存在を観客独自の解釈によって、自身の身近に起こっている出来事、事件などとリンクしながら舞台を観てしまうという所に、今作の大きな狙いがあるようだ。
そしてその作術にハマった観客のみが、大いに楽しめるようになっている。
そう、だから今作はお勧めなのである。
やはり舞台での池田成志の存在は大きすぎる。
ホテル小東京物語
劇団ロストキッズ
シアター風姿花伝(東京都)
2013/05/15 (水) ~ 2013/05/19 (日)公演終了
満足度★★★
初日観てきた
海外公演の演目が劇中劇みたいな形で入るわけなので半分は時代劇。時代劇の部分はパフォーマンスとして色々な史実の一場面がダイジェストで出てくる感じ。解らない話は無かったので気軽に楽しめましたが、殺陣の出来に微妙にバラつきがあるのはちょっと気になりました。
元禄忠臣蔵&一本刀土俵入
劇団前進座
国立劇場 大劇場(東京都)
2013/05/10 (金) ~ 2013/05/22 (水)公演終了
満足度★★★★
わかり易い人情劇2つでありました
人間進歩ってたいしてないんだなぁ・・等と思ったのが感想のひとつめです。
豪華な衣装に奥行きのある舞台セット&5分10分でも場面変わると変える舞台っと!スタッフなど潤沢にあるんだねぇと感じました。ただ、話は理解がしやすい分、奥行きの無さをチト感じましたねー。
元禄忠臣蔵→15分の幕間挟んで前後1時間づつ
<幕間=25分>
一本刀土俵入→10分の幕間挟んで前後40分づつ でありました
楽園のエヴァンジェリオ
劇団Please Mr.Maverick
小劇場 楽園(東京都)
2013/05/14 (火) ~ 2013/05/18 (土)公演終了
満足度★★★★★
戻ってきた不安定
ひさしぶりにカッチリしていない演劇を見ました。いや、いい意味で(笑)
大きな劇場でやる演劇とは違い、まさに小劇場ならではという感じ。
そういえばこの劇団はこういうのだった、と思い出しました。
台本のアイディアは相変わらずひねりと皮肉が効いて、うならされました。
ネタバレBOX
台本なのかハプニングなのかわからない箇所がいくつかあり、笑えました。
一体どこまで計算されて作っているのか?
パニッシュメントの体罰の話が個人的には好みです。
実際あれだけ体罰があったら絶対に問題になるでしょうが…。
悪魔の話は、前回のアンドロイドの彼女の話を思い出しました。
全部ただ笑えるというわけでなく、時々ブラックが入るところが好みです。
正義の話は、一昨年と同じ内容?なのに、時節にあっていて良かったです。
レッドの吹っ飛びっぷりが見事&爆笑。
ビンタ多かったですね、今回。最後の宇宙人のビンタは強烈でした(笑)
再度の演劇祭参加ということで、また勝ち残れるよう応援しています!
【全ステージ終了しました!ご来場ありがとうございました!】ハロー!新宿ちゃん。
なかないで、毒きのこちゃん
新宿眼科画廊(東京都)
2013/05/10 (金) ~ 2013/05/15 (水)公演終了
満足度★★★★
常ならぬ踏み出しをもった4作品
4編それぞれに、枠から一歩踏み出すような面白さがあって
観る側を離さない。
2人芝居という枠に 其々の作家が自らの色をしっかりと織り込んで。
また、それを舞台に映えさせる役者たちにも、
観る側を惹きつける魅力がたっぷりでした
ネタバレBOX
新宿眼科画廊のこのスペースは
作り手たちがいろいろと壁面に描くものも楽しい。
場内に受付が設えられていて・・・。
舞台側の描かれる新宿の線画に目を奪われつつ、
開演を待ちます。
・「すーぱーうーまんちゃんさん」
まあ、いろいろにトリッキーな始まりではあるわけです。
たまたま、ちょっとしたきっかけのあとに
その場の空気の密度が作られたのと、
役者の一瞬間を取る表情にアっと思って、
そこから見入る。
描かれるのは、ある意味シンプルな物語というか、
予約の「後藤さん」を待ちながらの
女性たちの想いのふくらみなのですが、
衒いもなにもなく、想いを前に進め、
圧倒的な高揚に至らしめる舞台の歩み方が凄い。
冒頭の本来寡黙であるべきロールのシチュエーションから、
細心かつ荒っぽく、本音が少しずつ滲み出して。
やがて、その歩みに二乗でパワーを加えていく様やり方で、
場に人物の内なる想いがあふれ出してくる・・・。
あるレベルからさらに進めば、
叫ぼうが歌おうが
牛タン屋の店長の息子とお見合いをしようが
もう歯止めがない・・・。
朝、早起きして牛タンを切る妄想のくだりに舌を巻く。
計略込みで観る側を一点に引き寄せておいて、
場内のあいまいな空気を束ねつつ、
そこから強引にレールを敷いて、
観る側を登場人物の世界に閉じ込めてしまう。
これまでにはあまり体験したことのない、
その強引とも思える作劇の腕力に、
がっつり惹きつけられてしまいました。
支える役者のふたりは初見でしたが、
初々しさからの演技の跳躍力に目を瞠る。
見事にやられてしまいました。
「むっつりすけべくん、おやすみ」
短編集ですから、時間の制約との戦いでもあるだろうに、
役者たちは最初に1曲まるっと踊って見せて、
観る側を、物語のトーンに浸しこんでしまう。
そのうえで、幼いころからのエピソードを
トーンのしたたかなラフさに乗せて積み上げていきます。
ちょっとした身体の使い方が時間を導いて。
切り取られていう二人の時間は、
表見とは異なる感触を内に編み込んでいて、
だから、その顛末が薄っぺらくならず、
しかも、透けて見えるそれぞれの内心に
違和感がないのです。
そこまでに舞台にトーンが作られているから、
終盤の、なんというかあからさまで、
それだけが語られるとちょっと引いてしまうような
男性からのメッセージに込められたものが、
その裏側に縫いこまれた想いの瑞々しさとなって
観る側に伝わってくるのです。
二人の役者にも、
観る側をとらえるに十分な個性があって、
この人が演じるからこその作品のテイストを作り出す力が、
物語をさらに広げておりました。
「幸不幸ミスマッチ」
最初にジェンダーを交換したときには
ちょっと無理があるかなぁと思ったのですが、
無理がないのですよ、これが。
暫くは、女性を演じる男優と、男性を演じる女優の世界だったのですが、
お互いが其々のジェンダーの要所をうまく捕まえていて
次第にその逆転が不自然なことではなくなってくる。
役者たちのジェンダーの切り取りが実にしたたかで
戯画的に見せる態に、それぞれの特徴を実にしなやかに
挟み込んでいて・・・。
そのテイストに重ねられる、
性格のベクトルの戯画的な真逆さが
交換されたジェンダーだと、なぜかとても馴染み、
とても生き生きと感じられる。
2つのデフォルメが、
互いの醸すニュアンスや可笑しさを
作品としての膨らみに変えて、
それぞれに内包されている、表層とは異なる感触が、
とてもふくよかに思えるのです。
作り手の目論見にがっつりとはまって・・・。
見応えがありました。
・「君と暮らせば」
話が見えると、役者の身体が表現するものが、
実に腑におちるのですが、
最初はただただ見入るだけ・・・。
二人の関係がわかっても、
女性の語ることの、その踏み出し方が
常軌を逸するかどうかのボーダーあたりにまで
どんどん広がっていく。
それはそれで、面白くもありつつ、
なによりも、
描かれていくものが、とっちらかるのではなく、
舞台の密度でしなやかに束ねられていて、
だからこそ、男の風情にも、
女性の姿にも、
振り切られることなく、どんどんと引っ張られて・・・。
そして、流石にどうにもならないくらいに
女性のとりとめのなさが舞台が満ちて溢れそうになったとき、
その世界への視座が差し込まれ、
目の前の世界が踵を返して
観る側を浸潤していく・・・。
全てが男性の抱くものに色をかえて、
女性のしぐさのひとつずつ、
その歌舞きかたも、静かな時間も、
おいしくない漬物の味までが、
現実との端境を失った
記憶の色合いで織り上げられていくのです。
役者のお芝居には、
それぞれにこれまで見た舞台とは異なる
新たな表現の質感があって。
観る側からすると間口がひろがったような印象があって。
また、冒頭の作品とは異なる構造のった作品の構造の中にも、
想いを剥ぎだす良い意味での作り手独特の力技の秀逸があって。
2つの作品に共通する観る側をどこか凌駕するような語り口が、
この先どんな作品を編んでいくのかとても楽しみになりました。
4作とも、そんなに長い感じはしないのですが、
一方で上演時間よりもはるかにボリューム感を感じて、
でも冗長な感覚はまったくなく、
とても充実していて。
観る側がどっぷりと取り込まれる短編集でありました。
人魚の薬 -雲の上編 海の底編-
たすいち
シアター風姿花伝(東京都)
2013/04/01 (月) ~ 2013/04/07 (日)公演終了
満足度★★★
雲
2バージョンのうち、雲の方を観ました。不思議な空間作り、家族の絆や人魚の謎に迫るエピソードを見る事ができました。ストーリーとしては面白いけど、片方のバージョンだけだと少し物足りなさもありました。以下
ネタバレBOX
登場人物が印象強い役者さん多かったです。臓物をエグられるのは、多少段取りぽく見えてしまったのもありましたが、佐山さんのエログロな感じが何とも。雲編主役のやないさんは、以前劇団の方でも拝見しましたが、前回とは随分雰囲気が違っていた。こちらの明るさは燦々としていて良かった。ボブ美さんは存在感がとても逞しい。
家族の絆は、役者と父娘のやり取りも面白く見れました。肝心の人魚に対してが、本筋に触れなさ過ぎて分からないままに終わってしまって残念です。ホムンクルスとか急にで入りにくい設定が多めにも思えます。観客は両方観れる方ばかりではないので、その辺りの考慮は欲しいと思います。そこは良い意味で、海編は凄く気になりました。ありがとうございました。
既成事実
小西耕一 ひとり芝居
RAFT(東京都)
2013/05/15 (水) ~ 2013/05/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
30歳の蹉跌
親子関係とは、青年の蹉跌とは、を問うドラマチックな意欲作!!
ネタバレBOX
なんでこうなってしまったんだろう、俺が悪いわけじゃない…。
血の繋がらない父子の関係について、愛する女性が産んだ子供だもの、父親は俺を愛し続けてくれていたことをやっと理解できたのに…、そしてみよちゃんの産む子供を今度は俺が父親の立場として恐らく愛せると信じているのに…、サイレンの音が聞こえてきた…。なんでこのタイミングで捕まるんだ、世の中おかしいんじゃないか、ちくしょーっ。
みよちゃんの浮気相手の性癖をおさらいしたばっかりに、先輩女子との初めての浮気で情事の最中に先輩の首を絞めて殺してしまったタケシの、そんなことは無かったかのように日々を送っていたものの、結局はごまかしきれずに警察に捕まるという、底辺をうごめいていた青年がさらに奈落の底に転落する、太陽がいっぱいのような、青春の蹉跌のような物語。
壮大なストーリーの一人芝居、挫折感を味わいました。面白かったです。
ナミヤ雑貨店の奇蹟
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2013/05/11 (土) ~ 2013/06/02 (日)公演終了
満足度★★★★
雑貨店
面白い。
ネタバレBOX
工員・浪矢雄治と令嬢・皆月暁子の悲恋が元に、なんでも相談を受けるナミヤ雑貨店と不遇な人間が身を寄せる施設に関係したドラマ。
浪矢の命日に、施設で育った負け犬な3人組の元には33年前にナミヤ宛に書かれた相談の手紙が届き、33年前の浪矢の元には未来からの手紙が届く。手紙の応酬と背景をうまく組み合わせ世界を広げていき、人間関係の綾が徐々に明らかになっていくのが面白い。3人組がアドバイスした33年前の施設出の松岡加奈子が、現在の3人組の強盗の餌食になりハンドバッグをパクられる(その中の手紙を読む)ことで3人の心が揺さぶられる。そして、33年前の死ぬ直前に書かれた浪矢からの手紙が届き、3人の迷いが晴れる…。
手紙が時間を越えるって設定も良いし、登場人物の背景にドラマがあって、描き方が力強いのがいい。決して甘くない材料を取り揃えつつ、トラベルファンタジーな要素で以って、ひとつの前向きな人生観を示した快作だった。笑える箇所も適度にあったのも良かった。変にドタバタになってないのもいい。
不倫相手の子を生むか迷ってたグリーンリバーのエピソードとか、3人組の不遇な人生とかに、暗めな舞台雰囲気がマッチしてた。3人組のバックグラウンドの悲劇性とか歪んだ感じをもうちょい描いてもらえれば、ラストの晴れやかさが増したとも思うけど。
「手紙を読む」ってことが、相手の気持ちや人生を読むっていうコミュニケーションの基本に行き着くことを土台に、人が他人に影響を及ぼせるんだ役に立てるんだってことを前向きに描いた素敵な感触の作品だった。
(3,800円で鑑賞)
匿名家族
劇団フルタ丸
サンモールスタジオ(東京都)
2013/05/11 (土) ~ 2013/05/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
うわぁ・・・・・緻密な舞台構成と
リアルな登場人物たち。やられました。家族という壊れやすい集合体を描いて、その儚なさと絆、生きていくことの大変さなど、さまざまな要素がバランスよく描かれていたと思います。回り舞台が単なる舞台装置になっていないところがすごい!そう、日々を生きるとはこういうことなのだ。家族全員で楽々と回せる日々もあれば、たった一人で苦労して回さなければならない時もある。まさに象徴的でした。ここから離れたところに人生など無く、人を感動させる小説など書けるわけがない。明快ですね。ちなみに私の故郷では「家が回る、回らない。」という言い方をします。家事がキチンとこなされ、家族それぞれが各人の役割をちゃんとはたしている状態を「家が回る。」といい、まぁ、正常な家庭のことですが、しみじみこの言葉を噛みしめてしまいました。チャレンジングな演技も素晴らしかったです。たくさんの人にぜひ見てもらいたい。
「ダルマ」
劇団TEAM-ODAC
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2013/05/15 (水) ~ 2013/05/19 (日)公演終了
満足度★★★★
バトルと束の間の平和とすれ違い
男の身勝手と女のしたたかさが光っていた舞台でした。
迫力の殺陣も堪能。強盗武士団のクレイジーっぷりもステージを十二分に盛り上げていました。
通路も多用する演出でしたが、どうせなら、後方の通路も使って欲しかった。
世界は僕を切り撮って
削除
北池袋 新生館シアター(東京都)
2013/05/10 (金) ~ 2013/05/13 (月)公演終了
満足度★★★★
押し引き
テーマは興味深いもので、脚本もなかなかよくできていたと思います。
ただ、テンポよく進む展開には引き込まれていくのですが、最初から最後までのほとんどの役者のテンションが高く、90分ほどのステージなのですが疲れてしまった!というのが素直な感想です。 もう少し強弱をつけた演出になれば、見せどころなども、よりいっそう引き立っていくのではないでしょうか!?
ラジオスターの悲劇
少年社中
吉祥寺シアター(東京都)
2013/05/08 (水) ~ 2013/05/15 (水)公演終了
満足度★★★★
役者の温度差を感じる
劇団の15周年記念第一弾公演だそうで、劇団の役者さん達の熱は、思う存分感じたのですが、反面、客演の役者さんとの温度差が出てしまった気もします。
一部の役者さんに、ミスキャストの感もありました。
二重構造のドラマ進行が、ラジオドラマの方は、結構面白いのに、本題の方の、ストーリーには、やや工夫が足りないようにも感じ、その点がとても残念でした。
主役のラジオスターを、日替わりゲストが演じるというアイデアはとても成功していたように感じ、楽日の三上さんの大熱演を観た限りでは、好感触で、楽しむことができました。
ただ、せっかく、ゲストが真面目に演じているだけに、コントのいじり的なアドリブ場面は、不必要な気がしたし、内容的にも、不釣り合いな印象を受けてしまいました。
ダンス場面は、高揚感があって、社中らしくて、好きでした。
ライター役の井俣さんに一際の存在感があり、嬉しく拝見させて頂きました。他に、堀池さん、岩田さん、山川さん、甘浦さんが、好演されていたように思いました。
ネタバレBOX
この公演を後援しているラジオ局で、昔、月~金の生放送のDJをしていたので、何だか、無性に、あのブースの風景が懐かしくてなりませんでした。
放送で喋る時は、カフの上げ下げをするのですが、ゲストだから仕方ないけれど、時々なおざりになっていたのが気になりました。ディレクターが、「ラジオの視聴者」と言ったのも、気になりました。ラジオなら、「聴取者」が正しい筈。
三上さんのDJは、声も素晴らしく、ラジオスターとしてのリアルさがあって、大変好演されていました。読むだけでなく、あんな重要な役を演じるなんて、宮沢りえさんに匹敵するぐらいの凄さだと感嘆。
「本音」と「建前」の双子の息の合い方に、拍手。料理長の「絶望のフルコース料理」の食材説明が、ナイスセンスで、受けました。
青年役の中村さんは、イケ面過ぎて、恰好が良く、生きる理由がみつからず、気弱になる青年という役どころを演じるには、やや無理が見えてしまった気がします。とても重要な役だけに、演じ手として熟練の役者さんにキャスティングした方が、この作品をもっと奥深くしたのではと思うのですが…。
森での青年の成長ぶりが楽しく見ごたえがある分、本題の、ラジオスターとライターの人間関係のエピソードに作者の手腕が感じられなかった点が、やや残念でした。
Happiness 大阪公演
劇団PEOPLE PURPLE
HEP HALL(大阪府)
2013/05/10 (金) ~ 2013/05/12 (日)公演終了
満足度★★★★
トータルのクオリティが高い!
この劇団はいつも舞台のセットは丁寧に作り込み、衣装も細部まで拘っています!
トータルのクオリティが高いのでHEP HALLの舞台が似合う大人のお芝居♪
主人役の植村好宏さんを筆頭に黒人のメイド役の森下ひさえさんや
子供役の片山誠子さんや谷野まりえさんなど
一人ひとり個性的な役どころを皆さん落ち着いた貫録の演技で見応え充分!
毎週、どこかしらで観ている印象の一明一人さんの弾けた演技も
全体の話のアクセントになって存在感あり過ぎ!
話の中に笑いを盛り込んで楽しませてくれて
最後はジーンと心温まる気持ちにさせてくれる
この劇団は今回で4度目の観劇ですがこの流れは全くブレないですね!
全体的にはいつも通りの安定したクオリティの高いお芝居で愉しみました♪
この劇団のお芝居は友達とかにも安心してお勧めできます!
ネタバレBOX
主と元妻や子供達との関係性や想い、
別れてから何故、子供達は父親を恨んだのか?などの親子の繋がりの部分が
もう少し見えれば感情移入しやすくもっと心に響いたと思います
獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)
イキウメ
シアタートラム(東京都)
2013/05/10 (金) ~ 2013/06/02 (日)公演終了
満足度★★★★
獣の柱
約百年を隔てた過去と未来を行き来し、日本の今を風刺するSF娯楽作。メッセージにいたく、いたく感動!久保栄「火山灰地」のセリフを思い出し、地球の永い歴史の中に、愚かで儚い私自身の存在を確認できた。シアタートラムで約2時間10分。
ネタバレBOX
「幸せだったあの時に、少し昔に戻りたい」という浅はかな政策を腹立たしく思っているし、行き詰って失敗だとわかった社会のシステムに区切りをつけたいとも思っているから、前川さんのメッセージがビシバシ来た。
ひかる君ママの復讐
月刊「根本宗子」
BAR 夢(東京都)
2013/04/28 (日) ~ 2013/05/06 (月)公演終了
満足度★★★★
異色のバックステージもの(笑)
小劇場系演劇自虐ネタ満載の傑作コメディ。当初と内容を変えざるを得なかったかも知れないが、不慮の交代劇さえネタにして取り込む貪欲さもあって…。
バックステージものは、ピンチを切り抜けて何とか幕を開けようとか公演を続行させようとかする演劇人を描くことによって創り手の演劇愛を語るのが定番で、ソコが好きなのだけれども、そういったのとほぼ無縁なのが潔いよなぁ(笑)
いや、作品自体は定番と無縁ではあるものの、上演するまでの現実が「定番」そのものだったと言えるので敢えて描かなかったのか?(笑)
なお、ダブルキャストになったため、5月6日におかわりもする。
エレノア
サスペンデッズ
駅前劇場(東京都)
2013/04/26 (金) ~ 2013/05/03 (金)公演終了
満足度★★★★★
いまさらですが…
ヒトって見かけによらないということを思い出させる芝居でした。みんないろいろ抱えつつも毎日を一生懸命もがきながらも生きている、そういったものをじんわりと感じました。印象深いいいお芝居でした。
異空間
643ノゲッツー
STUDIO543(中野店)(東京都)
2013/05/11 (土) ~ 2013/05/13 (月)公演終了
満足度★★★★
「演劇のカジュアル化」にイイんじゃね?
実験的かと思いきやギャラリー、カフェ、民家などでの公演が日常化した小劇場界では至ってマトモ(笑)。
むしろ、回想など場が移る時に(ありものの)照明で上手く表現していたなと。
また、内容も好きなタイプの「夢?現実?」な部分を含みながら60分とコンパクトにまとまっており、住宅街の商店街という立地も含めて「演劇のカジュアル化」にイイんじゃね?