獣の柱 まとめ*図書館的人生(下) 公演情報 イキウメ「獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ネタばれ
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    ネタバレBOX

    イキウメの【獣の柱~図書館的人生(下)】を観劇。

    作・演出の前川知大の作風は、SF的な世界観というべきか、現代の僅かな隙間から異次元へと誘ってくれるのが上手い作家だ。ある時はコンビニから異空間へ、ある時は廃墟から大昔へと。そして今作も現代から何十年後の未来へと、妙に現実味のある世界へと観客を連れて行ってくれる。

    ある時、天文家の二階堂が小さな隕石を拾う。それを見ると誰もが幸福感を感じ、思考能力を失ってしまう恐ろしい物体である。一年後、世界の人々が密集している様々な街で、突然巨大な柱が現れる。その柱も隕石と同じような効用をもたらすのである。そして人々はその柱に魅了されてしまい、世界崩壊の序曲が鳴り響いて行くのである。

    今作は映画【2001年宇宙の旅】のモノリスは何の象徴なんだ?
    という疑問符を投げかけるような展開ではなく、巨大な柱に魅了されて、逃れる事の出来ない人達の物語である。柱の存在で崩壊してしまった街、ひたすら柱に熱中する人達、柱を神の存在と崇める人達、柱と共存しようとする人達などである。そして柱の存在を観客独自の解釈によって、自身の身近に起こっている出来事、事件などとリンクしながら舞台を観てしまうという所に、今作の大きな狙いがあるようだ。
    そしてその作術にハマった観客のみが、大いに楽しめるようになっている。
    そう、だから今作はお勧めなのである。

    やはり舞台での池田成志の存在は大きすぎる。


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    2013/05/16 06:54

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