最新の観てきた!クチコミ一覧

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ドアの向こうの薔薇

ドアの向こうの薔薇

くじら企画

ウイングフィールド(大阪府)

2013/07/12 (金) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度

薔薇吹雪
ラストシーンのアレは素敵でした。
風船脅迫のシーンは笑わせて頂きました。
あ、素敵だなあ、と感じ入った女優さんが、
ちらほらいらっしゃいました。

あのエレベーターって客入れ大変でしたよね。
わざわざ誘導の方がいらっしゃって非常に助かりました。

ネタバレBOX

自分はポストモダンなテイストが苦手なだけですので、
あまり気になさらないで下さい。

ラストの主役の独白はご苦労様でした。
そちらを差し引いてもどう受け止めて良いものか、
理解に苦しむ程に過多でした。

風船の2シーンはせめてどちらかを取捨された方が、
より見栄えたのではないでしょうか?特に後者のアレって
役者がもはや演じて無いですよね?

全体的に稽古量なのか、熱量なのか、演出と役者のマッチングなのか、
何とも言えない足りなさが幕開け早々から拭えませんでした。

小屋を出て道路に降り立って初めて観客が思うことは
一体何でしょうね。
ラブなま

ラブなま

うんなま

【閉館】カラビンカ(大阪府)

2013/07/13 (土) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度★★

理解を超えていた
良くも悪くも翻弄されっ放しでした。
もっと柔らかい頭で観劇できるように成りたくなりました。

前説の方が至極丁寧で痛み入りました。

人や銀河や修羅や海胆は

人や銀河や修羅や海胆は

TheatreGroup“OCT/PASS”

ほうねん座民俗芸能センター稽古場(宮城県)

2013/07/13 (土) ~ 2013/07/13 (土)公演終了

久しぶり
胸のある父、ひげのある母そしてトシは出てこなかったが骨格を残しながら、1時間にまとめていた。
しかし久しぶりに劇団に帰ってきた亀 歩さん 大家さん役で怪演だなぁ

かなかぬち

かなかぬち

椿組

花園神社(東京都)

2013/07/12 (金) ~ 2013/07/22 (月)公演終了

満足度★★★★★

土の上の芝居
椿組、花園神社、野外劇と聞けばもう夏の風物詩、芝居の原点である。
ここ数年、土の上で上演される芝居のエネルギーに圧倒されたくて通っているが
今年は中上健次唯一の戯曲であり、火が不可欠な芝居ということで楽しみにしていた。
凝ったセットもなく花園神社のゆるい起伏を活かした地の舞台スペースが
奥行きのある山深い峠を見事に再現している。
土の上では、役者の素の力が足元から立ち上がるようで本当に魅了される。

ネタバレBOX

入り口で団扇を受け取って客席に入ると、中上健次が愛した都はるみが流れている。
衣装をつけた役者さんがビールやチューハイ、お茶などを売っている。
夜になって涼しい風が吹き始め、思ったよりずっと快適だ。
外波山文明さんが挨拶する声がもう嗄れ嗄れで、思わず笑ってしまう。

舞台下手側手前には盗賊の頭とその妻が陣取る小高くなったスペースがあり
その他は特にセットらしきものも無い。
手前から奥に向かって緩やかに広がるフラットなスペースが広々としていて
役者はまさに縦横無尽に駆け回る。
奥にある3つの松明の灯りが舞台全体を生き生きと照らしていて
上演中2度ほど黒子が火をついだのもリアルに感じられる。

「かなかぬち」の「かぬち」とは金打ち、つまり鍛冶のことである。
物語の中心である盗賊の頭(山本亨)は、後悔も反省もしない非情な男だ。
彼は、身体が次第に鉄化していく異形の者でもある。
腕や脚、胸などが鋼鉄の鎧のようになっていき、しかもひどく痛む。
彼がさらって来た女(石田えり)は、今では彼を凌ぐほどに手下を引き連れて走り回るが
痛みに苦しむ頭を労わる優しい一面もある。
彼女がさらわれて置き去りにされた姉弟は、父の仇と母を探して旅をしている。
この母子が思わぬ対面をして悲劇が起こる…。

“異形の者”がぴったりの山本亨さん、相変わらず大きい男を演じると魅力的。
強い男ほど女には弱い面をさらけ出すというギャップが立体的で
自分の変化を受け入れてくれる女にすがる一面が際立った。

石田えりさんさすがの貫禄で、さらわれて来たものの
実は自分の中の“野生のような凶暴さ”に目覚めた女を楽しそうに演じていた。
母性と女としての自分が混在する複雑なキャラが、ラスト怒涛の展開に説得力を持つ。

旅回りの一座が唄ったり踊ったりしたが、今年はこのアンサンブルがとても充実している。
音も良く、踊りもそろって、一人ひとりの役者の動きがきれいに出来上がっていた。

中上健次の創り出すキャラは、自分を責めたり善い人ぶったりしない。
子どもに対面して泣き出すような母親ではなく
愛する女の亡骸をいつまでもかき抱く男でもない。
その自己に忠実なところが魅力的だ。
偽りの人生をおくって来た姉弟でさえ、最後は究極の選択をする。

親の仇と狙う男と同じように、自分の身体も鉄化していくと気づいた弟が
隠された親子の証である「かなかぬち」の身体を晒す所が良かった。
ラスト、あっと驚くケレン味たっぷりの演出がまた芝居小屋の楽しさを思い出させてくれて
今年も大満足の夏の芝居が終わった。

限界ベイベェ!

限界ベイベェ!

ヒミツキチ110階

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2013/07/11 (木) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度★★★★

良かったです
初日に観劇しました。
わかりやすい話でテンポもよく、
笑いあり感動ありでとても楽しめました。
役者さん達の熱演が素晴らしかったです。

『ダンパチ11・インディアンズ』『ヴァンパイアに咬まれたい』

『ダンパチ11・インディアンズ』『ヴァンパイアに咬まれたい』

ショーGEKI

「劇」小劇場(東京都)

2013/07/10 (水) ~ 2013/07/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

美しい
期待以上でした。
ヴァンパイアのお二人のかもしだす雰囲気がとても美しかったです。
舞いの様な動きに引き込まれました。

女性らしい繊細な動き、妖婉さ、不思議な雰囲気。

大満足です。


千秋楽まで頑張ってください。

超鋼祈願ササヅカイン~新たなる脅威~ 

超鋼祈願ササヅカイン~新たなる脅威~ 

カプセル兵団

笹塚ファクトリー(東京都)

2013/07/11 (木) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

ゲスト 千葉繁さん回
いやー楽しかった!
色々な形の芝居があるかと思いますが、自分の観たい芝居はこれだ!
と思う一形態だなと。

当日パンフにもちらと書かれていたのですが、芝居でしか観れないもの、を意識してつくられていると感じました。
こちらの劇団はDVDも積極的に販売していますが、劇場で観るべき!
(過去作品買っちゃいましたけど)
と言っても自分は前回アベンジャーズから観はじめたのではじめてみたいなものでしたが。

会場入ってすぐ、丁寧に席を案内していただいて○。
席の割り振りが結構複雑な感じでしたが見せてぱっと案内できるのは地味ですが素敵です。


劇場出た時、明らかににやけた顔で出てきた自分に笑う(笑)

ネタバレBOX

オープニング好き。
観ててワクワク感をがんがん刺激してくる。

変な言い方ですが、舞台上で肉体がこれでもかと動いているのが本当に良い。
人の形、動きって美しいなぁ。

アテレコしてる人が斬られたり、千葉さんがちょこまか動いてるのが面白かったり、パワーマイムの空中戦表現のところが凄い好きだったり、エトセトラ、エトセトラ。


多分、この芝居はとても分かりやすい面白さで、書こうと思うと陳腐なほめ言葉になりそう。
(ちなみに分かりやすいから簡単に作れる、ではない)
特に終演後、紙媒体に感動を残す事が苦手なので、アンケートには「楽しかった!」ぐらいしか書いてこなかったのですが。
なのであまり語らずに。
昼下りの岸田

昼下りの岸田

ENBUゼミナール

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/07/16 (火) ~ 2013/07/17 (水)公演終了

満足度★★★★★

無題759(13-187)
19:30の回(曇)。19:00受付、コの字型の座席、舞台に斜めに突き刺さる銀色の円柱、細い堤。役者さんはこの堤の上、周辺を彷徨う。19:30前説、19:35開演~21:08終演、アフタートーク21:15~21:28。

中屋敷さんのクラス卒業公演。ENBUの公演は、「さくら+(土屋クラス)2012/7」、「24の瞳の次世代の最初の道筋(ノゾエクラス)2012/3)」、「墓場、女子高生(福原クラス)2011/4」、「さくら(土屋クラス)2011/3」をみてます。最近、「さくら」に出ていた女優さん(川田さん)の芝居をみてちょっと久しぶりにやってきました。今までは笹塚でしたが、今夜は王子。正直なところ岸田氏の作品に興味があって...ではなく、役者さんたちをみにきました。中屋敷さんの演出ということだと「柿」のようなものかと思いましたが、そうではありませんでした。

お話(岸田作品)は...やはりダメでしたが、それは予想していたことで、大切なのはこの「10人」の中から、必ず近い将来、本格的に芝居に関わっている人がでてくるはず、という思い込み。その時、きっと声をかけましょう、「卒業公演みましたよ」と。評価は「期待値」。

当パンに真雪さん、本間さんの「予定」が載っています。

『うそつき』/『幸せはいつも小さくて東京はそれよりも大きい』

『うそつき』/『幸せはいつも小さくて東京はそれよりも大きい』

アマヤドリ

スタジオ空洞(東京都)

2013/07/12 (金) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度★★★★

幸せ東京
次第に踏み外してゆく小田のメインパートはもちろん、サブキャラクター達が織り成すサブストーリーもしっかり組まれていて、メイン部分とくっきり対比を成しているのがまた巧み。
通算3度目にして初めてそこに気付いたのだった。

Evergreen Online/EDIT

Evergreen Online/EDIT

ALTERNAIT

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2013/07/05 (金) ~ 2013/07/08 (月)公演終了

満足度★★★★

最高のエンターテイメント!
関西小劇場界で、年間山ほどの公演の現場で音響をされておられる須川忠俊さんが。
満を持して、ご自身でプロデュース、演出をされた公演。
さすがのその人脈、この公演に関わっておられる方々の、キャストから裏方さんにいたるまで隅々余すところなくなんとも豪華なこと!
めんたま飛び出ますよ!
もうなんだかお祭りのような公演でした。

元から期待はしてましたが・・・いやぁ凄かったですねぇ。
エンターテイメント性の高さが、半端なかったです。
ファンタジー担当キャラの衣裳は豪奢にもほどがあり、バラエティに富んだ種類と色の照明はあまりに美しく。
さっすが須川さんプロデュース公演、お尻にずしんと響いてくる重みのある音響がたまらない。

内容的には、MMOプレイヤーの、ゲームサイドと、リアルサイド、同時進行のお話。
わたし、かつてはそこそこやり込んだMMOプレイヤーでした。
なので、むっちゃわかるのです、知っているのです、このお芝居の中で語られていることを。
なので、むっちゃ懐かしくもあり、むっちゃ共感でもあり、観ながらいろんなこと考えちゃいましたねぇ。
さすがに、そんな観方をしていた人は、そんなに数多くはなかったろうと思いますが(笑)
そのあたりを絡めた話をし始めると、そこにこのお芝居の真髄の核部分が存在するのではありますが・・・。
もはや観劇の感想というよりは、「MMOとわたし」というひとつの記事になりそうなので、思い切って省くとして。
まぁ、ひとつだけ言うと、MMOで出会って実際に結婚までいくひとは、いるのですよ、これまじで。

設定的に腑に落ちなかった点といえば、死の概念ですかね。
通常、ゲーム世界では死んでも、何回でも生き返るじゃないですか?
それなりにペナルティはあれども。
でもエバグリでは、まるで死んだらそれで終わりみたいな、ゲーム内で死ぬことに対する恐怖感に違和感が。
死んだら、終わりなのかな?エバグリ世界では。
他にはITに疎いわたしにはしっくりこなかった、全プレイヤーのパソコンが演算で使われるというシステムなども。
まぁ~でも・・・つくづくこの脚本が2006年上演なのだということが、すごすぎる。
あの当時の時代に、これを書いてたっていうのが、どこをどれくらいブラッシュアップしたのかはわからねど、それでも素直にすごいと思います。

なにはともあれ、あのビジュアルあのクオリティで、ファンタジーの世界を舞台上に具現化されてしまったのは、もうRPG大好きな人間にとってはたまんないです!
歌あり、ダンスあり、おおよそエンターテイメント的要素がこれでもかというくらい詰めに詰め込まれた珠玉のエンターテイメント!素晴らしかった!

ネタバレBOX

こういうエンターテイメント性の高いお芝居観劇の時には、わたしは全体が観たくて後方に座ることが多いのですが。
わたしの席からは、御意さんがまったく、ただの一瞬たりとも観えなかったことが惜しかったです。
ハープと歌声は聴こえましたが・・・。
ずっと、あの位置に座っていたのでしょうか??気になる(>_<)
獏、降る

獏、降る

ハイバネカナタ

小劇場 楽園(東京都)

2013/07/10 (水) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度★★★

高田馬場らしさは感じとれたが
高田馬場の町金を中心とした人間模様。
ネタがネタだけに先日の日本のラジオ「」に通ずる「今にも崩れそうな」危機感満載。
が、あたかもその現場を覗き見しているように思われた日本のラジオと異なり強化ガラスなどで隔てられた「安全地帯」から眺めているように感じられたのは何故?
(歌舞伎町でなく高田馬場、というのは伝わったけれども)

ジュリアス・シーザー

ジュリアス・シーザー

華のん企画

あうるすぽっと(東京都)

2013/07/11 (木) ~ 2013/07/16 (火)公演終了

満足度★★★★

ジュリアス・シーザー
シーザー暗殺者組VSシーザー元家臣組の戦争になるんだけど、どちらも応援する気にもさせない演出がいい。
パンフレットの俳優紹介欄で長本批呂士さんが「『選挙に行かなきゃ…。』とすごく思った」とコメントされていた。そういう意味でもオンタイムの上演になっていると思う。

ネタバレBOX

死体が累々と折り重なっていくラストが良かったです。
はるうすねいしゃん

はるうすねいしゃん

明治大学演劇研究部

アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)

2013/07/05 (金) ~ 2013/07/07 (日)公演終了

役者が築き上げる、“リアルな空気感”



三編の短編集は、ズバリ「かみ合わない」面白さの洞窟である。

一話目などの、腰を痛めた青年が自宅で見舞いにやってきた友に対し、

「ねえ、どこにいくのさ!」

「買い物に決まってるだろ‥!」


「おぶってくれるんじゃないの?」


この やり取りは、「かみ合わない」ことから生まれた 濃密な 会話劇だった。

二話目の「かみ合わない」に関していえば、それは時代錯誤を生かしたテーマの一言であるといってよい。
あの舞台を、明治大学の校舎で 行ったことに、私は 感慨を憶える。


三話目、ラーメン店の厨房が事件現場に なったラストは意外性満載だった。あのようなグロテスクな事件を変哲のない舞台へ溶かす力も、役者が醸し出させていたように思う。


彼らは、意図する表情だ。

ただ会話劇を繰り返すだけでなく、音楽を控えた あの場に、関係性で形作られた“場”が出現する。
スポットライトを当てなくとも、そこに光る場所は存在する。


こうした、役者が形作る関係性、舞台に出現する“場”を、また、観てみたいと思う。










わるいひとたち 【第6回ルナティック演劇祭グランプリ獲得しました!】

わるいひとたち 【第6回ルナティック演劇祭グランプリ獲得しました!】

劇団Please Mr.Maverick

小劇場 楽園(東京都)

2013/06/18 (火) ~ 2013/06/22 (土)公演終了

満足度★★★★★

観劇したのかな~?
無理なスケジュールを組んでしまった為に、大遅刻で観劇、しかも立ち見席の一番奥で・・・良く見れないΣ(゚д゚;)!。それでも、この舞台は下北沢演劇祭『ルナティック演劇祭』で最優秀賞を受賞し、賞金50万円を獲得した舞台です。内容は、最後に物販で購入したDVDの到着を待って楽しみます。とにかく、元劇団:三年物語の少年女優『ゆうきさん』が客演しているだけでもチケット購入して良かったです。なんせ、演劇祭の勝敗基準には観客動員数もありますから、少しでも優勝に貢献できただけでファンとして(・∀・)イイネ!!です。演劇祭優勝、おめでとうございます。次回出演作品を楽しみにしています。では、また劇場で会いましょう(`・ω・´)キリ。

アガリスクエンターテイメントコーヒーカップオーケストラ

アガリスクエンターテイメントコーヒーカップオーケストラ

アガリスクエンターテイメント

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2013/06/29 (土) ~ 2013/07/06 (土)公演終了

満足度★★

期待外れ
 コーヒーカップオーケストラの宮本さんが犬と串に客演してしていたことから興味を持って観に出かけた、2団体が駅をテーマに競作および共作をしたこの公演。正直、期待外れでした。
(ネタバレBOXに続く)
 

ネタバレBOX

 まず、アガリスクエンターテイメント(以下、AE)の冨坂友さんが作・演出を務めた、「シチュエーションコメディ レクイエム」と題された一編。
 シチュエーションコメディが得意だというAEの冨坂さんが手がけたこの中編は残念ながらシチュエーションコメディとは呼びがたい代物だった。
 コーヒーカップオーケストラ(以下、CCO)の宮本さん演じる大学生がサークル合宿をサボって浮気相手と遊んだ帰りに乗った電車で合宿帰りのサークル仲間と鉢合わせし、その中には本命の彼女もいて…という出だしはシチュエーションコメディの取っ掛かりとしては悪くなく、宮本さん演じる大学生のハジメは本命彼女と浮気相手がかち合わないよう悪戦苦闘する。
 いけなかったのはここからだ。
 ここからどう面白おかしく話を転がしてくれるのかと期待して観ていたところ、登場人物同士の頭がぶつかり合うと互いの心が入れ替わるというまさかのSF要素が導入されて、登場人物同士の心と心がどんどん入れ替わることにより生まれる混乱に話の眼目は移ってしまい、ハジメと2人の女がどうなるのかという三角関係ストーリーは物語の傍流に追いやられてしまうのだ。
 シチュエーションコメディというものは定義が曖昧らしいが、非現実的で荒唐無稽なストーリー展開が許されるナンセンスコメディと対をなす概念だとするならば、人物同士の心と心が入れ替わるというSF要素、『転校生』要素が入ってきた時点でそのドラマはシチュエーションコメディとして失格だろう。
 シチューションコメディの資格を失おうとも面白ければいいようなものだが、人物間の心の転移が相次いだ結果生み出されたのはただの混乱でしかなく、そこにさしたる面白味はなく、ある時点からは誰の体に誰の心が入っているのか見失ってしまったものの、それを頑張って見極めたところで労力に見合った笑いは得られまいと割り切った私はそれから終幕までの決して短くはない時間を廃人のように虚ろな目をしてただ漫然と舞台を見つめて過ごしたのだ。
 CCOの宮本初さんが作・演出を手がけた中編「ナイトステーション」は何をもって笑わせたいのかポイントが曖昧なうえ唐突な唾吐き、大して必然性のないケツ出しなどギャグとさえ呼べない単なるおふざけが頻出する大愚作。加えて、後藤慧のいかにもコメディコメディした上ずった演技がただでさえ笑えない本作をますます笑えなくしていた。
 最終作で冨坂さんの脚本協力を得た以外は宮本さんが全てを手がけた「トリッパー」はギャル女子高生たちのプエルトリコ旅行を面白おかしく描いた短編連作。女優たちがアーパーな女子高生を振りきれた演技で力演する本作はギャル女子高生とプエルトリコというミシンとコウモリ傘のような取り合わせがシュールでおかしく、また、つぎつぎ起こるトラブルをアホウなりに必死で解決しようと頑張るギャルたちの姿がオモシロかわいく、これだけは楽しめました。


『うそつき』/『幸せはいつも小さくて東京はそれよりも大きい』

『うそつき』/『幸せはいつも小さくて東京はそれよりも大きい』

アマヤドリ

スタジオ空洞(東京都)

2013/07/12 (金) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度★★★★

誰にでもある出来事
そういえば、監禁ってわけでもないんだけど。
子供のときに、小さな箱のなかで、ウサギを飼ってたんだけど、雨の強い日に、逃げちゃったんだ。あのウサギ、どうしちゃったのかなあ。
幼い心にぽっかり穴があいた出来事でした。なんちゃって。
観劇後、思い出した。

いや、でもそういうことだよね。ちがうかな。誰でも心のなかの小さな箱のなかに何か大事なものを監禁していて、でもそいつは、いつのまにか逃げだしてしまって、気がついた時にはいなくなってたりするんだ。

ひゅー、今夜は童話なんかが書けちゃいそうだな。

『岸田國士原作コレクション2』

『岸田國士原作コレクション2』

オーストラ・マコンドー

black A(東京都)

2013/07/05 (金) ~ 2013/08/04 (日)公演終了

満足度★★★★

「頼母しき求縁」「ここに弟あり」を
岸田國士やはり面白い。「頼母しき求縁」の汲子の可愛らしさ、「ここに弟あり」の紅子の歌声が特に印象的。あんなにゆったりと観劇できることはそうそうない、とっても贅沢な時間。

顔と罰

顔と罰

劇団☆錦魚鉢

「劇」小劇場(東京都)

2013/04/17 (水) ~ 2013/04/21 (日)公演終了

観てきました
思っていた以上に、重い話でした。
顔だけで、学園が支配されてるなんて想像しただけで怖い。
顔といいつつも、どんどん人の気持ちも変化してしまう。これって、本当の生活でも起こりえるような?
考えさせられる、部分もありました。

書くの遅くなりすみませんでした。
また、違う作品も観たいと思いました。

Still on a roll

Still on a roll

FUKAIPRODUCE羽衣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/07/11 (木) ~ 2013/07/21 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しかった!
楽しすぎて時間があっという間に過ぎた。個人的には曲が短くなっても良いので曲数を増やしてもよいかと思う。時々超展開あったし。今作は特に振り付けが好き♪アフターイベントは…。

ジュリアス・シーザー

ジュリアス・シーザー

華のん企画

あうるすぽっと(東京都)

2013/07/11 (木) ~ 2013/07/16 (火)公演終了

満足度★★★★

子供のためのシェークスピアカンパニー『ジュリアス・シーザー』を観る。
子供のためのシェークスピアカンパニー『ジュリアス・シーザー』を観る。

『ジュリアス・シーザー』は,前半を終わる頃,あっけなく殺害されてしまう。主人公であって,『オリバー・ツイスト』も後半ほとんどで出来ない展開もあるが,シーザーはこれとは少しちがう。まず,彼の,「遺言」に民衆が振り回される。その意味で,死んでもしばらくシーザーは生きている。

さらに,驚くのは,マクベスで良心の呵責があったように,謀反人たちは,シーザーの呪いに負けて,相次いで自害していくのだ。だから,このように,亡霊としてのシーザーは最終決戦の場面でも十分生きていた,よみがえっていたのである。そういう風に考えても良いことになる。

『ジュリアス・シーザー』は,1599年に書かれた。その後,『ハムレット』を書いている。作品そのものは,プルターク『英雄伝』を参考にしている。プルタークのものを劇化したが,その手腕がすごかったことになる。おまえもか,は,プルタークにはなく,ほかから取っている。

この演劇では,印象的だった場面がひとつあった。それは,権力の座にすわると,あわれみというものを人は忘れる,ということばだった。そこで,シーザーは,最初謙虚な人でもあったが,野心家は,謙虚さを最初装っているにすぎないのだと言い切る。一皮むけば,野心家は,暴虐非道に走る人なのだと。



『ジュリアス・シーザー』これも,また,サラリーマンの話かもしれない。シーザーは,ずっとがんばっていた。ローマが大好きで,ローマのことを考えていた。しかし,そこで生き残るのはなかなかたいへんだ。

職場には,ポンペウスもいて,グラッススもいて,シーザーを加えて,元老院がこれをあやつる。いいか俺たちのことを良くきけよ。悪いようにはしないから。シーザーは,これに騙されて,執政官になり,ガリアで名をあげる。すると,元老院たちは,これを快く思わないのだ。彼の,名声,人望が気にいらないのだ。やっちまえ!

というわけで,元老院たちは,シーザーに立ち向かうがこの時彼は,これを破りローマに凱旋してしまうのだ。ここから,物語はくすぶる。こりゃいかん,普通にやっては,負ける。汚い手を使うしかない。キャシアスを呼べ,ブルータスも引きずりこめ。あることないこと,言い立てて,シーザーをつぶすのだ。それが,ローマのためとか,共和制のためとかどっちでもいいのだが。

話は,まとまった。彼は,元老院が自分ほどローマに尽くした人間に毒を飲ますとは思っていない。共和制から,ローマ繁栄のためには,独裁・王政に復帰する必要がある。帝国主義になって,周囲を食うか,周囲に食われるか,そういう問題なのだ。自分が策謀に陥ってもなんの意味もない。次の,オクタヴィアヌスが待っている。ようし,暗殺でもなんでもやってみろ!悪霊となって,おまえたちを呪ってやろう。

私には,シェークスピアの声が聞こえる。確かに,集団で,人を陥れることはできるかもしれない。しかし,それに,卑怯な手を使うのであれば,それはまちがっているのだ。そのことは,自ら十分に学ばないといけない。もはや,職場の先輩・同僚は,上手にほおむりさったかもしれない。しかし,残ったのは,空しさである。次は,自分自身が,歴史から消えるのだ。

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