最新の観てきた!クチコミ一覧

111321-111340件 / 189887件中
あかい壁の家

あかい壁の家

オフィス3〇〇

本多劇場(東京都)

2013/08/01 (木) ~ 2013/08/11 (日)公演終了

満足度★★★★

舞台の可能性を楽しむ。
予想にたがわぬ力作、意欲作でした。メッセージ性の強い作品ながら、本多の舞台いっぱいに役者が歌い舞う、それだけでも十分楽しめるでしょう。
大きな災難のあとには芸術もまた何かに目覚めるというけれど、このように消化(昇華)した渡辺えりさんに心から敬意を評します。
いささか盛り込みすぎ、というかまだまだ未整理という印象が強かったものの、ミュージカルではなく「音楽劇」とする作者の矜持がうかがえ、これぞ舞台!と感じました。熟成されて再演、再々演とつながっていってほしいです。

ネタバレBOX

中川さんの音楽、また彼の歌声がなにより素晴らしかった。林田航平くん、いつの間にかこんなところに。このまま骨太でいってほしいです。
それにしてもひとつだけ気になったのこと。フライヤーにいた根岸さんはどこへ・・・?
二都物語

二都物語

東宝

帝国劇場(東京都)

2013/07/18 (木) ~ 2013/08/26 (月)公演終了

満足度★★★★★

安定
ベテランの方たちの安定の歌唱力。
すばらしかったです。
すみれさん。姿、形がすばらしいので、もうちょっと歌をがんばってください。
これからが楽しみな女優さんですね。

女の作るものなんてダメだね

女の作るものなんてダメだね

みどり人

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2013/07/25 (木) ~ 2013/07/30 (火)公演終了

満足度★★★★★

ワクワクしながらもどこかヒヤヒヤして
前回、阿佐ヶ谷のPLOT以来の観劇。「女の作るものなんてダメだね」このタイトルを付けたのは、まぎれもなく代表のさいじょうゆきという女性。
私はいつも、どうしてだかみどり人さんの舞台を観るときは、ワクワクしながらもどこかヒヤヒヤして観てしまいます。そのヒヤヒヤとは、決して役者方のレベルが…ということではなく、次はどうなるのかどこに終着するのかなどなど、それらがそのまま現在進行形の「期待」になり、ワクワク・ヒヤヒヤしているのです。面白く、興味深い作品でした。

ネタバレBOX

内容は、ある種、性があることにより被る悲劇・喜劇の諸々。「女性ならかわいい明るい服を着る方がよいという姉」や「男性の浮気によって苦しむ女性」や「恋という特性をマニュアル本によって実現しようとする男性」など、最終的には女性の男性に対する「女らしくだと?ばかやろう!」みたいに爆発する姿を見せられる。

観ながら、ジェンダーというものについて考えていました。
個人的に観ながら思い出したのは、かつてバイトの店長が言っていた「男の方が優れているのだから、お前、女の他のバイトに負けているんじゃねえよ」という言葉。「なぜ?」と訊いたら「だって、博士とか政治家は男ばっかじゃん?」という言葉を聞いて落胆したことを覚えています。なんて浅はかなんだ、と思ったものです。むしろ、本気を出した女性に、男は腕力以外では勝てないのではないか、というのが個人的実感で、性差別的なものが昔から嫌いであって、ただ、もし自分が女性であれば過去、日本にあった一夫多妻制や姦通罪などの歴史を知ったら憤慨していたか、何かしらのことを考えたのかもしれませんなどなど、芝居という垣根を越えて多くのことを考えられました。

みどり人さんの芝居は、「切り絵」のようだと私は思います。
確実に置かれる言葉と際立つ明確なキャラクター性から、そのように感じます。どこを見ても至極丁寧で精緻なつくり方がされていて、皆さんの思いが常に伝わってくるようでした。そして、その卓越さはいつも脱帽するものです。

恐らくその丁寧さというのは、さいじょうさん自身が作り上げたものではないかなと思います。さいじょうさんのご丁寧な前説、手書きのDM、後説などからそのように思います。

今回「女性が作るものなんてダメだね」を観劇して、女性や男性のあり方について自分の中で結論が出た訳ではないけれど、ただ一つ確実に言えることは、
「さいじょうゆきさんの作るものがまた観たい」 「みどり人さんの作るものがまた観たい」
ということです。
ありがとうございました。観られて、本当によかったです。
新体操、さゆり【満員御礼!たくさんのご来場ありがとうございました!!】

新体操、さゆり【満員御礼!たくさんのご来場ありがとうございました!!】

劇団ズッキュン娘

北池袋 新生館シアター(東京都)

2013/07/30 (火) ~ 2013/08/04 (日)公演終了

満足度★★★

ほう
お初の劇場。主人公のさゆりの地味目から脱皮する姿は、まるで蝶のよう。
演技に加えて、新体操たいしたもんだ。
南美櫻さんって、中日の岩瀬投手に似てません?

鮫に喰われた娘

鮫に喰われた娘

INGEL

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2013/07/31 (水) ~ 2013/08/04 (日)公演終了

こんなゼイタク、なかなかないです!
2時間20分?!どこかで間延びしそう、きついな・・と思ったら、延びた分はほぼすべて野口さんの芸で埋められていました。これだけでも大満足!
KAKUTAの高山さんも熱演していてよかった。見逃さないでよかった。幸せでした。

火男の火

火男の火

「火男の火」製作委員会

紀伊國屋ホール(東京都)

2013/08/03 (土) ~ 2013/08/06 (火)公演終了

満足度★★★★

悲しいような・・
切ないような、悔しいような、何とも言えない気持ちが残りました。ストーリーは残酷な感もありましたが、実際の山賊は、こういう世界なのかもしれないな・・と思いました。後半の殺陣シーンは素敵だったので、全体を通して、もっと殺陣シーンがあったら良かったです。火男が可哀相過ぎて感情移入してしまい、浚われた女の計算高さと非人情が許せませんでした。後味の良い終わり方ではなかったのですが、面白かったです。

火男の火

火男の火

「火男の火」製作委員会

紀伊國屋ホール(東京都)

2013/08/03 (土) ~ 2013/08/06 (火)公演終了

満足度★★★★

前日に見に行った家人が”チャンバラ”だよーって(^^)
まぁ確かに殺陣は結構楽しめました。
火男さんの転がるような殺陣は珍しかったです。
(漫画カムイ外伝でみたくらい=足首狙うんですがね、こっちは。)

話もけっこう楽しめましたが、
せめて火男の心情表現くらいは多くした方が・・とか思いましたです。

(2時間15分)


ネタバレBOX

都からさらわれた女=ヒロイン綾乃さん!
黒い!黒いぞー!!
まぁ状況考えると当然とは思うけど、それにしても腹黒策略家でありました。
見た目が綺麗な分、黒さが際立ったデス。
結構好きだな(^^)

でも舞舞が一番でしょうか(^^)
せめて最後に薄っぺらくなっても良いから、
全盲の老剣士と明るいばあちゃんのカップルが山奥でひっそり暮らしてる・・。
みたいなオチ加えて欲しかったなぁ。

(やるとしたら、最後に綾乃が太刀を火男に突き立てようとすると。
八郎太の放った矢が太刀を弾いて火男の急所以外に刺さって
(逃げる事考えると肩でしょうか?)矢尻で八郎太の矢と判る火男。
駆け寄って綾乃を連れて逃げる八郎太。
でなんだかんだと舞舞に支えられて森の奥に消える火男みたいなー感じ?)
兄帰る

兄帰る

ニ兎社

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2013/08/03 (土) ~ 2013/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

緊張感がだんだん上がってゆく・・・・
話もセットも音響も役者さんも凄く上手でありました!
惜しむらくは、もっと前でカブリツキで見たかったなぁ(^^)とか贅沢に思いました

ボタンの掛け違いのような大きなズレではなく、
意識の方向性ぐらいのズレが、
どんどんと淀みなく修正不可能になってゆくような・・・。
そんな人間の心情を舞台上の皆さんが、
素晴らしい演技で魅せてくださいました。

(2時間半+休憩10分)

伝わる緊張感のせいか、
マナーの悪い観客は自分見るかぎりいませんでした。
中高年のちと裕福そうなご夫婦客が多かったからでしょうか(^^)。

桜の園

桜の園

時間堂

日本基督教団 巣鴨教会(東京都)

2013/08/04 (日) ~ 2013/08/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

クロサワ・マジック
って言っていいのでは。

上映時間55分の『桜の園』。

そう言えば、『風とともに去りぬ』のスカーレットとラネーフスカヤって、境遇が似ているかも。

ネタバレBOX

黒澤世莉さんという演出家の演出は、個人的にとても信頼を置いている。
「その人ならでは」の「演出家臭」と言うか、「俺だよ、俺」というような自己顕示をプンプンと振り撒く演出家もいるが、彼はそういうタイプではない。

いつも端正で丁寧に、戯曲と役者(登場人物)をきちんと見せてくれる。「作品」を全面に出してくると言ってもいてかもしれない。
その作品に一番マッチした方法で見せてくれるのだが、観客にそういった「技」を感じさせず、作品に没頭させるうまさがあると思う。

で、『桜の園』。
この作品は、時間堂でそのまま上演したとしても、面白いものが観られたと思うのだが、どうやら事前情報によれば、1時間以内でチェーホフの『桜の園』を上演するという。
時間という要素は大きい。したがって、どうやって見せてくれるのか興味津々だった。

劇場内に入ると前方の座席に、紙で作ったゼッケンのようなものが掛けてあった。
それぞれに『桜の園』の登場人物の名前が書いてある(女優が演じる3役を除き)。
その席に座った人は、そのゼッケンを付け、観劇するという。
もちろん、観客本人がやってもいいという同意のもとに行われた。

ゼッケンを付けた観客は、その登場人物であり、役者がその登場人物(観客)に話し掛けるということになる。
ただし、観客には台詞や演技の必要はもちろんなく、リアクションも求めないという。
3人の女優が、それぞれラネーフスカヤ、ワーリャ、アーニャを演じ、それ以外の登場人物は観客となる。

なるほど、なんとなく「意図」というか、どうやって55分にまとめるのかの一端が見えてきた。

観客に設定されている登場人物の台詞は、効果を担当しているスタッフが手を叩くことで表現される。
したがって、例えば、女優が演じるラネーフスカヤが、フィールスに話し掛けとする。フィールスは観客に設定されている登場人物なので、返しの台詞はなく、その代わりにスタッフが手を1回叩く。それでフィールスの台詞となる。したがって、フィールスの台詞は一瞬であり、その手を叩いたこと(台詞の返し)を受けてラネーフスカヤは、フィールスとの会話を続ける。
結果としてとてもスピーディな展開となる。

つまり、舞台の上ではラネーフスカヤ、ワーリャ、アーニャの台詞しか聞こえず、それだけで芝居は進行するのだ。

『桜の園』という戯曲には、「喜劇 四幕」というサブタイトルが付いていることは有名だ。
先日も、そこをクローズアップして三谷幸喜さんがこの戯曲を上演した。
台詞や演技をプラスして、「笑い」を作っていた。
それには、非常に違和感を覚えた。それは「足している」からだ。
それじゃ意味ないよなあ、と思った。

時間堂の『桜の園』はどうだったのだろうか。
実は、早い時期からクスクス笑いが起きていた。
観客がもっと多かったら、大爆笑になったシーンもあっただろう。
全編、そんなクスクス感が充満していたのだ。

それはなぜか。
それは、3人の女優以外の登場人物を観客が担っているからなのだ。
観客は黙ったまま、面と向かった女優さんたちに、一方的にいろんなことを言われてしまう、という状況が生まれてくることになるからだ。

その観客と台詞とのギャップ、女優さんに面と向かって話し掛けられれば、つい頷いていまうような感覚、そんなお芝居と観客が接する一瞬が、とても面白いことになっているのだ。オリジナルの台詞は変えずに。

もちろんそこが、チェーホフが「喜劇」と書いたポイントではないのだが、『桜の園』の世界の中に入ったら「あれ、面白いんじゃないか」と思わせる不思議な一瞬が起こっていたと思う。

これは、演出的にも意図されていたことだと思う。

単なる「客いじり」の1つのパターンじゃないか、と言う人もいるかもしれないが、それだけではない感覚がそこにはあったと思う。
『桜の園』に触れた感じ、とでも言うような感覚だ。

スピーディな展開と、特に直江里美さんが演じていた女地主のラネーフスカヤが、若々しくて軽やか明るいので、桜は咲いているが、凍てつくようなロシアでの物語感が消え、もっと身近になった印象がある。
言ってしまえば、陽気なアメリカのホームドラマの一場面のような感じなのだ。

それは、執事だの、老僕だの、商人だのと言った、重々しく台詞回しをしがちな登場人物が姿を現さない(役者が演じない)ことからも起こってきたのだろうと思うのだ。

ただし、桜の木を伐採しているような音を、薪のようなモノを叩いて出していて、それがことのほか、強く響いていて、彼女たちの境遇を忘れさせないようにしていたのも印象的。

ワーリャとアーニャの配役も絶妙だった。ワーリャ役の阿波屋鮎美さんのすこしおっとりした姉感と、アーニャの若さ&観客を台詞によっては、正面で見つめる目力が印象に残る。

最初に、「『桜の園』を1時間ぐらいでどうやって見せるのだろうか」ということに一番の興味があったと書いたが、確かに1時間ぐらいに作品は縮められたが、実は、観客が観たのは、単に『桜の園』を短くするためだけの演出ではなく、ラネーフスカヤの気持ちのコアの部分を見せ(独白の台詞が浮かび上がってくる)、さらに観客に作品を身近に感じさせ、くすくす笑いを起こさせることになっていたのだ。

うまい。

オリジナルのラストは老僕のフィールスがぶつぶつ言って幕となって、観客は少々暗い気持ちになるのだが、今回は役者が演じるフィールスがいないので、彼の台詞はもちろんなく、ラネーフスカヤが爽やかに去っていくシーンで終わる。

フィールスのシーンがないことで、ラネーフスカヤとその娘たちが、ドアを開け、新しい世界へ希望を持って踏み出していくような印象を与えた。
それは、『風とともに去りぬ』のラストのような印象なのだ。
そう言えば、『風とともに去りぬ』のスカーレットとラネーフスカヤって、境遇が似ているかも。

東京公演は1日だけだったのがもったいないと思った。

もし、再演があるのならば、大学生のペーチャが観客的には儲け役だった、とだけ書いておく。
ミミリチ・パントマイム・シアター ~ペーパー・ワールド~

ミミリチ・パントマイム・シアター ~ペーパー・ワールド~

光藍社

新宿文化センター(東京都)

2013/08/03 (土) ~ 2013/08/04 (日)公演終了

満足度★★

観客参加型といえば聞こえが良いが
観客いじりのパフォーマンスは自分あまり好きではない。
観客どかして座席の掃除とかは笑えるが、
客の眼鏡を交換しての丸投げには閉口した。
影絵などで楽しめるものもあるが、正直大ホールで演じるよりも。
食事などを楽しみながらのエンターティメントとする方が許せるし笑える。
(上記の眼鏡交換などもレストランなどの小さめな限定空間であるならば、
自分笑えるし許容範囲内でありました。)

~まぁ好みのものでは無かったということです~

(40分と35分の2幕+休憩)

カタルシツ『地下室の手記』

カタルシツ『地下室の手記』

イキウメ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2013/07/25 (木) ~ 2013/08/05 (月)公演終了

満足度★★★★

『地下室の手記』という演劇を観た。
時間は,100分ほどであった。まず,一人芝居なのだろうか,二人出て来るのか気になった。とにかく始まるとほとんど中年男性ひとりだったが,しばらくすると,美しい女性がさりげなく舞台のそでにいてくつろいでいた。主人公が,友人とケンカ沙汰になりワインを浴び,逆に洗濯代とかいって紙幣を数枚もらうあたりで消えた。と思ったら,主人公は,風俗店に引っ張りこまれ,そこにさっきの女が待っていた。いよいよ,すごい濡れ場になると思ったら,奇人である主人公は説教を開始。

このような場所で,一体何をやっているのですか。もっと他のバイトもあるでしょうに。これに対し,ギャルは,これだって仕事で,考えてやっているのですから,そんなに悪く言わないでくださいね。いや,やめておくがいい。どうせ,抜けられなくなって,普通の奥さんになれないんだ。だから,私を頼って,来なさい。

ところが,この彼女は,いいチャンスだから,店をやめたい。あなたが,引き留める店長を直談判してくれないか。そしたら,わたしたちだって,つきあえるじゃないの。

といった,内容の演劇だった。『地下室の手記』というのは,ドストエフスキーの名作で,フランスの心理小説などばかり読んでいた学生時代とても新鮮な作品だった思い出がある。内容は,いくらか重なるイメージもあったが,翻案ともいうべきものだろう。でも,部屋に閉じこもり,過去の自分体験にあれこれ思索している様は,やはり『地下室の手記』にほかならない。

おもしろいといえば,おもしろい。しかし,笑っていられないのは,そのような主人公は自分のことかもしれない。結局,ひとりで,何か悩んでいる。そこでは,誰も,自分の苦しみはわからない。今いる境遇から,きっと脱出できる。しかし,地下室にこもっていては,何も改善されない。なにかしないと。なんらかの解決法はあるはずだ。

飛龍伝

飛龍伝

COTA-rs

シアターサンモール(東京都)

2013/08/01 (木) ~ 2013/08/04 (日)公演終了

満足度★★★★

『飛龍伝』は,60年代安保反対闘争で死んでいった樺山美智子の話である。
『飛龍伝』は,60年代安保反対闘争で死んでいった樺山美智子の話である。

元徳喜という人が,つかこうへいのことを書いた本を出した。つかこうへい 笑いと毒の彼方へ(彩流社)。いくつかのことで,非常に参考になった。たとえば,つかは,映画化されるとき,新たにつか自身が映画用台本,いわゆるシナリオを書いて提供した。ずばぬけて出来が良いのは,『蒲田行進曲』だ。演劇の台本を小説化し,直木賞をもらっている。1982年。で,すぐに,映画化されている。どうも,倉岡銀四郎には,モデルがいたようだ。李銀四という韓国人である。

『飛龍伝』では,当時機動隊に中卒の人間が多かったことに注目し,作品に社会的弱者が苦悩する姿を描いた。作者の複雑な心理を反映している作品には,弱い立場のひとたちに共感を持っていたという事実がある。そして,彼は,韓国人としての強い意識があった。彼の作品では,悪人らしい悪人は登場しない。改作を繰り返すことが多かった。『熱海殺人事件』という作品で,大衆受けしたものの,実は,彼自身その後シリアスなものに見るべきものがあった。

『飛龍伝』は,60年代安保反対闘争で死んでいった樺山美智子の話である。彼女は,境遇が複雑で,インテリになってはいるが,思想的には反体制的である。一平と,桂木は,幼馴染である。この二人は,気が付くと,全共闘と機動隊の首脳部に配置される。桂木は,一計を案じて,自らの恋人美智子を一平に潜入させてスパイ活動を強いる。やがて,美智子は,子どもをはらみ女性としての喜びを得るが,最終決戦で,夫である一平になぐり殺されることになる。

一平に近づき,一平は,美しいインテリ女にのぼせあがる。いつ離れていくのか不安で仕方ない。しかし,一平が,美智子に思う気持ちは非常に純粋なものがあって,ウソがない。そのために,美智子がスパイで潜入して来た事実との間で苦悩し,出来てしまった子どもに対しても責任がとれない。結局,自らの手で,愛妻を殺し遺児を育てるはめになる。人は,人を好きになるとき多少屈折した状態に陥るものなのかもしれない。実際,時間がたってみれば,破局するとしても,ひたむきになっている姿は美しいと感じる。自分もまた,人を好きになるときは,かけひきはしないで,真正面でぶつかりたいものだと思った。

ジゼル

ジゼル

萌木の村

萌木の村特設野外劇場(山梨県)

2013/07/30 (火) ~ 2013/08/10 (土)公演終了

満足度★★★★★

ロマンチック・バレエ『ジゼル』を見た。
まだ,演劇・ミュージカルを観ることになって,二年とか三年とかしかならない。いまでも,何が好きなのかよくわからない。特に好きなものを決めて,そればかり見るのが良いとも思わないので,最近は,バレエなども見る。

一か月ほど前,『不思議の国のアリス』を見た。これは,上野でフルオーケストラだったので,演出ほか素晴らしい体験ができた。清里で,自然の中で行うバレエが,どんなもんであるか,それが気になって『ジゼル』見ることになった。

いつの日か,クラシック・バレエもいいとは思うけど,『ジゼル』のようなロマンチック・バレエが今の私には結構魅力的だ。むしろ最初,こういうストーリーがバレエの中に織り込まれているものが好きだ。それでは,演劇の部分と,ダンスの部分が,明確に区別されたクラシック・バレエ,たとえば『白鳥の湖』のようなものは,どう優れているのか。そのことは,またいつの日か,楽しみにしたい。

清里『ジゼル』は,野外ステージで,広大な自然をバックに美しい演劇が見られた。昼間,練習風景も見ている。ほとんどがラフな格好をして,何度も指示されながら,懸命に練習しているのを見ると,自分の関係者のような気分になれる。その親近感のわいた集団が,夜間に幻想的なステージを次々に展開するのは,驚いた。ショー・アップされた『ジゼル』は,心にしみこんだ。

ロマンチック・バレエなので,ストーリーがしっかり理解できた。ジゼルは,心ならずも結婚の約束をした彼女がいる貴族と恋に落ちる。そのことでは,両方とも問題がある。でも,二人が深く愛しあっていた様子は,美しいバレエのテクニックで見事に表現されていく。二幕しかない『ジゼル』は,後半がさらに凄い。森の墓場で,アルブレヒトは,ジゼルを懐かしく思い出す。すると,その声に森の妖精となったジゼルの幻想が,よみがえる。

COMIX!!!!!

COMIX!!!!!

斬撃☆ニトロ

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2013/08/02 (金) ~ 2013/08/04 (日)公演終了

満足度★★★★

手抜きなし
構成が綿密で、それに役者さんもぴたっと合わせた細かな動きで、
まくしたてるような台詞の嵐も、とにかく、弾けておりました。

ネタバレBOX

出だしの動きがゆっくりで、少し聞き取りにくく、入り込むのに、少し時間がかかってしまいました。
しかし、一度始まったら勢いが止まらないという、次へ次への展開でした。
前が見えにくく、低いところや中央での演技が見えにくかったせいか、ちょっと長く感じてしまいました。
カタルシツ『地下室の手記』

カタルシツ『地下室の手記』

イキウメ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2013/07/25 (木) ~ 2013/08/05 (月)公演終了

満足度★★★★

どこにでもいそう、でも、いない人
40男のほぼ一人語り、自己弁護と三人の友であり敵とのやりとり。まさかドフトエフスキーも21世紀のアジアの片隅で話題になるとは思いもよるまい。見てて自己嫌悪でしょっぱい気分になりつつ、そんな事を思う自分にも笑ってしまう。面白かったです。

ネタバレBOX

冒頭からMC芝居。自然過ぎて、どこまでアドリブ?と思ったが、多分脚色なしの喋りなんだろう。
絶妙なタイミングのニコ生のコメントの入り方にも、視覚的に面白かった。
鮫に喰われた娘

鮫に喰われた娘

INGEL

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2013/07/31 (水) ~ 2013/08/04 (日)公演終了

満足度★★★

シュールな笑い、なのかな…?
人喰い鮫が現れた海の家を舞台に繰り広げられる、シーン毎に登場人物が飛び道具装備しているかのような勢いと荒々しさ。中でも清水さんと野口さん、櫻井さんの跳ねっ返りぶりが凄い。
笑わせる要素はくどかったけどこの出演者達だから出来ると思ったらなんか納得。約2時間20分。

無駄な力

無駄な力

WAHAHA本舗

ニトリ文化ホール(北海道)

2009/11/25 (水) ~ 2009/11/25 (水)公演終了

満足度★★★★★

面白かったです
初めて見ました。底抜けに明るく 何も考えていないようで 実は、裏でかなり考えられている舞台でした。特別出演の方も豪華で良かったです

WARRIOR~唄い続ける侍ロマン

WARRIOR~唄い続ける侍ロマン

TEAM NACS

カナモトホール(札幌市民ホール)(北海道)

2012/03/30 (金) ~ 2012/04/04 (水)公演終了

満足度★★★★

とても大きく見えました
初日という事もあり、いろいろな地元ネタを含めた展開で面白かったです。合戦シーンは臨場感溢れる演出でステージがとても大きく感じました。

イッセー尾形のこれからの生活2012 in 初夏の札幌

イッセー尾形のこれからの生活2012 in 初夏の札幌

森田オフィス/イッセー尾形・ら(株)

かでるホール(北海道)

2012/06/22 (金) ~ 2012/06/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

休眠前に観ておきました。
楽しい時間をありがとうございました。
イッセーさんが舞台を見る事の楽しさを教えてくれました。

『P+』(ピープラス)

『P+』(ピープラス)

LIVE POTSUNEN

かでるホール(北海道)

2013/06/07 (金) ~ 2013/06/09 (日)公演終了

満足度★★★

待っていました
モナコやパリのネタをパワーアップさせてくれました。
面白かった

このページのQRコードです。

拡大