
僕らとあのこの体験記
劇団SHOW特急
北池袋 新生館シアター(東京都)
2013/09/11 (水) ~ 2013/09/15 (日)公演終了
満足度★★★★
夏にぴったりなエンタメ・ホラーコメディ。
とある心霊スポットに肝試しに訪れた若者たち。そこへいろんな事情を抱えた幽霊や魔物、はたまたゴーストハンターたちが入り乱れて繰り広げられるエンターテインメントホラーコメディ。エンタメ作品としての完成度は高いし、役者陣も技量の差は多少あるけど、魅力的なタレントが揃っていて、今後劇団として人気が出てきそうな雰囲気は感じる。
また物語の中心となる古井戸がとても効果的に使われていて面白い。

Sherry,Go home-フランケンシュタインと赤い靴-
浮遊許可証
オーバルギャラリー(大阪府)
2013/09/07 (土) ~ 2013/09/09 (月)公演終了
満足度★★★★★
大好きな作品になりました
初めて行ったオーバルギャラリー。
足を踏み入れた瞬間から惹き込まれた、薄明かりに浮かぶ真っ白な世界。
散らばった本たち、生成り色の日傘、脚立に置かれた地球儀、小さな小さなピアノ、一枚の扉、そして、赤い靴をはいた、一人の少女。
ぽん、ぽんをピアノの音がゆるやかに響くその部屋の中で、本を読んだり、鍵盤を鳴らしたり、紙ヒコーキを作って飛ばしたり。
開演までのあいだ、少女はそうやって遊んでおりました。ここは少女の部屋なのか、誰かの見ている夢のような、そんな時間。
そして物語が始まります。
ペンを忘れてアンケートを書けなかったのが悔やまれます。
観劇後に寄った2階のカフェは美味しく雰囲気もよく、ゆったりできて気に入りました。

劇団「地点」 リーディング公演 『レンツ』
東京ドイツ文化センター(ゲーテ・インスティトゥート)
ドイツ文化会館ホール(OAGホール)(東京都)
2013/09/13 (金) ~ 2013/09/14 (土)公演終了
満足度★★★
リーディングの枠を超えた公演
リーディング公演と銘打っていましたが、(一応)台本を手にしていることと照明の変化がないこと以外は、本公演と同様の労力が費やされた、視覚的にも情報量の多い充実した公演でした。
ステージ前面のワインレッドのビロードのカーテンが閉じられ、その前に横一列に並べられた16脚の赤い椅子の上には台本が1枚ページずつ置いてあり、基本的には椅子の手前の1m幅の細長いスペースで演じられました。冒頭や途中で山道を進む場面があることにちなんで、役者は登山靴を履いていました。
冒頭に客席に向かって一礼した後、台本を手にしてリーディング公演らしい体裁で始まりますが、次第に隣の人の紙を奪ったり、他の人に読んでいる箇所を指差してもらったりと、リーディングという形式をパロディー化していて楽しかったです。おそらく台詞は全て覚えていて、敢えて「読む」という状態を演出として用いていたのだと思います。
レンツが部屋の中で暴れるシーンはカーテンの後ろで客席から見えない空間で演じられ、見えないことによって逆に狂気の怖さが引き立っていました。終盤ではコラージュ的に歌や呟きが入り混じり、精緻に構成された音楽の様でありながら、精神を病んで行く様子がリアルに感じられました。
人名や地名といった固有名詞のそれぞれに特徴のある抑揚を割り当て、音楽的な効果を上げていまいした。2人が声を揃えて(途中から交互に)早口で台詞を言うシーンがスリリングでした。靴ひもを結び直したり、小説では終盤で出てくる首を振り続ける動作が序盤で行われたりと、様々な身体表現が全体に散りばめられているのも印象的でした。
小型コントラバスで奏でる音は旋律的な要素は少なく、効果音的に用いられていて、ある時は役者の声と一体になって不穏な雰囲気を醸し出していました。
この内容で、さらに終演後にはワインやスナックも振る舞われて1500円という値段は、とてもリーズナブルに感じました。

我らジャンヌ~少女聖戦歌劇~
劇団ゲキハロ
サンシャイン劇場(東京都)
2013/09/06 (金) ~ 2013/09/13 (金)公演終了
満足度★★★★
劇伴が秀逸!
てらりすと(作詞新良エツ子、作曲和田俊輔)の劇伴がジャンヌ・ダルクの運命をこれでもかとドラマティックに表現。アイドルミュージカルの枠を超えた素晴らしいものでした。観客はベリスマファンの男性がほとんどでしたが、歌唱法や楽曲について口々に「つん〇さんの曲歌ってるより全然良くね?歌い方とか。」などとお話ししながら退場されてましたね。新良さんの歌唱指導や和田さんの楽曲を誉めて頂いて、てらりすとファンの私も思わず嬉しくなりました。男性陣との合唱部分は特に、ちょっとゾクゾクするほど。もちろん拙さも散見しましたが思った以上にちゃんとミュージカルしてました。チケットがもう少し安ければ…て感じです。

建てましにつぐ建てましポルカ
ヨーロッパ企画
アートピアホール(愛知県)
2013/09/13 (金) ~ 2013/09/13 (金)公演終了
満足度★★★★★
ヨーロッパ企画「建てましにつぐ建てましポルカ」観ました
開演前から異常にワクワクさせられる、使い方の可能性を考え抜いて設計されたセット(ちょっとエッシャーっぽい)を、さまざまなベクトルから縦横無尽に出入りする、パワフルな役者陣から目が離せない舞台。
情報のエスカレート、飽和のさせ方が巧み。
最初はちょっとテンポがのろいかなあ、と思ってたら、みるみるうちにはずみ車が激しく回る。
度肝を抜かれたネタが、しばらくしてまた出た時には、「…そういえばあんなのもありましたなあ」w
主人公も観客も同じペースで、どんどん状況を持て余していく共感性。
ラストはもう、ほとんど「8時だよ!全員集合!」ノリ。
プライド高く、都合の悪い情報を次第に切り捨てていき、大局からも目を逸らしていく主人公らは、現代日本の私たちの姿かも。(風刺だw)
安定のヨーロッパ企画。
前回「月とスイートスポット」と、さまざまな点で対照的。(叙情性ーナンセンス、一本の筋書きーバラエティ、時間ー空間)
一日とはいえ名古屋公演があってよかったなあ。

煙草の害について
劇団東京乾電池
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2013/09/14 (土) ~ 2013/09/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
目があった!!
きっと客席にいた誰もが柄本明さんと目が合っているんだろうなぁ。って思えた位観客との駆け引きを楽しんるようだった。緊張と緩和が波のように押し寄せてくる。おもしろかった。

白戦
東京マハロ
小劇場 楽園(東京都)
2013/09/10 (火) ~ 2013/09/16 (月)公演終了
満足度★★★★★
おもしろい!
ほんとうにおもしろい。よく考えると実に重いテーマを、深刻に暗くなるはずのものを、こんなにも明るく、笑いを入れて、飽きさせずに展開していくなんて!脚本がいい。演出もいい。特に、こんなにも素晴らしい役者たちが揃っていれば贅沢でしょ!(ロッパ)

花と盲目。
中野坂上デーモンズ
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2013/09/13 (金) ~ 2013/09/15 (日)公演終了
満足度★★★★
二重の恥
若い人たちの本音に近い部分だろう。自嘲やアイロニーを含めて、案外自分達の置かれた状況を見ているように思う。恐らくは、未だ未分割の彼らの知の傍らを状況だけが猛スピードで変容しつつ通り過ぎて行き、その全容も、何を目指しているかも、その向かう先も、誰が動かしているかも、また何の為にということも不明なまま、更には行き場所も留まるべき安息所も彼らには無いまま、ただ真綿で締めつけられるような苦しみを味わわされているのであろう。

「アリゾナ☆侍☆ガールズ」
UDA☆MAP
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2013/08/29 (木) ~ 2013/09/03 (火)公演終了
満足度★★★★
ふっきれて!
設定展開なんでもアリ!なストーリーでしたが、逆にそれが中途半端に思わせずによかったのではないでしょうか!? 舞台転換は変化が出ていてよかったですが、若干のテンポダウンに感じられるところがあったので、もう多少すくなく、おとなしめでもよかったかな!?と思いました。

hedge
風琴工房
ザ・スズナリ(東京都)
2013/09/11 (水) ~ 2013/09/18 (水)公演終了
満足度★★★★
見ました。
最近ではテレビドラマ「半沢直樹」で金融機関用語を耳にする機会も多いが、金融、会社株、経済用語etc、実生活で普段このような言葉を発する機会もなく馴染み薄い題材の為、自分とは無縁の話になるのではないかと危惧していたが、全く杞憂。
全部が理解できたかは少し自信ないけど、仕事に対する情熱や葛藤が入り混じった、大人のエンタメ社会学舞台でした。
ユーモアある前半から、シリアスな後半まで、ついつい話にのめり込み、普段にニュースに一通り目を通していれば理解出来る幕引きでした。
オープニングアクトは相変わらず面白くて恰好いい!
生演奏、シックだけど扉に囲まれた舞台セット等◎
約130分。

独りぼっちの地球人 feat.ULTRASEVEN
円谷プロダクション
SPACE107(東京都)
2013/09/12 (木) ~ 2013/09/16 (月)公演終了
満足度★★★★
ヒーロー
正義は時代によって変わってしまう。
しかし、ヒーローは普遍であって欲しい。
そして、僕が困った時は助けてくれるんだ。
ありがとう「ウルトラセブン」

清涼仮装現実
Kuchico!
不思議地底窟 青の奇蹟(東京都)
2013/09/13 (金) ~ 2013/09/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題824(13-263)
19:00の回(今にも降り出しそうな空模様)。18:30受付、開場。入って奥が客席、入り口側が舞台、緑の床、黒い壁、壁には白い無地の手提げ紙袋、縦に5個、18列。クッションが3つ、とても小さなテーブルが中央に。19:04前説(清水さん、90分)、19:10開演~20:34終演。突然闖入する黒ずくめの2人組、一人、なぜか忍者みたいないでたちの方はこの狭い場所で1回転した…サングラス、凶悪犯かも、ハードボイルドアクション物かと思ってしまいました。マジックアワーでみた3人の役者さんのユニット。客席はギュゥと満席、ドキドキワクワクのお話に3人の芝居がぴったりはまっていました。あ~っ、楽しかった!
3人がそれぞれ「お題」に沿った即興の芝居をするなかで、ふとその当人の「現実」が(絶妙のタイミングで)迷い込むのですが、これが巧い。一瞬、場内が凍りついたような感覚に陥る。といっても、それを引きずることなく前を向き続ける3人。
終演後、佐藤さんにお聞きしたところ今後の予定は決まっていないということでしたが、ぜひ続けていただきたいと思うのでした。

花と魚(第17回劇作家協会新人戯曲賞受賞作品)
十七戦地
インディペンデントシアターOji(東京都)
2013/09/12 (木) ~ 2013/09/17 (火)公演終了

酔いどれ船
おのまさしあたあ
コレドシアター(東京都)
2013/09/13 (金) ~ 2013/09/15 (日)公演終了
満足度★★★★
面白かったですよ
私は楽しめました。
オープニングの、映像とマイムのコラボも、強風にはためくマントの芸の細かさに吹き出しましたし。
あの限られた空間の中での、ダイナミックな演出も見事だと思いました。
ダンスも素晴らしく、エンターテインメント作品として、十分楽しみました。

Woyzeck/W (ヴォイツェク ダブル)
冨士山アネット
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/09/13 (金) ~ 2013/09/23 (月)公演終了
満足度★★★★
両方鑑賞
演劇は70分、ダンスは60分。ダンス的演劇と、演劇的ダンス。詳細に設計されている。どちらも決してわかりやすい作品ではないが、言葉がある演劇を先に観ておいてよかった。

殺しのリハーサル
PureMarry
中目黒キンケロ・シアター(東京都)
2013/09/10 (火) ~ 2013/09/16 (月)公演終了
結末まで かかわる“座席の位置”
劇場というものは、老人の寂れた自宅の縁側にもなるし、新興財閥の主人が酒を片手にするビルディングの最上階にも なる。
しかし、誰もが首を縦へ振ってしまう決定的な場所=シチュエーションが ある。
それは、「劇場」自身だ。
「殺しのリハーサル」は、1982年 米国のテレビ放送用映画として初披露された作品。
後に、世界各国で舞台化し、これまで多くの観客を 「深いミステリーの世界」へ誘って来た、名作中の名作である。
以上、紹介させて頂いたものの、実は舞台を観た段階では そうした「知識」を把握できていなかった。
そして、「殺しのリハーサル」以外のミステリー作品も等しく、「知識」を持たず観劇した その回が最も「面白い」はずである。
私は、主人公アレックスを演じた中野誠也の“圧倒的な立ち姿”に 権威を感じざるを得なかった。
「重大な事実を知っている」、そう観客を 一定の方向へ導くことに実現した。
ーほぼバレてないネタバレへ

春よ行くな【15日(日)18:30に追加公演決定!!!】
悪い芝居
駅前劇場(東京都)
2013/09/11 (水) ~ 2013/09/17 (火)公演終了
満足度★★★★
言葉にするのは難しいいいいいい
けど、ヒリッヒリに腫れ上がったいい芝居だった。
観るたびに魅力的になってくなあ、この劇団は。
(観劇の後半が若干尿意との戦いになっちゃったのがとても残念・・・^^;)

カルナバリート伯爵の約束 【池袋演劇祭‘優秀賞’受賞】
メガバックスコレクション
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2013/09/13 (金) ~ 2013/09/16 (月)公演終了
満足度★★★★
完成度の高さ
シナリオ、演出、舞台美術、照明、音響、演技。何れをとっても水準の高いバランスの取れた劇団だ。強烈なインパクトこそないが、上手い。殊に役者陣の演技が気に入った。

ワルキューレ
東京二期会
神奈川県民ホール(神奈川県)
2013/09/14 (土) ~ 2013/09/15 (日)公演終了
満足度★★★
父と娘の愛憎
時代を現代に置き換えたりしていない、オーソドックスな設定の中に、物語を分かり易くする為の表現が盛り込まれた演出で、深読みし過ぎずに音楽と物語をゆったりと楽しめました。
ステージ手前に建築物風の大きなプロセニアムアーチがあり、その向こうで上げ下げされる暗幕に「兄と妹」や「逃亡」といったキーワードが映し出され、物語の流れが掴み易かったです。
本来その場面では登場しない役を黙役で登場させる手法が多用されていましたが、上手く行っている箇所とそうでない箇所のムラを感じました。
本来第1幕では登場しない神々の姿が数回フラッシュバック的に青い光の中で描かれていて印象的でしたが、その一瞬のシーンの為にいちいち暗幕を下ろして裏でセットを転換する物音が聞こえて来て、バタバタ感が気になりました。
子役が演じるブリュンヒルデの分身が、父の思う娘の理想像を表していて、父と娘の愛憎関係が入り混じる別れのシーンに深みを与えていました。
ラストシーンの情景を冒頭に一瞬だけ見せる趣向は歌詞との齟沍もなく、興味深い表現でしたが、冒頭からラストシーンまでのに4時間半以上経過しているので、もう少し印象に残る情景でないと意図が伝わりにくいと思いました。
歌手は皆安定していて、聴き応えがありましたが、演技に関してはぎこちなさを感じることがありました。歌手の声量に合わせたのか、オーケストラが迫力に欠ける様に感じられ、物足りなかったです。

竜胆兄弟、ハネる
劇団milquetoast+
シアターシャイン(東京都)
2013/09/12 (木) ~ 2013/09/15 (日)公演終了