最新の観てきた!クチコミ一覧

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エゴ・サーチ

エゴ・サーチ

虚構の劇団

あうるすぽっと(東京都)

2013/10/05 (土) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★

一週間経って2度目の観劇で観やすくなりました。新メンバーによる次回公演が楽しみです。
一週間経って2度目の観劇。
前回、セリフの言い回しが聞き取りにくかったり、間合いが悪かったり
していましたが、そういった点は改善されて普通に観れるようになりました。
あらためて、基本となる技術の大切さを知った感じがします。
セリフと演技を観客に正しく伝える、すべてはそこからということ。

初演時、大久保綾乃さん、高橋奈津季さん、山崎雄介さん、古河耕史さん
というメンバーは良くも悪しくも、生真面目で重い印象が強くなっていたのが
今回は軽やかな印象に変わりました。
そして、小沢道成さんや小野川晶さんは余裕の演技で安心して観れる。
新メンバーによる次回公演が楽しみです。

メランコリーにさよならを

メランコリーにさよならを

劇団宇宙キャンパス

シアターサンモール(東京都)

2013/11/14 (木) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

満足度★★★★

観劇の感想です.
最初は,健全な演劇なのかもと思ってみていました.さわやかで,若い感じは最後まで続いていました.途中までなんだかなと思ってみていましたが,最後は感動して涙しました.ミュージカルみたいな,さわやかな感動のお芝居でした.出ている方の台詞などはくさいかもしれませんが,他の方もいわれているように構成のテンポもよく,演じている方の目の輝きがすばらしかったです.

ネタバレBOX

最後に応援してくださったのは,とても嬉しかったです.なかなかがんばれよとは一般人は言ってもらえないので。どうもありがとうございました.
息をひそめて―シリア革命の真実―

息をひそめて―シリア革命の真実―

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2013/11/11 (月) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

満足度★★★

観劇の感想です.
レッドシアター初めて行きました.見やすい感じで座り心地も良かったです.座席は割と小さめなので,大きい人には辛い間も知れません.
シリアの方は,最近アートの展覧会などでも作品を見ることもあり,新しい活動がいろいろ生まれているんだな,と関心を持っていました.
お芝居の方は,一人一人の方が語る形式なので,真実を物語る感じなのだなと思いましたが,もっと芝居的でもいいのかなとも思いました.
若い青年、解放への希望に燃える女性、ホテルの経営者、絶望する市民のおじさん.現実にいる方だから芝居がかれないとは思いますが,観ていてもう少し感情が揺さぶられる感じも欲しかったかな.と思いました.他の女性で涙している方もいらっしゃったので,受ける私の問題とも思いますが...実際の宗教の問題とか力関係とか,知らないことも教えてもらえて良かったです.

エゴ・サーチ

エゴ・サーチ

虚構の劇団

あうるすぽっと(東京都)

2013/10/05 (土) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★

劇団創設時メンバーと、後から入団したメンバーとのスキルの差が歴然。
お気に入り「虚構の劇団」の第9回公演は、2010年第5回公演作品の再演。
あれから大久保綾乃さん、高橋奈津季さんが退団。
山崎雄介さんも古河耕史さんも出ない。
当然ながら違う印象になる。

けれども、それ以前の問題として、
劇団創設時のメンバーと、あとから入団したメンバーとの
スキルの差があまりに歴然としている。

せっかくのセリフがまだ落とし込めていない、
自分のものになっていないようで、
特に笑えるはずのせりふのときの間合いが悪くて笑いにくかった。

紅小僧

紅小僧

劇団桟敷童子

ザ・スズナリ(東京都)

2013/11/14 (木) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

スペクタクル民俗伝承ファンタジー♪♪
”ムラ社会”を舞台にした濃密で幻想的な世界に今回も最後まで惹き付けられました。スズナリというけっして充分とは言えないスペースで、これだけ大掛かりな仕掛けを組めるのは圧巻。ラストシーンはとても荘厳で美しかった。

上演時間約1時間45分。次回公演もぜひ観てみたい。

ロストフレンド

ロストフレンド

スズキプロジェクト

シアターシャイン(東京都)

2013/11/14 (木) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

シリアスと笑い・・・
「ロストフレンド」観て来ました!!

設定がスパイものということでしたが、
内容は厳しい世界でも友情を貫く少女たちの
努力の物語。。。

スパイものに欠かせないがんアクションは
ダンスパートで見事に表現してありました。

お笑いのちゃんとストーリーの邪魔せず、
また、無駄にならないような絶妙なバランスで
配置されており、全体的に暗くならないように
適度な緩衝材として機能してました!!

観終わったあとの満足感もすばらしかったし、
観にいって正解でした!!

シダの群れ 第三弾 港の女歌手編

シダの群れ 第三弾 港の女歌手編

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2013/11/06 (水) ~ 2013/11/30 (土)公演終了

満足度★★★

シリーズもの
なのに初見なので、ぶっちゃけよくわかりませんでした。
最初のうち、出て来る名前とその人間関係を整理するのにていっぱい。
パンフレットを買ったら、人物相関図が載っているようでしたが、その1500円を出せないと思ったくらいのお芝居。

阿部サダヲスキーなんですが、期待したほど彼の魅力が感じられなかった。
小泉今日子を見るためにチケット代を出したような感じ。
生キョンキョンは素敵でした。あんな高いヒールはいて、よく動けるなあとか。
キョンキョンいなかったら☆二つ。

ネタバレBOX

ああいう世界、好きな人は好きなのかもしれませんが、私はダメでした。
個人的な敗因として、ドンパチヤクザって、馬鹿にしか見えない(笑)
役者さんは好きな人いっぱい出ていたんだけどなあ。残念。
ひとり結婚

ひとり結婚

劇団ひまわり大阪

OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)

2013/11/15 (金) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

初ロクソ
実ははじめてきた劇場で、初めての劇団ひまわり。

楽しかった。
だけど、前説から冒頭にかけての方がみんなきらきらしてました笑

物語はばかばかしく面白くも怖ろしく、ラストはグロテスクとも取れる終わり方でした。

息をひそめて―シリア革命の真実―

息をひそめて―シリア革命の真実―

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2013/11/11 (月) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

満足度★★★★

たしかに
ドキュメンタリーシアターなるもの初めて観ました。回想シーンがなければ,一人芝居の断片集で,モノローグを観客の中で構築していだけのですが,回想シーンが良いアクセントとなって芝居として見せています。ニュースでは目にするものの,無関心でスルーするだけであったシリアの現状が,この芝居を観ることによって,無関心ではいられなくなります。政府側,革命側,どちらにも理屈はあるでしょうし,自分にはその正否を判断できる材料はありませんので,どうこう言えませんが,無関係と放置することだけは確かになくなると思います。アフタートークも興味深く拝聴しました。

らいおんの憂鬱

らいおんの憂鬱

ザレ×ゴト

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2013/11/14 (木) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

満足度★★★★

地震発生
クライマックスの緊迫した瞬間に地震発生。でも、場面にぴったりのタイミングだったので、まるで特殊効果。

超ウザイ女キャラクター3人の怪演が特に印象に残った。

ネタバレBOX

大切な人々の命が失われて悲劇的エンディングを迎えると思いきや、突如、タイムワープを利用した生還でハッピーエンディングに。システムの欠陥で服や物、記憶の一部がなくなるという伏線をいっきに回収して最後の最後のコミカルなオチとしたのはカタルシスだった、
地球の軌道をグイッと 【ご来場ありがとうございました!!次回は2014年5月吉祥寺シアターです。】

地球の軌道をグイッと 【ご来場ありがとうございました!!次回は2014年5月吉祥寺シアターです。】

ぬいぐるみハンター

小劇場 楽園(東京都)

2013/11/06 (水) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

満足度★★

普通に
面白いともつまらないとも、要するになんとも思わないような劇でした。お話のバランスも、整合性も悪く、結局なにがなにやらになってしまったのが残念です。

若狭姫物語

若狭姫物語

A・M・D企画

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2013/11/13 (水) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

ミシュランマン!?
ネジと鉄砲、そして種子島。史実とは違うのでしょうが、いろいろなつながりや思いがストレートに感じられる興味深い作品でした!
カタコト日本語やゆるキャラ(?)など、笑える部分もあり、バランス的にも良かったと思います。
ちょっと話の展開に無理がある気もしますが、一人一人のキャラも濃く、愛着が感じられる舞台でした♪
暗転のセット変更、結構ダイナミックでした!

某日快晴ワレ告白セリ

某日快晴ワレ告白セリ

タッタタ探検組合

ザ・ポケット(東京都)

2013/11/13 (水) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

満足度★★★★

しょっぱくて
甘酸っぱい切ない物語。個人個人は強烈な個性でしたが。

ネタバレBOX

『聖火の献立』では、社会問題に対するツッコミ方が足りず、ただドタバタして子供受けしていただけだったのでその後ご無沙汰していましたが、今回は社会を二分するような問題を取り上げているわけでもなく、強いて言えばいじめの問題があったかもしれませんが、切ない中学生生活を素直に笑いに徹して描いていたのでこちらも素直に楽しむことができました。

彼は今でも詩人なんでしょうか。新作も聞かせてほしかったです。憧れの人がその後交通事故で死んだというのは、ちょっと安直に殺しちゃったという感じでした。

ガオーガオーと吠える斎藤啓子さんの強烈なキャラクターは存在感がありました。
イタコ探偵工藤よしこの事件簿

イタコ探偵工藤よしこの事件簿

渡辺源四郎商店

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/11/15 (金) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

満足度★★★★

何か言ったか
いえ何も

ネタバレBOX

本来ならイタコなんて一番嫌いなジャンルなのですが、青森という土地に土着した風なものなので一つの民族芸能プラスサスペンスという感じで観ました。

イタコの言葉は、交通事故に気をつけろ、ごめんね、ありがとうの三つだけだそうです。そこに事前調査やその場で仕入れた個人情報、故人情報を加味すれば出来上がりなんですね、勉強になりました。

さて、イタコ探偵のサスペンス物がお昼時に何話か再放送され、ワンパターンでベタなシーンが何度も繰り返される一方、テレビを見ているこちら側では母親死亡後も年金を受け続けている不正受給者および保険金詐欺を狙った少女失踪事件が解明されていくというストーリーで、一部メタフィクションになった面白い作りでした。

人間の心は弱いですから惑わされてしまいますが、イタコ探偵工藤よしこよりも、一般市民の工藤美子の、死者は語らないという言葉の方がその通りだし好きです。

数珠が切れ、ふすまが閉まらずにも動じないイタコ探偵でした。
ロスト・イン・ヨンカーズ

ロスト・イン・ヨンカーズ

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2013/10/05 (土) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

家族の幸せって
難しいなぁ、と、改めて思いました。
とりあえず、主人公のジェイとアーティーの笑いの取り方tが
たまんなかったです。あと、キャラクターで一番好きなのは
ベラかなぁ。深い共感を覚えます。

ネタバレBOX

自分の妻が難病にかかり、その治療費捻出のために
ほとんどの財産を使い果たしてしまった、主人公二人の父。
運良く、南部で見つかった、戦争のための鉄クズを収集する
出稼ぎの仕事が見つかり、その期間中、二人を自身の母に
預けるが、それからが大変。

主人公二人にとって、祖母はほぼ赤の他人。それだけでも
キツいのに、お菓子屋の店番やら厳しい家のしきたりやら
辟易とするものばかり。

しかも、親類は若干発達障害のきらいがある、「大人になれない」
ベラ、厳しくされた子供の頃のトラウマから、実家に戻ると過呼吸に
なってしまうガート、裏稼業に手を出しているといわれるルイなど
問題のある面々ばかり。二人の明日はどうなる…? みたいな
話ですね。

物語の鍵を握るのはベラ。大好きな映画の席で出会った男性との
結婚を夢見る彼女が、家族全員が集う席で、自分のような女性には
幸せに、女性の幸せをつかむことは難しいのか、と問うシーンは
重く突き刺さって正視できませんでした。

ラストは…どう解釈すべきなんでしょうね。新しくできたベラの友人に
図書館勤務の知的な兄がいて…というオチ。また同じ結末を
繰り返してしまうのでは、という危惧もあるけど、映画館の案内係の
男と違う家庭環境の男性という時点に、今度こそは…という希望も
感じますね。

そもそも、絶えず興奮状態が続いて落ち着くことが出来ないベラには
これまで友人がいたためしがないのですから。そこに、ニール・
サイモンの、皮肉っぽい雰囲気を漂わせながらも、最後は優しい
視点を感じましたね。
琥珀ノ宴 ( コハク ノ ウタゲ )

琥珀ノ宴 ( コハク ノ ウタゲ )

三日月バビロン

ザムザ阿佐谷(東京都)

2013/11/15 (金) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

あっという間の二時間
見てよかった。 偶然初演も見てますが好きな脚本だったので、新演出でまた見られて嬉しかった。三日月バビロンさんの演劇のいつもの深淵さと緻密さに今回は笑いとのバランスも良くて、笑って泣いて、あっという間の二時間。内容もラストシーンも知っているのに新鮮にぐいぐいと引き込まれ全然退屈しなかった。終わってすぐもう一度観たいと思える舞台でした。

ネタバレBOX

初演のときに大好きだったヒロイン役が変更になっていたのは意外で、最初残念にも思ったが、それが物語の印象をがらっと変えた。前作が三日月バビロンらしい「硬質透明」な魅力だったとしたら今回は同じく透明でも瑞々しくて柔らかい魅力を放つヒロインで再演を見たというより、好きな別の作品がもう一つ増えた感じ。春の「ファンタスマゴリア」で久々に「舞台っていいな」と思わせてくれて、今回の「琥珀の宴」でまた演劇が大好きだった昔の気分にすっかり戻してもらったと感じた。
初演と同じ役を演じた主演の木原さんは、幼さはそのままに深さだけを増してて、笑顔や叫びが胸に直接響く感じになっていたし、巫女役の深沢さんのテンポのよさは今回も安心してみていられた。他のキャストもピッタリと役に合っていて、好きなのは今日まで生きてきた人としてそこに居る感じ。あったかい、という言葉が何度も出てきたが、異世界の話でも、ちゃんと血の通った人たちの優しさや強さや痛みがあるところ。特殊な設定や状況に登場人物たちが安易に流されないでキャラクターが立っているのも、アニメみたいな脚本の多い今貴重だと感じる。
昨年まで数年演劇から離れてしまったのは、演劇の生で気持ちが揺さぶられる衝撃や、深い内容や難しい内容を動きで感情で分らせてくれる感覚をくれる舞台が少なくなったと感じたせいだった。自分にとって見ごたえのある脚本家は何人かしかなく、櫻木バビはその数少ない一人だと思う。初演に無かった「隠れ天神の渡りの衆」も安易ではなく生霊の不気味さで切れが良くて、再演を新作と感じさせるのに貢献したと思う。

Mr. Fujino

Mr. Fujino

世田谷シルク

四天王寺スクエア(三重県)

2013/11/09 (土) ~ 2013/11/10 (日)公演終了

満足度★★★★

世田谷シルク「Mr.Fujino」観ました
 初・世田谷シルクです。名前だけは知っていましたが、まさか津に来るとは…。


 他の人々とは違うあり方で世界を俯瞰する主人公。個人を貫く生き方とは。
 それを取り巻く美術・音・動き、全てが切れ味よく、映像のように美しい統一美。

 ただ、あの会場では、ちょっと不向きだったかも。もっと遮断された環境の方が映えるのでは?(三重県文とか)

 物語も、考えさせるとはいえ、世田谷シルクが魯迅「藤野先生」を舞台化するというのが、そんなにはしっくり来ない…(BeSeToのための演目?無知ならすみません…)


 とはいえ、アート寄りに見えつつ気楽に楽しめる要素の多い、実は間口の広い作り。
 津のお客さんが、かなりいい反応をしていたのが印象的でした(関西方面からも来ていたのでしょうが)ああ、津がうらやましい。。。

某日快晴ワレ告白セリ

某日快晴ワレ告白セリ

タッタタ探検組合

ザ・ポケット(東京都)

2013/11/13 (水) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

傑作 対絶べし観る
 オープニング、映像用の幕が準備されると、揺らいだ画面に最初に現れるのは、雲に関する表現。その後、学校時代、誰の脳裏にも印象的なシーンのパーツや切り取られたシーンが映し出されて、思わず自分の学校時代に呼び戻されてしまう。巧みな導入部だ。

ネタバレBOX

 有田のクラス2年2組には、転校生遠山がやって来た。博多からの転校である。中々可愛らしいこともあって、クラス中の人気者になるが、クラスの女子が、入部を勧めたり親切のつもりで色々誘いを掛けたのを断ったのが、きっかけで苛めが始まる。テニス部部長の橋本は、新聞部部長の逸見に好かれていることを悪用して、校内の情報を操作し、人気など全然なかった学級委員を既に生徒会長に就任させた実績を持つ。対立候補に関する悪評を流したのである。それも、小部数の新聞を、口が軽く噂好きな連中にこっそり渡し、噂を広めさせるという巧妙な手口で。結果は歴然たるもので、全然、人気の無かった学級委員が生徒会会長になった。その手法を今回も使った。おまけに、クラスで、露骨な苛めを開始する。恰も、自分達も噂を通じて遠山の素情を知ったとでもいうような顔をして。
 一方、偶々、書いた詩を音読していた有田は、遠山に詩を聞かれてしまう。中々詩才に富んだ作品だったので、彼女の気に入られる。また、遠山は飛行機雲が好きで、良く窓外を眺めたりもしていたので、当然、屋上へも良く上がってきた。有田は天文部の部長(と言っても部員は彼だけなのだが)なので、屋上へは矢張り天体望遠鏡を持って良く上がっていた。そんなこんなで、有田と遠山は親しくなった。其処へ、苛めである。有田もクラスの不良達からパシリとして使われ苛められてきたのだが、彼女への思いが、彼を強くし、我慢をしてやり過ごすという生き方を変えさせた。彼は、彼女を庇い、苛めている連中に注意をしたのである。不良の方でも、遠山に思いを寄せていたので、腰巾着が、お膳立てした、彼女に取り入るチャンスを奪われて切れ、有田を殴る。その場は、スケ番の風格を持つ真鍋に止められてそのまま収まったが、本当の喧嘩と妄想癖のある有田の妄想シーンとが、挟み込まれて笑いを誘う辺り、流石にタッタタ探検組合の作品である。
 場面転換がかなり多いので、暗転が結構あるのだが、ちょっと深読みすると面白い。この暗転に場面転換だけを見るのでなく、秘密保護法案を重ねて見るのでる。すると、暗転によって、見えなくされた情報を、当に暗闇の中で想像している近未来の我々の姿が映し出される。シミリとしては、直接の当てこすりが出てくるが、この暗転をメタファーと読むことによって不気味な我らの未来が暗闇によって照射されるのだ。闇が、逆にヴィジョンを見せるのである。
 物語は、更にエスカレートした苛めを巡り、有田が、心ならずも漏らした一言で遠山が深く傷ついてしまうことにも及ぶ。「可哀想」という言葉が、彼女の自尊心を深く傷つけてしまったのである。それは、彼が彼女を庇う過程で発した一言だったのだが。屋上で有田は、何とか彼女を元気づけようと詩を献上する。本好きでデリケートなメンタリティーを持つ彼女は、有田の心を理解し、何とか気持ちを収めてくれたが。彼女はまたもや転校することになってしまった。保健の先生が、そんな彼女が書いた25年後への手紙を預かり、英語の授業中に持ってくる。そして、未だ間に合うだろうからと言って彼女の出発したことを告げる。この時、英語教師は授業を邪魔したと怒って保健の先生や有田を押しとどめようとするが、体が小さく小心だと侮っていた有田が遠山を庇って自分達に歯向かって以来、苛めなくなっていた彼は、英語教師を止め有田は駅迄、生まれて初めての一所懸命さで走る。だが、彼女の出発を見送ることはできなかった。1年後、彼女は交通事故で亡くなる。その24年後、廃校の決まった母校に来た有田は、皆から集めた本物の手紙を隠し場所から取り出し、彼女の手紙の封を切る。其処には、彼女の感謝の言葉と彼への好意の言葉が書かれていた。ところで担任教師に渡した25年後の自分への手紙の中味は人数分の呪いの手紙であった。
ながぐつをはいたねこ

ながぐつをはいたねこ

柿喰う客

長久手市文化の家 風のホール(愛知県)

2013/11/09 (土) ~ 2013/11/09 (土)公演終了

満足度★★★★

柿喰う客「ながぐつをはいたねこ」観ました
 書き喰う客・こどもと観る演劇プロジェクト。
 名古屋近辺ではすでに何度か上演されてますが、私は今回が初。


 最低限の装置が置かれた、素に近い舞台(後ろに置いてある設営道具とか丸出し)。クラブーっぽい照明・音楽の中を、こちら目線でゆったりと妖しく踊るメイド姿のネコ耳女…もう、なんかすでに予想と違う(笑) こどもぉ。。。
  
 場内整理・前説をしていた人が、開始とともに舞台に飛び乗り役の世界へ。これ、ちょっとこども的には燃えるシチュエーション。


 かわいく凛々しいねこの、しなやかで力強い身体。
 形態模写とかではなく、他の人間たちとは明らかに違う身体(終演後に中屋敷さんと話したら、ねこだけ重心が低いそうな)。

 物語は皆が知っている通りに、舞台と客席、役と役者の距離感を操作する演出。
 演出家による、統一感ある独自の解釈が分かりやすく伝わる。

 りっぱな長靴、贈り物、肩書き、服、城、そして名前…虚飾に振り回される人間の馬鹿馬鹿しさ。

 そして、それらを駆使して主人を助けながら、最後にもっと大事なものを手に入れて去っていくねこ。


 大胆かつ繊細な照明・音響が、舞台のみならず劇場全体を世界にする。
 役者それぞれのキャラを生かした配役、役作り。


 
 歌もダンスも濃密な45分。密度が濃い舞台でした。
 こどもたちにとっては、学校観劇では得られない種類の観劇体験。
 客席がこどもだけではない、おとなばかりではない、というのが重要。



 ※この後に観た、小池博史ブリッジプロジェクト「注文の多い料理店」も一応子供向けだけど、こちらは、あえてわかりにくい要素を含めていました。
 こどもに家まで持ち帰ってもらう、何年後かに初めて「あ、わかった!」と思ってもらえれば、という作りでした。
 同じ子供相手でも、様々なアプローチがある…

地球の軌道をグイッと 【ご来場ありがとうございました!!次回は2014年5月吉祥寺シアターです。】

地球の軌道をグイッと 【ご来場ありがとうございました!!次回は2014年5月吉祥寺シアターです。】

ぬいぐるみハンター

小劇場 楽園(東京都)

2013/11/06 (水) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

満足度★★★

久々に見ました
こちらの劇団の観劇は三回目、前回見逃してしまったので、今回は絶対見るぞと意気込んで足を運びました。

台詞の選び方がユニークで、台本そのものが面白かったです。
ただ、大勢が一気に喋るシーンが大きく、何を聞けばいいのか、どこを見ればいいのか、そもそもそのシーンに意味があったのかすらよく分からなくなり、だんだん苛々してきてしまいました。

神戸さんの演技(役)は、いい意味でとても異質で、終始興味の持てるものでした。
また、浅利さんは津天真爛漫な役しか見たことがなかったのですが、今回のような役も個人的に好きでした。
猪股さんの芝居も好きなのですが、周りの滑舌が良い分気になってしまいました。
他の皆さんの個性が立ってくると、一層濃いものがみられる気がします!

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