最新の観てきた!クチコミ一覧

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EgofiLterの犀

EgofiLterの犀

EgofiLter

MAREBITO(東京都)

2013/12/07 (土) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★

どどどど…
土煙をあげて 疾走する 犀 が私には見えました
イヨネスコですから 犀というのは彼なりのメッセージなのですが 私には 犀そのものとして 75分の悪夢を楽しみました

激昂するセリフのやりとりが多いのは 私には きつかった 論理論法も数学の公式のようで私には…(笑)でもイヨネスコがその論理論法のバカバカしさを皮肉っているのがよくわかりました

衣装の色を無くしたのは 面白いと思います だからよけい 犀のイメージが広がったのかもしれません

難しいことはわかりません 同じ不条理劇の作家でも 別役実は よくわからないのですが イヨネスコは面白い ぶっきらぼうさが好きなのかもしれません

アクアリウム

アクアリウム

DULL-COLORED POP

シアター風姿花伝(東京都)

2013/12/05 (木) ~ 2013/12/31 (火)公演終了

満足度★★★★★

最上の空気
最上の作品は空気を作る。この芝居の空気の作り方は心臓に来る。えも言われぬ恐怖に苦しくなる。でも笑える。1か月のロングラン。日々進化することが運命づけられている芝居。何度も観てこちらも進化したいと思える芝居であった。

ネタバレBOX

現代口語演劇の継承とその向こう側に行こうとする挑戦を笑いのめしながらやっているところもぐっときた(笑)。ちゃんと観客を喜ばせながら、その向こうも狙っている。そこに勇気をもらう。

チェーホフの喜劇、悲劇のことを考えていたので、ダルカラの「アクアリウム」を観た時、「これだ!」と答えを得た。でもあれをやるのは相当大変だろうと思う。
ピグマリオン

ピグマリオン

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2013/11/13 (水) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

さすが、バーナード・ショー!
ブラボーでした。
バーナード・ショーの代表作であるだけあり、構成は素晴らしかった。観客を飽きさせない。教えにも満ちており、まさに、見る者に教養を与えてくれるような素晴らしい劇でした。
また、石原さとみさんの演技、素晴らしです。テレビ女優で、実力もあまりないのかと思っていましたが、失礼。声といい、雰囲気といい、素晴らしいです。
小堺さんも良い味出していましたね。

2013年、最高の劇だったかも。。

もろびとこぞりて焼きもろこし

もろびとこぞりて焼きもろこし

colorchild

ウッディシアター中目黒(東京都)

2013/12/04 (水) ~ 2013/12/10 (火)公演終了

満足度★★★

もろびとこぞりて、笛を吹く。
皆さん~げんきですか~?

元気だけで2時間半近く持たせる力技に感服です。

朝劇「丸の内の二人」【9月10月全話やります!】

朝劇「丸の内の二人」【9月10月全話やります!】

朝劇

CAFE SALVADOR(千代田区丸の内 3 - 2 - 3 富士ビル1F)(東京都)

2013/05/13 (月) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

演劇の可能性を見た
素晴らしい、の一言に尽きる。
「観客も共演者」という言葉がこれほど体現された作品は初めて。
(会場はカフェ、観客のいるカフェの席がそのまま舞台。)
いや、作品とか、舞台とか、違う。
ぴったり来る言葉が見つからない。まさに「朝劇」としか言えない。
ライトなんてなくても、音響なんてなくても、これほど人を楽しませることができる。演劇って素晴らしい。

カフェの雰囲気もとても素敵。
ここで、おいしい朝食をとりながら、客として、共演者として、観る。笑う。
そして、ほくほくした気分で店を後にする。
これほど満足感に満ちた気分になるのは久しぶりだ。

開演時間、上演時間、ミニカイロ、上演後の声かけ、どれをとっても観客への気遣いに溢れている。

毎週火曜日、金曜日の朝劇(7:30~8:10)は仕事の都合上観に行けないが、本当に、観たい。是非見たい。

『回雪ノスタルジア』

『回雪ノスタルジア』

ラチェットレンチF

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2013/12/05 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

テンポ良く進み
新しい事実が次々明かされ、そう繋がって来たかと驚きの連続でした。

ネタバレBOX

テンポがあり過ぎて、心臓移植が終わっていたときにはあまりにも省略し過ぎと思ってしまいました。

それが最後まで貫く一連の出来事の伏線だったことが理解できると作品の面白さが急に分かってきました。

そして、テンポがありつつも、なぜ妹がシャブ中になっていなかったのかなどの疑問や、なぜ犯人が撃たれることになったのかなどの経緯について丁寧に再現されていました。

ラストのキャラメルボックスみたいな時空を超えた全編をひっくり返すような解決法は唐突でした。記者仲間の青年は怪我もせず、妹もチンピラの若造に共依存することもなく、その代わり本人は心臓の病でいずれ死亡する、そりゃないぜでした。

主人公は正義の男です。記憶が蘇り、犯した罪を自覚したなら償って然るべしです。正義を貫く悲劇ならそれはそれで良いと思いました。
トリコロールバッドエンド

トリコロールバッドエンド

劇団MAHOROBA+α

ギャラリーLE DECO(東京都)

2013/12/04 (水) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★

【Aキャスト】観劇
雰囲気を楽しみました。

ネタバレBOX

三編のエピソードはどれも良かったです。

-赤- レスラーの墓  最近知り合った女性とホテルにいるときに勝手に自殺され、取り繕った男の悲劇。

恥ずかしいから明かりをつけては嫌と、如何にも暗闇を使った意味のある出だしでしたが、実際は初めからドレスを着ていて、それはいいのですが、せめて衣擦れの音くらいはさせて気配を感じさせてくれても良かったのではないかと思いました。

-白- 見知らぬ、花  怖い話。彼女との恋の行方を花占いならぬ蜘蛛占いをする話。蜘蛛がこの男に恋しているのが哀れで、かつ、この場合蜘蛛の足は八本という初めから花占いの結果が出ているのも痛ましい限りです。

白と黒の衣裳をつけた女性が二人くっついて蜘蛛を表現したところが素晴らしかったです。昆虫なら内側の腕を隠せばいいなとアイデアをもらいました。

-青- クドリャフカ  人間に可愛がられ、訓練され、何も知らずにロケットに乗せられ、初期の宇宙開発のために殉じた犬たちの話。行きっ放しのため安楽死させられたり、酸欠で死んだり、行きか帰りに熱で死んだり、そもそも無重力状態で生命が維持できるか試されたりと、今があるのは無邪気な犬たちのお陰です。

しばらくして犬と気付きました。ワンワンは不要かなと思いました。

暗闇の中だとつい目を閉じて耳だけで楽しもうとしがちですが、すると薄明かりになっていて様子が窺えることもあり、こりゃいかんと目を開けたりしました。

暗闇、薄明かりの効果については、-赤-は最初だけ暗闇が有効、-白-は全編の薄明かりは有効でした。-青-は、暗闇と薄明かりのメリハリを付けることで地上と見えない宇宙が表現できていました。

幕間に、気分の悪い人はいませんかと声を掛けて頂く配慮はありがたいのですが、そのまま静かに余韻に浸っていたいという気持ちもあります。大川興業のように、係員の方で暗闇でも見えるグラスを用意しておき、気分の悪くなった人はいつでも手を挙げて合図するというのが良いのではと思いました。
INDEPENDENT:13

INDEPENDENT:13

INDEPENDENT

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2013/11/21 (木) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

「“INDEPENDEENT:13”」3ブロック観ました
(→第2ブロックから続く)


 一人芝居フェスも大詰め。
 東京・キノカブ6時間+夜高バス+大阪・インディぺ6時間…さすがに、体に応えてきた。。。
 終盤、少し意識が飛んでしまい、記憶がさだかでない事をあらかじめお詫びします。(名古屋出身の石原正一さん、楽しみにしてたのに 涙)



[10周年孤独乱交パーティー (出:一瀬尚代 作:山本正典 演:泉寛介)]

 男性が書いたとは思えない奔放過ぎる戯曲を、天然のように演ずる女優のド迫力。「オーーーーーッ!!」
 東京芸術劇場で観たGSQの、鳥公演とかQとか連想。でも、作・男(´Д`)
 
 作の山本さん(コトリ会議)は、この前の週に芸術創造館(ピンク地底人「家電の王子さま)で後ろ姿をお見かけしましたが、「人見知りする性質」(芸創・若旦那さん談)だそうで、ついお声をかけそびれてしまいました…

(ちなみに、去年の仙台・若伊達プロジェクトでも、山本さんの「桃の花を飾る」を観ました。あの時感じた奇妙な空気が、体の中によみがえった…)


[「ヴァニシング・ポイント」 出:椎木樹人 作:竹内元一 演:奥山貴宏)]

 死に直面するドキュメンタリーを、決して暗くならずに見せる語り口に好感。
 ただ、芝居としての変化をもっと盛り込んで、あえてエンターテイメントなスタンスで、「これから死ぬ男」に迫ってみてもよかったかも。)


[「独楽アイソレーション」 出:松本茜 作・演:戒田竜治)]

 (この辺から意識飛び気味 汗)
 語る言葉を背景に、残像を残すようなムーブメントが幻想的。おかげでさらに意識が。。。


[「すみれほどなひと」(出:石原庄一 作:蟷螂襲 演:久保田浩)]

 作品の静けさと相まって、かなり朦朧としてしまいました。。。
 ただ、これまでの作品とは、舞台上の空気が明らかに違う、開かれた風景を感じました。佇まいもいい。


 3ブロック目では、一瀬尚代さんの作品があまりにも破壊力が(笑) 



 なんとか、全作品観終わりました。
 関西圏の演劇シーンを代表するような作品群を重層的に拝見、、大阪まで足を運んだ甲斐がありました。

 公演はもちろん、交流の場としても非常に魅力的なインディぺ。
 来年もまた来たいです!(いっそ出るかww)

Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

バンタムクラスステージ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/12/06 (金) ~ 2013/12/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

ハードボイルドなファンタジー
対局にありそうなふたつのテイストが見事にミックスされていて
今までのバンタムテイストを残しつつ、新しいこともやる、という
なんとも東京進出第一弾に相応しい舞台だったのではと感じました。
父と息子、父と娘、そして兄と弟。さまざまな家族愛のカタチとその愛情表現のかみ合わなさに切なさを感じつつ、それでも最後にちょっぴり暖かさを感じさせてくれる素晴らしい作品でした。

『回雪ノスタルジア』

『回雪ノスタルジア』

ラチェットレンチF

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2013/12/05 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★

(゚o゚)
伏線ありありのストーリーがよかったな。

Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

バンタムクラスステージ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/12/06 (金) ~ 2013/12/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

期待は裏切りません!
昨晩、CCCとクロッシング・マナーを観劇してきました!
バンタムクラスさんの東京進出を大歓迎!
ひと事で言えば「ハードボイルドなディズニー映画」を観ているようてで、キャストさんの熱演に最後まで引き込まれ、最後には号泣(T-T)
お笑い満載の番外公演とのセット観劇が超お勧めです!

INDEPENDENT:13

INDEPENDENT:13

INDEPENDENT

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2013/11/21 (木) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

「“INDEPENDEENT:13”」2ブロック観ました
(→1ブロックから続く)

 2ブロックでは、TVにも出ている大人気者が出演とのことで、出演者は三人。


[「あのとき」 (出:泥谷将 作:鈴木友隆 演:オダタクミ)]

 絶妙な切り替えで役を演じ分けての、誰もが覚えのある青春の傷をえぐり出してからの、希望の光へ。
 一人三役でしかも一人、同じ台詞が、繰り返されるたびに違って聞こえる。一人芝居の醍醐味。


[「約二人の女」 出:田中良子 作・演:大塚雅史)」

 唐十郎とか清水邦男とかを連想、異質のレトロムード演出。
 大時代的な演技は意図?ならば、もっと自信たっぷりに(精神的に)低い重心がほしい。まだ若い?w
 

[「THIS IS 一人」 (出:一明一人 作:西川さやか 演:上原日呂)]

 どこまで計算?どこまでドキュメンタリー?
 勝手に、「一人芝居フェスティバル!」(読み方違うよww)
 ぐだぐだに見えて、構成のしっかりした様子も感じさせる。おそらく可変性も高い。
 ホームだからこそなれど、プロの現場をこなしていればこその、お客様へ奉仕する仕事。



 非常に個性的な三組。
 お気に入りは泥谷将さん。本当に、一人芝居初めてなの!? (°Д°)


 近所のたこ焼き屋で揚げたこ焼きを食べて、いよいよ最終3ブロックへ。


(3ブロックへ続く→)

INDEPENDENT:13

INDEPENDENT:13

INDEPENDENT

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2013/11/21 (木) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

「“INDEPENDEENT:13”」1ブロック観ました
 日曜に、通しで観に行きました。(この前日には、東京でF/T・木ノ下歌舞伎「東海道四谷怪談」6時間通し上演へ。そこから夜高バスで移動して、こちらも6時間コース。。。)

 津や名古屋の、東海地方版は観たことあり。
 今回出演される岸・正龍さんは、そちらの常連。本家インディぺについに出演!

 裏のマドラスでカレーを食べて、まずは1ブロックへ。



[「シロとクロ」 (出:米山真理 作・演:勝山修平)]

 アクションし続けながら唄い語る叙情風景。
 からだで謳うセピアな思い出。身体版・みんなのうたの趣も。

 
[「short stories」 (出・作・演 いいむろなおき)]

 照明の切り取りなど、見せ方も研ぎ澄ました超絶マイムの進化論。
 身体の縮尺や重力までも制御されているかのような異空間。

 いいむろさんは終演直後、三日後の東京・こまばアゴラ公演のため、そそくさと退場。腰が低く挨拶されるそのお姿にも衝撃w (知人「世界のいいむろなのにねえ」)


[「ねぇ、ムーちゃん」 (出:ナガムツ 作・演:亀井健)]

 唯一無二のキャラを生かした関西的不条理。
 なぜか背景に、新今宮駅(西成・釜ヶ崎の前)が浮かんで見えた…


[「ウィザードリーマン・ビギンズ」 (出:岸☆正龍 作:二郎松田 演:おぐりまさこ)]

 初日は大苦戦したらしいけど、私の観た回では、戯曲・演出・演技が噛み合い真価発揮のスラップスティック。(土曜はもっと大受けだったそうな)
 本人曰く、(公演期間中、激しく評価が変わったことで)「舞台の恐ろしさを思い知った」そうです。。。

 ちなみに岸さんは、マジックも得意なんですよー(^ω^)



 1ブロックの白眉はやはり、いいむろなおきさん。マイムという表現への強い信念も感じさせられる姿。

 岸☆正龍さんも、アウェイであれだけウケてよかった!本家インディぺ出演という悲願を果たされた…
 じつは、本職(社長!)の都合で役者は引退されるそうですが、一人芝居はライフワークで続けてほしいです。


 上の喫茶店でしばし休憩、次のステージへ。


(2ブロックへ続く→)

バック・トゥ・バック・シアター「ガネーシャ VS. 第三帝国」

バック・トゥ・バック・シアター「ガネーシャ VS. 第三帝国」

フェスティバル/トーキョー実行委員会

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2013/12/06 (金) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★

複数のレイヤーによる表現
知的(身体的にも)障害を持った役者達が劇中劇の構造の中で演じることによって虚実が曖昧になり、演技におけるリアルさについて考えさせる作品でした。

像の頭を持つインドの神ガネーシャがナチスに奪われた卍印を取り返す為にベルリンに向かうという物語と、その作品の稽古風景の2つのレイヤーが交互に描かれ、知恵遅れのメンバーが虚構と現実を切り放せず役者と役柄を同一視してしまうことから話がややこしくなって行き、後半ではさらに客席にいる観客を取り込んだ(ただし、「今現在」そのものではない)レイヤーが現れる構成でした。
劇中の「演出家」が「権力者」に重ね合わされていて、演出家が自身の思うようにコントロール出来なくなった劇団を去り、メンバーの1人が暗い中でテーブルの下に寝そべって、演技なのか素なのか分からない状態でいるのを長い時間見せるラストが印象的でした。

物語の構成としては良く出来ていて興味深かったのですが、実際のパフォーマンスとしてはあまりメリハリがなく単調(それも意図的だったのかもしれませんが)で、100分の上演時間がかなり長く感じられました。
「障害に負けずに頑張る人々」あるいは「フリークス・ショー」を期待する観客を皮肉った台詞もありましたが、その台詞自体が特殊な形態の劇団であることに負っていて、フラットな視点で作品を評価する難しさを感じました。

背景や建物のシルエットが描かれた透明ビニールのカーテンを何層にも重ねて、もやの掛かった様な奥行き感のある表現をしていたのが美しく、カーテンの複数のレイヤーが作品の物語構造にも繋がっているのが印象的でした。
後ろの方の席で観たこともあって、マイクで拾ってスピーカーを通した声しか聞こえず、生の舞台の魅力のひとつである立ち位置や向きによる声の空間性が全く感じられなかったのが残念でした。

アクアリウム

アクアリウム

DULL-COLORED POP

シアター風姿花伝(東京都)

2013/12/05 (木) ~ 2013/12/31 (火)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい演出と演技(追記あり)
さりげなく、ポップな作風なれど、その奥に強い現代への問いかけがある脚本。
緩急の絶妙な演出。
共に、素晴らしかった。

個性的で、力のある役者たちも、とても魅力的だった。

冒頭から中盤までは文句なく素晴らしかった。
後半<あと一歩、、、>と思う部分があったが、それは、プレヴュー公演だからだと思いたい。

※ネタバレの最後に、生活保護を受給して生活している田所優美の描き方についての違和感、その違和感から生じた作品全体についての印象の変化を追記しました。(12/18)

ネタバレBOX

冒頭から中盤までは、文句なく素晴らしかった。

何と言っても、演出の緩急が絶妙だった。
動的演技と静的な演技の切り替えの妙。
谷賢一氏は、音楽的な感性のある演出家なのだと思う。

ここで、警察を演じた大原研二さんと一色洋平さんのエネルギー溢れる動の演技も素晴らしかった。
その一方で、シェアハウスの人たちの淡々とした静の演技も素晴らしかった。
両者のバランスが絶妙だった。

内容面でも、現代の若者を巡る問いかけが良かった。
警察がある事件の捜査のために、クリスマスパーティをやっているシェアハウスに乗り込む。
正義を振りかざす警察を、熱烈な演技をさせることで、極めてコミカルに描いているが、その裏には痛烈な批評性が隠されている。
ひとつは、権力への批評性。警察の横暴な振る舞いを痛烈に批評している。痛烈と言っても、笑いの中に毒を含ませているので、堅苦しくなくとても痛快。
奇しくも私が観た12月6日は、「特定秘密保護法」が成立した日。
このような社会情勢の中にある空気感を、この作品はうまく捉えている。

もうひとつは、年配の世代が押し付ける価値観への批評性。
「最近の若者は、根性が足りない」「熱さが足りない」に代表される年配の言うガンバリズムへの批評性も見事に描かれている。
ここで面白いのは、この批評性は両義的で、観ている間も、観終わった後も、この年配刑事の上から目線が嫌な反面、どこかで彼の言うことも一理あるんじゃないかと思えてしまうことだ。これは、さまに、物語内の話だけでは済まされず、今の社会が抱えている問題を的確に捉えているからこそ生じたものだろう。
勿論、ブラック企業なども多く存在し、雇用・労働環境の変化によって、「若者の根性が足りない」という意見はナンセンスだという場合も多々ある。
だが、本当に「根性がないだけ」という場合も存在する。おそらく、どちらか一方が問題なのではなく、その両者が問題なのだろう。
この作品でも、その両者の間を揺れながら、物語が進んでいく。

ただ、後半は少し乗り切れなかった部分もあった。
それは、警察に「シャアハウスの住人の中に、先日起きた猟奇殺人の犯人がいるかもしれない」と言われ、シェアハウスの面々は動揺し、しんや(渡邊亮)が「出頭します」と言い始める部分から。しんやは事件を起こした訳ではないのだが、「今のままの生活をしていると、そのうち殺人をしてしまうかもしれない」という想いから、事前に出頭したいと言い出す。
そこで神戸連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇事件)や秋葉原事件のことが語られる。両事件とも、犯人は1982年生まれ。しんやを含め、このシェアハウスに住む6人中4人が1982年生まれの31歳。理由なき犯罪などとも言われる事件を起こしてしまうこの世代の闇が、しんやの述懐を中心に語られる。それに呼応する形で、てつ(東谷英人)、ゆう(堀奈津美)の想いも加わる。(同じ年なのに、ゆかり(中林舞)はその感覚が理解できないというのも良い。)更に、少年A:酒鬼薔薇聖人(清水那保)も登場し、彼の犯行時の言葉も語られる。
だが、私はここで、しん、てつ、ゆうの言っていることが、理屈上では「その感覚わかる、、、」と思う部分もあったが、それ以上には身につまされることはなかった。
ここが、いまいち入り込めなかったので、ラストにかけての展開が物足りなく感じてしまった。

また、ラストに、「アクアリウム」の生態系の話が、人間社会(シェアハウス)の人間関係の話と重ねて語られるのも、よくできていると思う反面、ちょっとキレイに終わりすぎかなという気がしないでもなかった。

と不満も書いてしまったが、全般的に素晴らしかった。

わに(中村梨那)やとり(若林えり)など、動物を擬人的に役として登場させると陳腐になる場合も多いが、この作品では、ファンタジーではないのに、うまくその世界が成り立っていた。

私は、台詞をしゃべっていない時の役者の演技(聞き役など)を観るのが好きなのだが、そういう観点から見ても、役者さんたちはとても魅力的な演技だった。

【追記】(12/18)

観劇後、どうしても引っかかっていたことが、とても重要なことのように思えたので、追記する。
生活保護を受けて生活している田所優美という人の描き方について、違和感を覚えた。
確かに、生活保護を受けて楽をして生活している人も中にはいる。人気お笑い芸人の親が、生活に困っている訳ではないのに受給していた例も確かにある。
だが、それは一部であり、多くの人は本当に苦しくて生活保護を受けている。それどころか、本当に生活が苦しいにもかかわらず、生活保護を受け付けてもらえない例もたくさんある。
更に、私がこの芝居を見た12月6日に、改正生活保護法も成立し、改正の名の元に更に受給者の首を絞める施策が行われる。
そのような社会情勢の中で、少ない登場人物の一人として、生活保護を受けてぬくぬく生活しているという人を描くというのは、とても危うい描き方だと思った。勿論、フィクションであるから、解釈は観客に委ねるということで構わない。
実際、観劇直後は、私もこの点に引っかかってはいたものの、敢えて批判的なことは書かなかった。そうやってぬくぬく生活している人も確かにいるのだろうし、フィクションというのはそういう部分があっても仕方がないと思っていたからだ。だが、よく考えると、フィクションだからこそ、このような問題を扱う時は慎重になるべきだし、片方の見方に寄らない描き方はできたはずだと思い直した。

そう考えると、この作品全体が、単に根性がない若者を上から批判的に観ているだけの作品のようにも見えだしてしまうのだ。
雇用環境やブラック企業などによる過剰労働などの問題が背景にあって、若者が簡単に会社を辞めてしまう。それは根性の有る無しと関係ない部分も大きい。勿論、単に根性がないだけという場合もある。この点は、キワキワで両論が描かれていると観ている最中は好意的に観ていたが(わざわざ批判的に見ようと思って芝居を観ることはないので)、よくよく考えると、どちらかと言えば「根性がない」という方にウェイトが置かれていたのではないだろうか。
いずれにせよ、現代の過酷な労働環境に関する言及はほんの少ししかなされていない。

厳しく見ると、全体的に上から目線で描かれている作品のようにも見えてしまったのだ。
ただ、これは批判的に見ようとした場合なので、その判断はきわどい。
また、観劇時に好意的に見ていた時は、そのキワキワさこそが面白いと思っていたので、私が重箱の隅を楊枝でほじくっているだけなのかもしれない。

好意的に見れば、作者も若い作・演出家なので、自己批評を含めて同世代を描いたというのなら、批判すべきもないとは思う。

それに、上記のことを批判的に見たとしても、演出や演技の妙に関しては、その素晴らしさを損ねるものではないとういのは強調したい。
ウルトラマリンブルー・クリスマス

ウルトラマリンブルー・クリスマス

演劇集団キャラメルボックス

りゅーとぴあ劇場(新潟市民芸術文化会館)(新潟県)

2013/11/29 (金) ~ 2013/11/30 (土)公演終了

満足度★★★

シリウスストーリー観劇
安定のキャラメルボックス成井節ですが、
展開が多少強引に思えました。

ダブルエンディングということで、
もう一つのキャストもぜひ観たいと思います。

ホチキス最新作「天才高校〜デスペラード〜」

ホチキス最新作「天才高校〜デスペラード〜」

ホチキス

サンモールスタジオ(東京都)

2013/11/23 (土) ~ 2013/12/04 (水)公演終了

満足度★★★

アレがアレだから・・・
これは何も考えずに楽しめば勝ち!
相変わらず設定がぶっ飛んでいるし、
登場人物のキャラも立ちまくりで思い出し笑いが止まりません。
アフターイベントも手が込んでいて楽しかったし、
「かっこEダンス」も文字通り格好良かったです。

ネタバレBOX

影丸の行方が気になりました。
Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

バンタムクラスステージ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/12/06 (金) ~ 2013/12/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

大満足!!
本編のCCC、番外編のクロッシング・マナー両公演とも観劇してきました!
本編、番外編どちらから観ても、と仰られていましたが私は断然番外編からの観劇をオススメします!
番外編はアイリッシュギャングのメンバー、イタリアンギャングのメンバー、そして主役レナード・ハイネの全男性キャストでの演目です。
バンタムの丈太郎さんと羽生勝人さんが本編とは違うキャラクターで登場します。本編とはまた違う色のキャラクター、お楽しみください!
本編はおもちゃ屋の家族を中心に描かれる1962年のボストンのお話。
街を牛耳るアイリッシュギャングとそれを潰そうとするイタリアンギャングの間にある青年がある目的の元潜り込む、そして……
笑いあり涙あり驚きあり。
そしてバンタムではお決まりのピストル、そして抗争
始まりと終わりの繋がりとは?
全てを把握した時、もう一度観たくなるはず。

これから観る方は期待して下さい!

ネタバレBOX

番外編はコメディという事もあり笑どころが多くてついていくのに必死です(笑)特に日替わりという噂の松木賢三さんの小ネタや稽古ではなかったというドヰタイジさんによる拷問のような笑いネタ。抱腹絶倒でございます。
殺戮十七音

殺戮十七音

パラドックス定数

荻窪小劇場(東京都)

2013/11/19 (火) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★

1年ぶり!
久々のパラドックス定数は、
緩んでいた脳ミソと感性に喝を入れられた感じでした。
ちょっと観念的すぎるというか、
あれは最早わたしの知っている俳句ではありません。
唯々詠みたいという想いに囚われた言霊たちでした。
主宰の圧倒的な世界観と役者の力量に脱帽。
おまけで いただいた金平糖はちょっと食べ辛かったです(笑)

無休電車【本日大千秋楽☆10/21(月)14時開演、当日券若干枚ございます!!!】

無休電車【本日大千秋楽☆10/21(月)14時開演、当日券若干枚ございます!!!】

劇団鹿殺し

青山円形劇場(東京都)

2013/09/27 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★★

初鹿殺し
噂には聞いていましたが、正に音楽劇。
歌も演奏も素敵でした。

これは自伝的なお話なのかなぁ、と思いながら観てました。

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