
ブルーギルの計画
山田ジャパン
渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)
2013/11/27 (水) ~ 2013/11/30 (土)公演終了
ドラッカーは感心しない
『山田ジャパン』は、芸人・伊藤あさこ が劇団員として所属する。ありきりたりの「山田」と、国民が酔いしれている「ジャパン」が連結した劇団名は、アメリカ合衆国なら、『スミス USA』といったところか。
浪速の新喜劇文化と、小劇場の土壌が融合し、ほどよい配分で楽しめた。伊藤あさこ が演じた女性弁護士は、ホルモンバランスの変化という彼女自身が持つ肉体的現実を、演出・山田能龍氏が拾った結果かもしれない。
回想シーンが何度も何度も登場した。むしろ、ストーリーテラーよろしく、回想シーンこそ主軸であった。

残リモノ
PROJECT-残-
ART THEATER 上野小劇場(東京都)
2013/09/14 (土) ~ 2013/09/16 (月)公演終了
セレソンのDNAは、受け継がれて行く
「東京セレソンデラックス」が解散したのは周知の通りだ。
今年の5月、劇団として消滅した。
しかし、その精神はDNAを形作り、 次世代へ継承されてゆく。
劇作家•つかこうへい氏の死後、「北区つかこうへい劇団」は消滅。そこから、「地元•北区(東京都)に密着した演劇を続けたい!」の想いの下、旧メンバーの有志により結成された「北区AKTステージ」が旗揚げするまで、長い時間はかからなかった。
今作『残りモノ』の作•演出を務めたのは、「東京セレソンデラックス」で作家見習い だったスミタナオタカ氏である。
たしかにDNAは存在した。
当日は私を含め、4名の人間が観劇した。天候の影響等もあり、ある程度、観客は少ないだろうとは考えていた。
とはいっても、4名は「マジかよ!」(開場中、主宰から漏れる)の事態だった。
本編に話を移すと、「人の入れ替わり」をストーリーの歯車として活用する姿が目立った。
それは、例えば「東京セレソンデラックス」の解散公演でいうエレベーターである。
シチュエーション設定はアパートの一間だったので、上下に動く鋼鉄の箱は今回、玄関へ変わった。
親方が主人公(若者)の部屋を出たら、「立ち替わり」に友人2人が部屋を訪ねる。
これは不思議な現象ではないか。
逆の言い方をすれば、リアリズムから大きく離れている。それがセレソン流のコメディなら問題ないが、どうも『残りモノ』は違うらしく、出来すぎた話の展開だった。
一人暮らしの青年が住む社宅は、漫画雑誌やペットボトル、わずかの小物で再現しえるのがいい。「儚さ」みたいなものを演出する最終兵器だ。

命の池
劇団演奏舞台
演奏舞台アトリエ・九段下GEKIBA(東京都)
2013/12/13 (金) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
原風景と現代を繋ぐ絆
この劇団は日本の原風景と現代を繋ぐ絆のような作品が得意で、今回もカッパがそれを象徴するものとして登場していました。バックのサウンドもいつもの通り趣があってグーでしたが、今度はもう少し大きな会場で、フルセットのバンドが背後にいる作品を見たい。

ことし、さいあくだった人(終了しました。良いお年を)
エビス駅前バープロデュース
エビス駅前バー(東京都)
2013/12/13 (金) ~ 2013/12/25 (水)公演終了

ことし、さいあくだった人(終了しました。良いお年を)
エビス駅前バープロデュース
エビス駅前バー(東京都)
2013/12/13 (金) ~ 2013/12/25 (水)公演終了
満足度★★★★★
納会がわりに芝居で乾杯!
たのしか!!
笑い飛ばしの連続で 大殺界をも味方にしてしまう
いや こわいものなんてない
笑い飛ばす才覚があれば
まだ早いけど わたくし達の ことしのさいあくに 感謝をこめてさよならできますように

MIWA
NODA・MAP
J:COM北九州芸術劇場 大ホール(福岡県)
2013/12/06 (金) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしすぎて脱力感しかない‥。
オープニングのインパクトが半端なかったです。
オーソドックスでもあり新しくもあり、
歌もあり映像を凝ったところもあり、
もうサービス精神旺盛‥。
見終わったあと、
素晴らしすぎて、もう脱力感しかないです‥。
しかし、宮沢りえさんには、てっぺんが無いのですかね。
ほんと凄すぎます。
野田秀樹さんの宮沢りえに対する信頼感は半端ないし
‥っていうか、彼女のおかげで、
自身が珍しくめちゃくちゃ控えめになっとっりました‥(笑)
もう、文句なしに満足度10!
‥ってないのかぁ。

Present for me
SORAism company
d-倉庫(東京都)
2013/12/11 (水) ~ 2013/12/15 (日)公演終了

地蔵通り、メルヘン商店街
かわさき演劇まつり実行委員会
川崎市多摩市民館(神奈川県)
2013/12/14 (土) ~ 2013/12/15 (日)公演終了

アクアリウム
DULL-COLORED POP
シアター風姿花伝(東京都)
2013/12/05 (木) ~ 2013/12/31 (火)公演終了
満足度★★★★★
水槽の中の魚
二種類の「演劇」が混在する舞台。その表現方法に面白さを感じたが、それよりも、この舞台が内包しているテーマに恐ろしさを感じた。
我々はいつ何時でも、己の本性を隠し、押さえ付け、さも正常であるかのように振る舞っている。が、その箍を外す引き金には、誰もが既に指をかけた状態であるということに気づいていない。
舞台の上に鎮座する水槽の中の魚たちは、ここが舞台で、これが演劇だということは一切分からずに、優雅に泳ぎ回っている。いや、もしくはこれが演劇だと知っていながら、純真無垢な魚を装っているのかもしれない。餌を食べ、呼吸をし、正常かどうかも分からないその他の同類達と共に、水槽という牢獄の中で生きている。そのことに気づいてから、暫く水槽から目が離せなかった。

西遊記R
山下幼稚宴
相鉄本多劇場(神奈川県)
2013/12/12 (木) ~ 2013/12/17 (火)公演終了
満足度★
レベル高めなお遊戯会
山下、久しぶりに拝見しました。Aキャストの回を観ました。
一言で言うと、「音大生のお遊戯会」になり果てていたと思います。
歌の実力にばらつきがあります。
弥勒菩薩とオレンジの服の女性の家来役は、カラオケレベルの技術だと感じました。高音は細く、発生も安定せず、ここで盛り下がってしまいました。
お話自体は、非常にチープで単純、ご都合主義な内容でした。西遊記の原作を読まず、一般に伝えられているあらすじをもとにアレンジしたような底の浅いものでした。一般にミュージカルは単純化されていても、下敷きになってる小説やオペラ作品の深い理解が下敷きにあります。
翻訳劇に慣れすぎている日本のミュージカル界の問題点が、こんな小劇場にまで出てきているとは・・と危機感すら覚えて観劇しました。
ミュージカルだから良いんだと押し切るのであれば、全員の歌唱レベルを揃えて欲しいところです。
また演技の技術として、口が回っておらず、何を言っているのか分からない役者が数人いました。

踊り場の女
劇団きらら
FUCA(福岡県)
2013/12/14 (土) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★
身につまされる
無職とか老いとか一人暮らしとか病気とか事故とか世の中の怖いことが
一同に集まった感じ。
ラストも結局どうなったのかはっきりわからない様子が今後の
世界の暗さを暗示する。
役者さんが魅力的、音が効果的、風船なども使っていておもしろい。

三編の意外な結末
東京ストーリーテラー
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2013/12/02 (月) ~ 2013/12/10 (火)公演終了
満足度★★★★
朗読劇
セットになる状況を頭に浮かべながらストーリーが進んでいく朗読劇ならではの展開の三編。それぞれにパターンの違ったオチが待っていて面白かったです! ただ、三編の話をつなげる案内人役の人は、別の人をたてたほうがよかったように感じました。(本編のちょい役程度でならアリですが)

1万円の使いみち
monophonic orchestra
新宿眼科画廊(東京都)
2013/12/13 (金) ~ 2013/12/25 (水)公演終了
満足度★★★★
絶対オススメ!!
実は結構重たい1万円だったのね・・・その重さを軽さで包んで展開させて行くセンスは、かなりツボ!!役者さんがとにかくみんな素晴らしい。。自由に演じているようでこんな人いるわ~~という、共感も残してくれるという・・見る側への配慮が感じられる。ただ単に悲しませる、ただ単に面白くさせるという以上の何かを目指している感じが充分に伝わってきました。

大空の虹を見ると 私の心は躍る
文学座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2013/12/06 (金) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★
連鎖を止められるのか
とてもたくさん、それぞれが抱えている心の中のモヤモヤ。どこをどう受け止めるかは観客に委ねられているようなつくり。好きだな。「そうだよね、…」と色々思うところもあり笑いながら泣いちゃう自分を再発見。すごく入りやすかったし、ラストが素敵でした。

シラノ!
おおのの
「劇」小劇場(東京都)
2013/12/11 (水) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★
落語家パワーやばい
三日目観劇。
立川志ら乃さんを拝見するのは二度目。一度目は青山円形劇場で、芸人うしろシティ(金子学さん・阿諏訪泰義さん)と俳優滝口幸広さんに落語を教える「男子落語」という企画でした。
まさか「おおのの」の演劇と、異種格闘技戦を繰り広げることになるとは思わず、情報を得た時点でとても胸が熱くなりました。
落語を聞く身体と、芝居を見る身体が違うことに気付いたのが最大の収穫。落語を聞くときのリラックスした身体と想像力のまま、芝居パートへ突入したので、いつもよりもずっと柔らかく受け止められた。
落語家を芝居に引きずり込むなんて無茶苦茶な!と考えてましたが、芝居パートでその落語家パワーが全開に。芝居の登場人物全員が、志ら乃さんのスタンドに見えた。やばい。落語家パワーやばい。
志ら乃さんを演劇の中へ置くことによって、落語と演劇との間で空間が捻じ曲がっていくダイナミックさがたまりませんでした。
おおののお得意のキュートなおもちゃたちに、落語家パワーで生命が吹き込まれて血肉を持っていくようなパワフルさに興奮しました。

※ただし、かわいい子に限る。
劇団テアトルジュンヌ
立教大学 池袋キャンパス・ウィリアムズホール(東京都)
2013/12/10 (火) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★
土曜マチネを観劇。
テアトルジュンヌは今回で4度目の観劇。今回も楽しませてもらいました。3年生にとって最後の試合、いろんなゴタゴタがありながらも最後はみんなの心が一つになって”いざプレイボール!!”…とはならないあたりが現実的。。。

合言葉はロッケンロー!!
BuzzFestTheater
Geki地下Liberty(東京都)
2013/12/11 (水) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
この作品は
面白い。
なんというか面白い。
結局のところ面白い。
そして熱い。
なんというか熱い。
それなのに暑苦しくなくなんだか軽い。
よく出来た脚本のかなりお洒落な作品。
必ず次回作も見たい。
舞台をあまり見た事がない誰かを誘って必ず見たい。
そんな団体はあんまりないから
ほんのちょっとだけ悔しい!

1万円の使いみち
monophonic orchestra
新宿眼科画廊(東京都)
2013/12/13 (金) ~ 2013/12/25 (水)公演終了
満足度★★★★
初monophonicorchestra
面白かったです。井の頭線沿線を取り巻く登場人物で、人それぞれの一万円の使いみちを描きます。キャストは多彩です。小笠原結さんという役者さんがツボでした。作・演出の須貝さんのアフタートークも良かったです。ロングランなので是非多くの方に観て欲しい。1時間40分ですが、あっという間に終了。

Present for me
SORAism company
d-倉庫(東京都)
2013/12/11 (水) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★
6回のプレイバック!
船上で起こる爆破事件を阻止すべく犯人捜しの芝居です。
途中での、6回のプレイバックは、良かれ悪しかれ私にとっては新鮮でした。
ここまで徹底されれば、脚本家の強い意志の表れと思います。
事件の謎解きは一筋縄ではいかぬもので、犯人と思われる候補2人はすぐ解りましたが、自分の乗っている船に爆弾を仕掛ける理由までは解らなかったので、犯人捜しはハズレましたが、とても面白かったです。

マクベス Macbeth
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2013/12/08 (日) ~ 2013/12/29 (日)公演終了
満足度★★★★
衣裳が目を見張るすばらしさ
まさかの観客参加型『マクベス』に驚きつつ(笑)、楽しんだ。前半は少々退屈に感じたけど、後半はずっと集中。マクベスが情けないのがいい。観客がマクベスを嗤い、おとしめていく感覚もあり。衣裳がめちゃくちゃかっこよかったです。