最新の観てきた!クチコミ一覧

104501-104520件 / 189759件中
道遠からん

道遠からん

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2014/01/06 (月) ~ 2014/01/16 (木)公演終了

食わず嫌いはよくないな、と。
実は、私は古い(?)戯曲があまり好きではない。苦手だ。
この「道遠からん」は1950年文学座初演だそうだ。
約60年前の作品が古いのか、そうでないのかといった分類はよく分からないが、出だしの言葉遣いで「あ、これ苦手かも」と直感した。
ところが、だ。大いに楽しめた。
食わず嫌いはよくないな、と実感した。

Aキャストを観劇。
ナレーション(スピーカー)「幕。」→暗転の流れはツボにハマった。

ネタバレBOX

舞台は女尊男卑の世界。とある漁村。
作中の300年前までは男は外で働き、女は家庭で働いていた。
しかし、今は女が外で働き、男を養うのが普通。男に仕事(家事含む)をさせるのは恥ずべきことと捉えられる。
この舞台設定から展開される人間関係、本当に楽しかった。
何もせず家事すらさせてもらえない男の、何かしら仕事がしたい!という欲求。
海女として25年間働いてきた誇り。
自分が夫を養っているんだ!という意地(?)や支配欲(?)
許されないからこそ燃え上がる恋。
海女コンテスト出場可否の論戦。
女の、年長者の、命を落としてしまう程の、意地。
そして「何故その結論に至る?」という展開(そこが面白い!)。

登場人物が、そこに生きている。
60年以上前の作品とあって、今では使わない言葉遣いや、論理立てて説明する場面も沢山あるが、役者さんが台詞を自分のものにしているからこそ楽しめたのだと思う。
いや、本当に引き込まれた。

印象に残ったのは、海女イワ・夫シゲ・イワのライバル海女リキ・校長ガク・助役ジン。
ただ一人理解できなかったのは、ユラ。
人狼 ザ・ライブプレイングシアター #09:VILLAGE V 冬霧に冴ゆる村

人狼 ザ・ライブプレイングシアター #09:VILLAGE V 冬霧に冴ゆる村

セブンスキャッスル

上野ストアハウス(東京都)

2014/01/04 (土) ~ 2014/01/13 (月)公演終了

見なければ分からないものだ。
ちょっとお値段が高めなんじゃないかと思っていたものの、なかなかの満足度でした。「逃走中」とかだって「他人の鬼ごっこを一方的に見る番組だよ」とだけ聞いたらあんまり面白くなさそうだけど、実際に見てみれば予想以上に趣向が凝らされていて楽しめます。あれに近い感覚でした。個人的に「逃走中」は特別イベントが本編と掛け離れ始めた頃に見るのを止めてしまいましたが、こちらは不純な要素を入れていないので人狼そのものを楽しめます。

人狼を全く知らないまま観に行っても大丈夫です。ルール・進行状況についての説明も上手くなされていて、例えちょっと考えながら観るのが苦手な人でも一緒になって楽しめます。予想する為の用紙が配布されていて、途中で回収されます。正解者は何かもらえるとか。

目の前で起きるスリリングな出来事は正にライブを冠するに相応しい。その回だけの内容だから終演後に何を言ってもそれ以降に観る人へのネタバレにはならないし、何なら上演中のtwitter・facebookの使用も良いらしいです。

ネタバレBOX

気になった点。

・前説。
この回の出演者でなく団体の常連役者が急遽で行ったようですが、よほど彼らのファンじゃないとそういうのはあまりやって欲しくはないですね。受付・運営と同じく団体としてのホスピタリティに関わるので、一部の人だけを喜ばせる勢いで任せるのはどうかと。気分が悪かった。

・冒頭の演技パートが微妙。
本編に入る前の短い演技パートが観られるレベルに達していない。役者の演技を演出が調整出来ていないのか、台詞も感情も出し方が人それぞれ。動くシーンでは手の動かし方や歩いたり止まったりで体がまともに使えていない人が混じっていて…。ここを観て最初は正直「この後も詰まらないんじゃないか…」と悲愴な気持ちになってしまいました。
人狼がメインといえども、人狼さえ上手ければ演技は下手でいいという事はないでしょう。本編が良かっただけに非常に残念。

人狼が始まって以降の進行は本当に楽しめたし、上手いやり方だと感心しました。それだけに、そこに力を注ぐのと同じくらいそれ以外も頑張って欲しいところ。
真夜中は本当にプレイヤー達だけで進めていて朝に関しては何か意図的な演出指示があるんじゃないかとか勘繰ったけど、それであっても別にいいと思いました。失礼な勘繰りかもしれないけど、それでも許せるくらい上手くパッケージされたものを見せてもらえたなと思えたので。
童貞キューピッド

童貞キューピッド

レティクル座

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/01/06 (月) ~ 2014/01/08 (水)公演終了

満足度★★★★★

無題963(14-002)
19:30の回(やや曇)。18:46受付、19:00開場。会場の奥が客席(パイプ椅子/ひな壇)、入口側2つのドアは開け放たれたまま(上演中も)。BGMなし、19:10/19:20/19:31前説(90分)客席中央にやや広めの通路。

説明にある「夏の夜の夢」に時に忠実に、時にぶっ壊しつつおくる...というのは帰宅後ウィキペディアを読んで、よくできてるな、と理解しました。

こちらは初めてですが、河合しおりさん客演なのでみにきました。河合さんは「凹(生活図鑑)」、「ラフレシア(白昼夢:You Tubeにダイジェスト映像あり)」と本作で3作目、調べてみると、先日「大脳神秘」をみに行ったのですが、その前の作品にも出ていらっしゃいました。他にも、ざっと確認すると大竹さん「ラフレシア」、佐治さん「Nazca」、「モンテ・クリスト伯」、本間さん「田中幸子の秘密」「昼下りの岸田」「甘い感情」渡辺さん「伯爵のおるすばん」等々。

それと、意外だったのは舞台監督の井草さん(COMBO×COMBO)、「くろいの×しろいの(2013/12@アトリエ・カノン)」「Step Up vol.48(2013/9@セッションハウス)」でダンス公演をみました。

19:35開演~21:07終演、アフターイベント21:13~21:26。

体当たりの90分、BGMなし、素っ気ない会場にはカラダと身につけることができる物だけ…弾けっぷりが心地よく面白かったです。

ネタバレBOX

会場の四方から出入り、走り、激突し、飛ぶと思えば床を這い、見た目あまり美しくない裸体(白いブリーフ)がちらつきました。

河合さんはいままで比較的静かな役どころでしたが、本作では暴れまくっていました。

原作をろくに知らないので、なんでこういうシーンがくるのかな、と思ってしまいましたが…知っていたら…もう一回みたかった。
レ・ミゼラブル

レ・ミゼラブル

東宝

帝国劇場(東京都)

2013/04/23 (火) ~ 2013/07/10 (水)公演終了

満足度★★★★★

新演出
新演出になり、よくなった部分、なくなって残念な部分といろいろありますが、神ミュージカルであることには変わりないです。

火消哀歌~冬空の木遣り唄~

火消哀歌~冬空の木遣り唄~

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2014/01/04 (土) ~ 2014/01/13 (月)公演終了

満足度★★★★

艶やかな女性陣の着物と踊り!
ストーリーの関係上、吉原の遊女や花魁が登場する。
その着物や踊りはとても艶やかで楽しめた。
見どころは、江戸の大火の場面での子供が生まれるはずであった火消夫婦が火にのまれ焼け死んでいく場面と10年の年季あけが近い幼馴染の花魁を助けようとした主人公がその思いを断ち切る場面です。

摩訶不思議でふざけたコメディーミュージカル『豚デレラ』

摩訶不思議でふざけたコメディーミュージカル『豚デレラ』

『劇団 もより駅は轟です』

OFF OFFシアター(東京都)

2014/01/06 (月) ~ 2014/01/08 (水)公演終了

満足度★★★

話の流れが今一つ!
いろいろなキャラの登場人物がいるのだが、話の流れにうまく乗ってこないのが残念!お笑いの合間に歌があるという感じでミュージカルではありませんのでこれから観劇される方は心得て下さい。
終演後のリクエストの2つの出し物は笑いがとれていたと思うので、本編に生かしたほうが良いかも!

火消哀歌~冬空の木遣り唄~

火消哀歌~冬空の木遣り唄~

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2014/01/04 (土) ~ 2014/01/13 (月)公演終了

「平成時代劇」を語るにふさわしい見せ場だ
江戸の街は、「吉原」という一大遊廓テーマパークで賑わっていた。
私が観劇した劇場は『BIG TREE THEATER』だから、今のところ、遊廓の中の物語を知らない。なぜかというと、新春本公演は『シアターグリーン』大中小劇場を利用した初の同時上演の試みであり、「吉原」は主に中劇場に相当する『BOX inBOX THEATER』で語り紡ぐ役割だった為だ。それにもかかわらず、私は「花魁の世界を楽しめました」と宣言できるのは一体、なぜだろう?



「たった3分間の 踊り」が その答えである。七人の遊女は いわば、ミュージカル劇におけるアンサンブルだった。黒澤明『座頭市』がタップダンスに求めたのが「男の江戸」だったとしたら、本作は間違いなく、「女の江戸」だろう。
色気が漂うわけではない。官能的なダンスでもない。しかし、一人ひとりの顔は“演劇的に「吉原」を示す”表情だ。このエッセンスは、踊りのテクニックよりも大切かもしれない、と切に感じた。




同時上演の弊害をあげれば、「軸となる役が みえなかった」設計だろう。
もちろん、本来は助六(=木村 延生)が主役であることは言うまでもない。幼き頃、「吉原」へ身売りされた おそめ(=戸島 花)との淡く切ない恋物語…。
ただ、場面数からいうと、最も占めたのは、火消しの安助(=斉藤コータ)本助(=なる)舟助(=荒澤 守)だった。
「三劇場の公演を全て観て下さい!そうすれば分かります!」という誘い水かもしれないが、だとしたら『BIG TREE THEATER』登場回数トップの、彼ら三人組のストーリーを、終盤にかけ じっくり描く選択も あった。花魁を指す。

ネタバレBOX

重い新春を感じた場面が、火事場の「吉原」である。必死に火の粉を振り払う遊女のなか、まるで時が止まったかのように、二人(助六と おそめ)は再会する。その台詞というよりは、2時間かけ造り上げた「境遇の違い」を みせつけられたようで、これが涙を呼ぶ悲劇性だった。
火消哀歌~冬空の木遣り唄~

火消哀歌~冬空の木遣り唄~

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2014/01/04 (土) ~ 2014/01/13 (月)公演終了

満足度★★★★

今年初めての観劇
3館同時上演。キャストも観客もどれだけ大勢なんだろうと気になりました。
前半は話しがモタモタしていてそのうえ声が聞き取りずらい部分もありますが、後半大火による火消しのあたりからがぜん面白くなります。迫力と熱気が伝わり思わず引き込まれてしまいます。今年初めての観劇でしたがとてもよかったです

摩訶不思議でふざけたコメディーミュージカル『豚デレラ』

摩訶不思議でふざけたコメディーミュージカル『豚デレラ』

『劇団 もより駅は轟です』

OFF OFFシアター(東京都)

2014/01/06 (月) ~ 2014/01/08 (水)公演終了

満足度★★★

☆3.5
個人的に、ツボの箇所がいくつか有り、最後まで楽しめましたがあと一歩心に届いてこなかったかな。

ラビア・ムルエ連続上演「33rpmと数秒間」

ラビア・ムルエ連続上演「33rpmと数秒間」

フェスティバル/トーキョー実行委員会

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2013/11/14 (木) ~ 2013/11/15 (金)公演終了

満足度★★★★★

舞台の上に役者は・・
0人。

でも、それで十分。

舞台を作りたいが役者が見つからない、と言う人は、この作品を観れば、
役者は必ずしも必要ないということが分かるように思う。

「伝えたいこと」

があれば、十分だと思う、舞台をつくるためには。

売春捜査官〜ギャランドゥ〜/熱海殺人事件〜友よ今君は風に吹かれて〜

売春捜査官〜ギャランドゥ〜/熱海殺人事件〜友よ今君は風に吹かれて〜

JJプロモーション

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2014/01/07 (火) ~ 2014/01/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

『売春捜査官』観劇・・・泣けた。
多少盛りすぎかもしれませんが、良いです(*^ワ^*)

ネタバレBOX

相変わらず、だだすべりシーンや下品な箇所は有りますが、それらを差し引いても満足度高し!
Teatro la Maria  マリアシアター(チリ)

Teatro la Maria  マリアシアター(チリ)

特定非営利活動法人舞台21

シアターX(東京都)

2013/12/13 (金) ~ 2013/12/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

今更だけど・・
観てきました。

開演前、役者が一人降板するかも・・という緊張感が流れましたが、
無事開演(苦笑

シンプルだけど非常に洗練されていたと思う。

日本の女性演出家なんかは特に参考になるかも・・。

あ、ストレンジャー

あ、ストレンジャー

マームとジプシー

吉祥寺シアター(東京都)

2013/01/18 (金) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★

へえー
ストレンジャーという意識は、自分でつくりあげてしうものなのだなあ。

火消哀歌~冬空の木遣り唄~

火消哀歌~冬空の木遣り唄~

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2014/01/04 (土) ~ 2014/01/13 (月)公演終了

満足度★★★

泣ける話だがもうちょっと頑張って
お母さんとのおしのさんは安心して観れてよかったです。
火消しの源蔵さん台詞かみすぎです。おしのさんとのシーーンはよかったけど。
お正月らしい華やかさと、火消しの話は良かったです。
助六さんとおそめさんの話が中途半端。振袖大火も 見ないとダメなのかしらね。
でも途中で思わず泣いてしまった、、、

摩訶不思議でふざけたコメディーミュージカル『豚デレラ』

摩訶不思議でふざけたコメディーミュージカル『豚デレラ』

『劇団 もより駅は轟です』

OFF OFFシアター(東京都)

2014/01/06 (月) ~ 2014/01/08 (水)公演終了

満足度★★★

初笑い
ミュージカルということで楽しみにしていましたが、ぶっちゃけ、まともに聞ける歌がありませんでした(笑)
でも、そんなの関係ない。ベタな展開も下手な歌も(しつこくゴメン)、役者たちが身体を張った芝居で、まるっと包んで団子餅。グイグイ喉の奥に押しこんでくれます。詰まらせるわけにはいかないので、がんばって飲みこみました。
苦笑と失笑も含めて初笑い。

私が見た時も最前列はズラリと男性陣が陣取っていましたが、これから見る男性は、ぜひ最前列に座るべきだと思います。

ネタバレBOX

石原さとみちゃんと大林素子さんの大塚歌劇団、振付が良かったですね。
他にも、歌はともかく(本当にしつこくゴメン)、バックダンスの振付が良かった場面ありました。
キャストと役名を書いたものが無かったので、初見の私は、役者さんの名前がわからないのが残念でした。特に雪路役のさとみちゃん(←違う)可愛かったので、またどこかで観たいものです。

名前と顔がわかるのは、最初から知っていたβさんと、アフターイベントでのバナナの喰いっぷりが良かったボブ美さん。(しゃべりながらも全部食べていましたよね)
ボブ美さんの歌舞伎の睨みの様な表情、劇中で堪能しました。これで今年は風邪引かないですむ。といいな。
摩訶不思議でふざけたコメディーミュージカル『豚デレラ』

摩訶不思議でふざけたコメディーミュージカル『豚デレラ』

『劇団 もより駅は轟です』

OFF OFFシアター(東京都)

2014/01/06 (月) ~ 2014/01/08 (水)公演終了

独特な雰囲気
役者さんは上手い人が揃っている。特に身体のさばき方が上手い。
だが、脚本はやや弱く、役者さんの個人技勝負になっていた部分もある。
下ネタが多かったのも少し安易だったかも知れない。
全体的な評価としては、独特な雰囲気があり、観ていて飽きないミュージカル、となるだろう。

祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~【KERAバージョン】

祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~【KERAバージョン】

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2012/12/09 (日) ~ 2012/12/30 (日)公演終了

満足度★★★★

観てきました
本は微妙でしたが、役者の演技に惹きつけられる作品でした。
特に生瀬さんの演技は圧巻の一言です。

ウルトラマリンブルー・クリスマス

ウルトラマリンブルー・クリスマス

演劇集団キャラメルボックス

りゅーとぴあ劇場(新潟市民芸術文化会館)(新潟県)

2013/11/29 (金) ~ 2013/11/30 (土)公演終了

満足度★★

観てきました
キャラメルらしい作品だなと思いました。
ただ泣かせるには弱く、噛んでいた役者も多かったので
ちょっと萎えてしまいましたが。

ダブルエンディングという手法もなんだかなと思ってしまいました。

歳末明治座 る・フェア~年末だよ!みんな集合!!~

歳末明治座 る・フェア~年末だよ!みんな集合!!~

る・ひまわり

NHK大阪ホール(大阪府)

2013/12/31 (火) ~ 2013/12/31 (火)公演終了

満足度★★★★

楽しかった!!
素直にとっても楽しい年越しが出来ました。
祭シリーズお馴染みのパロディ曲をふんだんに取り入れ、でも締める所はきちんと締める。泣かせるところはきちんと泣かせる。楽しかった!
ただカウントダウン後に早朝4時過ぎまでというスケジュールは客席側の集中力が保たないです…

『駈込ミ訴ヘ』『トカトントンと』

『駈込ミ訴ヘ』『トカトントンと』

地点

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2013/03/07 (木) ~ 2013/03/26 (火)公演終了

満足度★★★★★

『駈込ミ訴ヘ』
「普通な演劇」とは大きく異なる演出手法で、これだけ惹き付けるのは凄すぎ。

震えるほど凄い。
面白い。

ネタバレBOX

太宰原作の『駈込ミ訴ヘ』と『トカトントンと』(再演)の2本立て。
両方とも一人称の小説。
逆八百屋(手前が高くなっていて、奥のほうが低くなっている)舞台。


『トカトントンと』は天皇(制)、『駈込ミ訴ヘ』はキリスト教。
2つの小説が描く内容を、こうして並べて、解体して再構築すると、別の作品であるという感じがしない。
日本の近代化、近代の日本という視点から考えると避けては通れない、2つが象徴するモノをテーマとしているからだ。

西洋文明(文化)の象徴たるキリスト教と、戦後日本の象徴となった天皇(と天皇制)。
結局、どちらもうまく取り込んだようでいて、歪みがある。

『駈込ミ訴ヘ』ではユダは悩み、『トカトントンと』では私が悩む。
ユダは訴え、私はトカトントンが脳ミソに響く。
この2本の作品を2本立てにして、さらに意味を持たせた、あるいは気がつかせてくれた地点(演出:三浦基さん)には、観客としては唸るしかない。

あえて音楽的に表現するならば、『トカトントンと』はインダストリアル・ノイズ・ミュージックならば、『駈込ミ訴ヘ』はケチャ。
と、書いて、音楽にたとえるのは違うと思い始めている。
「音」としての面白さはあるのだが(バリトン歌手を使ったり、ボイスエフェクトを使ったり、舞台を叩いたり、歌ったりしているので)、「意味」が見えて来るとなお面白いのだ。

とにかく役者の力を見せつけられた。
舞台に立つ役者が、すべてこのレベルな人たちであれば、演劇はもっと面白くなるのではないか、ぐらいのことまで思ってしまった。

役者による独特な発音の仕方と台詞との距離感。
異化(効果)という言葉がふとよぎった。

リズミカル。どこまでもリズミカル。ボイスエフェクト使った台詞。
バリトン歌手の登場。
台詞によるリズムの昂揚と台詞自体の昂揚が一体となっていく。
台詞の感情とは異なる表現で、笑い、怒る。
台詞を解体し、数人で分け合ったり、繰り返したり。

逆八百屋舞台なので、役者がこちらにやって来るときは、頭から見えてくる。
声の響きももちろん奥と手前ではかなり違う。

「あの人を、一番愛しているのは私だ」
「あの人を殺して私も死ぬ」

『駈込ミ訴ヘ』のラストの「ゆーだー」に震え、賛美歌には心から痺れた。


地点は、京都に固定的な拠点ができた。
京都に見に行くしかないか、と少し思っている。

このページのQRコードです。

拡大