最新の観てきた!クチコミ一覧

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記憶の水平線-初日完売致しました!-

記憶の水平線-初日完売致しました!-

マニンゲンプロジェクト

シアター711(東京都)

2014/07/02 (水) ~ 2014/07/06 (日)公演終了

満足度★★★

記憶が難しいかも…
説明文は、力強いメッセージが記載されていたが、芝居はそれを描き切れなかったようだ。そぅ「死んでからもなお繰り返される後悔と愚痴。死んでから考えだしている、生きる意味。という無意味さ」という死後の世界を現世のような考えで描いても無理だと思う。”不幸自慢“にどんな意味があるのだろう。ベタだが、精一杯の”生きる“を全うして、なお現世に未練が…と言うほうがわかりやすい。芝居は演技で状況説明というよりも、セリフでの説明だ。まるで朗読劇のようになったのは残念だ。今後の公演を期待しております。

ツヤマジケン

ツヤマジケン

日本のラジオ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/07/01 (火) ~ 2014/07/06 (日)公演終了

満足度★★★★

後味悪いけど癖になる
観劇直後の感想は「一発で全部分からせるつもりがないのか、かなり難しい作りだな」で、観劇後軽く呑んでたら、少し間を置いてジワジワきた。物語が頭の中でつながってくる。あ、そういうことか。。。が連発。後味悪いけど癖になるタイプ。

ネタバレBOX

三澤さきが良かった。真っすぐで、鈍感装った繊細さ。自分の感情に制限かけて、どこか諦めているようにもみえる。いろんな側面を、浅めに表現していながら、観客にしっかりと印象を残してくれる。掴みきれていないかもしれないという感覚が凄く魅力的。

レベッカの狡さや残酷さ、福満瑠美の純情、坂本鈴の駄目っぷり、るんげの嫌味な優越感、しまおみほと松本みゆきコンビの駆け引き。みんな女の子ならではと思われる特徴を発揮していてそれぞれ印象に残っている。
神様、あなたの出番です

神様、あなたの出番です

劇団鳥獣戯画

相鉄本多劇場(神奈川県)

2014/06/07 (土) ~ 2014/06/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

はしご
相鉄本多劇場で母と二人で観劇。
そのままの勢いで、下北沢スズナリでの公演も予約して、母と二人で、週一観劇となりました。
リピートしたくなるくらい、夢中になる作品でした。
歌って踊って、とっても役者さんたちも楽しそうで。
おひねりやお花の催促は、なれない私には初め、真っ直ぐみられない瞬間もありましたが。そういうものだと思えば、なんてことなく、2回目も見られました。
次回作も楽しみです。

おとこたち

おとこたち

ハイバイ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2014/07/03 (木) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

期待通り
ハイバイ観劇3作品目。初めては「て」。次は「月光のつつしみ」。そして今回。
「て」で、とっても素敵な作品、そして劇団だなぁと感動して、「月光のつつしみ」は私にはちょっと、難しい作品だったなぁ。当たり外れがあるかなぁと思っていましたが。

岩井さんの作品が好きなのかなと。「月光のつつしみ」もすごい作品だと思いましたが、好みで言えば今回の「おとこたち」は期待通りで、とても楽しめました。
男女で多少見え方も違うでしょうが、でも、どちらがいいということもなく、どちらも楽しめる作品だと思います。

うちの犬はサイコロを振るのをやめた

うちの犬はサイコロを振るのをやめた

ポップンマッシュルームチキン野郎

駅前劇場(東京都)

2014/07/04 (金) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★

安定感抜群
笑って泣かせるこコンセプトは健在。安定感抜群

ネタバレBOX

だが、今作はキャラ設定に頼り過ぎの印象。セリフで笑うのが好きなのだが、ツッコミが観客に委ねられるネタが多く、充分に笑えなかったのは残念。あと、劇中に歌演出が多いのも合わない。

ラスト加藤慎吾の表情は秀逸。あれは泣かせる。狙っているのは分かっているが泣いた。前説は前半が素晴らしい。入場タイミングを考慮し前半を天丼にしている配慮も好感、後半はただのカラオケ大会で以前のモモクロネタ程の感動はなかった。

PMC野郎は、サイショモンドダスト★と野口オリジナルがいつも印象に残る。発声が素晴らしくて、セリフがきっちり入ってくる。今作も体を張った設定というか、この二人よく半裸になるな。と思う。野口さんは今作半裸以上、全裸未満だが。
ヒネミ

ヒネミ

劇団SOFT GEAR

岡山県天神山文化プラザ ホール(岡山県)

2014/07/05 (土) ~ 2014/07/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かったです。
 面白かったです。絶妙なタイミングで繰り出されるギャグに笑わせて頂きましたし。

 謎が解けて縺れた糸が1本に展ばされる、という様な痛快感はありません。どっちかっつーと、解んない事だらけです。・・・でも、いいかな、って気持ちになりました。だって小さい頃、大人達の会話の「アレ」や「○○さん家の××さん」って、子供にはよく解らんシロモノだったし、解らんでも構わないシロモノだったもの。今の様に多機能電話もスマホもGPSも無い時代、メモと記憶だけを頼りに生きてた時代、不便だったかもしれないけど、とても愛おしい時代。ちょっと懐かしく思い出せました、私自身も。
 「記憶」は確かにあやふやでいい加減で、絶えず移ろう厄介なシロモノですが、それはそれで・・・やっぱイイじゃないの?覚えておこうとする事こそが大切なんですよね?とも。
 だから、サスペンスでもホラーでも無く、怖ろしいモノでも無く―――記憶のなかで甦ったゲンイチロウ兄さんはあんなにも清々しく優しかったのでしょう。動くことも語ることも何も許されない亡者が、唯一存在していいのは、生者の記憶の中だけですから・・・。

エロビアンナイト【ご来場ありがとうございました!!!】

エロビアンナイト【ご来場ありがとうございました!!!】

INUTOKUSHI

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/06/25 (水) ~ 2014/06/29 (日)公演終了

満足度★★★★

観客に歩み寄っている
パワーのあるナンセンスギャグを織り交ぜつつ、インナースペースとの葛藤やリアルな人間関係社会性との葛藤を被せた多重構造。前作よりも深みをまして更に観客に歩み寄っている印象。終盤の捻りの効いた展開も楽しめた。

ネタバレBOX

ただ、前作の個人的な孤高を表現する方が、今作の身近な人との関係が社会の中での在りようの難しさの葛藤を表現するより好みに近いのが正直なところ。笑いについても前作の方がより破壊的で無茶苦茶だったので好き。評価が高いのは恐らく今作だとは感じる。

連続主演の藤尾姦太郎は、見事に作・演の期待に応えていると感じた。3作は重ねないと思うので次回作での変化に期待。ヒロインの服部容子は、単にちょっとエロすぎて、ラストあそこまで直接的表現をとられると引いてしまう。これは個人的な好みの問題だが。

「脇おにぎり」は、出てきた瞬間から大爆笑してしまった。もう既に「どうなるか」は分かっているのだが、本当に「そうなるのか」と期待しながら観る楽しみ。あれは石澤希代子のファインプレーとしか言いようがない。
CEREMONY セレモニー

CEREMONY セレモニー

東京デスロック

STスポット(神奈川県)

2014/07/05 (土) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

異化効果・叙事的演劇の発展形?
ポストドラマ演劇の範疇だとは思うが、
脚本も構成もきちんとある。
所謂「物語」のある芝居ではない。

「CEREMONY」とは何か?を様々なテーマを巡って観客に問いかける。
それは同時に、演劇とは何かを問うことでもある。

とても今日的な作品だと思った。
演劇も一つの儀式であるが、かつてのアングラ演劇などは、ある種の虚構空間を現出させることで一つの儀式たろうとした。
それに対して、この作品は、現実と地続きの空間の中で儀式としての演劇が行われる。
その為、常にその表現は、観客の意識によって相対化され続ける。
部分的に観客参加のような部分があったり、幻想的空間が起ちあがりかけることもあるが、その儀式に観客が酔いしれ、浸りきることはない。

現実とは異質の虚構空間、超現実に出会うことこそが演劇の可能性だと思っている人からしたら、「なんだこりゃ」「ただのお遊びじぇねえか」と思う人もいるだろう。

ただ、ここにこそ、演劇の新たな可能性があるのかもしれない。

理屈っぽく言えば、
アングラ演劇の儀式性がアルトーの系譜なのだとしたら、
この作品の相対化の仕方は、ブレヒトの異化効果・叙事的演劇の今日的なあり方とも言える。

ブレヒトの異化や叙事的演劇は、現実への強い批評性に根差していた。それは、体制批判や既成概念に喧嘩を売る刃にもなった反面、時に一義的メッセージに変換されかねない危うさももっていた。プロパガンダになりかねない危うさを。
それに対して、この作品の批評性は緩い。悪く言えばヌルいとも言える。そうは言っても、多田淳之介氏の現代社会への批評的意識は作品の随所に感じられるため、敢えてその緩い立ち位置を選んでいるのだと思う。そうしてできた作品は、緩いが故に、開かれた問いとなる。答えは一つだけではなく、観客の数だけ存在するものに。

上記のこと全て含めて、良くも悪くも、とても今日的な作品だと思った。
私の中でも、評価したい自分と、批判したい自分が混在している。
この緩さが、作者に押し付けられることなく、自分で色々考えられるという意味で、とても「心地いい」と思う自分と、
何か強烈なものが欠如していて物足りないと思う自分と。

【満足度】について、
作品そのものの印象は✩4だけれども、
可能性を模索している、挑んでいるという姿勢を含めて✩5。

(<ネタバレ>は後日追記するかも。)

映画

映画

ワワフラミンゴ

王子スタジオ1(東京都)

2014/06/27 (金) ~ 2014/07/06 (日)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

ワワフラミンゴの【映画】を観劇。

以前に短編を観た時の衝撃度が強く、期待の新作をやっと観る事が出来た。

物語というか内容が全くない演劇。
女性たちがぬれ煎餅の話題について語り合ったり、毒キノコのエピソードなど
普段の日常から少し外れた事についての会話集という感じだ。
アバンギャルか?アングラか?現代口語演劇か?はたまた不条理か?とジャンル分けを考えてしまいそうだが、全く何にも当てはまらないが、ちょっとだけかじっているともいえる。
展開の面白さや俳優の熱演というのが皆無に等しくても、こんなに面白い物を簡単に作れてしまうのかと驚くばかりだ。
兎に角、面白くて面白くてしょうがないのである。
お勧めだが、今日まで。
へんてこレストラン

へんてこレストラン

柿喰う客

北とぴあ スカイホール(東京都)

2014/06/27 (金) ~ 2014/06/29 (日)公演終了

満足度★★★★

テンポの良さとセリフのハーモニー
柿喰う客ならではのテンポの良さとセリフのハーモニーが堪能できる良作。こどもとみる演劇と銘打っているが、そのクオリティは充分高い。とても楽しめた。随所に子供が飽きないような工夫がされている、が、残念ながらそれでも飽きちゃう子はいるみたい。。。

ネタバレBOX

開演前に葉丸あすかが子供とじゃれあってる姿がとても微笑ましかった。永島敬三の前説が落語の小話だったのだが、全く子供向けのネタではない、というところが内心大変面白かった。入り方が名作一人芝居「ときめきラビリンス」に似ていて印象的。

深谷由梨香がのっけから怪しげで妖しげな登場をしてくるのに吃驚したが。それを子供がほぼガン無視するのが印象的だった。アラサーなのにメイド服があんなにハマっていいのだろうか?しかも、髪下ろしたらショートボブで、これがまた良く似合ってて吃驚。
毒婦二景「定や、定」「昭和十一年五月十八日の犯罪」

毒婦二景「定や、定」「昭和十一年五月十八日の犯罪」

鵺的(ぬえてき)

小劇場 楽園(東京都)

2014/06/12 (木) ~ 2014/06/23 (月)公演終了

満足度★★★★

新鮮
全く違うタイプの女優が阿部定を演じていて新鮮。どちらかというと可愛いタイプのハマカワフミエが阿部定の美しさを、綺麗タイプの岡田あがさが阿部定の可愛さを観せてくるというのには驚いた。巡り合わせだが、両作とも何故か演者が噛んだり飛ばしたりとミスが頻発して吃驚。

ネタバレBOX

「昭和十一年五月十八日の犯罪」
暗転明けのっけからただならぬ雰囲気のスタートがよかった。ハマカワフミエの放つ凛とした美しさや江戸っ子ならではの気風のよさが非常に印象的。自分の中にある勝手な安部定のイメージとは違うので、そのギャップも良かった。

基本的に瀧川英次の掻き回しぶりを楽しむ作品なのだと思う。「なるほど」と思わせるオチが最後に用意されており、いろいろと納得させられるが、あの緊張感の中でぶっ飛んだ発言を違和感なくぶち込めるキャラが秀逸。

「定や定」
ハマカワ版と違い、イメージに凄く近い安部定を岡田あがさが好演。こちらは、江戸っ子の人懐っこい一面を具現化していて可愛げを振り撒いている。可愛い笑顔を見せるのだが、その魅せ方がグッとくる。意図していない様子が更に毒婦な印象。

寺十吾の上手さというか、岡田あがさとの相乗効果の出し方が印象的。二人芝居にもかかわらず周囲の状況や情景が自然と理解できるようようになっていて良かった。岡田あがさのミス受けて時代考証がぶっ飛んだセリフを思わず吐いてしまうというミスは貴重だった。
ダンディ•ホット•ステージ

ダンディ•ホット•ステージ

LIVES(ライヴズ)

テアトルBONBON(東京都)

2014/07/02 (水) ~ 2014/07/06 (日)公演終了

満足度★★★★

ダンディー西とザ・ダンディージャックスが解散!?
LIVESの良さは、「おかしくも哀しい」ところにある。哀愁のあるコメディ。
いろいろなことに揉まれながらも、精一杯生きているおじさんたちを、温かい視線で描く。

ネタバレBOX

「ダンディー西とザ・ダンディージャックス」は、星屑の会の『星屑の町シリーズ』に登場する「山田修とハローナイツ」と双璧をなす、舞台内、ムード歌謡グループ。

卑怯な(笑)ほどのフライヤーの写真どおりな、人情喜劇が繰り広げられる。

今回は、25年売れないムード歌謡グループのダンディー西とザ・ダンディージャックスが、仕事が減って限界なので、引退することを決意する。
それを知ったテレビ局の若いディレクターが自分のドキュメンタリー番組の素材としていいのではと思い、密着取材をする。
ザ・ダンディージャックスと共演した若い地下アイドルグループとの対比を交えつつ、ストーリーは展開していくのだが、テレビが取り上げてくれたことで、仕事が来るのではないかと思うザ・ダンディージャックスは、引退を撤回しようと思うのだが、そうなると引退を取材するテレビ局は取材をやめることになるので本音は言えない。
というストーリー。

何度か再演している『ROPPONGI NIGHTS』で歌い続けてきた歌に新曲も加えて、劇中歌は多い。
どれも、いかにもムード歌謡っぽく、それだけでもにんまりしてしまう。

ベタな笑いも多いのだが、それをきちんと丁寧に見せ、確実に笑いを取っていく姿はさすがだ。
ほろっとさせるシーンもあるのだが、それもかなりベタなのだが、そう言うことも気にならない。
若いディレクターが長台詞で説明するのは少々野暮ったいとは思うのだが、それもいいと思えてしまうのがLIVESだ。

まあ、強いて言えば、地下アイドルグループのエピソードとシーンは、メンバーが5、6人もいるので、もっと絞ったほうがいいとは思ったのだが……。

地下アイドルグループは解散してしまうのだが、再度挑戦し直し、引退宣言したダンディージャックスも引退せずに続けることになる。
劇中、途中でテレビ局のプロデューサーが言ってしまうのだが、「どっちもアリ」だと思うというのがテーマであり、観客へのメッセージだろう。

「続けていけよ」ということなのだ。

……ダンディー西とザ・ダンディージャックスのCDRはもちろん買っている。
十九歳のジェイコブ

十九歳のジェイコブ

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2014/06/11 (水) ~ 2014/06/29 (日)公演終了

満足度★★★

兵庫県立文化会館
シーンごとに美しいなと感じたものはありました。
自分は誰かに感情移入したい方なので、ちょっと合わなかったかな。

西牟田さんの出番が少なかったのも個人的には残念でした

うちの犬はサイコロを振るのをやめた

うちの犬はサイコロを振るのをやめた

ポップンマッシュルームチキン野郎

駅前劇場(東京都)

2014/07/04 (金) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

何でもありの大傑作
未来が見通せる犬が主役の舞台という事だったが、それが些細な事に感じられる何でもありの作品でした。まだ、公演も前半なので、あまり書きませんが、間違いなく言えるのは大傑作です!

ネタバレBOX

開演前から、時事ネタで小芝居。これが面白く、時間があれば30分前入場推奨です。
オープニングから犬と家族の時事ネタ満載の笑いで始まりましたが、すぐに状況一変。笑いを挟みながらの見事なスタートです。
萩野さんが出ることで、コメディになり過ぎない緊張感がありました。
その後も、笑い、泣き、感動、と色々な感情が沸き起こる素晴らしい舞台でした。登場人物、いや登場~人・動物・物がそれぞれ個性的で、演じておられる役者さんも熱演で素晴らしかったです。歌うシーンやダンスシーンも見事で
実に完成度の高い舞台だったと思います。
公演後のアンケートも多くの人が残って書かれており、またCoRich等へのクチコミが多いのもこの舞台の凄さを物語っていると思います。
このような作品が観れて大変良かったですし、脚本を書かれた吹原さんの才能が恐いくらいです。



宵山の音

宵山の音

真紅組

近鉄アート館(大阪府)

2014/07/04 (金) ~ 2014/07/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

良かった~。
舞台が近い!
あちこちから役者さんが出てくる。
息をつく間もないくらい物語が進んで行く。
どの役者さんも魅力的でどきどき。
もう1回観たかった。。。

星の結び目

星の結び目

青☆組

吉祥寺シアター(東京都)

2014/07/04 (金) ~ 2014/07/09 (水)公演終了

満足度★★★★★

天に輝く美しい星を見つけたような作品
ある「家」の、戦前・戦中、戦後期のドラマが丁寧に語られていく。
戯曲も役者も演出も、衣装もセットもすべてが素晴らしい。
お手本にできるぐらいのクオリティ。
演劇好きの人には、どのようなタイプの人にでも、自信を持ってオススメできる作品。

ネタバレBOX

吉田小夏さんが時間堂のために書き下ろした作品を、自ら青☆組の作品として上演した。
時間堂の『星の結び目』も、もちろん良かったのだが、やはりご本人の「意図」や「思い入れ」としての作品を是非観たいと思った。

最初のシーンに奥様(吉永園の長女)役の渋谷はるかさんが登場する。
この方の佇まい、台詞の発声で、「この作品はいい!」と即座に思った。

梅子役の福寿奈央さんとの台詞自体がもちろんいいのだが、お嬢様だったこと、今は昔のような生活ではないこと、そして、何より自分が世間知らずではないか、と思っていることなどを、このわずかなシーンで見せてくれる。
渋谷はるかさんで、この舞台一気に締まったと思うのだ。

この方が物語の中心近くにいることで、そのほかの役者もじっくりと落ち着いて演技をしていたように思える。
梅子だけでなく、その叔母も演じていた福寿奈央さんも、年齢をすっと飛び越えて2人を演じ分けていた。さらに彼女は、この作品のナビゲーター的な役割も担っているのだが、そこもまた少し別の顔を見せてくれるのだ。
吉永園の次男・信雄とその父・初代甚五郎を演じる荒井志郎さんも、この作品では、いつもに増してさらに腰が据わっていて、両者の違いと「似たところ」をうまく表現していたと思う。
この落ち着きが、吉永園を大きくした才覚があり、ひとクセある男を表現できていたと思うのだ。
次女・八重子を演じた大西玲子さんも、ゆっくりと幼児になっていくのが上手い。
女中の吹雪を演じた小瀧万梨子さんも、この作品の全体の、このトーンの中でああいった役は難しいと思うのだが、それをうまく演じていた。
それぞれの役が、それぞれの大切なシーンできれいに浮かび上がる様は素晴らしい。

1つひとつの台詞のトーンも会話の噛み合い方も、最高であった。
そして、そのシーンのつなぎ方も上手く、美しく流れていく。
嫌な議員が出てくるシーンでさえも、そう感じた。

それぞれのシーンは、それぞれがまるで1本の短編集のように、深みがある。
「言葉に出さない」「出せない」気持ちがどのシーンにも詰まっていて、台詞と細やかな演技、そしてそれを支える演出によって、それが感じ取れるのだ。

梅子が次男・信雄に対して抱くほのかな恋心や、長男の甚五郎が妻に対しする気持ちうまく表現できないところ、さらに経理の山﨑と長女・静子の微妙な距離感、女中の吹雪を見る次女・八重子の暖かい視線、さらに父親・桂吉(藤川修二さん)がわずか1つの台詞だけなのに、その娘・吹雪に対する想いなど、本当に、1つの台詞、表情だけで、見事に表現していた。
山﨑と静子が、花見のあとのシーンで向かい合って踊るシーンなどは、2人の言葉にできない気持ちが溢れていた。

舞台とセットはやや高低差があり、演じるための2つの場があり、それらを廊下と階段でつなぐ。
和テイストの照明が床や天井から下がる。
このセットも品があり、美しい。

役者の出入りのための場所が左右2個所ずつ、前後(客席通路を含む)2個所の、合計6個所あるが、この数はこの規模の劇場としては珍しくはない。
しかし、その使い方が非常に巧みなのだ。

気配を見せるため、例えば次女が母を想うときに、傘を差して現れる女性は、薄暗闇の中から「気配」を少しずつ見せてくるために、上手手前の長い通路から現れたり、女中たちが、お茶を持って現れたりするのも、その動線の必要性から上手、下手と分けてみせる。玄関から奥に入ってくる感じや、川に面する場所などの使い方など。
2つの場の使い方もうまい。
部屋などの空間だけでなく、時間も表す。
空間と時間が重なりつつ、次のシーンを見せていくという巧みさもある。

この舞台のサイズだからできること、と言ってしまえばそれまでなのだが、どんなサイズの劇場であったとしても、この舞台の使い方、演出のセンスは、まるでお手本のようであり、演劇をする人は観て得るモノが多いのではないかと思う。
(それぐらいスムーズな場面展開や人の出し入れができていない公演が多いということなのだが)

ラストは、余計な説明台詞がなく、上田と梅子が一緒になって去っていくシーンに、登場人物たちの歌う「星の流れに」で、暗転になる。
この歌に歌われる女性であった梅子が、上田と出会えたことで、そういう境遇から抜け出すというシーンであり、自分のことではなくなったから、「歌える」ということなのだろう。だから、冒頭のシーンでも昔を思い出すように、この歌を口ずさむのだ。

この作品のラストシーンは、なんとなく覚えていたので、歌が途中から女性だけのコーラスになり、暗転していく中で、「これはこのままで終わっていいのに」と思ったのだが、その後のラストシーンの短い台詞と役者の姿に泣かされた。

その後の登場人物たちはどうなったのか、という後日談を挟まないところも、「物足りなさ」を感じさせるのではなく、多くを語らず、「それでいいのだ」と思わせる上品さがある。

この作品は、親を知らなかったり、片親だったり、早くに親をなくした登場人物ばかりが登場する。
そうした自分のアイデンティティの源泉ともいえる関係の喪失がある者たちが、兄弟や夫婦、さらに1つ屋根の下で暮らす他人とも「家族」のような関係を築いている(いく)様が描かれており、ラストの台詞はまさにそれをすべて言い切ったものであったのだ。

だから心に響く。

青☆組は本当にいい舞台を見せてくれる。
吉田小夏さんは戯曲が素晴らしいと思っていたのだが、その演出も素晴らしいことに気が付いた作品であった。

そうすると、オリジナルだけでなく、家族を描いた、他の作家の戯曲の演出も見てみたいと思う。イプセンとか。
解けましょう

解けましょう

21世紀ゲバゲバ舞踊団

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2014/07/05 (土) ~ 2014/07/06 (日)公演終了

満足度★★★★

ひたすらにダンス
久しぶりにdie pratzeにいるような感覚を味わった。間口が広くないかもしれないが、エンターテイメント性に頼らない作品がよかった。

GOSSIP

GOSSIP

酒井香奈子のアロハプロジェクト

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2014/07/04 (金) ~ 2014/07/06 (日)公演終了

独特な世界観。
私は出演者のお2人を初めて直接拝見したのですが、酒井さんと井ノ上さんの仲の良さがとても伝わってきました。
語られる物語は、どれもこれも独特な世界観。
ファンの方がたくさん来られていたようで、全体的にあったかい雰囲気の公演でした。良かったです。

モモ

モモ

実験劇場 あずみ企画

アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)

2014/07/03 (木) ~ 2014/07/06 (日)公演終了

満足度★★★

老婆心ながら。。。
『モモ』をミュージカルにすると聞いて正直いって期待していなかった。だが観終わってみると『もう一度原作を読み返してみよう』と思わせてくれたということでこの企画は幾分か成功だったように思われる。
もしこの作品を小学生の低学年や、幼稚園児にみせることが出来たなら彼らにとって素晴らしい観劇体験となるのではないか。


以下個人的に感じたことを書かせていただく。見当違いということも多々あるだろうがご容赦ください。みなさまの忌憚なき意見を伺いたいです。


まず、この上演は観客層は同年代やそれより上の保護者世代が基本となることが予想できるがそのわりには、脚本、演出が薄いものとなってしまったのが残念である。特に二時間という上演時間にしては表面的にしか受け取れない作品となってしまっていた。もう少し『モモ』という作品に足を踏み入れてはいかがだろうか?
このような名作を上演するときに、観客は皆さんの踏み込んだ解釈を期待する。
特に『モモ』は単なる児童文学ではなく、圧倒的に暗喩的表現の詰まったむしろ大人が読む児童文学といえる。その点がとても残念だった。


例えば、灰色の男たちの存在である。おそらくエンデは彼らを単なる悪役として存在させてなく、時間を失い個性をなくした民衆との相互性を作り出している。
服装を統一していたのは良いが、ダンスの部分で個性が強く出てしまい、非常に残念だった。


(悪役を悪役として存在させない考えは現在主流なため、もしかしたら若い皆さんの方がより面白い解釈を持たせてくれるかもしれない。)


他にも作品を知る上でミヒャエル・エンデがどういう人物かを知ることも重要になってくる。戦中をドイツで過ごしたということだけでも解釈は様々なものに広がるのではないか。いまの世の中調べればいくらでも出てくる。


音楽に関して言えばどれもメロディが聞きやすく素晴らしかった。
しかし、1つ帰りに口ずさめるような簡単な(もしくはワンフレーズの繰返しとなるようなのを様々な場面に)盛り込むとより素晴らしいものになったのではないかと感じた。


もし次回があるなら(是非観てみたいので)いくらか深めた作品を提供してくれることを願っている

ちょっとそこに座りなさい

ちょっとそこに座りなさい

劇団Q市街

北池袋 新生館シアター(東京都)

2014/07/04 (金) ~ 2014/07/06 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かったです
とても面白い舞台でした。カップルが些細な事でケンカをする様子が可笑しかったです。半井役の役者さんが、人の良い少し天然が入っているようないい味を出していて良かったです。役者さんたち皆、キャラクターを魅力的に演じていましたが、ナオコは怒ってばかりであまり良い印象がないので、もう少し可愛い部分があると良かったかな?という気もしました。面白いカップルだったので、結婚後とか新婚旅行の話とか、続編があっても面白そうだと思いました。旗揚げ公演だったので、今後も楽しみな劇団だと思いました。

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