最新の観てきた!クチコミ一覧

9661-9680件 / 183104件中
当たったらホームラン!

当たったらホームラン!

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2023/02/08 (水) ~ 2023/02/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/02/08 (水) 19:00

お菓子でもアイスでも「パーティパック」ってありますよね。色々な味がワンパックで楽しめるヤツです。
今回の公演は、そんな「パーティパック」みたいな公演ですよ!って説明が、一番分かりやすいと思います。ショートストーリーがテンポ良く展開されていくので、楽しい時間があっと言う間に過ぎてしまいます。劇場に足を運ぶ価値がある公演だと思いました。

トムラウシ

トムラウシ

株式会社Ask

自由劇場(東京都)

2023/02/04 (土) ~ 2023/02/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ハードボイルド・ヴァイオレンス・アクション、グッときましたね(かなりギャグ多いけど)。ロシアのウクライナ侵攻を題材にしていて、かなり考えさせられました。

血は立ったまま眠っている

血は立ったまま眠っている

文化庁・日本劇団協議会

Space早稲田(東京都)

2023/02/01 (水) ~ 2023/02/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度

初演は昭和35年というからもう六十年も前の作品。新しい演劇の時代のスタートとなった作品で、確か日生劇場で四季が上演したのではなかったか。そのときからわからん!わからん!ト評判は悪かった。
60年安保が背景だからさすがに古い。今再演するなら、どこかに焦点を絞って新しく作らないと見るに堪えないものになる。危惧は当たって、ただわぁわぁと賑やかなだけの二時間。惨憺たる出来である。
若い演出者に今が不安な時代であるからと言って、往事の安保戦略を押しつけるのも酷だが、やる方も時代をちゃんと見なくては。今この作品をやるとしたら、やはり流山児の嗜好には合わないだろうが、言葉だろう。あの図々しいとしか言い様のない独特のレトッリックをうまく芝居にするのは、今の時代なら出来そうだ。俳優もどうやっていいのかわからずやっている感じだったが、二三目立つ役者はいた(配役表がないので名前を挙げることが出来ないが)

血は立ったまま眠っている

血は立ったまま眠っている

文化庁・日本劇団協議会

Space早稲田(東京都)

2023/02/01 (水) ~ 2023/02/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

全く期待していなかったせいか、自分的には意外と凄く面白かった。驚く程超満員。皆、何目当てなのか?
寺山修司が23歳(1958年)の時に書いた処女戯曲というだけで、頭でっかちでつまらなそうなイメージ。それに反し今作は寺山修司の名前を伏せた方が良いぐらい痛快。新人の新作だったとしたら随分と設定が古めかしく、逆に好意的に受け止められたことだろう。

「地下鉄の鉄筋にも一本の電柱にも流れている血がある
 そこでは血は立ったまま眠っている」
オレノグラフィティ氏の音楽が冴える。

沖縄顔の新垣亘平(あらかきこうへい)氏と赤塚不二夫キャラのような本間隆斗氏は使い勝手が良く売れそう。
甲津拓平(こうずたくへい)氏は前回観た時よりもかなり太っていて、似た別の人かと思っていた。六平直政に寄せたのか。
ズベ公3人組、金髪の内田敦美さん、胸の谷間を見せつける木村友美(ゆみ)さん、美脚の竹本優希さんがエロくて最高。
時代は違うが『ゴジラ対ヘドラ』みたいな厭世観。
首を吊ったマネキン、和式便所に捨てられる猫の死体。

今となってはステレオタイプの定型文のような設定と展開。逆にパロディーみたいに見えて楽しい。中島貞夫が渡瀬恒彦とピラニア軍団で撮りそうな映画。誰一人好感を持てるキャラが登場しないことが気楽でいい感じ。誰が死のうが生きようが何とも思わない。

ネタバレBOX

革命だなんだは所詮時代の流行歌。全ては“醜さ”の許容と否定でしかない。醜い現実に我慢出来ず“否定”を叫ぶか、「まあそんなもんだ」とせせら笑ってやり過ごすかの違い。革命(?)に燃える若者達への冷ややかな視線。筒井康隆の『霊長類 南へ』や『革命の二つの夜』を想起。やっぱり当時の大衆は皆馬鹿馬鹿しく感じていたのだろう。浅沼稲次郎を刺した山口二矢が、高校では馬鹿にされていたエピソードを思い出す。(あだ名は「右翼野郎」)。大多数のノンポリと少数のキチガイ思想家がこの世を司るバランス。
今作を現代劇にするならば、闇バイトに迷惑系YouTuber、炎上系TickTokerなどの登場する『闇金ウシジマくん』みたいになりそう。

何かSIONの初期作を聴いている感覚になった。
さなぎになりたい子どもたち

さなぎになりたい子どもたち

演劇集団 Ring-Bong

座・高円寺1(東京都)

2023/01/18 (水) ~ 2023/01/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

中学校をとりまく、現状の問題を描いた舞台!
いろいろ考えさせられました
タイトルと説明から、地域レベルでの人間関係のラスト、リセットしたい頃合いなのでしょうかね!?
面白かったです!

血の婚礼

血の婚礼

劇団東京座

中野スタジオあくとれ(東京都)

2023/01/19 (木) ~ 2023/01/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

わりと、よく思うのですが、海外の戯曲の台詞回しは、翻訳重視なのか、まわりくどく、長くなりがちで、ストーリーは良いのですが、話に入り込めないことが多く感じます。
この作品も同じようなところがあり、話の展開に重きをおいて、要点やニュアンスを伝える、テンポある台詞に要約するのは難しいのですかね!?
こちらも、ストーリーも面白く、役者さんも好演で良かったです

桜姫東文章

桜姫東文章

木ノ下歌舞伎

あうるすぽっと(東京都)

2023/02/02 (木) ~ 2023/02/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

感情表現を極力抑え、ホンの骨格を浮かび上がらせる演出。その分、要所要所の感情が際立つ。桜姫と清玄が川辺ですれちがう哀れさや、次々と人を殺し殺されてゆく非情さ。四世鶴屋南北の描いた陰惨さがいっそう印象強くなる。感情移入を排批評的に見ることを観客に求めた演出である。
その場の結末を事前に観客に示す字幕や、ブレヒト幕の使用など、ブレヒト的演出といえる。舞台セットが客席に対して斜めになっているのも、斜に構えた観劇を促すものだ。口コミを見ても賛否両論あるが、擁護派とアンチの両方いること自体が斬新な舞台の成功を語っている。

初演以来一度も上演されていない三幕も演じた意図も、陰惨さの協調にあるだろう。この幕ではまだ少年少女の半十郎と小雛が、「不義密通」を働いた濡れ衣で、それぞれ兄と父に斬られる。実は、幼い主君と桜姫が指名手配されているので、その身代りの首を作る狙いだった。不条理と哀れも極まれる。
逆に最後はかたき討ちを果たして大団円とWikiにあるが、岡田利規演出では、省いた。殺して、そのまま幕で、あっけない終わりである。

自分を無理やり強姦した男・権助を桜姫が愛している倒錯は見る前からわかっていた。芝居を見て、桜姫のせいで「不義密通」の濡れ衣を着せられた清玄も、恨むべき相手を恋い慕う倒錯に陥っていることが分かった。自分のセリフで「恨むべき相手なんだけど」という。これは南北の原作にはないのではないだろうか? 南北は、恋した稚児の生まれ変わりを追い求める清玄を書いたというから。

3時間15分(休憩15分込み)。歌舞伎座でやった公演のシネマ歌舞伎は4時間20分ある。通し上演で、しかも歌舞伎座では省いた三幕(20分くらいある)も入れて正味3時間に収めたのはうれしい。おかげで枝葉がなくなり一層骨格がはっきりした。衣装もジーパンやランニングシャツなど、現代の普段着で、装飾を排していた。

ネタバレBOX

最後、権助が父と兄の仇とわかるや、桜姫が、権助との間にできた赤子を「仇の子は仇」と、何のためらいもなくグサッと刀で殺すくだりはびっくりした。
タンホイザー

タンホイザー

新国立劇場

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2023/01/28 (土) ~ 2023/02/11 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

序曲の巡礼のうたのメロディーで始まり、同じメロディーでタンホイザーの救済を歌いあげて終わる。構成のしっかりしたオペラで、ワーグナーの旋律とオーケストラの響きを堪能した。ウェヌスの宮殿の官能の愛の世界と、城の禁欲的なプラトニックな世界の対立が鮮やかだ。ただ、官能の愛の世界を「罪」とするキリスト教的倫理がどうも堅苦しい。ワーグナーもそんな倫理を正しいと思っていなかったと思う。だからタンホイザーは最後に救われるのだろうが、それも死と引き替えにでしかない。

歌手もみなよかったし、オーケストラもよかった。

ネタバレBOX

ウェヌスに享楽的なパリの体験を、城にドイツの古臭い因習を託して描いたという、ワーグナーの隠れた意図には驚いた(プログラムにある)。どちらにも容れられなかったワーグナーは、故郷の自然に憩いの場を見いだした。城の周囲の自然(1幕2場、3幕)はそれを描いている。パリで夢破れて帰ってきた時に、故郷の森に救われた体験が1幕2場を描くきっかけだという。

三幕でタンホイザーがローマでの体験を語るくだりは、うっかり、ぼーっとしてしまった。次はそこを注意して聞きたい。
二月大歌舞伎

二月大歌舞伎

松竹

歌舞伎座(東京都)

2023/02/02 (木) ~ 2023/02/25 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

午前の部「三人吉三巴白波」を鑑賞。お嬢・七之助、お坊・愛之助、和尚・松緑という人気役者の配役で、客席はほぼ満席。沼津から「法人会女性部」が貸切バスを仕立ててきていた。「月も朧に白魚の…」をはじめ七五調のセリフの調子のよさと、最後大詰めの雪の中の大立ち回りの迫力が見どころだろう。

歌舞伎はホンではなく、役者中心、役者の芸をたのしむものという。でも芸のどこがよくてどこが悪いのか、よくわからない。テレビでもなじみの人気役者だから見ていられる。二幕の巣鴨吉祥院本堂の場で、屋根裏からお嬢が顔を見せるところで、一番受けていた。

二幕の、血縁の因果がいろいろ明らかになるくだりは、飽きて寝てしまった。そもそも聞き取りにくい昔のセリフだし、調子に酔わず、意味をとろうとすると疲れる。入り組んだ縁の糸が複雑をきわめる黙阿弥のホンの一番苦しいところだ。

ネタバレBOX

コクーン歌舞伎で見たときは、最後に三人が雪の中で死んでいく様をじっくりやったが、今回は金と名刀を通りがかった知人に託した後、捕り方に囲まれ、三人が見栄を切ってそのまま幕だった。これが歌舞伎本来の演出なのだろう。立ち回りは知人が通りかかる前にお嬢とお坊が、回り舞台の左右で存分に見せてくれた。
トムラウシ

トムラウシ

株式会社Ask

自由劇場(東京都)

2023/02/04 (土) ~ 2023/02/12 (日)公演終了

実演鑑賞

追っかけ女子の想定外のパワー、観ている側が力を入れてしまうほどのド派手で痛みを感じるアクション、舞台の上に熱気があふれ、それをさらに熱くする太鼓の鼓動。無茶苦茶理不尽な状況と、それに挟まれてくるいろいろな感情や出来事。いっぱいいっぱいになって、気づくと体に力が入ってました。(感想でこんなことを言うのは何ですが)この作品はフィクションですが、実際にこの理不尽は世の中に存在することを、日本にも可能性がゼロではないということを、観る側にも感じて欲しいと思います。

草迷宮~ここはどこの細道じゃ~

草迷宮~ここはどこの細道じゃ~

演劇実験室◎万有引力

座・高円寺1(東京都)

2023/02/03 (金) ~ 2023/02/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

かつて泉鏡花の『草迷宮』を寺山修司が映画化。40分の短編で、他の監督の二本と合わせオムニバス映画『コレクション・プリヴェ(個人的蒐集)』として1979年にフランスにて公開された。主演の三上博史、15歳のデビュー作。
原作のモデルとなった話は江戸時代中期の1749年、広島の武士の子息・稲生平太郎が実際に体験した実話、『稲生物怪録』(いのうもののけろく)。16歳の豪胆な少年が一ヶ月間毎日脅かしに来るありとあらゆる妖怪共を冷静にあしらう講談調の記録。

J・A・シーザー氏の1979年のコンサート、『ブラック・クリスマス』に於いて『組曲・草迷宮』として初披露。1986年、渋谷で開催されたイベント「テラヤマ・ワールド」にて「演劇実験室◎万有引力」により『幻想音楽劇「草迷宮」―てんてん草紙ー』と銘打ち初舞台化。2006年、『幻想燈音楽劇「草迷宮」―たずねて母の迷宮三千里ー』(こまばエミナース)にて二度目の舞台化。

そして今回は、
「『ブラック・クリスマス』の際に寺山修司が書いた原作より手毬唄を巡るエピソードを核として抽出した十九枚の台本原稿をベースに、前二回の公演や原作の要素を織り交ぜ···」(「Press Walker」より引用)。
最早誰の夢なのかも解らない。

J・A・シーザー氏はパーカッション。(キーボードも?)
琵琶語りの川嶋信子さんと巨大な二十五絃箏(そう)を操る箏奏者・本間貴士氏が素晴らしい。もうずっとLIVEで曲の合間に芝居位が丁度いい。ヴァイオリンの多治見智高ジーザス氏は聴いたことのない音色を響かせる。

亡き母(森ようこさん)の口ずさんでいた手毬唄。それをどうしても思い出せない主人公・明(髙橋優太氏)。その歌詞を探して諸国放浪の旅に出ている。横須賀市秋谷(あきや)にて川上から流れてきた手毬を捕まえ、上流にある廃墟と化した黒門屋敷に泊まり込む。

怪奇西瓜男(三俣遥河氏)の軽業師を彷彿とさせるアクロバティックなアクション。
裏の土蔵に監禁された色気違いの千代女(ちよめ)。
誘惑に抗えない少年時代の明(多賀名啓太氏)。
神隠しに遭った幼馴染みの菖蒲(あやめ)。
芋の葉で顔を隠しながら「通りゃんせ」を唄う童たち。

小寺絢さん、内山日奈加さん、真夢(まむ)さん、皆化粧が美しく女優陣が映える。

何度でも観れる良いLIVEだった。

ネタバレBOX

森ようこさんのラストの台詞、「ほうら···、お前をもう一度妊娠してやったんだよ!」
宝飾時計

宝飾時計

ホリプロ

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2023/01/09 (月) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

根本宗子ノリノリの頃のスズナリ公演を楽しく観たのが最初、その後割とすぐに観たのがもう一つな内容で、恐れ知らずの若い感性が必然に突き当たる壁、という印象があって結局数年観なかった(評だけは見ていたが伸び悩んでる様子だったような..)。
今回は劇作家&演出家としての数年分の深まりを見た思いで少し嬉しかった。作劇の方はばっちり、とは行かないが、女子の実感に発するリアリティが横たわる感覚があり、ストーリーそのものより瞬間に見せる煌めきが点として記憶にに打ち込まれる感じである。とは言え作劇は「謎」で関心をひきつけ小出しに解いていくサスペンス型ではあるが。
生演奏の音楽の使い方が贅沢である(ヴァイオリンソロ及び弦楽四重奏)。が、それもこれもこのためであったか、と思わせる主人公による歌が最後を飾る。キャラ的には口には出さないだろう高畑充希演じる三十女子(歌う場面では年齢は不詳)の心の声が歌に乗って暴発するが、実際のところ、歌詞が入って来ない箇所があって惜しく、惜しいだけに拳に力が入り、思わず頑張れと心中応援目線。それを引き出すだけの歌唱力(私は初)とも言える。

一人の人間を人生の最後まで思い続ける、イデア的な愛が、劇の最後に残される言わば神話的な語り終わりの中に、作者はどうにか普遍的な何かを書き込めたのかな、とも思う。
男はその最後の日に女の前に現れて、自分が戻れば繋がれると信じていたがその目的地に辿り着くのに遠回りしてしまうのが自分、こんなに時間が掛かってしまったよ、と言う。女は男の腕の中で、これまでの長い長い苦しみがなかったかのように貴方が今ここにいる事が嬉しい、と言い息絶える。
根本作品だけに女が生きた日々の具体が様々に想起されるのであったが、日々を刻むしかない受苦の実存と人の人生をシンプルに規定するものの存在が脳を駆け巡り、根本流に演劇たり得ていると感じた次第である。

トムラウシ

トムラウシ

株式会社Ask

自由劇場(東京都)

2023/02/04 (土) ~ 2023/02/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/02/06 (月) 14:00

特にプロレスの角田選手、大迫力でした。腕の筋肉は説得力あり! ハードボイルドから荒唐無稽なコメディー、真面目な社会批判、未来予測まで、ちょっと詰め込み過ぎかなあ。

トムラウシ

トムラウシ

株式会社Ask

自由劇場(東京都)

2023/02/04 (土) ~ 2023/02/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

圧倒的な世界観にてっきり人気マンガが原作の公演かと思いきや、なんと完全オリジナル作品
強者(政治)が弱者(一国民)に押し付ける理不尽
マンガ的とはいえ現在ある政治情勢・構図の延長線上にイメージできてしまう部分もあって何とも空恐ろしい設定
怖いながら巧い塩梅にコミカルさや楽しめる要素が盛り込まれ、とても乗っかりやすいエンターテイメント作品になっていました

何より登場人物達の心情描写が丁寧なのが良い
理不尽に投獄された男達の自問自答とは裏腹に、主人公のファンである女性の揺るぎないストーカー気質がめっちゃ面白い
そして筋肉隆々、リアル超人ハルクとも言うべき角田信朗さんの迫力といったら
こっこりゃ絶対に勝てない…と思わせる凄味が物語に説得力を持たせていました
この役はWキャストで明後日からは宮迫博幸さんにバトンタッチ
とても重要な役どころ故どんなふうにキャラクターが変わるのか非常に気になるところです
日替わりゲストは小出恵介さん
賑やかしでも面白ければいいよね。と思っていたらなるほどストーリー的にもそう繋がっていくわけか
最初から最後まで見どころだらけ お腹いっぱい、大満足です

舞台『十五少女漂流記』

舞台『十五少女漂流記』

舞台『十五少女漂流記』製作委員会

THEATRE1010(東京都)

2023/02/03 (金) ~ 2023/02/06 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ジュール・ベルヌ『十五少年漂流記』(1888)の少女版である。原作は子供のころから気にかかっていたが今更読む気もしないのでちょうど良い機会と出かけてみた。さすが冒険活劇の名作だけあって血沸き肉躍るストーリーに引き込まれた。出演者はアイドルとはいってもさほど有名ではない方ばかり。私も特に推しがいるわけではなく純粋に演劇を楽しむことができた。

退場はキャスト全員が舞台に並び「お見送り」をするのだが前8列のSS席は1列ごとに立って手を振り、3秒間のカウントダウンが行われる。さすがに私はSS席ではないので早々に退散した。色々やるのねえ。

桜姫東文章

桜姫東文章

木ノ下歌舞伎

あうるすぽっと(東京都)

2023/02/02 (木) ~ 2023/02/12 (日)公演終了

実演鑑賞

上演時間は約3時間15分(15分休憩含)。

 半ば廃墟の和洋折衷の公衆浴場を芝居小屋に見立て、そこに集った
芝居好きだが演技はずぶの素人?の今風の若者たちが歌舞伎の真似事をしている。
浴槽と洗い場のある浴室辺りを(「黒御簾」や「床」に当たる所も含め)舞台、
脱衣所辺りを待機中の役者が後見や観客役を兼ね見物休憩する袖兼客席、
その間付近を引幕で仕切ってできた大まかな劇場空間で起こっている
芝居も含めた出来事を悉く隅から隅まで、実際のお客さんが客席から
観察しているという二重構造meta構造の仕掛けが施されているとみるのが
素朴な観方か(従って、幽霊が出るのもあり、待機中の大向こう?の
観客役の役者から舞台上で奮闘中の役者へ、例えば、べにヤ、いなげヤ、
ダルメシアン、セカチューもといセケチュー、ニコイチ、待ってました、
久しぶりなどと掛け声がかかるのもあり)。

 古典歌舞伎へのリスペクトも込め話の内容がよく分かるように
創意工夫されている演出。ただ、これまでの木ノ下歌舞伎でよくみられた、
つかこうへい芝居張りの多少のムリスジも押し通すあの勢い、熱量、
テンポのよさ、躍動感や高揚感に溢れた作品からはかけ離れるが、
その分、各場面に応じてreal実観客との適度な距離感の調節が行われていて
(ただ、終盤になるにつれこの制御が利かなくなりつつあるが、意図的か)
どちらかというとフラットでコンパクトな作りになっている。
 これまでをdynamic動的とするなら、今回は全体としてはむしろ
static静的に近い作品という印象あり(もちろん、いわゆる本来の歌舞伎に
比べればはるかに動的。静かな脱力系の『熱海』や『蒲田』を観ている
感覚に近い。ただ、深淵に沈み、また浮かばぬままの撃沈組が奏でる
健やかなBGMが終始耳に入ってきていたことも否定しないが)。

 注意深く観てきた方は、そういえば弟の松若丸はどうなった?
吉田家は?などと思うかもしれない。しかし、少なくとも公家の姫である
桜姫がジェンダーの縛りをこえ、これからの自分の運命は
自分で切り拓くといった自立意識、自我に目覚めたとするならば
(いかにも近現代的観点だが)、今回の幕切れ結末はそんなことは
どうでもいいことと物語っている気もする。

 また、細かいことで記憶が不鮮明なため間違っていたら申し訳ないが、
引幕の色柄が薄鈍色というかくすんだ白色から淡い青色へ開演時と終演時で
変わっていたような。町内の寄合の出席を渋る権助の出席への決め手が、
八百善の仕出し→なだ万の弁当
に変更されていたのには気づいたが。

No Robot

No Robot

One Bill Bandit

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2023/02/04 (土) ~ 2023/02/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/02/05 (日) 17:00

価格1,000円

THE・エンタメ演劇。
2時間近い舞台でしたが、中だるみせず最後まで集中出来ました。
作品の内容が濃い…とは言えませんが、テンポ感・楽しませ方はよく考えられてます。
手間のかかったであろう台本と演出には、当然チケット代1000円という対価には見合わないが、
お客さまへの「もてなしの精神」が、満席を呼ぶ力になっていると感じました。

No Robot

No Robot

One Bill Bandit

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2023/02/04 (土) ~ 2023/02/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

理屈抜きに、楽しんでもらうに徹した 典型的な娯楽劇。そのまま素直に愉しみたい。
説明にある、ジャパンロボットウィークに出展する製品の企画…資料の空いたスペースを埋めるため冗談で書いた企画案が通り、発案者という事でそのプロジェクトに参加することを余儀なくされ…荒唐無稽な内容〈ビジネスドラマ〉だが、それを面白可笑しく観せる。
そしてタイトル「No Robot」とは 実に上手いネーミングで、物語の肝そのもの。感情無きロボットの開発だが、それを担う人間は熱き思いを迸らせる。

歌・ダンスなどは、まさしくエンターテイメント作品だが、それ以上にイカれた、いや イカの手や巨大(肥大)化した人物の印象が強烈。観客に楽しんでもらう、そんなサービス精神に溢れた演出である。

冗談の企画、しかし それに関わった人々の〈正直な〉心を育んでいく成長譚でもある。そこに表層的な面白さだけではない 〈ヒューマンドラマ〉としての奥深さも垣間見えてくる。
そして、出来れば“No Robot”を登場させてほしかったが…。
(上演時間1時間50分 途中休憩60秒)

ネタバレBOX

舞台美術は、下手正面にスクリ-ンと少し高い段差、舞台袖下はテーブルと椅子があり会議(執務)室を思わせる。上手はある程度広いスペースを確保しているが、それは後々“No Robot”を登場させるため。

“No Robot”=ロボット開発であるが、その動作に「能」の動きを取り入れる。そのため家元の協力を取り付け、さらに人間科学的な要素を取り入れるため、と色々な開発技術を模索し始める。もともと思い付きのアイデア、あまり やる気がなかったが、いつの間にか熱心に仕事に取り組んでいる。一方、一緒に開発に関わっているメンバーの恋愛も絡み、右往左往する可笑しみ。
演出は、カラオケと歌、能舞、スクリーン映像など、バラエティー豊かな観せ方で楽しませる。また巨大化したロボット、イカの手といったインパクトある<被り物>で愉しませる。意識したエンタメ性、そこには観客を喜ばせるといったサービス精神が溢れている。出来れば、能の動きをする完成ロボットを見たかった気もするが…。

普通<または惰性?>のビジネスマンが、或る切っ掛けによって生き活きと仕事に取り組む姿、愛<思い>を伝えることが苦手 または臆病な人の姿、その日常にある人間模様をコミカルに描きつつ、ラストはヒューマンドラマへ変転させる巧さ。勿論、無責任と思われる上司も 観方を変えれば、やる気のない社員の教育<育成>のようだ。ラスト、ジャパンロボットウィーク後にワールドロボットウィークの仕事に就ける、その配慮<嘱望>から窺い知ることが出来よう。だからこそ全体を通して、清々しい可笑しみといった印象が残る。
次回公演も楽しみにしております。
ドッペルゲンガーちゃん

ドッペルゲンガーちゃん

坊ちゃん嬢ちゃん

東中野バニラスタジオ(Vanilla Studio)(東京都)

2023/02/03 (金) ~ 2023/02/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

タイトル「ドッペルゲンガーちゃん」通り、自分に向き合った心象劇。自分の気持の在り様を語る内容であるが、1人2役ではなく、ハーフマスクを付けた別人物が自分に成り代わるという 演劇的な観せ方をしており分かり易い。同時に舞台美術を上手く使い、気持の整理を巧みに表現する。

物語は、パンフの記載にある章立てーー「ハムスターに呪われた女」「月の光に導かれ」「部屋を片付ける」のような内容を順々に展開していく。それは時の経過であり心の落ち着き、そんな一人の女性の心の変遷、成長譚である。

上演前から、舞台下手にいる じゃじゃんがサンの圧ある存在感。それは劇中での進行役であり俯瞰もしくは観察といった役割を担っている。そこに脚本・演出/加藤睦望さんの心象<劇>を ことさら抽象的にさせない工夫が読み取れる。
(上演時間1時間10分)

ネタバレBOX

舞台美術は中央にベット、上手に冷蔵庫や収納BOX、そして ごみ袋がいくつか。下手は姿見、敷物、衣類そしてペット<ハムスター>ケージが置かれている。因みにベットの下には からペットボトルが散乱している。部屋の散乱した光景は、そのまま 住人の心の乱れを表している。或る日、占い師に「死相がでている」と…そして飼い始めたハムスターが、冷徹に俯瞰するような。

部屋の主は満子<みちこ>(マタハル サン)、コンセプトバー「かぐや姫」で働いている。開店と同時に勤め5年が経つ。常連客・みかどくん と揉め、店長からはそれを契機に卒業(30歳代でもある)を言い渡される。以後就職もせず閉篭り生活、そんな彼女の部屋に闖入者 ドッペルゲンガーちゃん(ちこゆりえサン)が表れ…。表層的には みかどくんが姿かたちを変えてと思わせるが、心の深淵を覗き込むと、そこには自分の分身と対峙しているようにも思える。物語は三女優で紡いでいくが、満子役のマタハル サン以外は、複数の役を担っている。

ドッペルゲンガーちゃんが表れ、彼女を反面教師として心の平静さを取り戻す。いや自分の内面と向き 語り合うことによって成長を遂げていく。
<部屋>光景に心をよせる、言葉を紡ぐ、生き甲斐を見出すような。ハーフマスクをつけたドッペルゲンガーちゃんと満子、その2役1人の会話によって真の満子を立ち上げる。そのイメージの連鎖がぼんやりとした感覚・世界観を覚醒させる。冒頭の散乱した部屋が、場面転換ごとに段々と片付いていく。気が付けば、整理整頓された光景になっている。舞台美術を利用し、視覚的に心の変化を表す巧さ。

時期は 夏から冬(年越し)、それを衣裳の変化で表し、またコンセプトバーらしい可愛らしい服も観(魅)せる。音楽はクラッシックで印象付ける。
ラスト、ハムスターをケージから出すが、そこに心の解放を見るようだ。深読みすれば擬人化したハムスターの「心と体」が「自由と解放」に重なるようにも思えるのだが…そぅフライヤーの顔が…。
次回公演も楽しみにしております。
ウブスナvol.1

ウブスナvol.1

アメツチ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2023/02/01 (水) ~ 2023/02/05 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

#ナラティブアプローチ を映像で観劇。前評判通りバンタムクラスステージの細川さんの作風を思い起こさせるテイストながらそれほどこじれてなく正直長編なら「こっちの方が好みな方も多いのでは?」と感じた。(役者さんの力によるものも多いとは思うが)個人的には場面ごとの切り替えが(映像で見る限り)シームレスに繋がる感じでなく細切れになっているようになっているように感じたがごく短いやつであればありだと思うけどもちょっと疲れるというか好きでない。ストーリーは「これが正義だ」といった主張もなくわりと淡々と進んでおり非常に観やすいと感じたし趣味に合う感じ。渋めのおっさん祭りなのも100点です。車を車名でなくメーカー名で言うところ何気に好き
良い演者さんがそろっているので当然台詞が聞こえるだ聞こえないだの基本的な部分は全く不安はなく。不安要素は作演というやる側見る側共に贅沢な企画。これだけ良い作品がやれたのだから是非続けてほしいし。劇場で見たいんだよ(結局これ)

このページのQRコードです。

拡大