実演鑑賞
満足度★★★★★
これを逃せば機会は無いかな、と衝動的に(仕事のシフトが変わった事もあり)チケットを買って観に行った。
マーク役の日本人俳優に特に注目していた訳でもなく、舞台に貢献してくれてさえいれば、とメインは歌でドラマを感じたく序盤のステージを観た。20数年前の日本版は日本人俳優による日本語訳での上演の一部が動画にも上がっていたが、やや興ざめ・・というのは日本語を当てた楽曲は「別物」に聞こえる。耳に入る語感の響き方は勿論違うのだがそこではなく、「歌い方」に影響を及ぼす。歌がドラマを伝えるのに役の心情のニュアンスが「歌詞を体現した楽曲」だけに歌詞が「変わる」と心情にも影響が。
全編英語での上演は、字幕を追う作業で視覚的な集中に制約があったのは事実だが、やはりオリジナルのニュアンスは代えがたかった。
私は散々DVDで観ていたつもりだが、微妙に初耳なメロディーが聞こえたりもした。だが大筋流れは分かっているから観劇に支障はなく、むしろ展開を先取りして涙腺が緩んでしまって困った。
音楽のアレンジは若干DVD版と違っていたり、あとは役者の個性が幾分異なり、私としてはモーリーンのワンマンステージをどう演じるかが、中でも俳優の個性で随分違いそうだが、今回のキャストは(DVDの俳優と比べて申し訳ないが)モーリーンのチャーミングさとこの場面の意味がよく分かり、ドラマの成立を円滑にした。