最新の観てきた!クチコミ一覧

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赤と黒=RED&BLACK

赤と黒=RED&BLACK

劇団ドガドガプラス

浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)

2014/08/22 (金) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★

「ピンクと黒」…のような
○○商業高校における歴史認識からの発展話。芝居にダンス・歌を織り交ぜた舞台というところだろうか。その混合舞台の中で2名の玉石が舞台を牽引する。もちろん「中田有紀」と「ゆうき梨菜」である。
スタンダールの「赤と黒」の主人公:青年ジュリアン・ソレルが大女優に成長していく樹里杏 逸涙(中田有紀)になり青春・恋愛・野心・嫉妬という人間ドラマ。そしてフランスの支配階級の腐敗を鋭く批判した小説は、この舞台では日本の満州における映画を通じた文化浸透に関与する樺島芳子(ゆうき梨菜)に置き換わり・・・面白く観せてくれた。
さて、タイトル「赤と黒」ほどに際立ったコントラスト(階級間差)は観られず、むしろ華やかな舞台女優の内なる絶叫のように感じた。その意味では”赤”ではなく、妖しい華=ピンクというイメージであった。
ところで、冒頭書いた○○商業高校は、実在する高校名に酷似しており、その高校の演劇部は某演劇祭に参加することになっている。本公演の出演者に関係あるのだろうか。

バーシブル

バーシブル

はちみつシアター

花やしき座 (花やしき内・多目的スペース)(東京都)

2014/08/28 (木) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★

笑顔と元気をもらえます。
予想通りのとても楽しい舞台でした。
個性豊かなヒーロー(?)たちのにぎやかな掛け合いと、
鮮やかな衣装は、見てるだけで笑顔と元気をもらえます。
アクションとダンスの運動量の多さには脱帽です。
何も考えずに観ちゃいました。

キスミー・イエローママ

キスミー・イエローママ

ゲンパビ

OFF OFFシアター(東京都)

2014/08/27 (水) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

無題1220(14-268)
19:30の回(雨)。19:00受付、開場。

下手に小さなカウンター(固定電話、銃)、箱(椅子)がいくつか、正面と上手はストリングスカーテン。19:15/25前説(105分)、19:32開演〜21:14終演(挨拶なし)。終演後、台本を購入、黄色の表紙、黒い製本テープで綴じられた丁寧な作り。

「イエローママ」はアラバマ州でのニックネーム…「電気椅子」…ウィキペディアで。

三澤さん、「ツヤマジケン(2014/7)」での西山さんとのジャージ組を観に行った勢いでこちらにも。遡れば「ユメミルヘヤ(2012/5@RAFT」「ローヤの休日(2011/3@王子」「思い出パレット(2010/12@ラビネスト)」。また、次回作、行きましょう。

当パンをみると似顔絵に役名がカタカナ…日系風。場所(新聞や書類は英語、出る酒は紹興酒)はどこなのか、今が続いているのか年月を経たのか…曖昧にしてあります(もう大学卒業?)。「銃」「政治家」「死んだ両親」そして「拘置所」。

両親と兄弟、夫婦と子、捨て子とバーの店主、拘置所の職員、大学時代の友人、電気椅子…幾つかの関係が緩やかに繋がったお話。時々、少し遅れてお話の展開に追いつく。残酷なのはどちら、子を捨てた親、銃。最後のシーンは台本にありませんでしたが、なぜそうするのか、もうひとつわかりませんでした。救い、幸せがどこにもないお話…いや、スズは違うか。

篠原さん「荒川、神キラーチューン(2014/5@サンモール)」「goodnight(2012/6@王子)」「青山君よ〜(2011/8@711)」。
蓮根さん「遠吠岬〜(2012/3@あくとれ)」「タルチュフ(2011/8@DECO)」。
泉さん「ファニー・ガール(2013/10@星)」「かもめ(2011/6@ゆうど)。
深井さん「Nazca@吉祥寺」。

ネタバレBOX

最後の銃声は「かもめ」からきているのかな(台本にはなかった)。
キスミー・イエローママ

キスミー・イエローママ

ゲンパビ

OFF OFFシアター(東京都)

2014/08/27 (水) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★

人間模様
それぞれの人物がそれぞれの問題を抱え交錯していくとこら舞台演出上非常によくできていたと思う。

ただ内容がもう少し引き付けるものがあってよいかなと感じた。
ありきたりのエピソードになっているのでひと工夫あるともっと良い。

【終演しました!】ピンポンしょうじょ→

【終演しました!】ピンポンしょうじょ→

劇団ダブルデック

OFF OFFシアター(東京都)

2014/08/21 (木) ~ 2014/08/24 (日)公演終了

満足度★★★★

エネルギッシュですね!
限られた空間のなかで、終始動く動く動く!役者の皆さんの全力を拝見させていただきました。一人で何役もこなされる役者さんは切り替えが早く、芝居の流れを乱す事なく見応えのある舞台にしていました。これからの活躍に、期待が高まります!

ネタバレBOX

時代や歴史を語っていく物語は、どうしても淡々と話が進んだり、深く登場人物に介入しづらいイメージが個人的にあったのですが、ピンポンと伝説の卓球一家、それを取り巻く周囲の人々という三つの視点から高度経済成長に燃えていた日本の行く末を見るという発想は、その固定観念を一掃してしまいました。大変勉強になる素晴らしい作品でした。
ニューシネマパラダイちゅ

ニューシネマパラダイちゅ

合同会社シザーブリッツ

劇場HOPE(東京都)

2014/08/23 (土) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

シャッフル2
楽しかった~。
役者さんがまじめに変な芝居をするのが、可笑しくて可笑しくて。
もう笑いすぎて涙で良く見えません。
良質な、いや、最高のコメディです。

ネタバレBOX

水原ゆきさんの巫女姿にノックアウトでしたw
妥協点P

妥協点P

劇団うりんこ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/08/27 (水) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

快作
台本の題名が気になります。

ネタバレBOX

文化祭でとあるクラスがやるお芝居の内容に先生がケチをつけたことから始まる大騒動。

教師と生徒の純愛物語の題名は最初「よしおとジュリア」でしたっけ。それが「熊楠物語」とかに変わって、山形先生は読み上げませんでしたが、最終版は「妥協点P」じゃないかと思わず思ってしまい、役者さんたちは最後に登場する台本通りに演じさせられていたのかと思うと頭が混乱し、とても心地良い気分になりました。

学園祭の各クラスの企画を決めるためのバトルと言えば、Aga-risk Entertainment『ナイゲン』を思い出します。ナイゲンでは大人の対応という結論を出しましたが、本作品ではこの場では結論を出さず、これからみんなで一緒に考えましょうといういかにも学校公演向けという感じもしました。

ソクラテスまで引き合いに出し、一つ生徒に妥協したらズルズルと行ってしまうと言う山形先生、片や検閲は憲法違反とする結城先生、三好先生は疲れ果てて化粧が崩れかけていましたが、実際に生徒を妻にした熊楠先生がいたりして話は盛り上がりました。最後、三好先生がクルクルしたポテトで元気を取り戻され本当に良かったです。
魂などのさけび/百歳の予感

魂などのさけび/百歳の予感

トリコロールケーキ

シアター711(東京都)

2014/08/28 (木) ~ 2014/09/01 (月)公演終了

満足度★★★★

シュール!
独特なテンポと先の読めない脚本の内容が面白かったです。二本の作品どちらもとにかくシュールで個性的な笑いの世界が全開で、とても楽しめました。

山犬

山犬

OFFICE SHIKA

ABCホール (大阪府)

2014/08/21 (木) ~ 2014/08/24 (日)公演終了

満足度★★★★

☆★役者さんが力強い★☆
なかなか見応えありましたね~!
客演にカルトな人気を誇る演説家・芸人 鳥肌実さん!
女優・作家として活動を続け、初舞台に挑む森下くるみさん!
世界で活躍するブレイクダンサーISOPPさん!
そして「劇団鹿殺し」の俳優三名の
個性的過ぎる役者さんの競演
一人ひとりの存在感がハンパなく熱量が伝わってきます!

少年時代、誰にも相手にされずに屈折した感情と
一人の女性に対しての純粋な想いを持った少年役を演じた鳥肌実さん
関西ではあまり見かけない芸人さんですがインパクトあり過ぎる!
そして犬役のISOPPさんの独特な動きはより不思議な犬へと膨らませる

後半の交通事故のシーンに思わずゾクッ!としました…(^^;;
どんどんと追い込まれて狂気になっていく…

全体的に笑いもあるので恐ろしいホラーと言うより
まぁいい意味で毒々しく気持ち悪い作品に仕上がっていて
役者さんの力強さが感じるお芝居でした!

☆印象に残った役者さん
前面にでて来なくても存在感があり過ぎた鳥肌実さん!

☆印象的なシーン
手が飛んで思わずゾクッ‼︎ とした交通事故のシーン(>_<)

プラテーロと私

プラテーロと私

KARAS

KARAS APPARATUS(東京都)

2014/08/27 (水) ~ 2014/08/29 (金)公演終了

満足度★★★★★

無題1219(14-267)
20:00の回(小雨)。19:37会場着、受付、地下1階で待機、19:56開場。20:06前説〜21:16終演、〜トーク21:29。

勅使川原さんの朗読、佐東さんの「プラテーロ」。

先日観た「睡眠」とは、「パリ公演上映会」とは、今までの硬質な舞台とは、全く異なった作品。

ヒメーネス著「プラテーロとわたし」は岩波文庫他で入手できるようです。訥々と語りかける詩人(朗読 勅使川原さん)、風の音、土の匂い、季節の香り、子供の嬌声、小鳥のさえずり、柘榴、カナリア、蜜蜂、蝶、薔薇、井戸…様々な情景が直接自身の内側にわき起こります。

グレーの衣装、佐東さんはチラシにある「プラテーロ」、シッポもありますね…、ゆっくりと歩み、詩人の声に耳を傾ける、その仕草がなんとも愛おしい。行ったことも見たこともないスペインの田園を旅することができる1時間。

キスミー・イエローママ

キスミー・イエローママ

ゲンパビ

OFF OFFシアター(東京都)

2014/08/27 (水) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★

淡々とした中からにじみ出るテーマ
喩えて言えば、綺麗に面取りするなど丁寧に下拵えして下味も付けた食材と何種類かのソースを出されて、食べ方を委ねられたような。
それは途中で投げ出したという否定的な意味ではなく、どういう食べ方をしても構いません、味わい方は皆さんにお任せします、という感覚で。
淡々としているし、暗転明けに年月が経っていたりもして(ただし経過したこととその幅はすぐにワカる)、ちょっととっつきにくいけれど、その裏から「罪と罰」「死刑とその執行方法」「親子」なんてテーマ(=いずれも正解はない)がにじみ出て来る感じ?
その意味で「中・上級者向け」かも?(あくまで私見)
観ている間は先に進んでしまうから反芻の余裕がないけれど、後から振り返って「自分があの立場だったらどうだろう?」とかいろいろジワジワと来そう。
あと「イエローママ」がキレイだったなぁ。

空 -SORA-

空 -SORA-

劇団ZAPPA

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2014/08/21 (木) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★

時代劇は苦手でしたが・・・
迫力がすごく、2時間半が短く感じるほどストーリー展開に引き込まれました。通路を挟んだがすごく、中央の贅沢な席も全体が見渡せて良かったです。

一二人の怒れる男

一二人の怒れる男

東北えびす

座・高円寺1(東京都)

2014/08/01 (金) ~ 2014/08/03 (日)公演終了

小説好きな人向き?
私にはちょっと難しかった。

登場人物がそれぞれ複雑な心理を持っていて、ただ見て面白いって演目ではなかった。
嫌味な役が、見てて不快なくらい、嫌味でした。すごい!

女性がいない芝居を初めてみました。

青春再来我愛你(セイシュンサイライウォーアイニィ)

青春再来我愛你(セイシュンサイライウォーアイニィ)

かのうとおっさん

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2014/08/22 (金) ~ 2014/08/25 (月)公演終了

3つの視点
3人の登場人物にスポットを当てて、話が展開していく。
私は初めの話が気に入りました。
笑いがたくさんあったから。
あとの2つは、ちょっぴり切なかったです。

大阪の地下鉄が出てきて、楽しかったです。

空 -SORA-

空 -SORA-

劇団ZAPPA

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2014/08/21 (木) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

迫力満点
アニメを見てる感覚でした。
殺陣、場面転換、音響、照明とすべて工夫されてました。

今回は前の方で見させてもらったのですが、4列目以降の方が全体が良く見えていいかもしれません。

KOMA'

KOMA'

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 小ホール(埼玉県)

2014/08/28 (木) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

観る者の、心を打つダンスとは、どのようなものなのか
年齢から、気持ちから、解放されたダンサーたち。
美しい。

ネタバレBOX

平均年齢が70歳以上の、さいたまゴールドシアターのダンス公演。
まさか、老人たちのお遊戯を見せられるんじゃないだろうな、なんて失礼なことを思いつつも会場へ。

「新作」としかわかっていなかったタイトルが会場で明らかになった。
『KOMA'』
たぶんドイツ語なのだろう。
「昏睡?」

なんて素晴らしい作品!
魅力的すぎる。

演出がいい! 本当にいい!
踊り手たちに、まったく無理がないのだ。

例えば、大駱駝艦の舞踏のように、単に立ったり座ったりしているだけなのに、見ているこちらの手に汗をかかせたり、鳥肌を立たせたりという、鍛え上げられ、突き詰められ、考えられた先にある踊りと、訓練を積んでいない素人の踊りは違うと思う。誰が考えてもそうだろう。
その専門家と素人の差は、ダンサー(踊り手)のセンスと資質も大きいが、さらにプラスされる「鍛錬の時間と量」にあるのではないかと思っていた。

ゴールド・シアターの方たちはどれぐらいダンスのレッスンをしたのかはわからないが、専門専業のダンサーとは比べものにならないぐらいの少ない時間と量であろう。
しかし、ゴールド・シアターの作品に「凄い」「素晴らしい」「美しい」と感じたのだ。

もちろん、「素晴らしい」の意味は、鍛え上げられたダンサーたちの表現に感じる「素晴らしい」の意味とは違う象限にあるのかもしれない。
しかし、「素晴らしい」と感じる心はひとつだ。

これはどういうことなのだろうか。
それは、つまり、表現者にとって、突き詰めて考えた先にあり、結果、「考え」のなくなった極限とも言えるダンス(表現)という意味において、鍛錬を重ねた人たちと近いところに行けたのではないかと思ったのだ。

そこに行くにはガイドが必要だ。それもとびっきり優秀なガイドでなくてはならない。
したがって、瀬山亜津咲さんがいかに素晴らしいガイドだったのかを、舞台の上に見たのだ。

言ってしまえば、「音楽に救われた」という部分もあるし、本水を使ったりの演出表現にも助けられていたところもあると思う。
とは言え、それだけでは観客を感動させること、「素晴らしい」と思わせることはできない。

では、演出以外に何が一体良かったのか、と言えば、「年齢」だろう。

さいたまゴールド・シアターは「年齢」をきちんと武器にしてきた。
最初の頃の演劇作品ではそれぞれが積み重ねてきた歴史を吐露させたり、台詞を覚えられないことをも1つのショーとして見せていた。
それに対しては「まあ、そんなもんだろう」とタカを括って見ていたりもしたのだ。

しかし、公演を重ねることでその見方が変わってきた。
「年齢」は武器になる。それを使わない手はない。
使うことで「意味」も出てくる。

さいたまゴールド・シアターのメンバーたちの「顔」や「身体つき」は、情報量が多い。
受け手にいろいろなことを感じさせる。
それが「年齢」だ。
立っているだけで「画」になる、なんて言い方もできる。

しかし、実は「立っているだけで画になる」というのは難しいのことなのだ。
「自然に」「自分のありままの姿で」「立つ」というのは難しい。

今回のこの作品では、それをさいたまゴールド・シアターのメンバーが手に入れたのではないだろうか。
歩く姿だけでワクワクさせるような、「ありのままの姿」を手に入れたということだ。

ダンスも芝居も「思い切り」が必要だと思う。
「年齢」というものは、(受け手に想像をかき立てることで)ビジュアル的にプラスになることもあろうが、「思い切り」という面では気持ちにブレーキを掛けてしまいがちになるのではないだろうか。
だから、「立っているだけで画になる」というものを獲得するために、「思い切りの良さ」も手に入れたのだと思う。
「年齢から解放された」と言ってもいいかもしれない。

瀬山亜津咲さんが、何回ものワークショップなどを積み重ねることで、彼らにその道筋を見つけさせたのではないか。身体を使い、ほぐして、リラックスし、気分や気持ちも解放されたのだろう。
それが結実して、今回の作品になったのだろうと思う。

先にも書いたが踊り手たちに「無理がない」のだ。
「無理を感じさせない」と言ってもいい。
解放されているから、ためらいも、てらいも、ない。
手は上がるし下がるし、足は前に出るし、身体は沈んでいくし。

ただし、年齢を重ねた人たちが、よいガイド(演出家)に指導されれば、素晴らしいダンス公演が必ずできるわけではない。
この作品でも、「私が観た回だけ」が素晴らしかったのかもしれない。
この先、またダンス公演を行うのであれば、いちから始めなくてはならないだろう。
そういう儚い「一瞬」の面白さもあるのではないか。
だから、それを知らず知らずのうちに感じ取っているから、観客は感動するのかもしれない。

専門のダンサーたちとはそこが違う。
つまり、専門のダンサーたち表現者は、訓練と鍛錬を重ね、経験を積むことで、「いつでも」「どこでも」素晴らしいパフォーマンスができる身体と心を手に入れている。
しかも、最高のダンサーたちは、毎回毎回の公演を「新鮮」に届けてくれる。
まるで、「今、初めて踊っている」ようにだ。
それはプロフェッショナルが作り出せるスリリングさである。

そこが両者の違いであり、意味だ。

オープニングはくるくる回りながら舞台の上を円を描くように動いていく1人の女性で始まる。
「自転と公転」のようで、「地球」とか「時間」とかを表しているのではないかと思った。
その人が、円を描いて動いた先で壁にドンと当たって止まる。
「地球」とか「時間」とかを想像していたのでどきりとした。

マイクの前で怒りのようなポーズをしながら、自らに付けた名前を、その理由とともにしゃべる人々。
「タンポポ」などの花の名前だったり、「自由」などのワードだったりする。
声を出すことで、身体も気持ちもほぐれていく。

水が天井からぽたりぽたりと落ちるシーンが印象的だった。
全員が床に座ったり横になったりして、その水を身体に受ける。
男性は上半身裸になり、女性は襟元を開け胸元で水を受けたり、口を開けて水を受けたりとさまざまである。

マスク前のパフォーマンスにあった植物の名前が頭の中に残っていたので、彼らが「植物」に見えた。
水を求める植物。
しかし、枯れているのか(失礼・笑)、伸びていかない。
そのうち、彼らは身体を丸める。
それは「種子」だと思った。

植物は「枯れて」その後に「種子」を残す。
「後に残すモノ」というのは、年齢とともに切実になるのではないだろうか。
「種子」(生物的な意味だけでなく)が残せれば幸いだと思う。
そういう「願い」のようなものを感じた。

その種子の回りを、冒頭と同じように自転・公転をしながら女性が通り過ぎる。
限りある時間。
連綿と続く命と意識。

大笑いして、目をつぶって歩いて、生きていることを確かめて、ラストは整理体操のように、呼吸をし、身体をほぐして「現実」に戻ってくる。
暗転しながらもそれが続く。
「続く」ということもいいのだ。

公演後に当日パンフを見て驚いた。
今回の出演者の年齢にだ。
一番若くて63歳、一番年長な方は88歳。
姿は確かに老人だったが、ダンスはそうではなかった。
もちろん若者のような激しいダンス、テクニカルなダンスというわけではないのだが、一挙一動にすべてを出し切っているような、気持ちのいいダンスであり、パフォーマンスであったと思う。

終演後、何もアナウンスがなかったが、ワークショップらしき映像が流れた。
約10分間。これも面白い。
最高の夏にしようねノイローゼ

最高の夏にしようねノイローゼ

めのん!

下北沢ReadingCafeピカイチ(東京都)

2014/08/25 (月) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

魅力的な出演者たち
7作品を観終えて最初に思ったのは「よくこれだけ魅力的な出演者をそろえたなあ」ということだ。出演者には女優だけでなくミュージシャンもいるのだが、各作品が彼女たちの本来の魅力だけでなく意外な魅力(ふだん演じないであろうこと)も引き出していた。出演者それぞれにファンがいるので、お目当てではない出演者の作品を観る場合があったと思うが、多くの観客が全ての作品を楽しんでいたように感じた。

昨年のリーディング公演「サマーホープ」がきっかけで澁谷桂一さんの作品が好きになり、この1年彼の作品(リーディング公演、映画、音楽)を鑑賞してきた。今回の7作もそれぞれ良かったが、もともと演劇畑ではない彼が「サマーホープ」と「夢で逢えた(ら)」の2作品を素晴らしい「ひとり芝居」として完成させていることは特筆すべき点である。
特に「夢で逢えた(ら)」の藍乃聖良さんには驚かされた。凄い女優さんだと思う。

また、魅力的な写真とテキストからなる有料パンフレット、アフターイベントの白波多カミンさんミニライブや物販など、少人数で運営しているにも関わらず、イベントとしての完成度も高い。
あえて注文をつけるとしたら、数分でも開演が押すのであれば、定刻にはアナウンスした方がいいだろう。

そして、最後になるが、やはり安川まりさんは素晴らしい女優だと思った。「サマーホープ」はもちろんリーディングの「発光」も素晴らしかった。でも、やはり私は「サマーホープ」が一番好きだ。今後も繰り返し上演して欲しいと思う。

赤と黒=RED&BLACK

赤と黒=RED&BLACK

劇団ドガドガプラス

浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)

2014/08/22 (金) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

最も良い演技をしていたのは、余 華南役
 第二次世界大戦・及び太平洋戦争の終結は、日本がポツダム宣言を受諾し、無条件降伏を認めた1945年9月2日である。無論、この日を敢えて名付ければ敗戦記念日である。8月15日は終戦記念日と呼ばれているが、これは、敗戦という事実から目を逸らせる為の詭弁に過ぎない。この「国」のまやかしを挙げれば枚挙にいとまが無いが、こんなことを書いたのは、今作の冒頭で、現代日本の高校生が登場してくるからである。如何にも、どこか緩んだ雰囲気が描かれるのだが、同時にヘイトスピーチ等が、国連でも問題にされるような状態で多発しているこの「国」の現状を、敢えて舌足らずな表現で表しているように思われる。(追記とりあぇず)

ネタバレBOX

 歌の中心を担ったのは、樺島 芳子役だが、いかんせん、リズム、音程どちらも狂う。できれば、歌わせたくない。シャンソンの語りのような歌唱法も、抜群の歌い手がやって初めてホントにできる唱法であってみれば、彼女には、申し訳ないが無理であろう。
 で、今作、自分は、シナリオ、個々の役者の演技、演出に焦点を絞って観た。結果、歌のマイナスを考慮しても、★5つをつけた。その理由は、もう少しお待ち頂きたい。
 時間がないので、肝要な点だけ。
物語は、表主役と、裏主役の2層構造。裏主役は余 華南だ。オープニングのダレダレは、全体の起承転結の中の起。ダレダレで始まるのは演出である。以上2点を指摘しておく。
アムステルダムの朝は早い

アムステルダムの朝は早い

劇団半開き

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/08/27 (水) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★

拘置所19番の科白
 作家も自嘲気味に述べている通り、凶悪犯の話でも、死刑囚の話でもなく、軽犯罪の初犯の話であるから、ここ迄演劇的に要求すること自体ナンセンスと言われかねないが、矢張り、これだけ多くの新作が作られ、上演されて、そのうちのある程度の作品は拝見している身として言わせて頂いている。

ネタバレBOX

 要は、「女は愛されてナンボ」という拘置所19番の科白に象徴されてしまうのか? ということである。ケツを捲るというのは、この程度のことか? というのを問いたいのである。無論、現実にどうのこうのというより、見沢 知廉が獄中で受けた辱め(独房での糞尿垂れ流し放置や鉄条網上での正座等々)のようなことを敢えてミックスしてしまっても良いのではないかと考える。というのも、正確に日本の留置、拘置制度を書きたいのであればドキュメンタリーなどの方が鮮明に批判ができようし、アメリカとの比較もより客観的に出来るであろうからである。要は作家が何を描きたいかなのであるが。
日本の人権を無視した司法制度を効果的に描きたいのであれば、自分の挙げたような例をミックスするのもありかとは思う。まあ、司法からのクレームのことも考えなければならないから難しさはあるだろうが。演劇的には、よりエッジの効いた作品になるとは思う。
 自分はこのようなポジションなので、小じんまり纏まり過ぎているという印象を持った。
 どだい、アメ公にちゃちゃ入れられりゃ何が何でも従うチンケなオカマ野郎が、最高裁判所裁判官である。こんな茶番がまかり通る「国」の法なんぞにどれほどの意味・権威があるものか? 茶番に過ぎまい。官僚機構が冷たいのは、この茶番を隠さなければならないからであろう。一方、マッポが、ある意味、人間的なのは、彼らの職務がもともと、甲賀の下人に担われる類のものであったからではないのか? 忍びのうちで下人とは、無論、穢多、非人と同列の被差別民である。苦労の多い分、杓子定規で非人間的な日本の官僚共より、より人間的であるのかも知れぬ。
赤と黒=RED&BLACK

赤と黒=RED&BLACK

劇団ドガドガプラス

浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)

2014/08/22 (金) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

進化し続ける舞台。
初日・2日目に続いて観劇。
客演さん(岡田さん、辻さん、石井さん)の熱演が舞台により良い華を添えていらっしゃいます。
しかし、冒頭のナンパね商のシーンから迫力半端ない!まさに若さ爆発ですね。
歌&ダンスも楽しくて頭から離れないです。
ゆうきさんの登場シーンのアカペラは聞き応えありましたし、存在感がたっぷり。後半のキーパーソン中田さん丸山さんは毎回安定した見応えあるシーンたっぷり。
前半ご覧になられた方も演出が少し変化されている部分もあり、もう一度ご覧になられても違う発見があるかも。

ネタバレBOX

ネタバレではないですが、劇団ブログを観劇前と後にご覧になるとさらに楽しめると思います。

見る所により印象がかなり違います。

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