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福喜多さんちの三兄弟7

福喜多さんちの三兄弟7

劇団925

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2014/09/06 (土) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

日常が・・・
テレビで見る短時間のお家コントのようでありながら、
時間は、あっという間に経っているという、
なんなのだろうと思いながら引き込まれてしまう作品でした。
大型台風で、家がえらいこっちゃになるのかと思いきや、
でも、台風という設定がないと続いていけない、
すべてが、次へ次へと組み立てられています。
できた脚本に、みなさんの演技、本当に、お宅を覗いているような気になりました。
これから、何が起こるの、どう進展するのと、先が見えないまま、
でも、ほんわかな家の様子は、おもしろく、
結局、台風のようにやってきたお二方の悩みを解決するのが、軸だったのかと気づいたころには、終盤でした。
登場しないけれど、存在している家族、いつ帰ってくるの、どんなリアクションしてくれるのと、待ってしまいます。
誕生会まで、想像できてしまいます。
福喜多家に引き込まれてしまうのでした。

マナナン・マクリルの羅針盤

マナナン・マクリルの羅針盤

劇団ショウダウン

シアター風姿花伝(東京都)

2014/09/05 (金) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題1240(14-279)と1241(14-280)
9/6 19:30の回(曇〜雨)。18:45受付(チケットレス、整理番号券あり)、19:00開場、19:30開演〜20:27、休憩、20:37〜21:48終演。

9/7 11:00の回(曇)。10:15受付、10:30開場、11:02開演〜11:59、休憩、12:10〜13:20終演、アフタートーク(ゲスト 池亀さん)〜13:40。

ということで、続けて2回観ました。一人芝居にはあまり関心がないのですが、7月下旬、奈良出身の20歳の女優さん(松岡千明さん)が、20歳だから20回の公演「銀色の、ブルウ」を行ったのを観に行き(この時も2回)、とてもよかったので、京都出身の林さんも観てみようと思った次第(いい加減な動機ですみません)。

上手に帆船を模した造形、下手に深紅の布が乗ったテーブル、ロープが何本もかけられ雰囲気良好。

情景の展開が丁寧なのと、ガイド役&すべての登場人物を演じる林さんの演技、照明・音響の効果が一つになり、目の前に現れる大海原、港の酒場、海上の闘い…胸躍る大冒険でした。一人芝居はあまり動くことがないと思うのですが、林さんの運動量、役ごとに切り替える声、トーン、感情の揺れ、高ぶりが終始コントロールされていました…感嘆。

終演後、台本とCDを購入、また観たいと思います。

夏の砂の上

夏の砂の上

作戦会議

Ito・M・Studio(東京都)

2014/09/03 (水) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

見応えのある芝居
(観劇日当日のtwitterより)

作戦会議第4回公演「夏の砂の上」拝見@Ito.M.Studio 代々木上原。代々木上原東口を出て、まっすぐ、しばらく坂を登りきったところ、右折、住宅街のまん真ん中に、小さなスタディオ!50人程で一杯、補助席も出る盛況。2時間20分、休憩なし。こういう劇場があるのか…。

ネタバレBOX

ある一家族の一部屋を、覗き見ているような錯覚に陥るリアリズム。人生あまりうまくいっていない人々の姿を淡々と描き、長崎弁の独特の柔らかさが、それらを包み込む。6畳一間が良く作られていて、そこに出入りする人たちの人生が垣間見えてくる。「夏の砂の上」にいるような日照り感も、雨が降れば。

大したことをしゃべっているわけではないし、台詞のいい返しも多いのだけれど、あのながーい「間」の取り方はどう。あの「ながーい間」の間に、いろいろなことを考えてしまうわけ。たっぷりとした「間」の芝居を久しぶりに観た思いがする。役者の間合いが上手い、作戦会議【夏の砂の上】。
回禄のニライカナイ【アンケート即日公開】

回禄のニライカナイ【アンケート即日公開】

劇団バッコスの祭

あうるすぽっと(東京都)

2014/09/05 (金) ~ 2014/09/08 (月)公演終了

満足度★★★★

観ている客がアクションを起こす事はないのか。
難しい題材をよくやったと思う。

ただ、今回、ここはちょっとどうだろう?
という部分が結構ありました。
面白くなかったから不満を述べているのではなく、面白かったからこそ、と言うのを先に明記しておく。

ネタバレBOX

公演中に客席で公安が騒ぎ出すところからはじまるのですが、凄いピントのずれたところから言うと、戦争とか難しい事の前に客席であんなに騒いでいるのに誰も何も言えない世の中になって欲しくないなあ。
誰もとは客もと言う意味で、あんなん客の誰かが文句言うだろ、と。

先に言ってしまうとこれはラストも同じで、「殴られている間、公演を止めさせない」と言うのが自分にはどうしてももやっとしてしまって。
芝居外でそんなことが起こっていて、黙って観ている客ばかりかなと。
特にあの場面に居合わせた客というのは、その芝居が違法と知っていて観に来ている客のはず。
良くも悪くももっとアグレッシブでしょう。
躍り出て何とかしようとする客もいるんじゃないかなあ。

客の視点が抜けてしまっていた様。
客としてはそう思えた。
単純に「芝居を壊す存在を許す客ではいたくない」と自分は思っています。
今回の主旨とは全くずれてるとは思いますけどね。


テーマに捕らわれすぎ、とも実は思う。
劇中でも「なんで芝居なの?」という自問自答があったので分かっているのだろうけど。
今で言うと芝居を観ていて震災の事とかひょいと出てくると、そういう出来事が芝居に影響を与えてしまうのがちょっと悲しいと思う。
テーマとがっちり向き合った作品はまあ違うのだろうけれど。
そのテーマに捕らわれなければもっと別の事が出来たかもよ?
というところまで考える。

劇中の劇団にしてもそう、一番面白かったのはオリオンビールのところだったり。
テーマに対する使命感とかは決して芝居の為にはなっていない、そういうことなのかなと。
そんなことを客に感じさせない様にうまくやれればその限りでは無いのかもしれない。

一点だけ、不満の部分があって、芝居を面白くするツッコミが一ヶ所不要に感じた。
そんな心境にないだろうという人物が急にツッコミを初めて違和感。
面白さの為にその人物の心境を無視するのは良くない。
あ、感じてたキツさってそんなもんだったんだ、と思われていいのであればOKだとは思うけど。

劇中、劇団員が抜けていくけれど、端役から抜けていくのが少しご都合に見えなくも。
覚悟が足りないから端役だったんだよという現れなのか。
そうではないと思うので、もっと別のやり方があったかもしれない。


端役にももっと物語を持たせられるのではとも思った。
特に劇団員、レギュラー(あ、これはバッコスの方の話)をもっと大事にしても良いと思う。
アンサンブルもいたけれど、違いがあまり無く感じて。
別の芝居にあった端役の忍びにすら友情の背景があって、と言うのが好みだったからというのもあるけれど。


テーマがやはり難し過ぎた様に思う。
こういったテーマをやるのが色だとは思うので、それこそ判断が難しいけど、方法は色々あると思うので、違うアプローチとかも観れたら嬉しいです。
期待。
マナナン・マクリルの羅針盤

マナナン・マクリルの羅針盤

劇団ショウダウン

シアター風姿花伝(東京都)

2014/09/05 (金) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

「マナナン・マクリルの羅針盤」最高!
とにかくナツメ脚本の真骨頂を!
林遊眠さんが一人で2時間10分やり切るのだから!
それがこれだけの熱を生むのだ。

観終わった後の充足感はやばい。

セリフが、間が、途切れると様々なご意見、
それらを聞いた上で尚、
僕の心をここまで揺らすのは何故か?
ラストシーン、自然に鼻をすすりあげる僕はとても幸せだった!!

ネタバレBOX

この作品には両極のお客様がいる。

受け入れられる方と、
受け入れられない方。

とてもシンプルなものだ。
その理由もまっとうな理由。
しかしそれを受け入れられる方の理由もわかる。
それぞれの持つ機軸が生み出す溝だ。

両社が交わることがないかもしれないが、
僕は受入れられる方を探す旅に出る方の船に乗ったのだ。
だから、
僕は満足している。

東京公演にもかかわれて僕は幸せだった。
セリフが膨大過ぎてもっとセリフを削ったらとか、
何度も詰まっているのが・・・・とか、
役者に疲れが溜まっている・・・とか、

乱暴な言い方で悪いが、そんな事ではないのだと断ずる。
この作品は女優の一人芝居トライアスロンである。
いや言い換えるなら24時間TVのマラソンランナーなのである。
萩本欣一が老体にムチ打ってボロボロで顔も蒼白になりながらゴールにたどりつくことに壮大な感動を生むのである。

このショウダウンの一人芝居は、それなのである。
林遊眠さんが走り続け、
ゴールテープを切るのを僕らは手に取り見守る公道のオーディエンスでしかないのだ。
勿論、その作品をサポートするのはその道のプロばかりである。
音楽、音響、照明、舞台セット、スタッフ、応援者、お客様。
このスタッフはその「林遊眠」の走り切る姿に、
志を同じにして並走するランナーなのである。

だからこんなに評価が分かれるのかもしれない。
だが、
こんなにスタッフに愛される作品はなかなかにない。

一緒に走れた事を心の底から嬉しく思います!


また走りましょう!
夏の砂の上

夏の砂の上

作戦会議

Ito・M・Studio(東京都)

2014/09/03 (水) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい
「演劇」本来の姿という印象を受ける作品。
<喪失感>
我々は日々何を失いながら生きていくのだろうか。
頭の中で理屈を捏ねながら観る作品ではなく、
舞台との時間を共有することで感じる作品といえる。

春田純一はじめ、役者たちの演技は素晴らしいに尽きる。

マナナン・マクリルの羅針盤

マナナン・マクリルの羅針盤

劇団ショウダウン

船場サザンシアター(大阪府)

2014/08/16 (土) ~ 2014/08/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

間違いなく最高傑作!
とにかくナツメ脚本の真骨頂を!
林遊眠さんが一人で2時間10分やり切るのだから!
それがこれだけの熱を生むのだ。

観終わった後の充足感はやばい。

ネタバレBOX

この作品には両極のお客様がいる。

受け入れられる方と、
受け入れられない方。

とてもシンプルなものだ。
その理由もまっとうな理由。
しかしそれを受け入れられる方の理由もわかる。
それぞれの持つ機軸が生み出す溝だ。

両社が交わることがないかもしれないが、
僕は受入れられる方を探す旅に出る方の船に乗ったのだ。
だから、
僕は満足している。

大阪公演にかかわれて僕は幸せだった。
Unbreakable-アンブレイカブル

Unbreakable-アンブレイカブル

演劇レーベルBo″-tanz

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/09/04 (木) ~ 2014/09/09 (火)公演終了

満足度★★★★★

現代の悪
 ギリシャ神話に登場する創世神ウラヌス、その息子で父の秘所を金剛(今作ではアマダス)の斧で切り取り海に投じたクロノス、旧約聖書偽典“エノク書”などを下敷きに、グリゴリ(地上を見張る為に使わされた天使達200人だが、人間の女と結婚することを選び、為に堕天使となった。彼らは人間には、禁じられていた技術や化粧を教えた。これが原因で男は闘うようになり、女は媚びを売るようになって、地上は退廃したという)や、ネフィリム{神(今作ではグリゴリ)と人の間に生まれた巨人、身長は1350mあったという}、グリゴリを狩る為に使わされた4人の天使達の織りなす一大スペクタクル。天使が人間を愛し、子を為したからと言って、それが罪か? とのグリゴリ達の問いは、痛切。無論、本作内容は、上記のようなうわっつらだけでは無い。(体力限界なので、1行か2行本質的なヒント追記)

ネタバレBOX

 IAEAとWHOは協定を結んでいて、核が関係すると疑われる健康被害に関しては、WHOは、IAEAの言う事に逆らえないんだよね。(コリッチの読者にまさか、IAEAやWHOが何を意味するか分からない人はいないよね。無論、まじめにそんなこと思っていないから安心? してね。 と言われてるのは、どういう意味か分かってなかった人は、考えてね)一応、説明しておくと、IAEAは国際原子力機関。WHOは世界保健機構だよね。で、IAEAは、核、殊にアメリカの核戦略体制を優位に進める為に「世界」(「」がついていることに注意)各国への軍事的核の拡散防止と、「平和利用」(「」の意味を考えよ)原発推進を両立させる為に作られた組織と言っていいよね。他にも多々あるのだけれど、本日、これまで。調べたい人は自分で調べてみてちょ。英語以外に、フランス語文献、ロシア語文献などがあるにゃ。自分はロシア語は読めないので直接あたっていないけどにゃ。翻訳で読んでいる。
 まあ、今作を神話形式にせざるを得ない背景は、このヒントをキチンと追うだけの能力があれば、自ずと見えてくるよ。も一つだけヒント。エートスプロジェクトのチェルノブイリと福島を調べてごらん。その上で、ホントに科学的な知見を比べて見ると良いにゃ。世界の為政者共の狂気が分かるハズだから。一応、参考書。「国際原子力村」合同出版、「調査報告 チェルノブイリ被害の全貌」岩波書店など日本語で読めるものを挙げておく。それと、核物理学に関しても、京大の小出さんの本は読んでおくべきだろうにゃ。この程度は最低限、今作を理解する為に調べるべし。これ常識!
脱衣する蛹(さなぎ)

脱衣する蛹(さなぎ)

ポーラは嘘をついた―Paralyzed Paula―

早稲田大学大隈記念講堂(東京都)

2014/08/29 (金) ~ 2014/08/29 (金)公演終了

満足度★★★★

無題1239(14-278)
17:00の回(晴)。16:35会場着、受付、中へ。16:45/56前説(アナウンス、50分)、講堂らしい講堂、舞台が高いので少し後ろ(E列)に座ります。緞帳がおりていて、手前に照明。17:05開演ブザー、ヴァイオリンが聴こえてきて(長い…)開演〜17:48終演、アフタートーク17:59〜18:30。

台の上に大きなベッド、「蛾」に侵食されるのは「外」か「内」か…というお話のようです(違ってる?)。

大隈講堂に入ったのは2回目(学生時代、模擬裁判をみました)。アフタートークで、声がよく届くというお話がありましたが、そうも思えず、舞台上の空間に吸い込まれてしまうように感じました(やや聴き取りにくい)。

「余白(2013/5)」からで4作目、早稲田で唯一続けて観ているユニット。「ある程度の教育」の映像(全編)がYouTubeにあります。

劇中、「何かが道をやってくる(Something Wicked This Way Comes)」という作品のタイトルが意識にのぼる…何十年も前に買ったのに未読。「侵食」「妄想」「寄生」「本物」「逆流」、本作の説明にあるコトバ→ヒッチコック「鳥」、ウィンダム「トリフィド時代」、マシスン「地球最後の男」、十七戦地「花と魚」…勝手にいろいろ展開。

もう終わっている「みのかも文化の村」の公演では、室内版とは異なる演出を考えているということでした。

末路へ至る道しかみえないにもかかわらず、女は感情を喪失し、何をみて、何処にいるのか…とても刺激を受ける作風でした。蝕まれて、溶けてゆく内側、観客すら巻き込んだ外側、拒絶される外側、森。

「Your inside is out when your outside in…」White Albumですね。

アフタートークで、福澤さんのダンスについてのコメントはなかったのですが、履いていたのはダンスシューズ(?)、回転する時、縦軸がぶれないので基礎がしっかりできているのではないかと思い、劇団森のサイトに行くと、ダンス公演ありました。

グレーテルの妹

グレーテルの妹

シアターノーチラス

OFF OFFシアター(東京都)

2014/09/03 (水) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★

最終日に拝見
 いつもながら、日常の何気ない些事に鋭く深く丁寧なタッチで切りこんでくる、シアターノーチラスの冴えが光る。この劇団の持ち味は、しみじみ考え込ませるような作品を毎回練り上げてくることで、大した力量である。今後とも見続けたい劇団の一つだ。もう一つ、話題性を獲得する為に、社会的事件と絡める手法を取り入れれば、ブレイクするは必定。(ネタバレ追記後送)

ネタバレBOX

 ヘンゼルとグレーテルは、1度目に森に入った時は、道しるべに小石を落としていったのに、2度目は何故、小鳥に食べられてしまうパン屑を撒いていったのか? いきなり鋭い問い掛けが為されて、物語は始まる。この問いと答えは、妹が出すのだが、認知症の初期段階にある父は、最近では、毎日、森に出掛けるのである。行く場所は、決まっているので、捜索に手間取ることは無いのだが、失踪した母を探して、毎日森を彷徨い歩くのが、日課になっていたのだ。
【無事に終了しました!ありがとうございました!】「vivi mimi」 「ネリネ」

【無事に終了しました!ありがとうございました!】「vivi mimi」 「ネリネ」

キレイゴト。

レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)

2014/09/06 (土) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

光景
縁あってこちらに。
その縁が自分的には結構素敵だったりするのですが。

何も直裁的に「芝居します!」
だけが宣伝になるわけではなくて、その演劇感が見える事によって、関わる芝居を観てみたいと思う事だってあるのです。


再演のものとその後日談との二本立てでした。
二本目がよく効いていたと自分は思う。

前説と後説の構成をきちんと考えた、というのが自分にはクリティカルポイント!
そう、そこもこだわっていい部分なんだよと。
細部にこだわりが乗っているのを感じれました。

良い「光景」だったと思います。

Kiss Me You ~がんばったシンプー達へ~

Kiss Me You ~がんばったシンプー達へ~

株式会社エアースタジオ(Air studio)

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2014/09/03 (水) ~ 2014/09/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

A公演(4公演目):音と声と音楽とお芝居
波の音とセミの声と音楽とお芝居が、融合して、より心にしみいる舞台となっている。
モノマネもあり、楽しい。

HOTEL CALL AT

HOTEL CALL AT

メガバックスコレクション

南大塚ホール(東京都)

2014/09/06 (土) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

いつか行くホテル
第25回池袋演劇祭「優秀賞」受賞による公演ということで代表作を観る機会が得られた。
小さい劇場で舞台いっぱいに作り込むいつものセットも迫力あるが、
こういう大きな空間を100%活かす作品の選択、高低差と奥行きのあるセット、
空間を飾る豪華な衣装、ドラマチックな照明と、まずその舞台作りが素晴らしい。
早い段階でタネ明かしをした後の展開に深みがあり、そこはメガバの真骨頂だが、
一方軽妙な笑いも散りばめられていて、そのバランスが秀逸。

ネタバレBOX

入口で背の高い青い髪の男性に「ようこそ」と迎えられた時から
メガバ・ワールドは始まっていた。
彼の足元には酔っ払いのような男がひとりごろんと横になっている。
客席の後ろの方で「ごめん遊ばせ、ここより後ろの席は全て買い取っておりますの」
という張りのある声が何度か響く。
舞台上では白塗りの男がトランプタワーに挑戦している…。
客席に混じった出演者のキャラが自然に伝わってくる客入れの演出が巧み。
そして青い髪の男が、このホテルの主トライアラスキー伯爵であることが判る。

トライアラスキー伯爵(キリマンジャロ伊藤)と
その右腕フェイズランド(野口広之)が取り仕切るこの「HOTEL CALL AT」に
今夜は8人の団体客が来る。
彼らは皆同じバスに乗り合わせた客たちだったが
やがて驚愕の事実が明らかになると、客たちはパニックに陥り大混乱になる…。

不思議なホテルを舞台に、“生への執着”と“自己の存在意義”が交差する。
自分の存在意義が信じられない者は生への執着が薄くなる。
一人ひとりの人生が浮び上るような展開と台詞が素晴らしく、惹き込まれた。

トライアラスキー伯爵を演じるキリマンジャロ伊藤さんが大変魅力的。
謎めいたホテルの中、ドラマチックな台詞が際立って、物語を牽引する。
白塗りのフェイズランド役の野口広之さんも強烈な印象を残す。
客入れ時から一貫してフェイズランドのキャラを保ち、伯爵との息も絶妙で見事。
金と宝石に執着するウェイン夫人役の大里冬子さん、
声の表情が豊かで、後半の心の変化がくっきりと浮き彫りになった。

高低差のあるホテルのセットが、不思議な雰囲気を醸し出していて素晴らしい。
ドアの向こうの光など、照明に工夫がありとてもドラマチックで良かった。

滝一也さんの本は、いつも“人の心の変化”をとらえて提示してくれる。
辛く苦しい選択を強いられる人の、受け入れて再び歩き出す強さを見せてくれる。
メガバックスが描く過酷な設定は、そのための試練なのだと思う。
創り手の“人生を肯定する”真摯な姿勢にいつも心惹かれる。
蕎麦屋の兄妹

蕎麦屋の兄妹

あひるなんちゃら

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2014/09/06 (土) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

女友達編を鑑賞。星のホールの素舞台ってこんなに広かったんですね。。。な70分(笑)。
星のホールの広い舞台をわざと持て余す演出を含め、とても面白かった。

ここの芝居にはちょっとした教訓を含むものとそうでないものとがあって、本作は完全に後者。
潔いほどにバカバカしいやり取りのみから成り立っていて、お気に入りは女4人であるものを探すシーン。
ツッコミ役の1人を除く3名のボケの連鎖に一切の手加減がなく、クスクス笑いが止まりませんでした。

それにしても、宮本菜津美さんの快活なボケっぷりは、観る者をスカッとした気分にさせますね。

なお、女友達編は、ここらしい“あまり張り切らない”演技体で演じられていましたが、男友達編はどうなんでしょう?

約70分。

ネタバレBOX

「じゃあ……外国のお金?」
女たちが探しものをする既述のシーンで繰り出されるこの言葉が、本作でいちばん笑ったセリフ。
これを聞いた時ばかりはクスクス笑いでは収まらず、笑いくずれてしまった。。。
ゾンビの瘡蓋 

ゾンビの瘡蓋 

FOURTEEN PLUS 14+

ぽんプラザホール(福岡県)

2014/09/06 (土) ~ 2014/09/08 (月)公演終了

満足度★★★

よかったです!
14+さんの公演を初めて観に行きました。
あらすじを読むかぎり、結構暗いシリアスな感じかと思っていました。
ですが、所々台詞の掛け合いや動きなどで笑える場面があり、面白かったです。なんだか、役者さんスタッフさんはもちろんですが、観客の皆さんもファンが多いのか、劇場全体がアットホームな雰囲気で暖かい気持ちになりました。また公演あれば観に行きたいと思います。

ただ夏の夜の夢のごとし

ただ夏の夜の夢のごとし

遊劇社ねこ印工務店

荻窪小劇場(東京都)

2014/08/28 (木) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★

試みは面白かったけれど。
「夏の夜の夢」を舞台を現代のテレビ局に変えて、
でも台詞の大半は原本通りという作品。

試みは面白かったけれど、
原本の全キャラは出ない、その出ないキャラの台詞もその場にいる人たちで割り振って言ったり、
原本まんまと舞台を変えたのに合わせて変えた台詞が混ざっていたりで、
「夏の夜の夢」をよく知らない人にとっては混乱の元にならないかな?と思ったり。

原本知らないで観た人の感想も聞いてみたいですね。

ネタバレBOX

どのシーンも、面白いに届くラインに
間だったりテンションだったりどこかの要素がちょっと届かない、
そんな感じでした。
瀕死の王さま

瀕死の王さま

札幌座

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/09/04 (木) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

コンパクトで派手で
2010年にレパートリーシアターKAZEで観たものよりも王様が惨めったらしくなく、面白く分かり易かったように思います。

ネタバレBOX

当日パンフレットには各役者の役名と共に台詞の一部が載っていて、見開き左上の第一王妃の言葉に物語の本質が書いてあったように思います。

王様は死ぬことは知っていましたが自分の死は当分先だと思っていました。そして、王様は火薬を発明し、宗教改革をし、宗教改革反対派を支援もしました。要するに、王様は全ての人間そのものでした。

王様の死は他人事ではなく、環境に影響を与え、環境から影響を受けた人間、あるいは生物の一部として、その時が来たら静かに消えようと思いました。

第二王妃役の坂本祐以さんがきゃりーぱみゅぱみゅさんのように見えてしまいました。
谺は決して吼えない

谺は決して吼えない

一色洋平×小沢道成

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/09/04 (木) ~ 2014/09/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

幸せな時間
二人芝居。最高の二人でした。圧巻されっぱなしの時間でした。話しもすごく良かった。オレノさんの音楽も、素敵でした。素敵な時間をありがとうございました。

福喜多さんちの三兄弟7

福喜多さんちの三兄弟7

劇団925

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2014/09/06 (土) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★

ほのぼのしました
演劇をはじめて観るという友人を誘って観ました。友人もとても面白かったそうです。あの座席番号の着いた座布団がとても可愛くて素敵でした。皆さん個性が出てて素敵だったんですが、特に良かったのがアキタ君!出てくるだけで面白いってのはすごいなと。アフタートークが面白くて面白くて、最後まで楽しませてもらいました。

HOTEL CALL AT

HOTEL CALL AT

メガバックスコレクション

南大塚ホール(東京都)

2014/09/06 (土) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

やっぱり良い!!
『HOTEL CALL AT』を観るのは今回が初めて。

以前”あうるすぽっと”で観た舞台もそうだったけど、大きなホールでやる時のメガバックスは、いつものダークな雰囲気を少し抑えて、子供から大人まで幅広く楽しめるような娯楽色の強い作品にしてるみたいだけど、むしろこっちのほうが好きかも。今回も重いテーマを扱っていながらも、笑いも散りばめられていて、とっても良質で心地良い舞台だった。
舞台美術も素晴らしい!!

それだけに4ステージで終わってしまうのは惜しい。。。


上演時間:120分

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