ロケット・マン
劇団鋼鉄村松
テアトルBONBON(東京都)
2014/11/06 (木) ~ 2014/11/09 (日)公演終了
満足度★★★★
びっくりするほどまっとうなSF作品
冒頭こそコメディテイストがたっぷりあったのですが、物語が進むにつれてどんどんまっとうな人類挑戦のクロニクルに研ぎ上げられていくことにびっくり。
しかもそれが最後までしっかりと貫かれていました。
ネタバレBOX
劇団がもつウィットのセンスは、物語のわかりやすさの部分に良く生かされていて、それが物語の歩みに観る側を置いていかない力にもなっていたように思います。
冒頭のロリコンねたなどを観ていると、こんな展開になることは想像もできなかった。しかもそのロリコンねたが、きちんの物語の柱としておかれ続けていることにも感心。どこかでへたれるのではないかとも思っていたのですが、最初と最後もしっかりと結ばれて、だてに20周年ではないことを証明。
そりゃ物理学的なこまかい突込みはあるのかもしれませんが、物語の流れに観る側を委ねさせる力があって、終演まで時間を感じることはありませんでした。
SINGIN'IN THE RAIN ~雨に唄えば~
パルコ・プロデュース
東急シアターオーブ(東京都)
2014/11/01 (土) ~ 2014/11/24 (月)公演終了
満足度★★★★★
最高のエンタメステージ
昔映画で夢中になった「雨に唄えば」。正直言えば、観る前は不安もありました。
アダム・クーパーがミュージカル俳優なわけではないので、歌唱力や、セリフなどにどの程度の力量があるのかが不明だったからです。
でも、その心配は杞憂でした。映画のイメージを壊すことなく、しかも舞台作品としての魅力も加味されて、本当に看板に偽りなしの、誰もが微笑まずにはいられない、愛すべきミュージカルステージでした。
しかも、カテコで、撮影許可が出るのが嬉しい!
とても、お洒落で心がホッコリする、素敵なショータイムを堪能しました。
個人的に、記念すべき日に、愛する息子と観劇できて、幸せな一夜の思い出ができました。
ネタバレBOX
映画では、劇中劇の映画撮影シーンが、作品の映画シーンと区別がつきにくく、繋がった視覚でしか観られないのですが、この舞台では、映画撮影のシーンは、レトロな雰囲気の当時の映像を再現したような、スクリーンに映し出されるため、雰囲気が伝わって、より愉快なシーンとなりました。
アダム・クーパーの歌は、普通に上手いし、他のキャストは、どなたも実力派アクターばかりで、視覚も聴覚も、心地よく刺激されて、観客としても、ワクワクする公演内容でした。
最後のシーンでは、自然な成り行きで、観客も、登場人物として、舞台に参加できてしまうお洒落な演出にも、嬉しくなりました。
全ての演劇愛好家に観て頂きたくなるステージでした。
朱の半宵 ―アケノハンショウ―
お茶の間ゴブリン
d-倉庫(東京都)
2014/08/06 (水) ~ 2014/08/10 (日)公演終了
満足度★★
妖力のなさそうな 物の怪
予想よりおどろおどろしくなく、ひいき目にみても もののけたちの妖怪力が低い気がした。 物語は面白い いけにえの彼女と蛇の彼女の入れ替わりがよくわからなかった。 たぶん わたしの頭が固いのだろう。 天狗ももう少し年齢がほしかった。
Breath 御息
Camale hoju
アサヒ・アートスクエア(東京都)
2014/11/08 (土) ~ 2014/11/08 (土)公演終了
満足度★★★★★
無題1297(14-346)
19:00の回(曇)。18:25受付、開場。桟敷+ベンチ+椅子席(7列)。
2つの円柱に白い布が巻きつけられ、下手の出入り口には布が大きな漏斗状に織り込まれ世俗から遠く離れた異界の冷やかさを感じます。
「Camale hoju」は「Breath(2014/4@六本木)」を観ていて2作目です。
最前列の桟敷席には若干空席がありましたがほぼ満席、お客さんの年齢はやや高めで、ご婦人グループは賑やか...ふと前(私は2列目のベンチシート)の桟敷席をみると一人のご婦人がとなりのクッションを手に取り、ご自身のに重ねました。なんと大胆な(まだ客入れ中です)、もちろんチラシは床の上、堂々と胡坐。
19:07前説(アナウンス、90分)、19:09開演~20:37終演。
全11演目、蜜月さん、田辺さんのチーム、ソロ、最後は6人で。
白い衣装が巫女(神子)、ギリシャ神話の女神のようにみえます。
厳かなものからビートをきかせたものまで音楽も多彩。
マッチ売りの少女
CHAiroiPLIN
d-倉庫(東京都)
2014/11/06 (木) ~ 2014/11/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
マッチ売りのダンス
不条理劇にダンスは合いますね。
ネタバレBOX
メインの姉に付属的な姉が7人いて、姉は全員で8人でした。その8人の姉が男にマッチを売っていたところを表現するダンスは素晴らしかったです。
ズロースをチラ見させるために前転したり男の肩に足をかけたり、複雑な構成のダンスを何度も何度も繰り返すのはよく間違えないものだと感心しました。8人の中には男性が二人いたのですが、男性の姉が逆立ちしてパンチラしようとすると、お前のは見たくないと言わんばかりに男が押し返すのが愉快でした。
映像を映したりもした大きな箱がマッチ箱だったのにはビックリ、7人の付属的姉たちが実はマッチ棒で、それぞれがマッチ箱に収まったのも素敵でした。
五月雨の夜に吼える犬
EVENT-STATION.
王寺町地域交流センター(奈良県)
2014/11/01 (土) ~ 2014/11/03 (月)公演終了
本水にびっくり
凝った当日パンフレット、色鮮やかな衣装などのビジュアルの美しさはいつものことだが、今回は特に板蓋宮や上宮王家など、背景美術もがんばってるなあと思って見ていたら、クライマックスの雨のシーンで本当に水が落ちてきた。スタッフの頑張りもだが、本水を許したリーベルホールの雅量にも感心。
爆弾魔メグる
あたらしい数字
インディペンデントシアターOji(東京都)
2014/11/07 (金) ~ 2014/11/10 (月)公演終了
満足度★★★★
原寸大の恋愛
原寸大のめぐる
ネタバレBOX
めぐるの高校から大学にかけての一人の男との恋愛事情。
地味目な二人でしたが、それでもめぐるは大学に入って化粧を覚えると目元がキリっとしてそこそこになりました。
将来の結婚を口にしただけで逃げていく男を見ると、今の都合良さだけを考えている猿と一緒で、人格的な卑しさを感じました。自爆するんじゃなくて男に一撃加えればいいんじゃないかと思います。
原寸大の恋愛で破綻も含めて現在進行形なのですから、喜怒哀楽による胸の中の爆弾の大きさをめぐる自身でストレートに表現してほしかったです。浮いた道化役なんか要りません。
靴
ペンギンプルペイルパイルズ
ザ・スズナリ(東京都)
2014/10/09 (木) ~ 2014/10/19 (日)公演終了
満足度★★★★
時間軸の遷移
こういうSFチックなのは元々好きですが、スピード感と相まって中々良かったですね。
わたしの星
ままごと
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2014/08/21 (木) ~ 2014/08/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
勢いと新鮮さ
高校生、というわけだけではないでしょうけど、インパクトが強烈でした。
制作側がきっちり作り込んできた背景があったんでしょうが、役者もそれに乗っかって、良い相乗効果を出していたように思います。
マッチ売りの少女
CHAiroiPLIN
d-倉庫(東京都)
2014/11/06 (木) ~ 2014/11/09 (日)公演終了
満足度★★★★
面白い
別役作品はどちらかというと苦手な方だが,こういうダンス公演にして生演奏も入ると,とっても興味深く,楽しく観られる。ダンスももちろん良かったが,歌が綺麗だったなぁ。70分の公演,堪能しました。
世界は嘘で出来ている
ONEOR8
ザ・スズナリ(東京都)
2014/10/21 (火) ~ 2014/10/29 (水)公演終了
満足度★★★★★
高品質
納得です。
これで前売り3900円とは安い。
SHIP IN A BOTTLE
CREATIVE OFFICE CUE
東京グローブ座(東京都)
2014/11/01 (土) ~ 2014/11/09 (日)公演終了
満足度★★★
魔神登場
以外(?)に魔神の演技がまともだったのはサプライズかな。
舞台装置の一部が常にシーソー形式で動くことで
海上の揺れを表しているのですけど、
これがちょっとガチャガチャし過ぎかな。。
劇そのものに集中できませんでした。
また、音響装置のセッティングなのかどうか分かりませんが
ところどころ聞きにくい部分がありました。
このあたりは残念でした。
劇そのものですが、
秘密裏に面倒なものを始末するがためのダミー工作といいましょうか、
そういう問題を揶揄した内容です。
時間は1時間40分と短いのですが、
密度は濃いです。が、端折りすぎな部分も否めないので
あと10分くらいは伸ばしても良いかな。。。
ということで、★3つです。
ロケット・マン
劇団鋼鉄村松
テアトルBONBON(東京都)
2014/11/06 (木) ~ 2014/11/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
愛は光速を超えられるか
『ロケット・マン』とは、劇団鋼鉄村松自身のことであり、観客へのメッセージでもあった。
2時間惹き付けられた。
ネタバレBOX
地球が1つの国になったぐらいの未来の話らしい。
ロケットで光の速度を出そうという、プロメテウス計画がある。
それに一生を捧げたロケットマン(宇宙飛行士)と彼を取り巻く人々の話。
ウラシマ効果で、宇宙に飛び立ったロケットマンは年を取らない。しかし、地球に残された家族や友人たちは、彼が地球に還るたびに年を取っていき、最後には彼は1人になっていく。
孤独と向き合うためなのか、宇宙に行くたびにロケットマンたちは、喜怒哀楽の感情が薄れて、クールになっていく。
主人公のロケットマン、カーフは、宇宙飛行の前に、家族には「この飛行が終わったら、宇宙へは2度と行かない。地上にしがみついて生きていく」と言いながらも、宇宙に取り憑かれたように、何度も何度も宇宙に出ていく。
そして、最愛の家族を失ってしまう。
息子の代になり、その子どもの代になっても、カーフは宇宙に飛び出していく。
ロケットマンになった者の宿命のようだ。
しかし、彼が本当にたどり着きたかったのは、「彼が愛して」、そして「彼を愛した」者たちのところだった。
質量のある物質は光速になることはできない、ということが確実になったあと、1つだけ光速を超えることが可能になることが発見される。
それは、「人」としての形を失うことなのかもしれないのだが、カーフは新しいプロメテウス号に乗り、行くことを決意する。
冒頭のいくつかのシーンを拾い上げながら、カーフは愛する者の前に現れ、消えていく。
史上初のロケットマン、犬のライカとともに。
このストーリーには、いくつかの「真実」がある。
人は本当に自分が求めていることに対しては、どこまでも本気になれるということ。
そのことでひょっとしたら家族や友人を失うかもしれないということ。
しかし、家族や友人のことを忘れたわけでは、決してないということ。
何度か出て来る「宇宙にいるときは地上のことを想い、地上にいるときは宇宙を想う」の台詞がそれを語る。
そして、「最後に戻る場所」は「愛」のあるところだということ。
「戻る場所」とは「帰る場所」ということではない。
「いつも」心の奥底に「ある場所」で、人の「心の支え」になる場所ということだ。
「自分の進みたい場所」と「愛のある場所」は二者択一ではない。
つまり、どちらかを選ぶのではなく、「自分が進みたい場所」に向かうには、「愛のある場所(こころの支えになる場所)」が必要であり、また逆も真であるということなのだ。
ロケットマンのカーフは、光速を超え、愛のある場所(過去に)戻って行った。
それは、カーフの中での気づきである。さらに言えば、カーフの妻だった女性も、妻になる女性も「知っていた」(感じていた)ことなのだ。
カーフの妻になる女性は「少女」、カーフの妻になった女性は「女」としか役名がない。とても大切な役なのに「あえて役名は付けなかった」のではないか。
つまり、彼女たちは、名前を付けることでカーフだけの「愛のある場所」をにしてしまわず、観客に向けての「メッセージ」としての「象徴」にしたのではないだろうか。
「自分が進む場所と留まる場所(愛のある場所)の2つは相反するものではない」というメッセージなのだ。
カーフの求めていた場所も、「戻った」場所ではなく、「先」にあった。
鋼鉄村松は今年20周年だったらしい。
その記念公演でもある。
その公演に、再演でもある『ロケットマン』を選んだ理由がこれにあるのではないか。
失礼な言い方をしてしまうが、鋼鉄村松の皆さんは、これで食べているとは思えない。
しかし、「演劇」を続けている。
彼らは、「光速を超えようとするロケットマン」なのだ。
「質量があるものは光速にならない」と確定しても、「イエーガーの壁」が前にあったとしても、「演劇」を続けることを選んだ。
「この公演が終わったら、もう舞台には立たない」と家族に毎回言っているのかもしれない。
「公演」のあとには、観客にはわからない「ウラシマ効果」があるのかもしれない。
しかし、公演は続ける。
そして、それと「愛のある場所」は二者択一ではない。
両方があって成り立つものなのだ、ということだ。
冒頭の、宇宙犬ライカのエピソードが効いてくる。
ライカの乗った人工衛星は「スプートニク」という。
「スプートニク」は「同行者」「道連れ」という意味である。
カーフとのちに結婚する少女に、その意味を告げに行く、というシーンはこの作品のテーマに結び付き、胸に迫るシーンとなるわけだ。
そして、「出ていかなければ見えないモノ(世界)」もある。
劇中では、それを「光速に近い宇宙船から見える外の景色」として表現していた。
地上にいては絶対に見えないものなのだ。
だから、「出る」。
本気になったから「出る」。
これは何も「演劇をしてる人たちだけ」へのメッセージではない。
どんな仕事をしていても、本気でそれに取り組んでいるのならば、ぶち当たるかもしれないものなのだ。
さらに、「“愛のある場所”を大切にしないといけない」というメッセージをも込めているのではないだろうか。
劇中のカーフのように、過去には戻ることはできないのだから。
この公演で、いつも素晴らしい演技を見せてくれたムラマツベスさんと村松ママンスキーさんが活動休止に入る(あともう1人は誰なんだろう?)。
彼らの劇団での最後の公演に、そういうメッセージが込められた『ロケット・マン』が選ばれたのは偶然ではないだろう。
だから、舞台の上には「執念」のような熱さを感じた。
ムラマツベスさんと村松ママンスキーさんの、最後の「執念」というだけでなく、演劇を続けていく劇団員たちの「執念」も加味されたのだろう。
そう感じてしまうのだ。
全編、テンポの良さ、会話の絡み具合が見事であった。
舞台に立ち、観客に向かって延々モノローグを言うだけのシーンが多いのに、物語を感じ、引き込まれていく。
「脚本」や「演出」の良さもあるのだろうが、それよりも役者の情熱のほうが強かったのではないだろうか。
集団で2時間全力疾走している中で、誰一人脱落者はいない。
トップスピードの役者の速度、息に合わせ、突っ走っている姿があった。
客演がこれだけいるのに、この一体感は素晴らしい。
言ってしまえば、それぞれの役者の力量に合わせて、うまく設計されていたのだと思う。
長距離が走れない者には、それに合った距離を。速度が遅くなりがちな者には、そうとは見えないように、それに合った速度を。そうしたきめの細かい演出と配役があったからこそ、能力以上の力が発揮できたのだろう。
演劇はその日その日が違う。生き物のようなものだ。
だから、観た日が、奇跡のような、特別な日だったのかもしれない。
しかし、全体の構造がこのようにできているのだから、結果として、どの回も素晴らしい出来だったことは想像に難くない。
主役のムラマツベスさんが出色の出来だ。
いつものベスさんで、完全に当て書きであることを想像できるのだが、それでも淡々とモノローグを語りながらも、感情がこぼれ落ちてくる様が素晴らしい。
出落ちだったり、ワンポイント的な出番が多いイメージの、ボス村松さんも、この作品では総司令官・ハインツをフル回転で演じていた。やはり、例の「容姿」を使った出落ち的なものも入れてきたが、役での「執念」が演技の「執念」とリンクしていたように見えた。
彼の最後のシーン、「プロメテウスが私の指の間からすり抜けるようにして飛び立っていく」(正確ではないが、そんな台詞)あたりの畳み掛けは、後方の壇上に立つベスさんとの「画」としても、カッコ良すぎた。
ラストに見せる、カーフとハインツの関係性が素晴らしい。
グッときてしまう。
カーフの「年を取ったほう」の「妻」(笑)を演じた日高ゆいさんも良かった。8割世界で見せる彼女とは違い、カーフへの愛情と、そこから来る「待つ女」という内面を、控え目に、そしてうまく演じていた。
カーフの「若いすぎる(笑)恋人(のちの妻)」を演じた浅倉美桜さんは、声がいい。しかもうまい。おっさん率が高いこの劇団の舞台にあって、カーンと声が響き、特にオープニングの滑り出しが彼女の演技によって心地良いものとなった。
アームストロングとホルストを演じた村松ママンスキーさんは、かっちりした渋さが良かった。
もちろんほかの俳優さんもみんな良かった。
鋼鉄村松は、台詞が過剰までに多い。
特にバブルムラマツさんの作品は、主人公のキャラをどっしりと立たせ、過剰すぎるセンチメンタリズムに溢れる台詞、モノローグを言わせることが多い。
今回も、主人公のカーフと総司令官ハインツともに、センチメンタリズムに溢れた台詞を舞台の上に撒き散らしていたが、それは単なる言葉の羅列ではなく、まるで「感情の噴きこぼれ」のようであり、まるで80年代ぐらいの、アングラ芝居を思わせる熱量だったと言っていい。
鋼鉄村松の特徴は、80年代ぐらいのアングラ芝居とは異なり、そのセンチメンタリズム溢れる台詞のあと、「どうですか!」という「余韻」を持たないところにある。
非常にクールなのだ。
細かい内容よりも、耳に残る単語や、音のリズムを観客に届けているのだはないだろうか。
いちいち、感傷的にさせずに突っ走る方式なのだろう。
なので、観客によっては、その台詞に「引っ掛かり」を見出せず、延々台詞を聞かされる、退屈な時間ととらえてしまうこともあるだろう。
それは仕方がない。
鋼鉄村松はそうすることを選んだのだ。
彼らは、彼らの方法で「光速を目指すロケット・マン」となったのだから。
終演後、ふと思い出した歌がある。
原田知世のデビュー映画の主題歌で彼女が歌った歌だ。
『時をかける少女』
この歌詞は、この作品にリンクしているな、と。
まるでカーフを妻と妻になる者から歌ったような歌詞だ。
時をかける少女
あなた 私のもとから
突然消えたりしないでね
二度とは会えない場所へ
ひとりで行かないと誓って
私は 私は さまよい人になる
時をかける少女 愛は輝く舟
過去も未来も星座も越えるから
抱きとめて
ゆうべの夢は金色
幼い頃に遊んだ庭
たたずむあなたのそばへ
走ってゆこうとするけれど
もつれて もつれて
涙 枕を濡ぬらすの
時をかける少女
空は宇宙の海よ
褪あせた写真のあなたのかたわらに
飛んで行く
時をかける少女 愛は輝く舟
過去も未来も星座も越えるから
抱きとめて
(作詞:松任谷由実)
話は変わるが前回公演に募集したファンクラブは今回限りとなるという。
残念である。
メイツ! -ブラウン管の向こうへ-
劇団6番シード
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2014/10/29 (水) ~ 2014/11/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
ディテールへのこだわりが懐かしさを倍増させる楽しい楽しい昭和歌謡バックステージ演劇!/約120分
昭和歌謡のバックダンサーグループ、メイツガールズの悲喜こもごもを描いたミュージカル。
リアリティを大きく欠くお話ではあったが、ミュージカルには観る者の現実感覚を麻痺させるところがあって、かなり無理のあるストーリー展開もさほど気にはならず、何があっても前向きに頑張るメイツガールズたちの物語を無心に堪能!
感心したのは、メイツガールズの振付けをはじめとするディテールへのこだわり。
メイツガールズは本家にあたるあのグループの定番アクションを見事に再現しているわ、歌番組のシーンはアノ人がモデルらしきタメ口司会者による各歌手の近況報告を交えた曲紹介がいかにもそれらしいわ、メイツが参加する番組のタイトルが架空のものとは思えないほど“昭和バラエティー”っぽいわで、“らしさ”と“ぽさ”の攻勢に懐かしさが突き上げてきて、古き良きあの時代を甘やかな気持ちで思い出しつつ頬を緩めながら楽しんだ。
番組司会者だけでなく、登場する歌手たちも“本家・メイツ”の最盛期にあたる昭和50年代に旬だった実在の芸能人がモデルになっているので、モデル当てをしながら鑑賞するのも一興か!?
つっても、誰が原型かは一人を除いてバレバレなんだが(笑)。
ついでながら、彼らが劇中で歌う歌は事前に告知されていた通り全てがオリジナルソングなのに、本家の歌手がいかにも歌いそうな歌ばかりで、その“らしさ”にも驚嘆!
あえて苦言を呈するならば、まず、歌番組のシーンを含め全体に照明が暗め。
歌番組のシーンは、照明をもっともっと強く焚いて舞台上を強烈な光で満たしたほうが昭和というきらびやかな時代の公開バラエティー感が増してより良かったのではないか? 実際にどうだったかはともかく、あの頃の歌番組はやたら照明が明るかった印象がある。
そして、舞台の低さにも違和感。もっと高くしたほうが、舞台が高めな公民館系のホールを会場とすることの多かった昭和の公開バラエティーらしさがより強く出て良かったと思う。
あと、これは前々作『Dear friends』にも感じたことだが、全体に“畳み掛け”が弱く、エンタメ色濃厚な劇なのに“収拾がつかないほど盛り上がる”シーンが無い。
これはちょっと残念だった。
なお、私の観た回はアフターイベントとして出演者によるのど自慢大会もあり、私の好きな椎名亜音さんが優勝。
歌唱力もモノマネ技術もぬきんでていて、この結果には多くのお客さんがご納得されたことと思う。
ネタバレBOX
その椎名さん演じるメイツの重鎮メンバー・チャコが、幼い視聴者からのファンレターを読み上げるシーンには感動!
「皆さんが笑顔で明るく踊る姿に元気をもらってます」的な、ありのままの好意が素朴な言葉で綴られたあの手紙は、椎名さんの口あたりやわらかな優しい読みっぷりも相俟って、観る者の心を揺さぶらずにはおかない!!
モデルが分かりづらいと書いた歌手は役名を渋木徹と言い、おそらくは某コントバラエティーにおける秀逸なコメディアンぶりにも定評のあったN・Gが原型。
超音痴な男性アイドル歌手・よもぎだ純、ブリブリな女性アイドル歌手・沢ひかるのモデルが誰かは、バレバレすぎてわざわざ名を挙げるまでもないだろう。
しかし、沢ひかるのモデルであろうアノ歌手はモノマネが容易な芸能人の代表格であり、かつてはさんざん真似されたものだが、沢役を演じた高橋明日香はまだ若く、アノ歌手の全盛期なんて知らないはず。
にもかかわらず、ブリブリな振付けや身ごなしをはじめ、表情から話しぶりに至るまで全てを見事にコピーしていて、その芸達者ぶりには感嘆!
顔が結構似ているというアドバンテージがあるとはいえ、それでもやっぱり凄い。
ロケット・マン
劇団鋼鉄村松
テアトルBONBON(東京都)
2014/11/06 (木) ~ 2014/11/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
泣いた
ほかに語る言葉は要らないので、ここにコメントするつもりもなかったのだけれど、それでも、何か言わずにはおれなかった。
泣いた。
光の速さで駆け抜ける鋼鉄の村松に幸あらんことを。
暴走ジュリエット/迷走クレオパトラ
柿喰う客
あうるすぽっと(東京都)
2014/10/17 (金) ~ 2014/10/26 (日)公演終了
満足度★★★★
両方楽しめました。
2日に渡ってお伺いさせて頂きました。
(個人的な要因ですが、)両日とも仕事後の観劇だったので、
変に頭を使わなくても物語と演技が伝わってきたので、たいへん楽しめました。
カンパニー・フィリップ・ジャンティ「忘れな草」
パルコ・プロデュース
森ノ宮ピロティホール(大阪府)
2014/11/08 (土) ~ 2014/11/08 (土)公演終了
満足度★★★★
何がなにやら。
テレビCMで見たときから気になっており、見に行きました。
面白かったです。
ただし、
細かなストーリーはよくわからなかったです。
あのまま受け入れるべきなのか、裏の意味は何なのか。
直感的に楽しんでほしい
というのが、演出家の希望らしいので、小難しいことは考えないほうがいいのかなと反省?です。
小道具のフラッグ?、ウィング?などはCMやパンフレットでも見ましたが、実際に動くのを見ると、、本当に魅せられますね。すばらしく、幻想的です。
あと、音楽もいいですね。誘う感じのものでw
また、見に行きたいものです。
泥の子
劇団 きみのため
劇場HOPE(東京都)
2014/10/29 (水) ~ 2014/11/03 (月)公演終了
満足度★★★★
涙が出た
戦後直ぐの荒れ果てた時代。
様々な過去を背負いながら懸命に生きる人々。
自分がこの時代に生き、この場にいたらどう生きていけるか考えさせられました。西村有加さんの演技が最高によくて、自然と涙が出てしまいます。
別れても好きな人 2014
劇団競泳水着
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/11/06 (木) ~ 2014/11/17 (月)公演終了
満足度★★★★★
10円玉で掛ける公衆電話はいいです
競泳水着さんの『別れても好きな人2014』(休憩なしの120分)を11/7のソワレで観劇。今年は不思議に競泳水着さんを観る機会があり、2月の『許してほしいの』、9月『弄ばれて』に引き続いて、晩秋のこまばアゴラ劇場を訪れました。アゴラに行くのは、1月の青組さんの『人魚の夜』以来です。内容は、一組の夫婦とその関係者(主人公の妹とその婚約者、二人の恩師、妹の友人、主人公の教え子)の相当に壊れた恋愛模様を過去、現在、未来が相互に入れ替わりながら進む群像劇。本編では、男性は総じてロマンチックに描かれており、少々押しが弱い草食系男子揃いで、女性の心を射止められない。一方、女性(女優陣はおキレイな方揃いです)は結構肉食系女子で、別れても好きない人を追いかけ、また非ぬ方向へ走っていきます。その男女のすれ違いとギャップがとても楽しい舞台でした。古いですが、ラストの公衆電話からの告白はとても良かったです。
水の戯れ
森崎事務所M&Oplays
本多劇場(東京都)
2014/11/01 (土) ~ 2014/11/16 (日)公演終了
満足度★★★
魔性の女!?
気持ちに余裕がないと観劇していてイライラすると思える内容。
大きく構えてゆったり観劇しないと。
私は時にはニヤニヤしながら観劇した。
役者さんは皆いい味出してた。
菊池亜希子さんは美人だなあ(笑)。魔性の女!?だけど。
上演時間2時間20分(休憩15分含む)。
ネタバレBOX
亡き弟は自殺。
妻の浮気?が原因。妻に気持ちを振り回された結果と思われる。
仕立て屋の兄も弟の妻と結婚したが、同じように気持ちを振り回され、そして・・・。弟と同じように自殺すると思ったのだが。