最新の観てきた!クチコミ一覧

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黒塚

黒塚

木ノ下歌舞伎

大垣市スイトピアセンター(岐阜県)

2015/02/07 (土) ~ 2015/02/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

鬼気迫る演技と舞踊と照明と音楽と・・・ありとあらゆる効果が圧巻
 とにかく、まずは圧巻の一語に尽きます。鬼気迫る演技と、舞踊と、照明と、音楽と、ありとあらゆる効果に圧倒されました。客席と舞台がほぼ一体ですから、尚更です。
 そして何より、ともすれば只の鬼退治になりかねない元の筋書きに、原作歌舞伎では明示されない「鬼の鬼たる所以」にスポットライトを当てることで物語に深みを持たせ、むしろ鬼の悲哀が前面に際立ちました。
 現代劇化することによる、分かりやすさとドラマチックな演出だけでも、相当な高評価なのですが、「行為の残虐さと、双反して根底に流れる悲哀の対比」が、猟奇な犯罪が相次ぐ現代にこそ、むしろ通じるのではないかとさえ、感じました。
 鬼が自身に救いをもとめる気持ちは、容易に赦されざることではあるでしょうが、在って然るべきことでもあるとは思います。私も、自分がまさか鬼に感情移入することになるとは思いませんでした。
 色々な演出が素晴らしい本作でしたが、一つ書き残しておきたいのは、やっぱり「大垣特別演出」。まさしく息を呑みました。あの一時、役者さんそっちのけで虚空に大きく拡がるソレを目で追いました・・・大垣で観て良かった。舞台によって独自の演出突き詰めるなんて素晴らしい演出家魂!
 あ、そだ、もう一つ。アフタートーク、すごく良かったです。なんと理解の深まることか。しょせん一見の素人観劇者には、舞台だけ観て全てを感じとることなんて出来ませんからね。これを踏まえて、もう一回観たいのが本音・・・

AMUSE×PEOPLE PURPLE「ORANGE」

AMUSE×PEOPLE PURPLE「ORANGE」

劇団PEOPLE PURPLE

サンシャイン劇場(東京都)

2015/02/04 (水) ~ 2015/02/11 (水)公演終了

満足度★★★★

もっと皆観てよ
とにかく観てよ。

カタチノチガウ

カタチノチガウ

マームとジプシー

横浜美術館レクチャーホール(神奈川県)

2015/02/09 (月) ~ 2015/02/13 (金)公演終了

満足度★★★★★

小説の世界みたい
Nibrollほどコンテポラリダンスに特化してるわけではないが、演劇とは異なる領域を攻めてる感じ。リフレインしてるセリフが良い感じにあと引きます。
DVD化して欲しいな。

全公演完売!「RUN」

全公演完売!「RUN」

劇団お座敷コブラ

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2015/01/22 (木) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度

どんどんつまらなくなっていく
お座敷コブラのお芝居は大好きだったのですが、前回の「WWW」が全然面白くなくて、でも、本公演までの間に合わせみたいな感じだったので仕方ないかと今回の本公演に期待をしていました。
しかし、「WWW」よりももっと面白くなくなっていて、本当にがっかりしました。
みなさんも書かれていますが、お芝居の面白さ云々よりも、まず、演者の声が聞こえない!割舌のよさが自慢のはずの伊藤さんが何を言っているのか聞こえなかったのは致命的でした。
脚本、演出を手掛けられた劇団の主宰の伊藤さんは、「批評家向けにお芝居をやっているわけではない」とか「通好みのお芝居を作るつもりはない」とおっしゃってますが、それは批判に向きあいたくない言い訳のように聞こえてなりません。

わたしを、褒めて

わたしを、褒めて

タカハ劇団

駅前劇場(東京都)

2015/02/04 (水) ~ 2015/02/11 (水)公演終了

満足度★★★★★

千秋楽観てきました
ネスト構造の硬軟悲喜憎悔濃い芝居でした。
終盤の田之倉の眼が・・・目が・・・ぞくりとしました。
千秋楽なので観て欲しい!と言っても手遅れなのがほんとうに残念です。

Coppo

Coppo

TIDELAND

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2015/02/09 (月) ~ 2015/02/11 (水)公演終了

満足度★★★★

無題1392(15-040)
13:00の回(快晴)。12:30受付(1ドリンク付)、開場。上手にやや高さを持たせた床、ここと重なりながら中央にステージ、上手下手の壁際に椅子。天井には白い花びらをもった花がいくつも。12:46前説(105分)、12:55奏者登場(ギター、ヴァイオリン)~14:55終演。

風戸さん以外はみなさん初めてかなと思いながら調べてみると、青木さん「インスタントガール(2012/12@COREDO)」を観ていました。


「G」はエレガットギター、「V」はエレクトリックヴァイオリン。

ダークで赤く血の色に染まったどこかの国のお話、神、聖職者、領主、墓守、庭師、医者...赤と黒、白と青、カラスが獲物を狙って近づく。

演奏+歌、人形使い...どういう世界なのか(キャラクターたちが何を背負い、行動しているのか)が少しわかりにくかったので、当パンに背景や役名に加え役柄(相関図)などあるとありがたかったと思いました。

Gの方、譜面台で遮られ演奏しているところが見えなかったので、ポジションを工夫した方がいいのでは。

ネタバレBOX

雑記

眼の毛細血管に宿る..というのはなかなかチャンスがないだろうなぁと思う。

防腐剤...はどうだろう無理があるような...

風戸さんは(役と衣装/青もあり)TOKYOハンバーグのときとずいぶん印象が異なり、舞台と客席が近いのですらっとした立ち姿がまたよいのでした。

領主制度があって、教会があって、父権が絶対で、BJとピノコを思わせる(眼)医者がいて、それをカラスじっと見つめていて、そのカラスは雑食性で動物の死骸もついぱむ(Wiki)らしい。
LOVEどきゅ〜ん15

LOVEどきゅ〜ん15

グローリーエージェンシーpresents劇団野良犬弾公演

笹塚ファクトリー(東京都)

2015/02/11 (水) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

いちご
ストーリーよりもカーテンコールでの小田島渚の涙が感動的だった。

ノミの心臓

ノミの心臓

劇団サミシガリヤ

シアター711(東京都)

2015/02/10 (火) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★

I know me! Do you know,,,
おむすび・・・を逃してしまったので、雪辱戦での観劇です。
アイドルという夢を追い続ける30代女子のパワフルなこと。その姿勢や容姿に、まだまだイケルぜお姐さんたち!と一喝したくなりました。さらに、某ジャニーズの流行歌に乗せて、「言わないでー、言わないでー、『いい年なんだから』って言わないでー」と歌う姿は、まさにミラクル30代女子。
夢追う女子も、夢諦めた女子も、みんなちがって、みんないい、、、と金子みすずさんの声が聞こえてきそうなストーリーでした。

ネタバレBOX

上演前のBGMの選曲が、これまたツボを刺激してくれます。フレンズ@レベッカやマイレボリューション@美里、翼の折れたエンジェル@中村あゆみ。。。ゆぅ  あ ショック!に打ちのめされて帰ること間違いなし!!できるだけ早めにシアター711に開場されることを強くおすすめします。
ゾンビ沼袋

ゾンビ沼袋

lovepunk

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2015/02/10 (火) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★

”どどいつ”がレビューには出てくるにゃ
 皆、一所懸命なのだ。闘いのシーンや闘いに向けて闘争心を燃え上がらせるシーンでは三白眼になる役者も居て、中々迫力がある。

ネタバレBOX

が、どうも表現に深みが無い。それは、身体性に頼りすぎているからだろう。無論、演劇に於ける身体は、最も重要な要素には違いない。然し、我々が生きる現代は、それなりに複雑な社会でもあり、人々の孤立も深い。この植民地では、マヤカシが大出を振って中味の無い阿保面を得意気に晒しているのに、それに気付かない人々、気付かない振りをする人々がマジョリティーなので、深く生き、悩む事を避けない生き方をすることは、容易いわけではない。だが、そのことに甘んじていては、無論、良い作品は作れない。心の内側を耕して更なる境地を開いて貰いたい。
今作は“諦めましょうとどう諦めた諦めきれぬと諦めた”というレベルをちょっとアメリカナイズした上で、植民地に当て嵌め、皮相に押し上げられたM版とみた。であれば、この状況を逆照射する痛烈なアイロニーも欲しい所だ。

「売春捜査官」「熱海殺人事件〜友よ、いま君は風に吹かれて」

「売春捜査官」「熱海殺人事件〜友よ、いま君は風に吹かれて」

★☆北区AKT STAGE

★☆北区AKT STAGEアトリエ(東京都)

2015/01/18 (日) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★


Qチームを観劇。前週みた鈴木万理絵の伝兵衛を
見たくて今年3度目の星亀ビルでした。木村伝兵衛の狂気の混じった目を見ることができました。ただ、鈴木さんの声は前回以上に枯れていて
限界に近いものがありました。ベストコンディションで観たかった。大山役は表情の変化がなく、演技になっていない。

こうして二人は幸せになりました、とさ

こうして二人は幸せになりました、とさ

MacGuffins

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2015/02/10 (火) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★

【水越バージョン】観劇
仲間内的限界を感じました。

ネタバレBOX

余命わずかな彼氏の現況を受け入れられず、妄想の中で一緒に生きることで気力を保持し引きこもっていた彼女が、現実を受け入れて再出発しようと決意する話。

妄想の中で、彼氏が魔王、彼女が勇者のゲームを何度も繰り返し、常に魔王を倒すことに躊躇していた彼女が、最後魔王を倒すことで決着をつけました。

一応前向きな話ですが、結局は大声がなりたて系、ちょっとした所作が大受けするなど仲間内だけで通用する素人っぽいお芝居でした。役者との面会を考えているのか終演後誰も席を立たず、全員がお仲間さんかと思ってしまいました。
蛍の頃

蛍の頃

ペテカン

あうるすぽっと(東京都)

2015/02/06 (金) ~ 2015/02/11 (水)公演終了

満足度★★★

ほのぼのと……
 ペテカンさんの公演初見。コミカルでちょっぴりホロッとさせられる場面もあり、楽しく拝見させて頂きました。ただ、全体的に平板な印象があり、物足りなさを感じました。

ネタバレBOX

 静江さんが売春に走る動機がイマイチ説得力に欠ける気がしました。
暗く暖かな日々

暗く暖かな日々

小松台東

OFF OFFシアター(東京都)

2015/02/03 (火) ~ 2015/02/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

今作も言うまでもなく宮崎弁演劇です。/約100分
 いつもは小品の趣がある小松台東作品。
 が、今回はいつもよりスケールが大きい印象を受けた。
 これまでの多くの作品と同じく家族を扱い、上演時間もこの劇団としては平均的な約100分、小屋も小さめなOFF・OFFシアター。家族という小集団を描き、尺もほどほど、会場も狭いのに、デッカい印象を受けたのは、今作が内藤家の未来、ここでは途絶えずこの先も続くであろう一家の歴史を予感させる内容を持っているからに他なるまい。
 余韻を残すような終わり方は一家の「この先」を否応なしに想起させ、じんわりじわじわと感動が込み上げた。

 タイトルに「暗く」とある通り、色んな事が重なって内藤家の面々の胸の内はきっとどんよりしているに違いない。
 それでも舞台上に騒々しい時間が流れて彼らが時には白い歯を見せ、客席にも笑顔が咲くのは、色んな人々が内藤家に出入りして茶の間に明るさを持ち込み、家を活気づけるからだろう。
 なんだかんだありながらも内藤家がお家断絶を免れそうに思えるのは、この「内藤家を取り巻く人々」が離散しそうな一家を温かく包み込み、そうとは知らずに束ねているからに他ならない。

 この意味で本作は、チラシにもある通り、まさに「絆の物語」と言えよう。
 このあったかい「絆の物語」に涙したお客さんもおられようが、私は泣くまでには至らず、その代わり大いに笑った。
 とりわけ内藤家の家長・晴夫の部下役の永山智啓、晴夫の友人役の瓜生和成の交わすスッとぼけたやり取りには爆笑!
 そして、浅野千鶴さん演じる娘があたかも素で笑っているかに見えるいくつかのシーンには微笑を誘われました。

ネタバレBOX

 舞台となるのは、母親が入院中のある家庭。
 そこへ別居していた父親が妻の入院を聞きつけてふらりと現れ、「またここに住む!」と言い出して波乱を起こす。
 娘の朋美はその酒癖の悪さで母を悩ませていた父を疎み、「帰って!」とおかんむり。
朋美の兄・克則も温かくは迎えてくれず、父はイライラ。
 そこで父・晴夫は友人の稲本、会社の部下・関根に援軍を頼んで引っ越しを強行!
 そんな折も折、妻が帰らぬ人となって、内藤家はますます暗鬱なムードに…。

 こうしてあらすじだけを書き連ねるととても暗い話のようだが、稲本や関根をはじめとする一家を取り巻く面々がすこぶる明るく、劇は笑いを誘いながら進行。
 それに、お母さんは亡くなっても、息子の克則にはなし崩し的に家に住みついているカノジョがいて、さらには、稲本が朋美と同級生だったことも発覚!
 劇は克則とカノジョの、そして朋美と稲本の結婚を匂わせつつさらに進み、内藤一族が今後も栄えていくことを暗示しながらどこか前向きな印象を残して終わる。

 日本が国策として推し進めた核家族化はさらに進んで単身世帯の氾濫を招き、日本はまさしく無縁社会となりつつあるが、協調性に乏しく人付き合いを疎みがちな私でも、こういう劇を見せられると今よりは大家族が多く、色んな縁に支えられていた少年時代が懐かしくなってくる。
 

 核家族化、ひいては単身世帯化は人口一人あたりの出費を増加させ、日本の経済発展を促進したかもしれないが、同時に少子化も推し進め、結果的には経済を冷え込ませている。
 目先の利益だけを追い求めると痛い目に遭うという好例だ。
夏目漱石とねこ

夏目漱石とねこ

DULL-COLORED POP

座・高円寺1(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★★

猫の目を介する必要性
皆さんのコメント通り、とても静かな2時間。
襖や障子を使った装置と転換が綺麗でした。

ネタバレBOX

所々セリフが聞き取れなかったので情報を集めきれなかったのかもしれませんが、夏目漱石という人物を2時間描くということで、個人的にはあと3倍くらいの情報量を浴びせてほしかったなぁという印象でした。

事前知識があった方がより分かりやすい内容でした。
「3.11」企画2014  『終わりと始まり』- 演劇と言葉とピアノによる失われた時間の創造―

「3.11」企画2014 『終わりと始まり』- 演劇と言葉とピアノによる失われた時間の創造―

桜美林大学パフォーミングアーツ・インスティテュート(舞台芸術研究所)

PRUNUS HALL(桜美林大学内)(神奈川県)

2015/02/10 (火) ~ 2015/02/11 (水)公演終了

満足度★★★★

抽象化の境地
311を取り上げた演劇にも徐々に変化が見られます。静かに淡々と進むステージながら、命とは何か、記憶とは何か、我々の存在意義とは何かを考える良い機会になりました。

完熟リチャード三世

完熟リチャード三世

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/17 (火)公演終了

満足度★★★★★

演劇の、ちからの結晶…
ふたたび、すべての大切なご縁の方々と、一緒に観たい舞台…

GIMMICK!

GIMMICK!

CLOUD9プロデュース

ギャラリーLE DECO(東京都)

2015/02/04 (水) ~ 2015/02/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

全く違和を感じさせない伏線とその回収が鮮やか
自主映画の撮影グループ、調査研究に訪れた教授と助手、廃墟マニアなどが偶然会した廃屋で起こる恐ろしい出来事…。
序盤はコミカルながら次第に「御約束」的なホラーに移行して、さらに…という構成が見事。
一通り物語を見せてからの後半は謂わば「謎解き」で、起きたことの裏を見せて観客を納得させる…というか笑わせる。
実は前半に伏線があれこれ張られていて次々にそれを回収してゆくのだが、その伏線が物語の進行に全く違和を感じさせないのが鮮やか。
最後の1シーンも画竜点睛を打つ感じ。

蛍の頃

蛍の頃

ペテカン

あうるすぽっと(東京都)

2015/02/06 (金) ~ 2015/02/11 (水)公演終了

満足度★★★★

寒い夜にはぴったり
忘れかけていた古き良き昭和、そこではみんな明るく懸命に生きていた。ライトに可笑しくて悲しい。寒い夜にはぴったりのハートウォーミングな舞台だった。

スィートホーム

スィートホーム

トム・プロジェクト

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/02/04 (水) ~ 2015/02/09 (月)公演終了

満足度★★★★

少年
14歳の少年が祖母と両親を殺害するという実際に起こった事件に想を得た作品。
安易な楽観主義に陥らない展開は、暗いかもしれないがその分共感を覚える。
これまでチョコが得意としてきた、“歴史上の大事件から個の感情へフォーカスする”
ダイナミックさは無いが、きわめて個別の、特殊なケースの中に私たちとの共通点を見出す、
繊細な作品になった。
西尾さんの役が、「親愛なるわが総統」と終始ダブってしまったのは私だけか?

ネタバレBOX

上手に事件現場らしい居間、下手に一段上がって
殺風景な机とパイプ椅子のある部屋…。
劇場に入ってすぐ、現在と過去のいきさつが交互に描かれるのだろうと想像した。

両親と祖母を殺害した少年は、少年院を出る日が近づいているが、
後悔しはているものの、奪ったものの大きさに今一つ思い至っていないように見える。
そしてただひとり生き残った祖父に、彼を受け入れる気は毛頭なかった。
少年院で彼を見守り続けた精神科医は、敢えて祖父に少年との面会を強く要請する。
最初は拒んでいた祖父もついに面会を承諾し、小さな部屋で少年と向き合う。
だが最初の面会は「(おじいちゃんも)殺しておけばよかった」
という言葉でさらに亀裂を深くする。
精神科医は、少年の言動を更生のプロセスとして受け容れ、祖父に理解を求める。
祖父は「いったいあの時何があったのか」と初めて当時の少年の立場に思いをはせる。
それは、すれ違う家族の感情を一身に受け止めるという、
14歳の心には過酷な日々だった…。

祖父を演じる高橋長英さんの演技が落ちついていて、舞台に安定感が増す。
揺れに揺れているはずの心中を、時に露わに、時に沈痛な表情で豊かに表現する。
孫に過剰な愛情を注ぎ、嫁と奪い合う祖母を演じた大西多摩恵さんが素晴らしく
ねっとりとまとわりつくような、うっとうしい愛情を見事に声にのせる。
常に自分の理由を最優先する世代ともいえようか、
短絡的な行動に出た少年を演じた辻井彰太さん、
最初、“同級生にけがをさせて反省している”ような顔をしていた彼が
ラスト、墓参に通う彼を待っていた祖父と再会する場面で、
爆発するような苦渋の表情を見せる。
この変化が鮮やかで素晴らしかった。

祖父と少年の間に横たわる深い溝を埋めようと奔走する精神科医を演じる西尾友樹さん、
情熱を持ち、辛抱づよく温かいアプローチを続けるキャラがぴったりなのだが、
どうしても昨年観た劇団チョコレートケーキの「親愛なるわが総統」を思い出してしまう。
戦後収監されたアウシュビッツ強制収容所の初代所長ルドルフ・フェルナント・ヘースの
心の底深く分け入っていく精神科医の役だった。
理想の人間像とはいえ、よく似た人物造形であったこと、
せっかくの味わい深い台詞が少し早口だったことが気になった。

「母と祖母の間で板挟みになる少年の立場に立って考えてみてください」
という精神科医のアドバイスで、家族を顧みなかった祖父が初めて当時の状態を知る…
という展開は、ちょっと中学校の道徳の時間みたいな印象を受けた。

過去と現在を行き来しながら、死者の声も織り込むという構成は
奥行きが出てよかったと思う。
いつものチョコレートケーキのごつごつした手触りが、すこし角が取れた感じだが
この少年がモンスターでもなんでもなく、私たちと多くの共通点を持つ
感情の持ち主であるという温かなまなざしが感じられて、
こういう視点を持つ作者に尊敬の念を覚える。




「売春捜査官」「熱海殺人事件〜友よ、いま君は風に吹かれて」

「売春捜査官」「熱海殺人事件〜友よ、いま君は風に吹かれて」

★☆北区AKT STAGE

★☆北区AKT STAGEアトリエ(東京都)

2015/01/18 (日) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★

審査となると
2月10日(火)
17:00売春C・・・軸となるべき女性捜査官。どうしてもパワー不足が否めず、惜しかった。大山役はよくやっていたと思いますが・・・。

19:00友よJ’・・・安定感はあります。ただ、他の役者との身体的接触を伴う芝居にぎこちなさが見えてしまいました。

そもそもこの作品は女性にはタフなものであろうと思われ、審査面で割を食うのではと思ってしまいました。
そして役者の組み合わせが幾通りもあるためか、どうしても演技が個人のものとなり、集団のものとはならないのは致し方ないことでしょうか。こうした制約の中で心を打つ演技をするのは難しいことでしょう。

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