満足度★
余興ならまだしも
「シリーズ第一弾」と銘打っているからには、観ておかないと次作との繋がりが分からなくなるかもと思って観てみたのだが、残念ながらpart2を期待させる要素を見出せなかった。
博多銘菓や列車・駅舎などが擬人化された「かぶりもの」で表現されるのはギンギラ太陽'sの定番。ここで好き嫌いが分かれてしまえば、人によって面白さを感じる度合いも違ってくるだろう。以前はチープなところもまた味わい、といった好意的な見方もしていたが、今回のように、役者の演技が宴会の余興レベルにまで堕してしまっていては話にならない。
お客さんがそれなりに受けているように見えるのは殆どラポール現象だ。それもまた「演劇の在り方の一つ」と言われればそれまでだが、仮にも福岡を代表する「劇団」として一定の評価も得ているのに、常連さんに「受けてもらって」悦に入っている状況は情けないのにもほどがあるのではないか。
お客さんが「協力」してくれるから、底の浅いパロディにも笑いが起きはするが、「子供騙しの手品」に乗せられてあげる義理のない人間にとっては、何の感興も起きない。脚本家がドラマツルギーを理解していないから、短編なのに後半は退屈さが弥増してくる。イチゲンさんには到底お勧めしがたい内容だ。
「福岡の宣伝隊」を自称されているようだから、駅前広場で無料公演すればいいんじゃないかな。どう考えても普通の客には3,500円を払って満足できるレベルの芝居ではない。「ドラマとしての演劇」を期待して木戸銭払って観るお客にしてみれば「何じゃこりゃ」な出来でしかないのだ。