最新の観てきた!クチコミ一覧

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去りゆくあなたへ

去りゆくあなたへ

劇団BLUESTAXI

ザ・ポケット(東京都)

2024/05/21 (火) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても良くできた面白い作品でした。春に身内を亡くして葬儀を行ったこともあり、とっても心に入ってくるのと、よくわかってるというか寄り添ったいいお話でした。役者の皆さんの演技は素晴らしく、涙も自然で本当によかったです。2時間もあっという間した。優しい時間ありがとうございました。

あしたはてんきにしておくれ

あしたはてんきにしておくれ

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2024/05/22 (水) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日夜拝見。大好きな団体さんの一つで、今回も面白かったです。いつもながら伏線回収も含めてよくまとまった内容でした。高橋さん前田さん他いつもの皆さんの演技も申し分なくあっという間の1時間45分でした。楽しい時間ありがとうございました。

団地ング・ヒーロー

団地ング・ヒーロー

コケズンバ

サンモールスタジオ(東京都)

2024/05/21 (火) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

見応え十分の作品。説明過多とも言えるが、丁寧で分かりやすい。基本はコメディだけど、かなり深刻なテーマも含んでいて、考えさせられますね。やっぱりいじめは犯罪です。

遠く吠えて花火をあげる

遠く吠えて花火をあげる

SUPER NOVA

インディペンデントシアターOji(東京都)

2024/05/22 (水) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/05/22 (水) 19:00

【空組】を観劇。観るの3度目のユニット。2023年上演の作品の再演。ちょっとぼんやりしたファンタジー。(2分押し)124分。
 自殺志願者8人が住むシェアハウスでの出来事。既視感のある題材で、展開も読みやすいのだが、一種のファンタジーと思えば観やすい。8人のキャラクターが特に際立つところまで描き切れていないところは惜しいし、シリアスな場面でいかにも演技というセリフ回しの役者がいるあたりは、役者の力量というより演出かなぁとも思う。

団地ング・ヒーロー

団地ング・ヒーロー

コケズンバ

サンモールスタジオ(東京都)

2024/05/21 (火) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白い内容でした。女優さん3名の演技がとても素晴らしく、見ごたえがありました。
内容も深いもので、非常にすばらしい作品でした。

団地ング・ヒーロー

団地ング・ヒーロー

コケズンバ

サンモールスタジオ(東京都)

2024/05/21 (火) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

笑いの渦、その笑劇の中で衝撃な告白。それがフライヤーにある「ヒーローになんて なるもんじゃない。失うものが多すぎる」だ。多くの笑いの中だけに、その悲哀は強い印象を与える。

2日目(22日)も渡辺シヴヲ氏の代役として飯島タク氏が演じた。急遽ということもあり、始めはスマホ(台本)をチラ見しながらだったが、いつの間にか開き直って読みだした。主宰で作・演出の穴吹一朗氏との掛け合いは、台本なのかアドリブなのか分からない、そんな笑わせ方である。コメディ作品の中に、違った感覚(要素)の笑いネタが挿入されたようで面白可笑しさが倍加したみたいだ。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は、小立花団地内の集会室といった所。上手に座敷--座布団、ミニテーブル、扇風機。中央奥の壁際--折り畳んだ横長テーブル、公衆(赤)電話。下手--横長テーブルに椅子2脚。それ以外にホワイトボードや掃除道具、消火器が整然と置かれている。

主人公 若宮慎太郎(魚建サン)は、若い頃に山で遭難した人を助け、ひょんなことからヒーローになる そんな選択をした。しかし、ヒーローらしい特別な力を発揮することもなく、今では団地の管理人をしている。そこへ1人の女子大生 砂川愛美(空みれいサン)が訪ねて来て力を貸してほしいと…。一方、最近 団地へ引っ越してきた女性 丸山奈々(横山胡桃サン)と、住人・主婦 藤田美里(北原芽依サン)が友人のようだが 様子が変。この2つの話が交錯し展開する。最後の3女優による修羅場は圧巻だ。

若宮のヒーロー<スーパー・グレイト・フラッシュ>に係る話は、誰も信じない。そもそもヒーローなんてTVドラマの中だけの存在、冒頭 そんなことを彼自身が自虐的に話している。それでも人の役に立ちたい、そんな願望が生き甲斐になっている。オジサンいや老人になってもロマンが…公演は、そんな儚い?思いを綴っているようだ。
ちなみに、当日パンフに「コケズンバ」は、「『虎穴に入らずんば虎子を得ず』から拝借し、意味は『危険を冒さなければ、大きな成功は得られない』のたとえ」で命名したと。

2人の女性の関係は、学生時代の苛めが絡む復讐。その負の連鎖を断ち切りたいが、若宮にはそんな<力>はない。もともとヒーローの存在など信じていない団地の住人達--小関直樹(迫田圭司サン・小説家)・川俣修(穴吹一朗サン・アルバイト)・宇佐美達郎(飯島タク サン・長距離ドライバー)が面白可笑しく たきつける。繰り返し行う変身シーンが、笑いと哀切を感じさせる。
衣裳替えによって時間の経過を表す。照明の効果的な印象付け、優しい音楽で雰囲気を盛り上げる。

ヒーロー=特別な能力があることを知られてはならない、そのためには一人でひっそりと暮らすこと。だから独身である。ダンシング・ヒーローならぬ団地ング・ヒーロー、しかし本当は地団駄・疲ー労といった心境かもしれない。
次回公演も楽しみにしております。
団地ング・ヒーロー

団地ング・ヒーロー

コケズンバ

サンモールスタジオ(東京都)

2024/05/21 (火) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

キャストの一部変更で未完成の状態の作品でした。でも笑えて楽しめました。5月23日以降は正規のキャストで上演するらしいので、もっと笑えて楽しめる作品になるかも知れません。

マクベス

マクベス

演劇ユニットキングスメン

座・高円寺2(東京都)

2024/05/14 (火) ~ 2024/05/16 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/05/16 (木) 15:00

 劇団シェイクスピアシアターに所属していた平澤智之さんと絵里さんのW演出で、お二人がマクベス、マクベス夫人を演じ、演者のなかには身体障害を持った俳優も交えての演劇という事で画期的だと感じた。

 『マクベス』劇中における役者が、主役や主役級に至るまで、大仰な演技、オーバーリアクションなのには所々違和感や疑問を感じた。まぁ、今回参照にした訳が小田島雄志だったという事にも原因があるような気もするが。
 ただし、普通『マクベス』劇であんまり描かれなかったり、誤魔化したりしがちな夜の営みというか性行の場面や男色を、野性味溢れ、激しく、猥雑に、淫靡にこれでもかと言うくらい舞台前面まで出てきての上下運動、こちらが食い入るように魅入るほどの生々しさがあり、良い意味で座·高円寺2という劇場を見世物小屋かテント芝居か、はたまたかつての九龍城、戦後の浅草場末のストリップ小屋、下谷万年町、上野の山にしたか如くの蹂躙具合でとても良かった。

 大抵の場合マクベス夫人を演じる女優が狂う場面で、狂っている様を演じている感が出てしまうものだが、絵里さん演じるマクベス夫人が狂うところでは、本当に狂っているのではと観客に錯覚させるほど、鬼気迫る感じで良い意味で緊張しました。
 今回の平澤智之さん演じるマクベスは、野性味溢れ、武勲に秀で、性に放蕩であり、自分が成り上がる為には、どんな残酷なことにも手を染めていくが、ところどころコンプレックスを持っていたり、急に臆病になったりと、今までのマクベス像より人間味があって、単なるピカレスクロマン悲劇に終わらせてないところが良かった。
 
 あと、個人的に絵里さん演じるマクダフ夫人とろう者俳優のMiCHiさん演じるマクダフの娘、子役の吉村咲希さん演じるマクダフの娘の3人による窮地に立たされた場面での手話を通して通じてるのか、通じてないのか、アドリブを何気なく盛り込んでるのか、とにかく、意思疎通が出来ているのかどうかが気がかりでもあり、面白くもあり、すごく鮮明に記憶に残った。

デカローグ5・6

デカローグ5・6

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2024/05/18 (土) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

デカローグ十話の中盤5と6の公演を見ても、最初に感じたこの企画への疑問は消えない。このシリーズの原作は旧ソ連崩壊時に、僅かに連帯を生んだポーランドのテレビのシリーズドラマである。
この中盤の二話は原作者もこのテレビシリーズの中心的作品としてきたという。テレビにとって視聴者の地域性は重要であり、この作品でも大いに意識されている。
他国のテレビ作品から感銘を受けることは、テレビを見ていれば経験するとおり、なくはないが、それはほとんどが二次的な感銘である。演劇のように、言葉も肉体も地域に生きる人間たちで作るもので、この地域を越える翻訳作業で成功することは、僅かな古典的な作品を除くと極めて少ない。演劇作品からテレビを作ることは成功することもあるが、逆は非常に難しい。
ことに非常に地域性の強いポーランドの近過去の作品をあえて多額の公金をかけて国立劇場が上演する理由か解らない。
偶然、私は80年代に、東ヨーロッパの旧社会主義衛星国家の幾つかと壁の崩壊前と直後の時期に仕事のためしばしば往復した。80年代にはそれらの地域は、社会的に崩壊の寸前であり、人々はほとんど自らの社会にいろいろな意味で絶望し投げやりになっていた。それは日々の希望があるとか、ないとかのレベル(例えば、現在の日本の困った状況などと比べものにならないレベル)を超えていた。そういう絶望社会に生きた人間たちのドラマを、どう化粧しても、現代の日本人のドラマとして表現できない。
5と6がメインテーマだという作者の言葉はそういう背景があってこそ生きる言葉で、それが我が国で現在頻発している気まぐれ殺人や、思春期に引き寄せて現代世界の共通性である、と理解するのはあまりにも浅薄、無分別だと思う。
今回の公演は、動機のない殺人劇、青春期の異性への関心、というところに絞ってまとめているが、5は、ただおどろおどろしいだけ、6は若干コミカルな味付けもして青春劇になっているがよくある思春期劇で、原作とは遠く離れた世界が描かれている。企画の発想の安易さの見るも無惨な結末である。あまり手に入りやすくはないが、観客がこの作品を翻案理解するためには、まず、映画作品を日本語字幕で見てみることが第一歩だろう。
(原作が理解されなければ、5でも6でも僅かに描かれている宗教の場面の重要な役割や、脇の人物たちの重要性(裁判官になる若い学生や、下宿のおばさん)が理解できないだろう)
ただ、いつもの主催公演は半分も入らないこの劇場の公演が、公演開始後すぐだったとは言え、今回は老人主体だが、7割近く入っていた。このような作品でもシリーズとなれば、役者に華が欲しい。


団地ング・ヒーロー

団地ング・ヒーロー

コケズンバ

サンモールスタジオ(東京都)

2024/05/21 (火) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ヒーローの変身は見事でした。

ネタバレBOX

深刻ないじめの話と、笑いを誘うヒーローの話が、うまく溶け込んで調和していたと感じました。自分のことは自分しかわからない、人は明日起こるかもしれないいいことのために生きるんだ、というメッセージに共感しました。
団地ング・ヒーロー

団地ング・ヒーロー

コケズンバ

サンモールスタジオ(東京都)

2024/05/21 (火) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ひと言、最高!です。お世辞抜きですばらしかったです。今日の主役は声の大きい代役の方?ですね^^ とにかく笑いました。こんなに素直に笑えた舞台は久しぶりです。いや、はじめてかも。最高の時間をありがとうございます!

団地ング・ヒーロー

団地ング・ヒーロー

コケズンバ

サンモールスタジオ(東京都)

2024/05/21 (火) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

いやあ、笑った、笑った。

ネタバレBOX

演者でもある作、演出家のつっこみを交え進んでいく。
このつっこみが上手いのですよ。

今日も演者の一人か代役に。
それによってかえって笑いが増えたのでは?と思うくらい笑いました。

元いじめっこといじめられっこはイスラエルとパレスチナにも重なって見えるような。
映画「ユニコーン・ウォーズ」といい、近頃色々なものがイスラエルとパレスチナに重なって見えてしまいます。
団地ング・ヒーロー

団地ング・ヒーロー

コケズンバ

サンモールスタジオ(東京都)

2024/05/21 (火) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

去りゆくあなたへ

去りゆくあなたへ

劇団BLUESTAXI

ザ・ポケット(東京都)

2024/05/21 (火) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とてもとても面白かったです。2つのお話がきちんとわかりやすく進んでいき、かっこよく、綺麗で、かわいい役者さんたちのひとりひとりの気持ちになってみていました。泣きました。
おひとり初舞台だとご挨拶がありましたが、とてもそうはみえない素敵な娘さん役でした。観れてよかったなーと思う舞台でした。

団地ング・ヒーロー

団地ング・ヒーロー

コケズンバ

サンモールスタジオ(東京都)

2024/05/21 (火) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

昨日に続いて渡辺シヴヲ氏の代役で飯島タク氏が登場。緊急登板を逆手にとったような演出もあり、とても楽しかった。女性陣3人が重たいパートを引き受けていたけど、これも見応え充分。

団地ング・ヒーロー

団地ング・ヒーロー

コケズンバ

サンモールスタジオ(東京都)

2024/05/21 (火) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

22日19時の回を観劇。急遽開演前に出演者変更の話があって理由がわからないのが残念でした。

リンカク

リンカク

下北澤姉妹社

ザ・スズナリ(東京都)

2024/05/15 (水) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

書きかけては中断する事いく度かで延び延びとなったが、その都度書き始めの文言、というか視野が変わっている。実際この芝居はシンプルではなく、時間を経て繋がって来るものもあるんだろう。
曰くありの設定の家族の物語が綴られる。その中心に立つ「本妻」(松岡洋子)は世間的には理不尽な境遇にあるが、彼女特有の感性が終盤でクリアに顕現して溜飲を下げる。この本筋の幹に、ここに絡む周辺の人物らの感性がまた光る。YouTube動画を上げて視聴数を稼いでる長男の打算の産物のように見えた「こだわり」に、共鳴を吐露した女性は、舞踏を踊る人物(今回登場の無かった明樹女史の振付か)。人に見てもらう事を目的としない踊りとは一体何であるか。場から立ち上るもの、人の生きた痕跡が凝縮するその場所で自分は踊りたい、と彼女は言う。自分の生の意味は月や樹木や自然の声を聞く事のためにある、と「あん」のお婆さんは言ったが、踊る事が即ち生の告白であり証明だと言うように踊る彼女の呼吸に、主人公の夫の愛人の娘である大学の後輩は共鳴し共振して行く。一度身投げを考えた主人公をたまたま助ける事となったホームレス女性が、「輪郭とは現実には存在しない」と弁舌を繰る。「それ」は人の想念の中にしか存在しない・・。
作者西山水木は現世界の表層を形作るものの裏側から、言葉を投げる。世界に亀裂が入る。世界が今「そのようにしかあり得ないもの」ではない事に気づかせる幾つもの言葉があった。書き溜めたかったが今は記憶に留まってはいない。しかし作者が周到に水面下から転覆せぬよう浮力を与えて断面を人の眼前に出現させようとした「世界の秘密」に、少なからず触れた気がした。それは希望を掴み取ろうとする一つの形。
多様なイメージを駆使した作劇。満を持してのスズナリ公演を寿ぎたい。

物語ほどうまくはいかない物語

物語ほどうまくはいかない物語

wag.

小劇場 楽園(東京都)

2024/05/18 (土) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

良い空気感のある舞台だった、という感触が残っている。具体的に舞台風景を思い出すと、主人公の小説家志望を演った井上みなみの佇まいだったな、と思う。
結果仲良くなる女子同士の通い合いが、泣ける。その立役者に、どうしようもない男と自認する父が、なっている。
成功者の物語ではなく私たちの物語と思えた事が素直に嬉しかった、観客代表の弁。
役者としての功労者はKAKUTAの森崎健康。編集畑から営業畑に部署替えとなったとの別れがラストに来るが、中々な編集者振りを発揮していた事から、「あり得る事」とは言え「何故?」と追及したくはなった。(ドラマの都合上、である事は分かるが。)
ネタバレになるが小説家の「二人三脚」の設定の背景が解かれて部分は、風景が開け、人間模様を眺める旅であるドラマの醍醐味があり、うまいなと思う。
制約ある「楽園」の使い方もうまかった。

こどもの一生

こどもの一生

あるいはエナメルの目をもつ乙女

インディペンデントシアターOji(東京都)

2024/05/15 (水) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/05/16 (木) 14:00

1998年10月のG2プロデュース版を観てから四半世紀、ほとんど内容を忘れており「あぁ、そうだった♪」もありつつむしろ初見に近い感覚(爆)。で、かつてPARCO劇場で観た作品をこの規模の会場でということで装置のみならず演出・演技まで凝縮された感じ。
その結果、前半のゆるやかなコメディパートと後半のホラーパートの落差も際立ち、まさに脚本・演出・演技の三位一体、的な?
特に後半の「コワい夢を見ている」感覚が見事で、あれこれ各種ホラー系のパターンの原点的なものを本作も使っていると改めて気付いたり。
さて「フローズン・ビーチ」「こどもの一生」に続く第三弾は何になるのか? 早くも楽しみ。

ネタバレBOX

「○○してはいけない」とか「倒したと思ってもしつこく蘇る」とか、古今東西の怪談話の定番では。
物語ほどうまくはいかない物語

物語ほどうまくはいかない物語

wag.

小劇場 楽園(東京都)

2024/05/18 (土) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

物語作家の自虐コメディなのだが、むしろ環境から見た家族コメディになっている。
やっと編集者(森崎健康)に「かまってもらえる」ようになった三十歳ほどの女性本の作者(井上夏美)が主人公である。編集者にデビュー後初の作品を読ませなければならない時期になっていて、できあがった作品を父親(秋葉陽司)の手を借りて、完成するが読ませてみるとまるでダメ。ここから、姉や、同時出発の仲間のフーゾク体験を生かして伸びてきた作者(石川まつみ)が絡んで、あれこれと喜劇的展開になる。
父が家を出ていてが一年ほど前に戻ってきて、娘と共作するようになる、とか、父と編集者がラグビーの共通趣味があるとか、スジの展開では、編集者が最後に職場を変えることになるとか、父親ががんになって余命が少ないとか、最初にスジ売りした肝心の作家としてはどうなるんだ(生き方)という主筋を外した(うまく絡めていない)エピソードが多く、賑やかだが雑然としていてとっちらかっている。
もっと上手く転がして、最後は三十歳を迎える「今を生きる」女の哀感も面白くドラマにして欲しい。とにかくテーマを絞ることが肝心で、人物もエピソードも無駄が多い。(逆にそれがないと転がらない、としているところも見えある。そういう人の良さは演劇ではいけない)。
旧作をいじっている時期ではない。同世代では、少し上の横山拓也はこの時期を上手く乗り切って大劇場もこなせるようになった。経験は何より大事な時期だから乱作と言われてもいい、経験を積むことを期待している。新国立の「12月」やトップスのEPOCKMANの「漸近線」はなかなか良かった。ヴァンダインもなかなか素敵な冒険だった。しっかり頑張れ!


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