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黒き憑人

黒き憑人

GAIA art entertainment

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2015/04/23 (木) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

「黒き憑人」

 「あなたの人生はあと4日で終わります。」そう、言われたらあなたは一体どうしますか?
 
 「あと4日、やり残したこと、思い残しがないように、あなたをお手伝いするのが私の使命。何かやり残したこと、思い残すことはありませんか?」と憑人(死神)に問われたら、あなたは、そして私はどうするだろう。
 
 この舞台を観ている間中、ずっとこの2つの事を考えていた。

 足立優樹さんは、「あと4日」と命の期限を切られた、喧嘩っ早く、我儘で、すぐに物事を投げ出し、自分の事しか考えなかったが、死神の伊座波や暴漢に襲われた乃璃子を助け関わって行くことで、本来のお人好しで優しさと、人の為に動く自分を取り戻し、気持ちが行き違ったままだった父やバンドのメンバー、関わった周りの人々を思いやれるように変わって行く、人気バンドのヴォーカル倉菱礼を丁寧に、繊細にして激しく演じていた。

 実は、「あと4日」の命の期限を切られたのは礼の父であり、礼と気持ちが行き違ったままであることを悔やみ続けていた父の心残りが礼との和解であったことを知った礼が、最後のシーンで父にかけ続けた言葉と姿に、涙が込み上げて、溢れないようにずっと上を向いていた。

 船戸慎士さんの死神は、今までの死神のおどろおどろしいステレオタイプの死神像を軽やかに打ち破り、お茶目ながら、肝心な所では、きっちり強くかっこよく、礼を一番よく理解し、要所要所で、名言をさらっと言いながら、結果的に礼を導いて行く死神伊座波を飄々と演じていた。

 小祝麻里亜さんの乃璃子は父との心の距離に葛藤しながらも、純粋で爽やかな乃璃子だった。

 佐藤和久さんの乃璃子の父、龍之介は、政務と娘への愛情の狭間で悩み、乃璃子への愛情の示し方が解らない、不器用な父の姿を見事に現していた。

 鶴巻美加さんは、三役されたのですが、とても若いのに礼の母の心情が伝わって来て、しみじみした。

 今駒ちひろさんも、三役を演じられたのだが、三役を違う顔で演じられていた。

 最期に、保志乃弓季さんの龍之介の秘書原田は、秘書として、一人の女性としても密やかな想いを抱きつつ、龍之介をサポートして来たのに、龍之介が信頼しているからこそ、良かれと思って秘書ではなく乃璃子のサポート役にしようとしたのを、その意味を取り違えて、乃璃子を誘拐させるという過ちを犯してしまう、切なく強く胸がキュンと痛む一人の女性として描き出していた。

 重い内容になる話を、軽妙に面白く、それでいて「あと4日の人生」と言われた時、自分は何をやり残し、何を思い残したと思うのだろうかと考え、これからどう生きるか、親を始め自分の周りの人、自分と関わった人の事を改めて考えさせられた素晴らしい舞台だった。


                            文:麻美 雪

第42回「a・la・ALA・Live」

第42回「a・la・ALA・Live」

a・la・ALA・Live

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2015/04/25 (土) ~ 2015/04/25 (土)公演終了

満足度★★★

楽しかったです
42回も続くアラアラライブ,いろいろな出し物があって,楽しく観劇しました。主宰の荒山さんの続き物一人芝居は秀作。それ以外は,面白かったものの,印象に薄いなぁ。コンセプトが無いっていうか,勝手な感想ですが,荒山さんの芝居を軸にテーマを与えて,絡むような出し物を考えた方が全体として面白く厚みのある舞台になったと思います。

面影橋で逢いましょう【沢山のご来場、誠にありがとうございました!!】

面影橋で逢いましょう【沢山のご来場、誠にありがとうございました!!】

ラフメーカー

新宿眼科画廊(東京都)

2015/04/21 (火) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★

両バージョンを観ました
戯曲の仕掛けは従前の公演で知っていて、
それが舞台にどう組みあがっていくかを楽しみました。

それぞれの舞台に異なる魅力がありました

ネタバレBOX

平成⇒昭和の順番で観ました

平成バージョンは戯曲の枠組みを台詞や所作にしっかりとのせて組み上げていく感じ。一つずつのシーンが戯曲のディテールにそって組みあがる。従前に感じた戯曲の良さを再確認することができたし、その中に役者が作る個性がしっかりとはまり、そこにくっきりとした舞台の色やエッジをもった厚みが生まれていました。

昭和バージョンは、戯曲を足場にして役者たちが想いを異なる色で膨らませていく。戯曲から外れているわけではないし、その仕掛けは舞台に織り込まれているのですが、それが台詞などよりシーンごとに役者たちが醸す想いのありようとそれを支える空気の重なりに浮かび上がってくる。
平成バージョンよりも物語の末梢のディテールがぼやけている感じはするのですが、なんだろ、その時間の実感は物語の歩みにうめこまれるのではない、ロールたちの想いの推移に顛末がのこされてくような感触がありました。

まあ、戯曲自体の強度があるからこそ、できる試みなのだろうなとは思います。両バージョンを観たあとの感慨が足し算ではなく、ちゃんと掛け算になっておりました。
小林一茶

小林一茶

こまつ座

紀伊國屋ホール(東京都)

2015/04/06 (月) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★

柝(き)の響き
いつもながら役者さんの所作が見事。黒子衆の無駄のない動きもまた。セリフというより、もう役として血肉となった口舌、演技というより憑依に近いと思う。

しかしながら 区切りで打たれるあの柝(き)の響き、あんなにいいものだとは思わなかった。あの音と共に舞台への時間旅行をし、また夢から醒める合図にもなる。そしてやはり舞台というのは神聖なものと思わせる。

「もう一回、抱きしめて。」「ふりだし」

「もう一回、抱きしめて。」「ふりだし」

劇団時間制作

劇場MOMO(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

ふりだし
重いテーマだけれども所々に笑いをちりばめ、とても良いバランスで暗くなりすぎず。
脚本も本当に素晴らしいし。それに負けない役者さんの熱が。
今まで知らなかったのが悔やまれる劇団です。
沢山の人に知ってもらいたいと心から思います

朗読劇 私の頭の中の消しゴム 7th letter

朗読劇 私の頭の中の消しゴム 7th letter

ドリームプラス株式会社

天王洲 銀河劇場(東京都)

2015/04/28 (火) ~ 2015/05/06 (水)公演終了

満足度★★★★★

2人とも物語の波に合わせてスイッチが入る「情熱役者」タイプなのかしら?
鈴木拡樹×竹達彩奈回観劇。

ネタバレも何もないんですが、
2人そろって「上手い」タイプではなかったかな、
ただし、お話の盛り上がり、そして悲しみのクライマックスに
かけてすごく情熱的な演技をされていて、
ここ数年、毎年恒例の泣きモノとして本劇を何度も観劇してた私は、

今回3階ほぼ最後尾という一番悪い席にも関わらず、
2人の演技の「熱」と照明効果の上手さ
(今回ベースをずっと暗めにしてたんですよね)もあって、
幸せパートからもう涙腺は潤みっぱなしでした。

いやあ、竹達さん、芸幅(どんな役をこなせるか)広いとは思ってなかったので、
朗読劇にはあまり期待してませんでしたが、
思わぬ情熱演技にグイグイ引っ張られました(鈴木さんも同じタイプかと)。

「上手さ」より2人の「情熱」が光る舞台でした。

※ 「上手さ」的には☆4つですが、
  2人の「情熱」お芝居に完全泣かされたので5つ、
  とさせていただきます。

ネタバレBOX

序盤、
鈴木さんに比べ竹達さんが役が固めきれていないのか
発する声にアニメその他の「キャラ」っぽさと
地声とが同居してしまい、その上ちょっと声も小さく、

やはりアニメキャラなどではない、
役を自分で固めるタイプの朗読劇には向かないかな?
など思ってしまいました。

そして鈴木さんの方も男性役を演じながらその中での
社長役その他の演じ方に「無理に笑いを取ろうとする」ような
ちょっと朗読劇としては「上手さ」を感じられない、
そんな空気感にそぐわない演じ方をされていたかと。

しかし、男性の悲しい過去からそれが元で会えなくなってからの
半年以上からを演じていく男性、女性(鈴木さん、竹達さん)、
「もう、”情熱”を込めて演じぬく!」という覚悟が決まったのか、
そこからのお芝居には引っ張られまくりました。

照明効果の上手さがすごかったのもあって
(基本暗闇の中のスポットライトで2人の
明るい場面暗い場面がどんどん切り替わっていく)、

本当に一番遠い席、であったにも関わらず
2人の演技にすごく引っ張られました。

そして早い段階から涙腺持ってかれました。
そして周りじゅうハンカチやらティッシュやらで
目をぬぐったり鼻をすすったり、
もう涙のオンパレード、

観客を「上手さ」よりもそのひたむきな「情熱」で
引っ張っていってくれた、思わぬ素敵な舞台に仕上がったと思います。


そもそも本劇「私の頭の中の消しゴム」シリーズは
声優さん+役者さん(?)での組み合わせが基本で、
僕は声優さん側の「新たな一面」や「思わぬ実力」を
観たくて通ってるタイプなのですが、

竹達さんはきっとお芝居その他にも向いてるんじゃないかな( ´ー`)
いつか舞台あるいは銀幕で観てみたいな、
と思わせられましたね。

若いしこれからアニメも舞台もいろんな役を演じてどんどん
芸幅も広げて、今度は動いて泣かせる竹達彩奈さんが観たいなあ、
と思いました。
ねずみのよる

ねずみのよる

殿様ランチ

駅前劇場(東京都)

2015/04/24 (金) ~ 2015/04/28 (火)公演終了

満足度★★★★★

なるほどねー
あちらこちらで ガクッと脱力させられ、笑わせられて、それでも最後まで没入できた 楽しい90分でした。

幕末モノは ウンザリするほど定番のテーマと思いきや、あ、なるほどねー、あえて「あの男」を出さなかったことがよかったかも。

いろんな仕掛けがあって この手法を真似るところが出て来るかもしれないけど、この劇団が他の物を真似ることはないと思います。

でも やっぱり上演中に スマホを覗いてるひとの神経がわかりません。

「Disc 1」

「Disc 1」

サムゴーギャットモンテイプ

サブテレニアン(東京都)

2015/04/25 (土) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★

みてきた
年代さんのオススメにより観てきました。ルデコでみたより面白かった気がします。

谷間にカンパイ!

谷間にカンパイ!

劇団ズッキュン娘

シアター風姿花伝(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/27 (月)公演終了

満足度★★★★

キャラメルボックスにおける「TRUTH」的な作品
カメラマンと婚約し、グラビアアイドルから女優への転進を図るモモコに試練が…な物語。
恋愛要素が減りビター系に変貌、さらに従来は「ライバル」や「意地の悪い人」にとどまっていたのが「悪役」と言える人物を登場させるなど新境地開拓?
よって、ストーリー、人物像とも類型的な部分が無きにしも非ずではあるが、お得意のダンスやお約束の(?)主宰の“アレ”などで差別化して95分弱にまとめたのは巧み。
また、モモコを想う姉の気持ちと終盤でのモモコの決断がイイ。
特に終盤でのモモコの「赦し」に関する部分は、少し前に観た芝居から考えたことと一致して、共感と言おうか「やはりそうだよね」と言おうか。
で、次回公演は恋愛ものの傑作である「2番目でもいいの」の再演とか。藤吉主宰、策士でもある。

ネタバレBOX

【覚書】
主宰のアレ:キレて壊れること
「赦し」に関する部分:赦すことで関係を絶つ
少し前に観た芝居:アマヤドリの「悪い冗談」
「羅針盤」

「羅針盤」

劇団龍門

明石スタジオ(東京都)

2015/04/23 (木) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★★

自分の心の針は舞台を指した
いろいろな場面で選択を迫られるが、その選択とは...。
一見ハードボイルドな場面もあるが、全体的にはエンターテインメントのような仕上げである。テンポよくて最後まで飽きさせない、その観せる魅力を持った芝居であった。

ネタバレBOX

本公演での選択肢は、そう多く提示されない...それどころか究極の選択である。そぅ、自殺するか否かということ。
舞台セットは、奥に2階相当の高さに鉄道の陸橋が横断的に作られ、前方は事務所(探偵事務所、取立て屋事務所)をイメージしており、事務用の机と椅子が置かれている。また、上手の舞台裏はゲイバーの休憩室として貸しているという設定である。このセットはストーリーの展開をわかり易くしており、その演出効果は良かった。
人生における絶望感...父親からの虐待、ゲイという性癖の将来的悲観、過去の罪悔悟、それらの苦しみからの逃避が自殺という究極の選択へ向かわせる。しかし、人間はそう簡単に死ねないとも描く。ここに人間本質の力強さを観せてくれたようでホッとした。
芝居は”心の針はどこを指す”、の問いに人の優しい心に”光を射した”ようだ。
重たい選択と同時に、警官時代の同僚を裏切ったこと、浮気による夫婦喧嘩の果て、これらは別の意味での選択を迫ったようである。選択にも色々な次元があり、これらのシチュエーションが絡み、事務所に輻輳または錯綜して面白く観せるところは秀逸であった。そしてその脚本・演出を支えたのが、キャスト陣である。多少デフォルメしたキャラ設定ではあるが、その人物の魅力が十分出ていた。
ただ、大声なのか怒鳴り声なのか...感情に応じた発声をしていただけると、なお良かった。
全体を通じて観客に楽しんでもらいたい、そういう思いが感じられる好公演であった。

次回公演も楽しみにしております。
ゆうれいを踏んだ

ゆうれいを踏んだ

突劇金魚

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/04/25 (土) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★

初観劇
不思議でパワフルな劇。必要かつ十分な舞台装置をうまく使っていたのが印象的でした。

CRAZY SOUND

CRAZY SOUND

@emotion

d-倉庫(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★★

アクションのクオリティが高い
演劇人*さんの山茶花に出演していたメンバーに加え、ちょいとビターな日曜日出演のまゆおちゃん、そして、初客演のK.J.小城の応援に狂音両パターンを観劇。
山茶花メンバーの安定のアクション能力の高さに加え、各メンバーも良いアクション。
そして、キャラの立ってる配役と人数、これでチケット代が3000円(前売り2800円)は安すぎる…。

物語は初見では少々分かりにくい部分もあったが、狂パターン音パターンでのエンディングの変化、そして考察すればするほど面白味が増してくる。
ただ、その物語の分かりにくい部分で素晴らし音楽にのせてのOPダンスやアクションの感動が薄まってしまったり、見せ場がキャストによっては片方のパターンではなくなっていたりと、一回しか観劇出来ない場合には観客へ伝わりにくく、勿体ないように思えた。
まだ荒削りな部分もあるが、今後の彼らの活躍に注目したい。

ゆめゆめこのじ

ゆめゆめこのじ

自由劇場

神戸大学・出光佐三記念六甲台講堂(兵庫県)

2015/04/24 (金) ~ 2015/04/28 (火)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい!
毎回期待値を超えてくるジゲキさんですが、今回もとても良かったです。

ネタバレBOX

詳しくは自ブログで書きました。

http://ameblo.jp/gooharuhide/entry-12019976487.html
CRAZY SOUND

CRAZY SOUND

@emotion

d-倉庫(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

とても良かったです!
2パターンあるエンディング両方見ることができました。
OPのダンスがとてもカッコよく好きでした🎶
殺陣やアクションの動きが激しく、音楽とマッチしていてとても見応えのある舞台でした。
二つのエンディングを見ることによって理解が深まる感じで良かったです!!

CRAZY SOUND

CRAZY SOUND

@emotion

d-倉庫(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

2パターンを見比べて
初の@emotionの舞台をまさかの2パターンのエンディングがあるといった新しい試みでワクワクでした。実際観てみて、片方ではなく、両方観る方が絶対に得だと思いました。
芝居、殺陣、音響、照明、それぞれ力の入り様が半端なかったです。
殺陣はスピード感が半端なく早く、リズミカルな部分が印象に残っています。
まさしくアトエモのコンセプトである"日常に刺激を"が入っている舞台だったのではないかと思います。
また次の舞台が待ち遠しいです。

明日なきものに勝利あれ

明日なきものに勝利あれ

劇団活劇工房

明治大学和泉校舎第二学生会館地下アトリエ(東京都)

2015/04/23 (木) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度

初見の劇団。
ど頭のフォグを使った演出や、役者の演技(特に緒方役の方)に引き込まれた。設定も面白く、掴みとしては非常に良いものだったと思う。

気になったところとしては、話の大枠はわかりやすいのに、結局理解しづらかったこと。

ネタバレBOX

総じて楽しく観させていただいたが、少々気になったことを記入する。
記憶喪失の主人公が再生医療の利権闘争に巻き込まれる話だが、
中盤になり突如前半の全てが仮想現実空間内の話であったことが判明。
実はそれまでの全ては主人公の娘が見てる夢であった。
ここまではわかりやすいが、その後の展開に理解がおいつかない。
仮想現実空間内であったということは主人公やそのほかの登場人物もすべてクライス細胞の心臓・クララが作った作り物であるにも関わらず、彼らは自我を持ち、自ら戦うことを決意する。そして主人公達は当初の目的とかわらず緒方と戦う(わざわざ特訓したのに結局爆弾で戦うんだ...)のだが、「現実と向き合う」という名目にも関わらず夢の中で戦っているのだ。要するに主人公達は自分が夢の中にいて、自らが作り物であることに気づいていない。
我々観客は、主人公視点でお話を観ているのでなるべく主人公の視点に寄り添おうと思うが、クライマックスの戦闘シーンが全て仮想現実だという情報をすでに知っているため、彼らがなんのために戦っているのか理解できない。
そもそもあの段階で1番大事なのは娘の目を覚まさせることなのでは?
夢の中で主人公達が緒方に勝ったところで現実は何も変わらないし、娘が目を覚まそうという理由にはならないはずだ。
とにかく細かいところでも、主人公達の行動原理に筋が通っていないため彼らが何をやってるのか全くわからないのだが、
この話をややこしくしている一番の原因は、視点の移動がなされていないことだと思われる。
前半は主人公の記憶の話のため、主人公視点で話が進むのは当たり前だが、中盤で仮想現実空間内だとわかってからは、クララと娘以外に現実の人間がいないため、その2人のどちらかに視点を移動しなくてはならないはずだ。娘とクララに視点を移せば、物語後半の軸となるのは「娘が現実と向き合うことができるかどうかの葛藤」だが、この物語は後半クララや娘はほとんど登場せず、現実にいない主人公を視点に置いたまま進む。そのため物語の軸がブレて見え、夢の住人が敵を倒すことだけに奮闘してどうする?という疑問を観客に抱かせてしまっているように思う。
ゼブラ

ゼブラ

ONEOR8

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/04/21 (火) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★★

初ONEOR8を雑遊で。
「雑遊はハズさない」とは成る程その通り、と思い当たり、当日券に並んで初観劇した。劇団<B面>公演とのこと。何度も再演した演目を、団員による企画で上演。それも尤もでうまく出来た本だった。それ以上に俳優が良く、役にハマってえも言われぬ。四人姉妹の現在と過去。既婚の娘二人の旦那、娘に思いを寄せる頭の足りない近所の男、間もなく結婚する娘の婚約者、葬儀社の男たち(兄弟でやって来る設定がうまい。笑える会話が満載)。描き分けられた人物の「らしさ」が悉く的を射ているので「うん」と納得させられる。いつしか全て納得したがってる自分がいる。客の思いを乗せ、そこは逆に裏切ってほしいがそれはなく、一応の幸福結末、そこが不満と言えば不満だが、そのための二時間ではないぞよ、という所は押さえて、最後はきちんと、ダサく終る。笑えた数だけ虚しくなる事のない、衒わずまっすぐに綴られた家族とそれに繋がる人々の物語。であった。

売るものがある性

売るものがある性

財団、江本純子

アトリエヘリコプター(東京都)

2015/04/23 (木) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★

良い感じでした
話しは普通と言うか、超私小説的な作品で、特に面白いといった印象は無いけど、いろいろと趣向を凝らした演出で面白かった。

前作との比較にはならないけど、普通の演劇作品としてみて、楽しめました。

佐久間麻由さんは、前作でも江本さんの作品に出てましたが、とても良い動きをする役者さんで、かなり好きですね。

さらに個人的には、荻野友里さんをあんな使い方出来るのは、江本さんしかいないから、それだけでも見る価値あった。

根本宗子さんのアフタートークも、今回の降板劇や作品の話など、いろいろと聞けて面白かった

ゆうれいを踏んだ

ゆうれいを踏んだ

突劇金魚

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/04/25 (土) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★

2回+αの突劇。一本通るもの有り
昨年の「漏れて100年」(同じこまばアゴラ)で興味が湧き、DVD「富豪タイフーン」を購入して観た。そして今回、当り前だが一本通じる何かがあって、それが自分に無いものなので、見えない水底を探るようなふわっとした気分である。一見突飛なキワモノな設定と人物が、小細工を弄しない舞台上で、目の前に生きてそこに居るという奇妙な感覚が、面白い。役者の存在が大きい。手づくり感溢れる?装置や道具も昨年観たのに共通するが、それしきで壊れない世界がある。最初にみえてなかったものが後から付け加わって来るが、後づけ(平田オリザの言う後出しジャンケン)の語り方ではない(後付け型の好例は拙文)。
別の言い方で言えば、戯曲の<謎かけ>の仕方が特徴的だ。謎は多いが「この疑問を解きたい」という欲求がさほど喚起されない。謎(変数)を解くための方程式が謎の数に及ばないので、解に至らない(変数がxy二つなら方程式も二つ必要)。謎は謎のまま行くのだな、と序盤で悟る。もっとも、説明が少なすぎれば観客の関心は薄まる。この話は確実にどこかへ向かっていると感じるに足る程度のヒントは残しつつ、その方向を限定しない書き方、タッチである。だから前のめりな観劇態度にならないのだが、それでも見続けてしまう。謎の代表選手は登場人物らで、主人公も例外でない。他の怪人らは元より、主人公にさえ感情移入しづらい事は、話の行方への関心を減らしているがそれはデメリットでなく、持ち味である。
登場するキワモノな人々は、マジョリティを横目で見ながら自分らの生き場所を探しているマイノリティ。そういう人達に遭遇するべく運命づけられたかような主人公の「不条理」でもあるが、諸々省略しながらも「出会い」の描き方は本質を穿っている。彼らのキワモノさを高めているのは振る舞いであるが、行為の本質は本音の吐露だ(対話が重ねられる毎に本質が顕われる見事な台詞だ)。振る舞いの奇異さゆえに感情移入を丁重に拒むが、実は身につまされるものがある。

ネタバレBOX

祖母と二人で暮らす主人公の蔓子(つるこ)は、ある時ゆうれいを踏んでしまい(この本人の台詞以外に、状況を知る材料は一切ない)、その日以来頭に芽が出てやがて桜の木をはやしてしまう(この期間についての説明も一切ない)。その期間は蔓子にとっては「自分で何とかしようとした」期間だったが、祖母(お婆)によれば、銀行への就職が目前、お婆が孫自慢できる日も目前だったのにもかかわらず(半狂乱)「引きこもってしまった」期間。
すったもんだあって蔓子は追われるように家を飛び出す。花まで付けた桜を頭に乗っけた異形の蔓子は、エレファントマンのような行く末が待ち受けているかと思いきや、内面的「異形」な者たちとの遭遇により蔓子の「桜を頂く」奇怪さは相対化されていく。「まずそれだろ」と端から突っ込みたくなる所を、「それはとりあえず置いて」別の話が進行する世界というのは、関西ならではのセンスかも知れないが、ある種のユートピアである。際立つのは彼女に出会った彼らのほうだ。蔓子と出会い、一時は愛を育んだ青年が彼女の足跡を追うが、前段で描かれた個々の場面が、別の視点で捉え直されるという面白さもある。「追う青年」はと言えば、カポーティの有名な「ある日居なくなった女」を、消えてもなおそういう彼女を理解し愛している男の視線のように、蔓子を劇的なドラマの主人公に仕立てる。ただ、蔓子のほうは別の場面では登場して、特段ドラマティックでもない心情を吐露して身も蓋もない。
その他の人々。遠縁を頼って淡路島を訪ね、異形の依存関係にある若い兄妹の家へ居候する事になる。兄妹の間に蔓子が入る事で力学が変化し、蔓子が状況を主導できる立場になる。兄妹のやりとりはどちらが異常なのか判らなくなるスリリングさがあった。蔓子と職場の同僚になった女は蔓子を劇団員に誘い入れるが、稽古場の光景は急降下にイタい状況。ある種のカリカチュアかも知れないが、蔓子は真剣にここで頑張ったという後日談が証言される(イタさの面では『嫌われ松子』の匂いも微かに)。最後の「その他の人」であるお婆は、唯一「頭の桜」による社会的な損失を認識する人。目の悪いお婆の元に素性を隠して戻れば、お婆は占い師になっていた。。
もう「一人」の人物は、ゆうれい。当初から舞台上のどこかに出たり消えたりする。彼の関心は蔓子にはなく、頭の桜の木にあって、頭にジョーロで水をやり、大事に育て、満足げに眺めている。もみあって桜の枝を折られた時には物凄い形相で叫んでいた。人間側の事情などお構い無しで、人間らの物語に関わらない。蔓子にはこのゆうれいが見えているようだが、他の人に見えるのかどうかは判らないしその事が焦点化しない。この不思議な位置は最後まで一貫している。これも大きな「謎」だが、観客は「まずそれだろ」と突っ込むことなく謎を謎のままに許した「共犯者」とさせられる。その事はなぜか快い。
ミュージカル『シャーロック ホームズ2 ~ブラッディ・ゲーム~』

ミュージカル『シャーロック ホームズ2 ~ブラッディ・ゲーム~』

キューブ

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2015/04/26 (日) ~ 2015/05/10 (日)公演終了

満足度★★

かなり期待外れで、残念
前回の「アンダーソン家の秘密」が、浦井さんの好演もあり、素晴らしい舞台だったので、かなり期待して観に行ったのですが、今回の作品は、キャストは皆さん大熱演なのに、肝心の作品自体が、大変お粗末な作りで、楽曲、脚本構成、演出全てが、とても雑な仕上がりだという印象を受けました。

何といっても、ミュージカルなら、楽曲の良さが、舞台の良しあしを左右すると思うのに、どの曲も、耳に残るメロディラインではないし、ただ悍ましい歌詞が羅列されるだけの曲は、耳障りでさえありました。

前回作品のような、深い人間描写もなく、ただ、ストーリーだけを、都合よく繋げた感が否めませんでした。

でも、橋本さんと、別所さんの、お二人の存在感ある長身俳優さんの夢の共演は、見た目にも、観客心にも、嬉しい舞台作品ではありました。
たぶん、これまでは、同じ役での舞台出演ばかりで、同時に舞台で共演されるのは、初めてではないかなと思うのですが、またこのお二人の共演作を観たいと思いました。

エドガー役の小西さんの初日でした。今度は、良知さんの方を拝見する予定です。

ネタバレBOX

とにかく、楽曲がまるで美しくありません。

同じような単調なメロディラインで、長台詞が、そこに歌詞として盛り込まれているだけで、役者さんがとても歌い辛そうだし、観客も、歌われている歌詞をきちんと理解できない部分が大半でした。

1幕のストーリー運びが、特に、乱雑で、観ている側の私には、何の興味も高揚感もないまま、幕間になりました。

2幕は、謎解きになるので、少しは、舞台が弾む瞬間もありましたが、もう少し、脚本構成を整理して、人間を深く描写する物語にしない限り、観客の心は、置き去られると思いました。

何しろ、これでは、シャーロック・ホームズが、ひたすら馬鹿げた人物にしか見えず、せっかくの橋本さんの熱演が空振りして、お気の毒でさえありました。

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